履歴書を作成する際に学歴や職歴の書き方で迷う方は多いのではないでしょうか。自分の経歴をより良く見せるなどして採用担当者に上手く情報を伝えたいところですが、書き方にはルールがあります。
本記事は、就活生や転職活動中の方へ向けて、履歴書の学歴・職歴の書き方や記入例を解説し、学歴・職歴を記入する際のよくある質問とその回答をご紹介します。履歴書作成で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
履歴書には、学歴と職歴をそれぞれ記入する欄があります。学歴欄は、応募者がこれまでどのような学校に通い教育を受けてきたのかを伝えるためにあります。一方、職歴欄は、応募者が過去にどのような会社でどのような仕事をしてきたのか、雇用形態はどのようなものだったのかを担当者に伝えるためのものです。それぞれの意味を理解し、ルールに従って正しく記載するようにしましょう。
まずは学歴の書き方を見ていきましょう。学歴欄は、自分がこれまでどこの学校に通い、どのような教育を受けていたのかを採用担当者へ伝えるためのものです。嘘偽りなく間違いのないように正確に書くことが求められます。以下で学歴欄の書き方や基本的なルールの解説、そして記入例を紹介しますので、履歴書作成の参考にしてください。
学歴と職歴が一緒の欄になっている履歴書の場合は、1行目の中央あたりに「学歴」と記し、学校名はその下の行から記入していきます。
学歴欄には自分が通っていた学校名とともに、入学・卒業した年月を記載します。年月がわからない場合は、後述する年号計算方法を参考に算出してください。
企業や採用担当者から特に指定がないとき、最終学歴が大学や専門学校であれば高等学校入学または卒業から記入するのが一般的です。最終学歴が中学校であれば中学校卒業のみを記入し、高等学校であれば高等学校入学から、大学院であれば大学または高等学校卒業から記入し始めましょう。学校名を記載する際には学部・学科・コースなどは正式名称で記載するのが基本ルールです。どのような学校にて、どのような分野を学んできたのか伝えるためにも、省略せずに正しく書きましょう。
ちなみに、応募職種にて活かせる専攻やテーマを学んでいた場合は、その詳細を記入しましょう。詳しく書くことで、採用担当者に「マッチする人材である」ことをアピールできるためです。
また、学歴欄に記載する入学・卒業年月は、西暦・元号どちらかで表記を統一するのがルールです。どちらを選んでもかまいませんが、年月の間違いや西暦・元号を混ぜて使わないように気をつけましょう。
・【記入例】大学卒業の場合
年 | 月 | 学歴・職歴 |
学歴 | ||
平成◯年 | 3 | ◯◯高等学校 卒業 |
平成◯年 | 4 | ◯◯大学◯◯学部◯◯学科 入学 |
平成◯年 | 3 | ◯◯大学◯◯学部◯◯学科 卒業 |
学歴の記載方法にはいくつかのポイントがあるため、要点をおさえて適切に履歴書に反映させましょう。高等教育を修了した方は、高校卒業からの学歴を記入することが一般的です。一方で、最終学歴が中学校である場合、中学校卒業の情報を含める必要があります。学校名は省略せず、正式な名称を用いて記載しましょう。なお、履歴書全体で年月の表記は西暦か元号のどちらかに統一が求められます。
学歴欄には学部や学科、コース名なども明記し、応募する職種に関連する専攻や研究テーマがあれば、それをアピールポイントとして詳細に記述すると良いでしょう。ただし、浪人や留年の経歴は記入の必要がありません。これらの情報は履歴書の年月から担当者が推測可能ですので、質問されたときは正直に答えるようにしましょう。
学歴欄を埋める際は、正確さが求められます。誤った情報や意図的な省略は、学歴詐称と見なされる可能性があるため、注意が必要です。特に隠したい経歴があったとしても、事実を正しく記載することが大切です。これらのポイントを押さえ、正確かつ適切に学歴情報を記入することが、履歴書作成の際に重要となります。
