履歴書は就職活動において欠かせない書類です。自身の情報を伝える書類のため正確に記入する必要がありますが、正しい書き方がわからず悩む方もいます。とくに、通勤時間欄についてはシンプルながら「時間はどのように記入したら良いのだろう」「通勤時間によって合否が分かれるのではないか」と悩みます。
本記事では、履歴書における通勤時間の必要性や基本的な書き方、イレギュラーなパターンの書き方などを紹介します。担当者が求職者の通勤にかかる時間から何を判断しているのかも解説するため、こちらを参考に、適切な書き方を身に付けましょう。
一般的に通勤時間は、「自宅から職場までの所要時間(片道)」です。電車やバスなどの公共交通機関を利用しているタイミングだけではなく、自転車や徒歩で移動している時間も含めて計算し、記入しましょう。
なお、履歴書に記入された通勤にかかる時間は、企業側が採用条件を満たしているか判断する材料の一つになります。一部の企業では、住宅手当の支給や社宅に入居するかどうかを移動にかかる時間によって判断するため、求職者側は正しい情報をわかりやすく記入するのが大切です。
こちらでは、通勤時間欄の記入方法を紹介します。
紹介するポイントは以下の7つです。
誤った記入をしてしまうと、交通費の支給金額の決定や上限の確認など、企業側の対応に支障をきたす可能性があります。適切かつ相手が見やすい書き方を意識して、履歴書を準備しましょう。
片道にかかる所要時間かつ家を出てから会社に着くまで(ドア・トゥ・ドア)の時間を記入しましょう。公共交通機関を使用している時間だけではない点に注意が必要です。家から最寄り駅に向かうまでの歩いている時間や、会社の最寄り駅から会社に到着するまでの移動時間など、すべて計算に含めます。
通勤時間
自宅より徒歩と電車
約 1時間 10分
また、基本的に片道にかかる時間を記入する点もポイントです。履歴書が往復の時間を記入する仕様になっていたり、応募企業側から往復の指定があったりした場合は、そちらの指示にしたがって記入してください。
移動にかかる時間は、正確かつ5分単位で記入しましょう。正確性は大切ですが、バスや電車の乗り継ぎによっては数分単位のズレが生じるため、1分単位の時間は切り上げ、切り下げして記入します。たとえば、片道の所要時間がおよそ34分であれば「35分」、51分なら「50分」と、切り上げ、切り下げを行い、記入してください。
通勤時間
自宅より徒歩と電車
約 1時間 15分
会社によっては、履歴書に記入された通勤時間をもとに、配属先や社宅、住宅手当の対象者となるかを判断するケースもあるため、あいまいな予測で記入するのはやめましょう。5分単位で正確な情報を記入することが大切です。
応募先企業によっては、通勤にかかる時間が1時間に満たないときもあります。1時間に満たないのであれば、「〇時間」の箇所には、「0時間」と記入しましょう。なお、履歴書によっては、「〇時間〇〇分」と書き方に迷わないよう、型が印字されているものもあります。
通勤時間
自宅より徒歩と電車
約 0時間 45分
1時間未満の場合、「〇〇分の箇所だけ記入すればいいのでは」と考える方もいますが、「〇時間」部分に記入がないと、書類を受け取った相手は通勤時間が短いのか、単なる記入漏れなのかを判断できません。相手の確認の手間を省くためにも、1時間未満の場合であっても「〇時間」への記入を忘れないようにしましょう。
応募先企業の所在地によっては、1パターンではなく複数パターンの経路になる可能性があります。複数の経路を選択できる場合は、一番早く着く経路を通勤欄に記入してください。
自宅や企業の最寄り駅が、JRや私鉄など複数路線存在する場合も考えられます。入社後は最も早く着く経路を利用するケースが多いため、履歴書にもその所要時間を記入しましょう。
通勤時間
自宅より徒歩と電車 ※特急電車を利用しない場合の所要時間を記入しています
約 1時間 10分
ただし、新幹線や有料の特急を利用する通勤経路は、所要時間が短いですが現実的ではないため除外しましょう。また、実際に入社した後の交通費の支給では、短い経路ではなく最も安い通勤経路の費用が支払われる可能性もあります。
