職務経歴書の職務要約・職務概要とは?例文と上手にまとめるポイントを解説

職務経歴書の職務要約・職務概要とは?例文と上手にまとめるポイントを解説





職務経歴書では、職務経歴を簡単にまとめた「職務要約」を記載するのが一般的です。職務要約をきちんとまとめられれば、読み手である採用担当者の関心や興味を引きつけることができます。

今回は職務要約の書き方やコツについて、さまざまなパターンを想定した記入例とともにご紹介します。

職務要約とは

職務要約とは



職務要約とは、職務経歴の要点を簡潔にまとめたテキストを指します。通常は職務経歴書の冒頭に記載され、いわゆる「つかみ」として、採用担当者の興味を引き寄せるのが主な役割です。

そのため、職務要約では自身が持つ経験やスキル、強みを明確化し、端的に分かりやすく表現する必要があります。また、やみくもに自己アピールするのではなく、応募先の企業に求められる人材像とのすり合わせを行うことも重要です。

限られたスペースだからこそ、「要点を端的にまとめる」「職務経歴全体と矛盾がないようにする」「企業の人材ニーズを想定する」といった、意識すべきポイントが多いのも職務要約の特徴といえるでしょう。

【例文】職種別の職務要約の記入例

【例文】職種別の職務要約の記入例



職務要約は、それぞれの職務経歴に合わせて記載する必要がありますが、まとめ方にはある程度のパターンがあります。実際の例文を通じて、要約の方向性やコツを探ることで、自身に合わせた表現方法を見つけやすくなるでしょう。

ここでは、職種別の職務要約の記入例をご紹介しながら、書き方のポイントを解説します。

営業職の職務要約の例文

まずは、営業職における職務要約の例文について見ていきましょう。

職務要約の例文
○○○○株式会社に新卒で入社後、7年間にわたって法人営業の経験を積みました。大企業から中小企業まで、幅広いクライアントに対し、課題解決を目的とした提案型の営業を行ってきました。クライアントとの信頼関係の深化に取り組み、現場の方々と手を取り合いながら、伴走型のソリューション提案を追求してまいりました。○○年には契約数で全従業員300名中3位の成績を残し、営業所内のMVPに選出されています。

営業職の場合は、どのような営業スタイルに従事してきたのか(BtoB/BtoC)を端的に示す必要があります。「誰に」「何を」「どのように」という視点から、自身の経験を具体化しましょう。

また、実績には数字を用いることで客観性が生まれます。

販売職の職務要約の例文

続いて、販売職における職務要約の記入例をご紹介します。

職務要約の例文
○○○○株式会社に新卒で入社後、△△店で接客、コーディネート提案、在庫管理に3年間従事しました。●●年からは副店長として顧客管理、店舗のSNS発信、棚卸主導、VMD、スタッフ育成に携わっています。□□年度には全国の系列70店舗において、売上と前期比成長率で第1位を獲得しました。

販売職の場合も、まずは「何を」「どのように」売っていたのかを明記することが大切です。店舗スタッフとして経験を積んできた方は、今まで担ってきた運営上の役割についても触れるとよいでしょう。

また、実績については、上記のように数字を用いて表現するのがコツです。

事務職の職務要約の例文

次に、事務職における職務要約の文例をご紹介します。

職務要約の例文
○○○○株式会社に新卒で入社後、経理アシスタントとして伝票管理や仕訳入力に従事しています。2年目からは小口現金管理や売掛金管理業務も担当しました。5年目からは月次決算補助も担い、より大きな金額を扱うようになっています。主担当として、社内の確認フローの確立と属人的な作業の最小化に取り組み、効率性と正確性を両立させることに成功しました。

事務職においては、営業職や販売職のように、直接的な売上の変化を記載しづらいのが特徴です。しかし、社内でどのように業務を進めてきたのか、改善のために何をしてきたのかを具体化することで、きちんと実績として表現できます。

応募先の企業が求める人材像をリサーチし、アピールポイントを絞り込んでいくとよいでしょう。

エンジニアの職務要約の例文

続いて、エンジニアにおける職務要約の文例をご紹介します。

職務要約の例文
○○○○株式会社に新卒で入社しました。フロントエンジニアとして3年間、主に(HTML/CSS/Type Script/ PHP/Java Script)を用いた□□向けの基本設計に従事しました。△△年からは、Webアプリケーション△△のプロジェクトマネジメント業務に従事しています。現在は10名規模の開発プロジェクトのリーダーを務め、納期管理や品質管理、メンバーの育成、チーム運営に関する業務を担っています。

一口にエンジニアと言っても、幅広い業務内容が存在しているため、職務要約の段階である程度は明確に表現しておくことが大切です。また、スペースにゆとりがあれば、使用言語についても簡単に触れておくとよいでしょう。

チームマネジメントの経験がある方は、リーダー候補としての即戦力が期待されやすいので、積極的にアピールするのがコツです。

管理職の職務要約の例文

続いて、管理職における職務要約の例文をご紹介します。

職務要約の例文
○○○○株式会社に新卒で入社後、□□事業部の営業職として企画立案、プレゼンテーションを担当しました。△△年からは、新設された●●事業部に異動し、部署のマネージャーとして3年間で◆◆円の売上アップを達成しました。▲▲年には課長に昇進、■■年には●●事業部の部長職に就き、約60名の部下の育成・指導を行っています。

一般的に、管理職は長期のキャリア経験が想定されるため、職務要約ではどれだけシンプルにまとめるかがポイントとなります。基本的には現在のキャリアに至るまでの経緯を骨組みとして簡単にまとめ、必要に応じて数字による実績を入れ込むようにするとよいでしょう。

