履歴書は、就職活動において最も重要な書類の一つです。氏名や住所などの基本情報から志望動機まで記入項目はさまざまですが、いざ書き始めると書き方がわからなかったり、空欄ができてしまったりすることがあります。本記事では、履歴書に空欄を作らないポイントと、書くことがないときの対処法について解説します。履歴書においての空欄は、採用担当者に良くない印象を与えてしまう可能性があるため、正しい対処法を知っておきましょう。
履歴書に空欄があると、書き忘れたのか、もしくは故意に空欄にしているかがわからず、採用担当者に悪い印象を与える可能性があります。特に、志望動機欄を空白にするのは絶対に避けましょう。志望動機は、応募企業への熱量を示す重要な項目であり、採用可否に大きく関わりますが、空白にすると入社意欲が低いと判断されてしまいます。
ただし、学歴や職歴欄における空白は、正当な理由があれば問題ありません。たとえば、育児や両親の介護、転職活動期間など前向きな理由がある場合、マイナスに捉えることはないでしょう。
ここでは、履歴書を書く時のポイントをご紹介します。
履歴書は、自らの経歴や熱量をアピールする重要な書類です。できる限り空白をなくし、各項目をしっかりと埋めて提出しましょう。
空欄があると、「注意力の欠如による書類の記入漏れ」「応募企業への熱意の低さ」など、ネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。
本当に書くことがない場合は、「なし」または「特になし」と記入します。空欄を作らないために、事前に履歴書の項目をよく確認し、書き漏れがないように注意しましょう。
履歴書は基本的にすべて埋めた方が良いですが、資格を持っていないようであれば「特になし」と記載しましょう。学歴・職歴欄に空白期間がある場合などは、理由を記載すれば、無理に埋める必要はありません。
もし、ネガティブな理由であっても、正直に説明することが大切です。経歴詐称は企業からの信頼を失うだけでなく、法的な問題に発展する可能性があるため、虚偽の内容を記載するのは避けてください。
「特になし」や学歴・職歴欄に空白期間があっても、志望動機や自己PRなど、記載すべき項目が埋まっていれば選考に大きく不利にはならないでしょう。
履歴書には空欄でも良い項目もありますが、「志望動機」欄は必ず記入するようにしましょう。志望動機欄は、応募企業への熱意や入社意欲を示す重要な項目です。空欄だと、熱意不足と捉えられ、書類選考で落とされる可能性が高くなります。また、志望動機は単に企業理念を書き写すのではなく、なぜその企業を志望するのか、入社したらどのように貢献したいのかを具体的に書きましょう。自分の言葉で熱意や動機を記入し、面接官に熱意を伝えることで採用に大きく近づきます。
ここでは、履歴書が空欄にならないためのコツをご紹介します。
志望動機は「なぜその企業を選んだのか」「どうしてこの企業で働きたいのか」を明確にしたうえで記入します。まずは企業理念、事業内容、社風を理解し、自分がその企業で働きたいのか、なぜ惹かれているのかを考えましょう。単に企業理念を書き写すのではなく、なぜその企業理念に共感するのか、自分の経験やエピソードを交えて書いていきます。具体的なエピソードは、熱意や意欲をより明確に伝えることができます。
また、企業研究と合わせて、自己分析も行いましょう。自分の強みやスキル、価値観を理解することで、自分がその企業でどのように貢献できるのかが見えてきます。
長所・短所を記入する前に、自己分析を行い、客観的に自分自身を分析することが重要です。自分の性格、行動パターン、価値観などを理解することで、長所と短所を明確にできるでしょう。
長所は単に「責任感がある」「コミュニケーション能力が高い」といった抽象的な言葉ではなく、具体的なエピソードを加えましょう。採用担当者側も「この人が入社したらどんな貢献をしてくれるのか」をイメージしやすくなります。
短所は、自分の弱点を羅列するのではなく、克服に向けてどのように取り組んでいるのか、改善策を合わせて記入します。短所を自覚し、改善しようとする姿勢は企業にとって好印象を与えます。
資格や免許を持っていない場合は、「特になし」と記入しても問題ありません。現在、資格や免許がなくても、取得に向けて勉強中のものは積極的に記載しましょう。資格取得に向けて努力している姿勢は、採用担当者に良い印象を与えることもあります。
資格や免許の取得年月日を記入すると、より具体的な情報となり、評価の判断がしやすくなります。また、資格や免許は正式名称で記入しましょう。正式な書類において、略称や通称で記載することは失礼にあたりますので注意が必要です。
自己PRを書く前に、きちんと自己分析を行い、自身の強みを理解しましょう。過去の経験や実績を振り返り、自分がどのような場面で力を発揮できたのか、どのような強みを持っているのかは、面接時も役に立ちます。