続いて、職歴の書き方を見ていきましょう。職歴欄は、これまでどこの会社でどのような仕事をしてきたのか、雇用形態はどのようなものだったのかなど職歴に関する内容を採用担当者に伝える欄です。学歴と同様に、嘘偽りなく正確に書くことが大切です。
また、月日の書き方を含め、学歴とともにまとまりを持たせるように意識しましょう。以下で、職歴欄の書き方や基本ルールの解説、記入例の紹介をします。
学歴欄と職歴欄が同一の履歴書の場合、職歴を記入する際には学歴の下1行を空けてから「職歴」と中央に書きます。そして次の行からこれまで働いていたすべての職歴を記入していきます。働いていた期間にかかわらず、すべての職歴を記入するのが原則です。短期間であってもしっかり書きましょう。
学校名と同様に、会社名や部署名は省略せずに正式名称を記入します。その会社で働いている間に何らかの理由により社名が変更になった場合は、「◯◯株式会社(現□□株式会社)」のように記入しましょう。また、部署異動や昇格については、年月とともに詳細を記入してください。
契約社員など、正社員以外の雇用形態であった場合はわかるように記入します。「〇〇株式会社 契約社員として入社」とすれば採用担当者もわかりやすいでしょう。派遣社員経験がある場合は、派遣元・派遣先がわかるように記入するのが一般的です。
職歴がすべて書き終わりましたら、最終行の1つ前の行に左寄せで「現在に至る」最終行に右寄せで「以上」と書きます。
【記入例】一般的な雇用形態の場合
年 | 月 | 学歴・職歴 |
職歴 | ||
平成◯年 | 4 | ◯◯株式会社 入社 |
平成◯年 | 8 | 一身上の都合により退社 |
【記入例】派遣社員であった場合
年 | 月 | 学歴・職歴 |
職歴 | ||
平成◯年 | 5 | ◯◯(派遣元の会社名)より□□(派遣先の会社名)に派遣 |
学歴の記入と同様に、職歴を記入する際にもいくつか重要なポイントがあります。
前提として、短期間の職務であったとしても、必ず記入しましょう。すべての職歴は原則として会社名や部署名は省略せず、その正式名称を用いて記入します。また、異動や昇格があった場合は、その経緯も明確に記述しましょう。履歴書全体において年月の表記は、西暦か元号のどちらか一方で統一することが重要です。
もし、社名が変更されている場合は、変更前と変更後の名前を明記します。例えば、「◯◯株式会社(現□□株式会社)」という形式です。応募職種に関連する職務経験やスキルがあれば、これを簡潔に記載することで、あなたのアピールポイントとなります。一方で、療養や語学留学などでの無職期間については、特に記載する必要はありません。
職歴の部分では、最終行の一つ前に「現在に至る」と左寄せで記入し、最終行には「以上」と右寄せで記載します。
アルバイト経験は通常、職歴には含めませんが、社会人としての就業期間が長かったり、アルバイトが応募職種と関連している場合は、その経験を記入することで採用担当者へのアピール材料となり得ます。
学歴や職歴では、入学・卒業、入社・退社などの年月を記入します。西暦または和暦どちらでもかまいませんが、どちらかに統一してください。また、間違いがないように記入しましょう。もしも入学・卒業、入社・退社の年月を忘れてしまった場合や和暦と西暦の変換で混乱する場合は、以下の計算方法や確認方法を参考にしてください。
・【学歴の年月】
高校卒業 | 生まれた年に16を足す |
大学・短大入学 | 生まれた年に19を足す |
短大卒業 | 生まれた年に21を足す |
大学卒業 | 生まれた年に23を足す |
浪人・留年した場合は、その年の分だけプラスしてください。
・【和暦・西暦変換】
昭和 | 和暦+25+1900=西暦 |
平成 | 20世紀中:和暦+88+1900=西暦 21世紀以降:和暦-12+2000=西暦 |
令和 | 和暦+18+2000=西暦 |