通勤時間欄には、電車、バス、車など具体的な交通手段を記入します。車を記入する場合は「自家用車」と表現しましょう。交通手段を記入すると、入社後の通勤にかかる求職者の負担が判断しやすくなります。
通勤時間
自宅より自家用車
約 1時間 10分
なお、マイカーやバイクでの通勤は、企業によって許可を取れば問題ない場合もあれば、禁止されている場合もあります。車を所有していてマイカー通勤を検討している方は、事前に企業情報を確認すると良いでしょう。
複数の交通手段を使って出勤できる場合、電車の経路を優先して書きましょう。電車だけを利用した通勤、バスだけでの通勤、マイカーでの通勤など、複数の交通機関が使えると記入方法に迷います。電車通勤を優先して記入するのは、正確な時間が判断しやすいためです。
通勤時間
自宅より自転車と電車
約 1時間 10分
車は、道路の混雑状況や信号のタイミングによって、通勤にかかる時間が変動しやすいです。バスも同様に、時刻は決まっていますが道路状況によって、到着時刻は左右されるでしょう。電車は、人身事故や緊急停止などの大きなトラブルがない限り、分単位で正確に到着します。なお、記入スペースに余裕がある場合は1つの交通手段に絞らず、複数の手段を記入しても問題ありません。
移動にかかる明確な時間がわからない場合でも、通勤時間欄を空白で提出しないよう注意しましょう。空白のまま提出してしまうと、企業側が記入漏れなのか、移動にかかる時間が不明なのか判断できません。確認の手間を増やしてしまう可能性があるため、所要時間がわからない場合でも何かしらの記入を行います。
通勤時間
約 ー時間 ー分 ※採用後に会社の近くへの転居を予定しています
通勤にかかる時間が何らかの理由で不明または未定である場合は、その理由を記入しましょう。事情を記入しておけば、企業の担当者も記入漏れではないと判断できます。通勤時間がちょうど1時間の場合、「〇〇時間〇〇分」の型が付いている履歴書では、「1時間00分」と、分の箇所にも必ず記入してください。
当然ながら通勤時間は正確に書く必要があります。こちらでは、移動にかかる時間の調べ方を紹介します。交通手段によっておすすめの調べ方が異なるため、自分の通勤方法にあわせて調べやすい方法を選択しましょう。
自宅から応募企業まで、公共交通機関のみを利用して通勤が可能な場合は、インターネットやスマホのアプリで確認できる乗換案内サービスを利用しましょう。自宅と会社の最寄り駅の名前を入力すると、瞬時に経路と所要時間が表示されます。価格が安い順、所要時間が短い順などの条件にあわせて、表示してくれるものもあります。
公共交通機関の時刻表は、時間帯によって異なるため、実際に出社する時間帯で検索をかけるとより正確な通勤時間がわかるでしょう。また、乗換案内サービスで検索した際は、自宅と最寄り駅間の移動と、会社と最寄り駅間の移動時間を含めるのを忘れないよう注意が必要です。
電車とバス、自転車と電車など、公共交通機関でも複数の移動手段を組み合わせる必要がある場合は、乗換案内サービスよりも、地図検索サービスが便利です。徒歩や自転車など、公共交通機関以外の移動手段にかかる時間もまとめて計算できます。地図検索サービスを利用する際は、自宅と会社の住所を入力して検索をかけましょう。
こちらでは、ケース別に履歴書への通勤時間の書き方を紹介します。今回紹介するパターンは以下のとおりです。
・応募時点で転居することが決まっている場合
・採用決定後に引っ越す予定の場合
・勤務地が複数あり配属先が未定の場合
・フルリモートで出社がない場合
イレギュラーなパターンでも適切に記入できるよう参考にしてください。
企業に応募した時点で、引っ越しによる転居が決まっていて、応募企業に採用された際に新しい住所からの通勤を予定している場合は、新しい住所からかかる移動時間を記入します。補足として、「〇〇年〇月〇日転居予定」や「新住所からの通勤時間」など、居住地の変更があると伝わりやすい書き方をすると親切です。
通勤時間 ※新住所からの所要時間を記入しています
自宅より徒歩と電車