強みは、具体的なエピソードで裏付けることが重要です。過去の経験から、どのように強みを活かして、どんな成果を上げてきたのかを具体的に記載しましょう。また、応募企業によって、求められる人物像は異なります。企業研究を行い、その企業がどのような人物を求めているのかを把握したうえで、自己PRの内容を調整しましょう。
趣味・特技欄は、人間性や個性を知ってもらうための重要な項目です。空欄だと、何も興味や関心がないような印象を与えてしまいます。単に「読書」「映画鑑賞」といった項目ではなく、具体的にどのような内容なのかを書きましょう。たとえば、「小説を読む」「SF映画が好き」といったように、より具体的にすることで、面接官との会話が弾むきっかけにもなります。自分では趣味・特技が思い浮かばない場合は、家族や友人などに聞いてみるのも良いでしょう。
健康状態欄は、業務に支障がないことをアピールする場です。健康状態に問題がなければ、「良好」などと記入しましょう。持病や病歴がある場合は、隠さずに正直に申告してください。申告せずに業務に支障が出てしまうと、企業に迷惑をかけてしまいます。持病や病歴があったり、定期的な通院などが必要な場合は、具体的に記入しましょう。たとえば、「月1回の通院が必要」といったように情報を提供することで、健康状態を踏まえたうえで採用を検討することができます。
履歴書の本人希望欄は書く内容が多岐にわたりますが、実際何をどのように書けば良いのでしょうか。
本人希望欄は、給与や勤務地、勤務時間など、希望する条件を記入する欄です。空欄だと、記入忘れと捉えられてしまうおそれがあるので、特に希望がない場合は、「貴社の規定に従います」と記入するのが一般的です。また、希望がある場合は具体的に記入しましょう。たとえば、「勤務地は東京希望」「残業は月20時間まで」といったように、具体的かつ簡潔に記入することで、企業は希望に沿った人材配置を検討することができます。
企業に希望する条件があっても、書きすぎないようにしましょう。希望にそぐわないと「入社しないのでは」と企業に思われてしまう可能性があります。希望条件は、譲れない条件だけに絞りましょう。また、希望がある理由も簡単に説明すると、企業も採用の検討がしやすくなります。希望条件は面接で詳しく説明する機会がありますので、なるべく簡潔に記入しましょう。
本人希望欄に記載する条件が絶対に譲れないのであれば、自己PRを添える方法もあります。その職種に採用された場合の目標などを簡単に添えることで、応募企業で働く気があることをPRできるでしょう。自己PRでは、条件を満たした場合にどのように成果を上げられるかをアピールします。本人希望欄は限られたスペースしかないため、自己PRは簡潔にまとめましょう。
ここでは、条件に関する希望を伝えるポイントをご紹介します。
応募企業に複数の勤務地がある場合は、希望勤務地を記入しましょう。希望勤務地を記入することで、企業は人材配置を検討しやすくなります。転居や単身赴任が難しい場合は、その理由も簡単に説明しましょう。たとえば、「家族の介護のために、東京勤務希望」といったように、やむを得ない理由であれば、企業も理解したうえで採用を検討してくれます。
応募書類の「希望職種」欄には、求人情報に記載されている職種名を正確に記入します。誤字脱字や略語の使用は避け、正式名称で記入しましょう。複数の職種を希望する場合は、優先順位を明確に示すことが重要です。
たとえば、「1.営業職、2.マーケティング職」といったように、数字を用いて順位を記載しましょう。希望職種を選んだ理由を簡潔に記入することで、熱意と理解度をアピールすることができます。
ただし、長文は避け、1~2文程度にまとめましょう。また、希望職種に関する知識や経験があれば、具体的に記入することで、即戦力としての可能性をアピールすることができます。
パートやアルバイトなどで、時短勤務を希望する場合は理由を明確に記入します。単に「育児のため」ではなく、具体的にどのような理由で、何時から何時までの勤務を希望しているのか記入しましょう。たとえば、「子供が保育園に通っているため、午前9時から午後3時までの勤務を希望します」といったように詳しい状況を記載すれば、採用担当者の理解を得やすくなるでしょう。
自分の都合だけでなく、企業側が求める勤務時間にも対応できる柔軟性をアピールすることも大切です。たとえば、「希望勤務時間は午前9時から午後3時までですが、繁忙期は午後5時まで勤務可能です」といったように、具体的な時間帯を記載しましょう。
テレワークを希望する場合は、その旨を記入します。「通勤時間の削減のため」ではなく、具体的にどのような理由でテレワークを希望しているのかを明確に記入しましょう。たとえば、「集中して業務に取り組む環境を作りたい」「家族との時間を大切にしたい」といったように記載するのがおすすめです。
テレワークであっても、成果を出せるスキルや経験があることをアピールしましょう。たとえば、「在宅勤務経験があり、スケジュール管理能力と集中力には自信があります」と具体的な能力をアピールすることで、企業の懸念を払拭することができます。また、面接でテレワークについて質問する機会があれば、積極的に質問しましょう。