履歴書は面接時にのみ記入するものであるため、「どうやって書けばいい?」と悩んだり迷ったりすることもあるものです。ここでは、履歴書の学歴や職歴の書き方についてよくある質問とその回答をまとめました。ぜひ参考にしてください。
学歴・職歴で年月を記入する際に和暦を使用する場合、「令和元年」と書きましょう。どのような書類であっても、年号の最初の年は「元年」と表記するのが一般的であるためです。また、年号が変わった年は、改元前の期間と改元後の期間で年号を区別し、正しく記入しなければなりません。平成と令和の場合は、以下の通りです。
平成31年:2019年1月1日~2019年4月30日
令和元年:2019年5月1日~2019年12月31日
令和元年は2019年の途中から始まりますが、令和2年は1月1日から始まりますので勘違いしないようにご注意ください。
履歴書は横書きの書類であり、算用数字を用いるのが一般的です。「和暦を使用するので、漢数字の方がいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、横書きの書類で漢数字は読みにくくなってしまいます。採用担当者に見てもらうための書類なので、わかりやすさを大切にしましょう。
ただし、学校名や会社名に漢数字が使われている場合は、そのまま漢数字を使用します。学歴・職歴に記入する学校名・会社名は正式名称でなければいけないためです。
このようなケースであっても、学歴と職歴は分けて記入するのが一般的です。これは、学んだことと働いたことを正しく分けた上で、採用担当者に知ってもらうためです。
たとえば、高校卒業後すぐに社会人として働いたものの、退職して大学に入学した場合は、職歴の最後にその理由を簡潔に記入するとよいでしょう。明確な理由があれば、アピールにつながる可能性があるためです。
このケースでは、新旧どちらの学校名も正式名称にて記入します。ただし、学校名が変更になったタイミングによって書き方が若干異なりますのでご注意ください。以下に例を紹介します。
在学中に学校名が変更:入学の部分に「◯◯高等学校(現□□高等学校) 入学」と記入し、卒業時は新学校名のみを記入する
卒業後に学校名が変更:入学・卒業どちらにも「◯◯高等学校(現□□高等学校) 入学(または卒業)」と記入する
転校・学部変更・編入した場合は、「転入学」「編入学」と記入します。「転校」「編入」は口語表現で略された言葉なので使わないようにしましょう。
【記入例】転校
年 | 月 | 学歴・職歴 |
平成◯年 | 4 | ◯◯高等学校 普通科 入学 |
平成◯年 | 8 | □□高等学校 普通科 転入学 |
【記入例】学部変更・編入
年 | 月 | 学歴・職歴 |
私立◯◯大学◯◯学部◯◯学科 入学 | ||
平成◯年 | 5 | 私立□□大学□□学部□□学科 編入学 |
通信制大学も短期大学や4年生大学と同じように、大卒扱いの学歴として履歴書の学歴欄に記入できます。
通信制大学とは、文部科学省が認可した正式な学校です。1947年に学校教育法により制度化され、1950年に大学教育課程として認可されています。ネット上の掲示板等では、通信制大学は学歴にならないといった内容の書き込みも散見できますが、誤りです。れっきとした学歴であるため、むしろ履歴書に記載しないことの方が問題となります。通信制大学卒業も必ず学歴欄に記入しましょう。
中退については学歴に明記しなければなりません。浪人や留年については記載不要です。
中退は学歴にはなりませんが、修学区分を報告するために必要な事項です。引け目があるからといって中退歴を隠してしまうと、学歴詐称となります。発覚した場合は内定取り消しだけでなく、処罰対象となることもあるため注意が必要です。
浪人・留年については、入学と卒業年月のずれから判断できるため、記入しなくてもかまいません。浪人中に通っていた予備校も学歴欄への記入は不要です。予備校は学校ではなく塾と同じ扱いであるためです。
