履歴書の趣味欄の書き方|基本的なポイントと文例を紹介

履歴書の趣味欄には、自身の趣味を簡単な説明文とともに記載します。趣味は人柄を端的に表すと考えられており、採用選考でも意外に重視されることが多いといえるでしょう。
今回は、履歴書の趣味欄の書き方について、実際の文例を紹介しながら細かなポイントや注意点を解説します。
趣味欄が重要な理由

履歴書には、趣味を記入する項目があります。趣味欄は基本的に自由な記載が認められていますが、書き方によって採用担当者に与える印象が変わる場合もあるので、丁寧に向き合うことが大切です。
ここでは、趣味欄の重要性について、3つのポイントから確認してみましょう。
採用担当者に印象を残せる
趣味は履歴書全体を通してみても、特に人柄が表れやすい項目です。学歴や職歴は事実を淡々と記入するのに対し、趣味欄は簡単な説明文を差し込めるので、人となりを表現しやすいといえるでしょう。
そのため、書き方次第では採用担当者に強い印象を残せる可能性があります。趣味欄を通じて、採用担当者に「面接で会ってみたい」と思ってもらえれば、書類選考で有利に働きやすいのです。
また、趣味として記載したテーマは、面接時のアイスブレイクとして用いられることもあります。緊張感が生まれやすい面接という場において、趣味はリラックスして話せるきっかけとなります。
アイスブレイクによって、面接官との距離が自然に縮まれば、自信を持ってコミュニケーションを図れるようになるでしょう。
カルチャーフィットの判断材料になる
採用担当者からすれば、応募者の趣味は、社内の人材や社風との相性を確かめる判断基準になります。どのようなことが好きなのかを知れば、応募者の人柄や長所を間接的につかめるため、自社との相性をある程度まで見極めることが可能です。
また、休日の過ごし方を通じて、ストレス耐性が見極められることもあります。うまくリフレッシュできているかどうか、ストレスとどのように向き合っているのかを知ることで、仕事のパフォーマンスを間接的に測れると考えられています。
志望度がチェックされる
趣味欄が重要な理由として、志望度がチェックされるという点が挙げられます。趣味欄の記入は任意とされていますが、内容や書き方によっては、志望意欲の高さを知ってもらうことも可能です。
たとえば、企業の取り組みと関連性がある内容であれば、しっかりと企業研究をしていることが伝わる可能性があります。また、趣味の幅を通じて、好奇心の強さや行動力を示すこともできるでしょう。
そのため、自身の志望意欲を知ってもらううえでは、「特になし」という記入は避けるべきであるといえます。きちんと自身に向き合い、面接でも自信を持って話せるような趣味を探ることが大切です。
【例文あり】趣味欄の書き方

趣味欄には決まった書き方はありませんが、おおまかに「箇条書き」と「文章」の2パターンが考えられます。ここでは、それぞれの書き方について、具体例を用いながらご紹介します。
箇条書きの場合
箇条書きの場合は、最初に名詞で趣味の内容を表現し、カッコ書きで説明文を加えるのがオーソドックスな方法です。
記入例
趣味:サッカー(小学校から大学まで続け、高校・大学ではキャプテンを務めました。現在も地域のフットサルチームに所属しています。)
趣味については、学生時代に打ち込んでいた部活動を記入するケースも多いです。説明文には、具体的な数字や実績(○○大会入賞)を記載すると、内容により説得力を持たせられます。
文章でまとめる場合
文章でまとめるときは、文字数のバランスに注意する必要があります。多すぎれば読みにくくなってしまう一方、少なすぎてもモチベーションが低い印象を与えてしまうので、過不足のない表現を目指しましょう。
記入例
全国の温泉地を巡ることが趣味です。現地の食文化に触れながら、地域ごとの特色がどのように育まれていったのかに興味を持つようになりました。貴社のような地域に根ざした食品メーカーで、人々の暮らしを支える「食」を通じて、社会貢献をしたいと考えています。
PCでも手書きでも、視認できる大きさのフォントで、バランスよく配置できる文字量を心がけるのがコツです。詳細なエピソードは、面接時に尋ねられたときに伝えるものと割り切ってしまうとよいでしょう。
【例文あり】好印象につながる趣味の具体例