約 0時間 30分
なお、履歴書提出時点で郵便物を新居で受け取れる場合は、履歴書の住所欄に新居の住所を記入しましょう。
採用決定後に引っ越す予定であり、履歴書提出時点ではまだ引っ越し先が決まっていない場合は、通勤時間が判断できません。その場合は、無理に具体的な時間を記入しなくてもかまいません。ただし、項目を空欄のままにするのは避けましょう。
通勤時間 ※近々転居の予定あり
約 ー時間 ー分
先述したとおり、履歴書の項目欄に空白があると、記入漏れなのかあえて記入していないのか、担当者は判断できません。求職者に対して確認を取る手間を発生させてしまうため、引っ越し予定先が決まっていない場合は、「近々転居の予定あり」「転居予定のため不明」などの理由を記入しておきましょう。なお、理由を通勤時間欄に書ききれなかった場合は、本人希望欄に追記します。
応募先企業の勤務地が複数ある場合や、募集時点で配属先がまだ決まっていない場合は、適切な通勤時間を計算できません。希望する勤務地や配属先を一つに絞って、自宅からかかる移動時間や交通手段を記入します。
通勤時間
徒歩と電車 ※〇〇支社所勤務の場合
約 1時間 10分
「〇〇支社勤務の場合」など、どの勤務先への交通手段かわかるように記入しましょう。
応募先企業がフルリモートを推奨していて、オフィスへの出社がない場合でも、履歴書の通勤時間欄は、空白にしないよう注意します。通勤がない場合は「ー時間ー分」のように、枠内にハイフンを記入しておくと、通勤がないために記入されていないと担当者も判断しやすいです。
通勤時間 ※在宅勤務のため形式上、本社までの通勤時間を記入しています
バスと電車
約 1時間 30分
自宅から本社まで到着するのにかかる時間を記入して、一言補足を加えるのも良いでしょう。
こちらでは、面接官が履歴書の通勤時間から判断する内容を紹介します。応募した際に、履歴書に記入した内容がどのような事柄に影響するのか気になる人も多いでしょう。担当者が移動にかかる時間から何をチェックしているのかを知り、その情報がわかりやすい記入方法を意識できるようにすることが大切です。
担当者は、求職者の通勤時間が長すぎて、入社後に負担とならないかを確認しています。移動の時間が長いと、オフィスで勤務している時間以外にも拘束される時間を負担に感じてしまう可能性があります。混雑した電車での長時間移動をストレスに感じたり、移動が長いために睡眠時間が不足したりなど、求職者の負担となり業務に支障をきたしてしまうケースもあるでしょう。
また、交通費の支給上限を超えてしまい、求職者自身に交通費の負担がいってしまうのではといった懸念点もあります。一般的な通勤圏内の時間は、90分以内といわれています。
会社によっては交通費の支給に上限を設けず、全額支給している場合もありますが、1回の交通費が高ければ会社の負担も増えてしまうでしょう。時間や経路から、企業側が支給する交通費の負担が大きくなりすぎないかをチェックしている場合もあります。
交通費は毎日かかるものであり、小さな額であっても社員数が増えればその分毎月の負担も大きくなるため、会社にとっては重要な項目です。なお、会社が負担する交通費の上限は、一般的に1か月3万円ほどといわれています。
通勤時間が長いと、求職者側にも会社側にも負担が発生する可能性があると紹介しましたが、採用の場面において影響するのか気になる人も多いでしょう。結論としては、移動時間が長いだけで採用が不利になる可能性は低いと考えられます。
しかし、長いことによる企業側の交通費の負担や求職者自身の仕事への影響などから、あまりにも移動時間が長いと不安を抱く担当者もゼロではないです。ほかの条件が同じような求職者がいた場合、最終的に比較検討する際の判断材料になる可能性はあります。
履歴書の通勤時間欄は、企業側と求職者側どちらの負担も大きくなりすぎていないか確認するために必要な項目です。入社後に適切な判断と対応をしてもらえるよう、所要時間を正しく記入しましょう。
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