履歴書の特技欄の書き方|文例とアピールポイントを解説

履歴書の特技欄には、自身の特技に関する事柄を記載します。一見すると仕事には直接的な関係がなさそうな項目ですが、状況や書き方によっては、選考結果を左右する可能性もないとはいえません。
今回は特技欄の書き方や注意点について、実際の文例も踏まえながらご紹介します。また、特技が見つからないときの対処法もチェックしてみましょう。
履歴書における特技欄とは

履歴書には、特技を記入する欄が設けられています。特技欄は、面接官に応募者の人柄を伝えるための項目です。
特技を通じて、「何に打ち込んできた人物なのか」だけでなく「どのような特性を持っているのか」もおおまかに伝わるため、人柄を見極めるのに役立つとされています。たとえば、個人で黙々と打ち込む特技であれば「集中力や持続力が高い」、チームプレーが求められるスポーツであれば「チームワークに優れる」といった印象を受けるものです。
そのため、仕事には直接的な関係性がないように見えても、意外に重視されることが多い項目といえるでしょう。また、特技は面接時の話のきっかけにされるケースも少なくありません。
面接で深堀りされる可能性もあるため、質問を受けたときの準備もしておくことが大切です。
【例文】履歴書の特技欄の記入例

履歴書の特技欄は、人柄について知ってもらうとともに、仕事で役立つスキルを間接的に表現できる場でもあります。自身の特性に応じて、どのような項目・内容をアピールすべきかをじっくり検討してみましょう。
ここでは、3つのパターンを想定して、特技欄の記入例と書き方のポイントをご紹介します。
人柄や長所をアピールする例文
特技欄では、人柄や長所を端的にアピールできるものを選ぶのが適切です。たとえば、学生時代に打ち込んだ部活動をピックアップし、以下のようにスポーツを通じてコミュニケーション能力や行動力、体力といった内容を伝えるのが一般的です。
記入例
特技:野球(小学生の頃に始め、高校・大学では部活動でキャプテンを務めました。現在も地域の草野球チームに所属しています。)
スポーツの経験は前向きな印象を与えることが多く、協調性や積極性、持続性といった部分の評価につながるケースもあります。また、部長やキャプテンを務めた経験があれば、リーダーシップ能力を評価してもらえる可能性もあります。
仕事で役立つスキルをアピールする例文
仕事に役立てられるような特技を持っているときは、優先的に記載するとよいでしょう。たとえば、接客業や営業職の選考を受けるときは、以下のように直接的なスキルについて記載するのも1つの方法です。
記入例
特技は初対面の相手とすぐに打ち解けられることです。学生時代から地域交流の場に顔を出し、年齢・性別・国籍を問わず、どのようなタイプの人とでも親しくなれるようになりました。その場で出会ったほとんどの方とは、現在でも続く良好なお付き合いができています。
特にアピールすることがないと思っていても、過去の経験を振り返れば、自分の長所につながっている出来事が見つかるはずです。上記の例のように、コミュニケーションに関する経験は好印象を与えやすいため、アピールできる事柄がないかを丁寧に掘り下げてみましょう。
業界に関連する特技の例文
応募する企業の業界、業種に関連するスキルを持っているときは、特技欄でアピールすることも可能です。たとえば、仕事でPCを使う企業に応募する場合は、以下のようにアピールするのも1つの方法です。
記入例
特技:パソコンスキル(Word・Excel・PowerPoint・Accessはビジネスレベルで使えます。また、Photoshopを用いた画像の加工・編集も得意としています。)
PCスキルを必要とする業務は多いため、好感が持たれやすい特技といえるでしょう。面接ではどのような業務で活かせそうかを具体的に尋ねられる可能性もあるため、実務での使用例を想定しておくのもポイントです。
【例文】履歴書の特技欄に書かないほうがよい例文