趣味を書くときには、採用担当者に与える印象を意識しながら検討することも大切です。背伸びをする必要はありませんが、趣味が複数あるときは、好印象につながりやすいものを優先的にピックアップしましょう。
PC関連の趣味
パソコンはさまざまな業界で必要なツールであるため、関連する趣味があれば、前向きな印象を与えやすいといえます。たとえば、写真の趣味について記載する場合、以下のように表現すれば、パソコンに強いというイメージを持ってもらいやすくなるでしょう。
記入例
趣味:写真撮影(自然や動植物を撮影するのが趣味であり、Photoshopを使った加工・編集にも力を入れています)
具体的なツールを併記すれば、単に写真撮影と記載するよりも、普段からパソコンを使い慣れている様子を知ってもらえます。
チームスポーツ
スポーツは前向きな印象を持ってもらいやすい趣味の代表格です。特にチームスポーツに取り組んだ経験があれば、コミュニケーション能力やチームワークをアピールするきっかけとなります。
記入例
小学校から大学までバスケットボールをしており、主にポイントガードとしてパスワークを磨きました。高校ではキャプテンとして母校初の県大会準優勝に導きました。チームメンバーの動きを予測しながら、的確な戦略を実行する力が身についたと考えています。
スポーツについて記載するときは、具体的な実績にも触れるのがポイントです。また、目立った実績がなくても、スポーツ経験から得られた能力やスキルは、十分にアピールポイントとなります。
語学関連の趣味
応募先の業界や企業の事業内容によっては、語学力がアピール材料になることも多いです。語学に関連した趣味があれば、優先的にピックアップしてみてもよいでしょう。
記入例
趣味:海外旅行(学生時代にニュージーランドへ1年間留学しており、現在も英語圏の国へ旅行に訪れています。現地の人々や文化に触れ、新たな知見を広げられる時間を大切にしています。)
海外に事業展開をしている企業であれば、語学力や現地への適応能力は高く評価されるポイントとなります。また、上記の記入例では、新しい環境に飛び込んでいける行動力や柔軟性を評価してもらえる可能性も高いといえるでしょう。
業務に関連した趣味(美容・クリエイティブ)
応募先の業務に関連した趣味を持っている方は、優先的にアピールするのがおすすめです。たとえば、美容業界で働くのであれば、以下のように趣味を表現してみると、自身の強みをアピールしやすいといえます。
美容・コスメの最新情報を集めるのが趣味です。SNSや大型店舗での情報収集を基本としていますが、ときには韓国に出向いて新商品を試すこともあります。この知識と行動力を貴社の商品開発・広告宣伝に活かしたいと考えています。
業務での活用方法が明確に表現できているため、採用担当者の目に留まりやすく、前向きな印象を与えやすいといえるでしょう。また、具体的なエピソードを通じて、行動力や熱意を伝えるのもポイントです。
趣味欄に記載しないほうがいいもの

趣味欄は自由に記載することができますが、なかにはイメージダウンにつながるテーマもあるので注意が必要です。ここでは、記載を避けたほうがよいテーマや内容について詳しくご紹介します。
ギャンブルやお酒に関するもの
ギャンブルは「金銭トラブルのリスク」や「自己管理ができない」といったマイナスイメージを与える恐れがあるため、履歴書に記載するテーマとしてはふさわしくありません。また、お酒も健康面や出勤への影響が懸念される可能性があるので、記載は控えたほうがよいでしょう。
たとえ応募先の企業が事業としてギャンブル・お酒を扱っていても、プラスに働くとは限りません。履歴書は仕事のための書類であるという点を踏まえて、ネガティブな印象がある趣味には触れないほうが無難です。
ビジネスマナーに反するもの
履歴書では、基本的なビジネスマナーも見られていると考えることが大切です。個人の思想や信条は自由ですが、あまりにも政治や宗教色の強いものは、採用の場にそぐわないと判断されるリスクがあるので注意しましょう。
また、当然ながら過度な誇張表現や嘘もNGです。趣味欄は面接時に詳しく掘り下げられることもあるため、嘘の記述を行えば、質問されたときに食い違いが生じてしまいます。
仮に採用されたとしても、入社後に嘘が発覚して信用を損なう恐れがあるので、あくまで誠実に記載することが大切です。
企業の風土や労働条件に合わないもの
趣味は無理に応募先に合わせる必要はありませんが、念のために企業風土や労働条件をチェックしておけると安心です。たとえば、土日出勤がある企業にもかかわらず、土日を必ず費やす活動について記載すれば、労働条件が合わない点を懸念されてしまう可能性があります。
同じように、長期休暇が難しい企業を受けるときに「海外旅行で必ず2週間のバカンスをとっている」と記載すれば、条件面で不安を感じさせる恐れがあるでしょう。神経質になる必要はありませんが、スムーズに選考を進めるためには、応募先の情報と照らし合わせてみるとよいでしょう。
趣味欄は自分の人柄を知ってもらう大切なスペース

履歴書の趣味欄は、自身の人柄や強み、興味の方向性を知ってもらう重要な項目です。採用担当者からすれば、企業のカルチャーに合っているか、ストレス解消が上手かどうかを見極める材料にもなっています。
また、趣味について考える時間は、自分を深く見つめるきっかけにもなるでしょう。履歴書を作成するタイミングで、じっくりと自分の身の回りや過去を振り返ってみるのがおすすめです。
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