詳しい職歴は、その後に続く職務経歴で触れればよいと割り切って、あまり長くなりすぎないようにまとめるのがコツです。

【例文】シチュエーション別の職務要約の記入例

【例文】シチュエーション別の職務要約の記入例



職務要約は、職種だけでなく個別のキャリアによっても書き方を変える必要があります。ここでは、シチュエーション別の職務要約の記入例を3つのパターンに分けて見ていきましょう。

転職回数が多いケース

転職回数が多いときは、できるだけ一貫したキャリアを積んできた印象を与えるような書き方をするのがコツです。以下の記入例のように、各職歴の共通点を軸にして、必要に応じて詳細を広げていくとよいでしょう。

職務要約の例文
大学を卒業後、法人営業として3社を経験してきました。1社目では食品メーカー向けのルート営業を担当し、クライアントに応じた新商品・サービスの提案業務に携わりました。2社目では医療機器を扱う○○株式会社で、医療機関や研究機関向けの営業に従事しました。既存顧客に対するプレゼンテーション業務に携わり、3年連続で前年比110%の売上実績を築きました。現職ではマネジメントの立場で、業績とメンバー管理を担っています。

職務要約では、1社ずつ詳細に記載するのは難しいため、アピールしたいポイントを絞り込んでまとめる必要があります。記入例のように、法人営業という軸を決めたら、関連する経験を優先的にピックアップしていくのがポイントです。

応募職種が今の仕事と同じケース

応募職種が現在の仕事と同じケースでは、比較的に志望動機やキャリアの一貫性を表現しやすいといえます。

職務要約の例文
新卒後に医療機器メーカーの○○株式会社に入社しました。2年間営業スタッフとして勤務し、●●年からはチームリーダーとして5名のメンバーをまとめながら、売上目標を毎年○○円以上上回る結果を残しました。□□年にはMR認定証を取得し、株式会社△△に入社。MRとして医師や薬局への提案営業に従事しています。

応募職種も同様の仕事であるときは、特に難しく考える必要はありません。キャリアを時系列でまとめれば、自然と一貫性が生まれるので、自身の経験とスキルを淡々とまとめましょう。

応募職種が今と異なるケース

応募する職種が現職と異なるときは、培ったキャリアやスキルをどのように活かしていくのかをきちんと表現することが大切です。書き方を工夫すれば、異なる経験をしている点がプラスに評価される可能性もあるため、丁寧に文章を練るとよいでしょう。

職務要約の例文
福祉関係の学校を卒業後、社会福祉法人○○に入社し、介護付き有料老人ホームの介護職員として5年間勤務しました。食事・入浴・排せつ補助の基本的なスキルを身につけるとともに、〇年目からはユニットリーダーとして、スタッフのマネジメントにも従事しました。多様な患者さまの声に耳を傾け、丁寧に信頼関係を構築しつつ、問題が生じたときには柔軟な解決策を実行しています。介護職で身につけたコミュニケーションスキルやチームワーク、視野の広さを活かし、今後は看護師として患者さまの健康と福祉に貢献したいと考えています。

今までの経験と、新しい分野での関連性をしっかりと明確化し、説得力を持たせて表現する必要があります。自身の経験やスキルを棚卸ししながら、具体的な活用方法を探ってみましょう。

職務要約を上手にまとめるポイント

職務要約を上手にまとめるポイント



最後に、ここまでの内容を踏まえて、職務要約を上手にまとめるためのコツを確認しましょう。

簡潔にまとめる工夫をする

職務要約は短く、簡潔にまとめるのが基本です。1文が長くなりすぎないようにするとともに、3~4文程度に収めて書きましょう。

また、自身の実績や経験に触れるときは、なるべく専門用語を避け、誰にでも分かる平易な言葉で書くことが大切です。特に異業種への転職では、あまり馴染みのない用語は使わず、どの業界でも使用されている言葉に置き換えましょう。

在職期間の長い職歴を中心に書く

多くの会社に勤めていた方は、職務要約で無理にすべての職歴に触れる必要はありません。満遍なく書こうとすれば、文章が長くなり、冗長になってしまう恐れがあるので注意しましょう。

職務要約では、在職期間の長い職歴もしくは直近の職歴を中心にまとめるのがコツです。他のものについては、入社年月と社名、職種程度のシンプルなものにとどめておき、詳しい職歴で記載するようにしましょう。

応募先企業の職種と関連性の高い内容でまとめる

自身の強みを効果的にアピールするためには、応募する企業や職種に合った内容でまとめることが重要です。そのためには、自身の経験の振り返りと、綿密な企業研究が欠かせません。

応募先の企業がどのような理念で経営されているのか、どのようなサービスを扱っているのかを通して、求めている人材像を的確に把握する必要があります。そのうえで、自身の経験やスキルと重なる点をあぶり出し、関連性を見出していくとよいでしょう。

また、実績については、実績は具体的な数字を交えてアピールするのがコツです。主観や感覚的な表現は避け、他業種の採用担当者が読んでも魅力を感じるような内容を目指しましょう。

職務要約は過不足なくまとめよう

職務要約は過不足なくまとめよう



職務要約は、職務経歴を端的にまとめ、採用担当者の興味を引きつけるという目的を持っています。自身の経験や実績、身につけたスキルを明確に記載するとともに、「採用されたときにどのように貢献できるのか」が伝わるような書き方をするのがコツです。

職務要約は長くなりすぎても読みづらくなってしまうため、過不足なくまとめる必要があります。一度内容がまとまったら、時間を置いて読み直し、じっくり推敲を重ねましょう。

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