希望する通勤方法がある場合は、単に「マイカー通勤」ではなく、「自家用車による通勤を希望します。」といったように丁寧に記入しましょう。また、駐車場などの有無は、面接で聞くのがマナーです。
社宅がある企業の場合、入居を希望する旨を記入することができます。記入する場合は、社宅入居希望の理由や、家族構成や希望する部屋数、入居希望の時期など、具体的に記入しましょう。
補足したい経歴がある場合は、以下の点に注意しながら記入しましょう。
前の職場の在籍期間が短いと、採用担当者は「すぐに辞めてしまうのではないか」と懸念を抱く可能性があります。履歴書や職務経歴書には、短期離職をした理由を記入しましょう。ネガティブな理由ではなく、ポジティブな理由で退職したことをアピールするようにしましょう。
面接では、在籍期間が短い理由について詳しく説明できるように準備してください。
履歴書にブランク期間がある場合、採用担当者はその期間どのように過ごしていたのか気になるものです。そのため、ブランク期間中に行っていたことを記入することで、企業に安心感を与えることができます。職務に関連する活動や自己啓発などがあれば、積極的に過ごしていたことをアピールしましょう。
もし、ブランク期間中に何もしていない場合は、その理由を正直に説明し、どのように克服していくのかをアピールしましょう。
学校を途中退学している場合、採用担当者にどのように過ごしていたのかを説明することが重要です。履歴書の特記事項欄に理由を簡潔に記入しましょう。ただし、社会人経験がある場合は、学歴よりも職務経験の方が重要視される傾向があります。そのため、選考に影響する可能性は低いと考えられます。社会人経験が長い場合は、特に理由を記載する必要はありません。
面接で退学理由について聞かれた場合は、正直に答えることが重要です。退学をネガティブに捉えるのではなく、そこから何を学んだのかをアピールしましょう。
近年は転職に対する考え方が変化し、転職回数が選考に大きく影響するケースは少なくなっています。しかし、企業によっては、転職回数を重視するところもあります。転職回数が気になる場合は、履歴書や職務経歴書に転職理由を記入しておくことで、採用担当者に理解してもらいやすくなるでしょう。
たとえば、「2社で異なる業界を経験することで、幅広い知識とスキルを身につけました。今後は、これらの経験を活かして、貴社で貢献したいと考えています」などです。
申し送り事項がある場合は、以下のように記入しましょう。
まだ企業に在職中などで連絡時間が限られている場合は、履歴書や職務経歴書の「本人希望欄」または「特記事項」欄にその旨を記入しましょう。
記入例
・本人希望欄
現在在職中のため、連絡可能な時間帯は平日18時以降と土日祝日となります。
・特記事項
現在在職中のため、電話連絡は18時以降のみ可能です。メールでのご連絡は随時受け付けております。
連絡がつきやすい曜日や時間を具体的に記入しましょう。また、返信にどれくらいの時間がかかるのかを明記します。
持病などがあり、定期的に通院が必要な場合は、履歴書や職務経歴書の「特記事項」欄に記入することをおすすめします。
記入例
・特記事項
〇年前に〇〇と診断され、定期的に通院しております。現在は安定しており、業務に支障はありません。
病名や症状を具体的に記入します。通院頻度や治療内容を簡単に説明し、業務に支障がないことを強調しましょう。業務に支障がないことを証明できる書類があれば、事前に準備しておきましょう。
ここでは、履歴書を空欄にしないためのポイントをご紹介します。
自己分析とは、自分の性格、価値観、強み、弱み、経験などを整理し、理解することを目的とした方法です。就職活動や転職活動において、自分自身を客観的に把握し、目標とするキャリアプランを明確にするために重要です。自己分析を行うことで、自分の強みやスキル、経験を明確にすることができます。これにより、履歴書に自分の魅力を効果的にアピールすることができます。自己分析は、時間をかけてじっくりと行うことが大切です。また、自己分析は定期的に行うことで、自分の成長を確認することができます。
履歴書がどうしても空欄になる場合、項目数の少ない履歴書を利用する方法も有効です。しかし、以下の点に注意する必要があります。
・熱意が伝わりにくい
項目数が少ないと、熱意が伝わりにくい場合があります。
・採用担当者に誤解を与えてしまう
項目数の少ない履歴書は、やる気がない、または経歴に自信がないと誤解を与えてしまう可能性があります。
基本的には、空欄を埋める努力をすることをおすすめします。
履歴書に空欄があると、熱意や経歴に自信がないと誤解を与えてしまう可能性があり、印象が悪くなる場合があります。そのため、空欄はできるだけ埋めるようにしましょう。
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