特技欄はある程度自由に記載することが認められていますが、履歴書という特性上、書かないほうがよいテーマ・内容もあります。ここでは、記載を控えたほうがよい内容について、例文とともに見ていきましょう。
一般的によいイメージを持たれないもの
特技欄では背伸びをする必要はありませんが、一般的にネガティブなイメージのあるものは記載しないのがマナーです。具体的には、ギャンブルや飲酒に関するものが挙げられます。
記入例
競馬観戦・予想
競馬やパチンコといったギャンブルについては、応募する企業の事業と関連性がない限り、記載しないほうがよいでしょう。また、たとえ応募先が扱う事業であったとしても、借金トラブルを匂わせるため、マイナス評価につながるリスクがあります。
それ以外にふさわしくないテーマとしては、政治や宗教に関する事柄が挙げられます。個人の信条や思想に関する項目は、本来自由であるべき事柄であり、採用基準に組み込まれるべきではありません。
だからこそ、応募者側からあえて書き込むことにより、「TPOを弁えられていない」というネガティブな印象を与える可能性があります。
実際にやってみてと言われたら困るもの
特技の内容によっては、面接時に「実際に見せてほしい」と言われる可能性もあります。たとえば、以下のような特技は面接官の興味を引きつけやすい反面、本当に得意でなければ記載しないほうが無難といえるでしょう。
記入例
特技:歌(○○コンクール 受賞)
歌やダンス、物まね、漫才といったものは、特技欄に記載しても特に問題ありません。場合によっては、自身の人柄を強く印象づけるきっかけにもなり得るでしょう。
しかし、面接では実際にやってみてほしいと言われる可能性もあるので注意が必要です。
仕事に対する姿勢に疑問が生じるもの
特技は自身の強みやスキルのアピールにつながりますが、表現方法によってはマイナスイメージにつながることもあります。たとえば、以下のケースのように、自分では強みと思っていても、マイナス評価を受けるリスクがある表現もあるので注意しましょう。
記入例
特技:長時間勤務と徹夜(前職では徹夜をしても集中力が低下せず、すべての納期を厳守し続けました。)
長時間勤務や徹夜への耐性は、一見する仕事への責任感が伝わりそうな特徴ですが、かえってネガティブな印象を与える恐れがあります。「効率が悪いのではないか」「周囲にも無理を強いてしまうのではないか」といった点は、業務管理や人事管理の面で不安材料と判断される可能性もあるため、無理に触れる必要はないでしょう。
履歴書の特技欄を上手に書くためのポイント

特技欄に記入する際は、内容が一目で伝わるように分かりやすくまとめることが大切です。採用担当者に前向きな印象を与えるためにも、書き方のコツやポイントをおさえておきましょう。
文章は簡潔に伝える
特技の記入欄はスペースが限られているため、文章は簡潔に記入する必要があります。情報を充実させようと、スペースを目一杯使って文字を詰め込みすぎると、かえって情報が読み取りにくくなってしまいます。
特にこだわりがなければ、特技は箇条書きで記入し、その横や下に具体的な内容を簡潔に記入しましょう。
記入例
特技:細かな作業(飴細工やアイシングクッキーの制作)
また、原則として記載する項目は、特技は1つに絞り込みましょう。たくさん盛り込もうとすると、何をアピールしたいのかが曖昧になってしまうので、内容を絞り込むことも大切です。
応募先の業種や職種に合ったものを書く
履歴書に記入する特技は、できる限り希望する企業や業界にふさわしいものを選びます。たとえば、自動車業界の場合は、自動車や乗り物に関する内容を記入すると自分の強みとしてアピール可能です。
以下の例のように、業務との関連性が深いものであれば、入社後の活躍を期待してもらいやすくなるでしょう。
記入例(製造業の場合)
特技:DIY(木材や金属素材から購入し、自分で家具の設計を行い製作まで実施)
書きたい事柄が複数あるときは、すべてを書くのではなく、志望先企業の業務で活かせる内容の特技をピックアップすると、印象に残りやすい履歴書作成につながります。
具体的なエピソードが話せるものを記載する
履歴書に特技を書くときは、面接時に話題としてあがったときに話しやすいものを選ぶのもポイントです。履歴書に書かれた事柄をチェックして、面接官が興味を持てば面接時に深掘りしてくれる可能性があります。
また、以下の例のように趣味と特技の関連性を持たせると、面接時にピックアップしてもらいやすくなるでしょう。
記入例
趣味:フットサル
特技:チームをまとめること(フットサルチームの監督兼プレイヤーとして、チーム初の地区大会突破に貢献)
あまり興味のないものを書いてしまうと、面接で詳しく尋ねられた際に、スムーズに回答することができません。履歴書の特技欄には、エピソードを広げやすいテーマを選び、面接時に自信を持って話せるように準備しましょう。
履歴書の特技欄に書くことがないときの対処法

