履歴書には休学のことも書いたほうがいい?ケース別の書き方を解説

履歴書の学歴欄には、原則として入学と卒業の年を記載するため、自動的に在籍年数を計算することができます。つまり、基準の期間で卒業を迎えていない場合は、途中で何らかの要因があったと推察できるということです。

休学をしていた場合は、その旨を記載したほうがよいのか迷ってしまうこともあるでしょう。今回は履歴書に休学に関する事情を記載すべきかどうかについて、ケース別の書き方とともにご紹介します。

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履歴書に休学理由は書くべき?

休学とは、病気や留学などの事情によって、一定期間にわたって学校に出席しないことを指します。学校に対して事前に届け出る必要があり、自主的に行うことから留年や停学とは異なるものとして扱われます。

なお、休学期間中の学費は、免除または減額されることもあります。休学は留年や停学のように、必ずしもネガティブなものとして扱われるわけでありません。

ここでは、履歴書における休学の意味合いについて見ていきましょう。

休学理由をきちんと記載する

結論から言うと、履歴書には休学した旨とその理由をきちんと記載すべきです。なぜなら、学歴欄には入学と卒業の年を書く必要があり、在籍年数が長いにもかかわらず何も記載がなければ、留年や浪人と混同されてしまうこともあるからです。

また、履歴書に休学した事実を書いたとしても、必ずしも不利になるわけではありません。理由によって休学の意味合いは大きく異なるため、履歴書には理由も添えて休学の旨を記載することが大切です。

休学理由の具体例

休学の理由には、大きく分けて「やむを得ないもの」と「前向きなもの」、「ネガティブなもの」の3種類があります。やむを得ないものとしては、健康上の理由や経済的な理由、家庭の事情などが挙げられます。

前向きなものとしては、留学やインターンシップ、ワーキングホリデー、ボランティア活動などが該当します。面接でアピール材料になるケースもあるので、詳しい内容や経緯を説明できるようにしておくことも大切です。

一方、学業不振や特に理由がないといったネガティブな休学理由は、そのまま記載すると不利に働いてしまう可能性があります。「進路を見直すため」などの前向きな言い換えを行うことが望ましいです。

【ケース別】休学した際の履歴書の書き方

休学した旨の書き方については、特に明確な決まりがあるわけではありません。ここでは休学のパターン別に具体的な記載例をご紹介しながら、詳しい書き方を解説します。

経済的な理由で休学したケース

学費や生活費の不足といった経済的な理由については、そのまま記載しても特に問題ありません。ネガティブな要素ではないため、簡潔にわかりやすく表記しましょう。

記載例

学歴

20○○

3

○○県立○○高等学校 卒業

20○○

4

○○大学○○学部○○学科 入学

3年時に経済的理由のため1年間休学

20○○

3

○○大学○○学部○○学科 卒業

なお、家業の手伝いや一時的なアルバイトなども職歴の一つとして扱われます。職歴に仕事の内容や経験を記載することで、面接時にはアピール材料になるケースもあります。

体調不良が理由で休学したケース

体調不良による休学は、やむを得ない事情と判断されるため、特に隠したり取り繕う必要はありません。体調不良の理由としては、以下の記載例のように簡潔な書き方で構いません。


ただし、現在は完治している場合は、業務に支障をきたさないことを知ってもらうためにも簡単にその旨を添えておくとよいでしょう。


記載例

学歴

20○○

3

○○県立○○高等学校 卒業

20○○

4

○○大学○○学部○○学科 入学

1年時に病気治療のため1年間休学(現在は完治)

20○○

3

○○大学○○学部○○学科 卒業


現在も通院などで業務に影響があるときは、必要に応じて「3ヶ月に1回の頻度で経過観察のために通院しています」と本人希望欄に記載しておくと安心です。特に詳しい病名や病状などを書く必要はありません。


企業の採用選考では、例外的な職業を除き、候補者の既往歴や基礎疾患などについて質問することはNGとされています。履歴書に病状の詳しい記載がなくても、面接で尋ねられる可能性はほとんどないため、その点は気にする必要がないでしょう。


留学が理由で休学したケース

留学による休学は、語学力をアピールする武器にもなるため、その旨を分かりやすく添えて記載しましょう。ただし、基本的に学歴に記載するのは1年以上の長期留学とされています。


1年よりも短いものは、自己PRに記載するのが一般的ですので注意してください。


記載例

学歴

20○○

3

○○県立○○高等学校 卒業

20○○

4

○○大学○○学部○○学科 入学

20○○

9

~20○○年9月

アメリカ合衆国○○州○○大学へ留学のため1年間休学

20○○

3

○○大学○○学部○○学科 卒業


また、ボランティアを行っていたときは、以下のように時期と具体的な内容について記載するとよいでしょう。


記載例

学歴

20○○

3

○○県立○○高等学校 卒業

20○○

4

○○大学○○学部○○学科 入学

2年時に○○国にて語学教育のボランティアに従事するため1年間休学

20○○

3

○○大学○○学部○○学科 卒業


履歴書に休学と書くときのポイント

最後に履歴書に休学を記載するうえで、意識しておきたいポイントをご紹介します。


面接で質問されることを前提とする

休学理由の記載の有無に限らず、学歴に一定期間の空白があれば、その期間の事情について面接で質問される可能性があります。質問されたときに慌ててしまわないためにも、事前に休学した理由を整理しておくことが大切です。

特に前向きな事情で休学をしていたときは、その間で得た経験やスキルなども話せるように準備しておきましょう。また、嘘をついても後からトラブルの原因となってしまうため、正直に答えることを心がけてください。

留年や浪人はあえて書く必要はない

留年や浪人については、あえて積極的に記載する必要はありません。浪人の場合は、入学までに空白期間があるため、採用担当者も想像がつきやすいといえます。

留年のケースも在籍年数からおおよその判断はつくため、特に記載しなくてもよいでしょう。しかし、面接時にはその期間について尋ねられる可能性が高いため、答えられるように準備しておく必要はあります。

たとえば、進路再考のために留年していたときは、得た経験や考え、起こした行動の内容を的確に話せるようにしておきましょう。

休学理由によってはアピールポイントにもなる

休学を選択するケースにはさまざまなパターンがあるため、必ずしもネガティブなものとして受け止められるとは限りません。留学や国際ボランティアなど、理由によっては自らのアピールポイントにつながることもあります。


また、ネガティブな事情で休学をした場合も、その理由ときちんと向き合うことで面接時の対策につながります。無理に経験していない出来事を取り繕って話すべきではありません。どのような経緯で休学に至ったのかを客観的に整理し、ポジティブに転換できていることをアピールしましょう。


休学した理由をきちんと答えられるようにしておこう

休学に至る事情にはさまざまなケースがあり、必ずしもネガティブなものとは限りません。よほどの事情がない限りは、極端なマイナス要因となるケースも少ないといえます。

しかし、学校の在籍期間から空白の期間があったことは読み取れるため、基本的には休学した旨とその理由を明記するのが望ましいです。面接時には休学中の出来事について尋ねられることもあるので、落ち着いて答えられるように事前に整理しておきましょう。

その他の休学理由の上手な伝え方については以下の記事が参考になります。

参考:先輩就活生が実践した、休学が不利にならない理由の伝え方とは|キャリアアカデミー

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