1年以上かつ学位を得られる正規留学・交換留学の場合は、学歴として認められるため記入できます。1年未満である短期留学は学位を得られないため学歴としては認められません。
短期留学のような1年未満の留学経験を履歴書に記入したい場合は、自己PR欄を活用しましょう。また、学歴にできる留学でなかったとしてもその経験を活かして英検等の資格を取得している場合は、資格欄に記入可能です。
語学学校やワーキングホリデー、海外ボランティアなどは学歴として認められません。たとえ1年以上の経験があったとしても、学位を得るためのものではないため、学歴として記入はできないので注意しましょう。
経験をアピールしたい場合は、自己PR欄を活用します。渡航期間や現地での活動で得た経験を記入しましょう。応募職種にマッチする経験やスキルを得られた場合は、詳しく記入して採用担当者にアピールしましょう。
アルバイトやフリーター経験は職歴欄に書いてもかまいませんが、一般的には記入しません。多くの場合、採用担当者は前職で正社員としてどのような仕事をして、どのようなスキルを持っているのかを知りたいためです。
ただし、アルバイト先が応募職種と関係している、アルバイトを通して企業で活かせるスキルを得たという場合はぜひ記入しましょう。そうした経験・スキルは、面接時の大きなアピールポイントとなるためです。
前述の通り、アルバイトは職歴に記入する必要はありません。ただし、離職期間中に3ヶ月以上継続してアルバイト経験があるならば、記載するのがおすすめです。離職期間が長期にわたっている場合、何もしていない期間が長いと採用担当者に悪い印象を与える可能性があります。しかし、アルバイトであったとしても、3ヶ月以上継続しているのであれば、「ブランクは少ない」と捉えられます。そのため、離職していたとしても、それほど悪い印象を与えずに済みます。応募職種に関係する経験やスキルを得られるアルバイトであれば、むしろ好印象になることもあります。
職歴欄に「◯◯年~□□年 専業主婦(夫)のため職歴なし」といった形で記入しましょう。専業主婦(夫)として頑張っていた期間を隠してしまうと、採用担当者に正しく伝わりません。担当者によっては「遊んでいたのだろうか」と疑われてしまう可能性もあります。そのため、下手に隠すのではなく専業主婦(夫)の期間を「正当なブランク期間」として明確にしておくことが大切です。そうすれば採用担当者も「なぜ数年のブランクがあるのか」を理解しやすくなります。
職歴を省略したことは、企業側にいずればれます。社会保険や雇用保険の履歴を見れば、前職のことは明らかになるためです。「名のある企業だけにしよう」ということで、抜粋して職歴を記入しようとする人もいますが、これもNGです。省略した期間が空白状態になるため、突っ込まれてボロが出る可能性があります。
採用担当者によっては、前職を調査することもあるため、職歴は省略しないようにしましょう。
たとえ短期間の職歴ばかりだとしても、すべて記載するのが原則です。短い職歴はマイナスイメージになるからと省略したくなる気持ちもあるかもしれません。しかし、前述の通り雇用保険の加入履歴などから、会社側にいずればれてしまいます。採用担当者に不信感を与えないような理由を添えつつ、必ずすべて記載しましょう。
ただし、試用期間中に退職した場合は記載する必要はありません。
今回は、履歴書の学歴・職歴の書き方について解説しました。学歴や職歴は採用担当者が応募者のことを知るために必要な情報です。そのため、学校名や会社名は省略せずに正式名称で記入しなければなりません。
また、中退歴を書かない・小さな職場は省略するなどの隠し事があると学歴詐称や処罰などの大きな問題に発展する可能性があります。そのため、嘘偽りや間違いがないように記入することが大切です。本記事で解説したポイントや紹介した記入例を参考に、正しく学歴・職歴を記入しましょう。
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