自分を振り返ってみても、なかなかふさわしい特技が見つからないという方もいるでしょう。ここでは、特に書けることがないときの対処法についてご紹介します。
「特になし」は避ける
履歴書の特技欄は任意の記載項目となっているため、どうしても見つからないときは、「特になし」と記載することも可能ではあります。しかし、特技欄は趣味とセットになっているため、「特になし」では「選考へのモチベーションが低い」「アピールすべき個性がない」という後ろ向きな印象を与えてしまうでしょう。
特技欄は、応募者の人柄を見るために設けられている項目です。今までの自分自身を振り返り、改めて棚卸ししてみる時間をつくりながら、記載できるテーマがないかを探ってみましょう。
また、現在就業中の方は、仕事の忙しさから趣味や特技に向き合う時間がないケースもあります。直近で見つからなければ、学生時代を振り返り、昔好きだったものにも目を向けてみるのがおすすめです。
好きなものやこだわりを書く
なかなか特技が見つからないという方は、無意識のうちにハードルを上げてしまっている可能性が考えられます。特技といっても、特別に秀でている必要はありません。
自分なりに好きだったり、こだわりがあったりするものを書けば、特技として十分に成立します。たとえば、散歩や料理、読書も、書き方によってはプラスの印象につながる可能性があります。
まずは、日常生活において楽しく感じることや、夢中になって取り組めることを書き出してみるとよいでしょう
周りから褒められることを書く
自分の得意なことは、意外と自分では気がつかないものでもあります。履歴書を作成するときは、さまざまな手続きが必要なタイミングでもあるため、特技について考える時間がない方もいるでしょう。
自分自身で特技を見つけられないときは、周りからよく褒められることを書いてみるのも1つの方法です。また、より手っ取り早い手段として、身近な友人や家族に意見を聞いてみてもよいでしょう。
周りに相談できる友人が多いときは、そもそも人と接するのが好きな点を、コミュニケーション能力のアピールにつなげることも可能です。
履歴書の特技欄に関するQ&A

最後に、履歴書の特技欄に関するよくある質問をご紹介します。
特技に資格は書いてもよいですか?
基本的に、資格は資格欄に記入するのがベストです。しかし、それ以外に記載できる特技がなく、資格についてより深くアピールしたい方は、特技欄に記入しても問題はありません。
資格の内容がわかりにくい名称のものや、あまり一般的でないものの場合は、具体的な内容を補足しておくと親切です。
特技は仕事に関係ないことでも良いですか?
基本的には問題ありません。特技欄は、あなたの個性や人となりを示すものです。直接仕事に関係なくても、コミュニケーション能力や集中力、継続力など、間接的に仕事に活かせる要素をアピールできる場合があります。ただし、あまりにも業務内容とかけ離れた内容や、ネガティブな印象を与える可能性のあるものは避けるべきでしょう。
趣味と特技の違いは何ですか?
一般的に、趣味は「楽しんで行うこと」、特技は「人より優れていること、得意なこと」を指します。 しかし、明確な区別があるわけではありません。趣味として続けていることが、人よりもうまくなったのであれば、特技として記載しても良いでしょう。例えば、「読書(年間100冊以上)」は趣味とも言えますが、「速読(一般的な速度の3倍で内容を理解できる)」であれば特技としてアピールできます。
特技欄の重要性とポイントを正しく理解しておこう

履歴書の特技欄は、自身の人柄や強みを知ってもらう大切な項目です。企業が属する業界や、取り扱う業務内容との相性によっては、特技が評価を押し上げてくれるケースも少なくありません。
さらに、特技は面接時の話題になることも多いので、「特になし」と記載するのはできるだけ避けましょう。また、面接で深掘りされたときに、受け答えがスムーズにできる内容がおすすめです。
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