看護師の履歴書の書き方・を解説

看護師の履歴書の書き方・を解説



履歴書を書く時に専門用語の使い分け、経験のアピール、志望動機や自己PRの書き分け…多くの悩みがあるのではないでしょうか。本記事では、そんな看護師特有の履歴書作成の悩みを解消し、あなたの強みや熱意がしっかりと伝わる書き方と例文を解説します。自信を持って次の一歩を踏み出すために、ぜひ参考にしてください。

看護師の履歴書を書くときのポイント

看護師の履歴書を書くときのポイント



看護師の履歴書は、これまでの経験やスキルを正確かつ具体的に伝えることが重要です。以下では、押さえるべき3つのポイントを詳しく解説します。

看護経験・スキルを詳細に記載する

採用担当者に強みを伝えるため、看護経験やスキルを履歴書に具体的に書く必要があります。経験やスキルは主に「診療科・病棟経験」「看護技術・医療処置」「専門知識・スキル」に分けて整理しましょう。

特に看護技術や医療処置は、自身の強みとしてアピールできます。例えば、人工呼吸器管理や中心静脈栄養管理など高度な処置経験がある場合は、次のように記載するとよいでしょう。

自己PRの例文
私の強みは、高度な医療処置に対応できる実践力です。ICU勤務では、人工呼吸器管理や中心静脈栄養管理、疼痛管理など重症患者様への看護を経験し、急変時も冷静に判断し行動してまいりました。

医師や多職種と連携し、患者様の早期回復に貢献した経験を活かし、貴院でも安全で質の高い看護を提供します。


また、認定看護師資格などがあれば、取得年月を正確に資格欄へ記載しておいてください。なお、診療科や病棟経験を詳しく伝えたい場合は、職務経歴欄ではなく志望動機や自己PR欄に記載します。職務経歴欄に記載するのは、基本的に勤務した病院名と診療科名のみです。

患者ケア・コミュニケーション能力を具体的に記載する

履歴書の志望動機や自己PR欄では、患者様へのケアやコミュニケーションを具体的に記載しましょう。例えば、患者様の性格や症状に合わせたケアの実施や、ご家族への声かけのような心理的サポートの工夫などがあげられます。

また、多職種と連携しチーム医療に貢献した経験を書くと、協調性や対応力をアピールできるでしょう。患者ケアやコミュニケーション能力をアピールする自己PRの例文は、次の通りです。

自己PRの例文
私の強みは、患者様の個別性を重視した看護と、多職種と連携したコミュニケーション力です。前職では患者様の生活背景に配慮し、一人ひとりに合ったケアプランを作成し実施してきました。

また、多職種カンファレンスでは積極的に情報共有を行い、治療方針の決定に貢献してまいりました。貴院でも、患者様やご家族の思いに寄り添い、チーム医療の一員として信頼される看護師を目指して努力します。


病院への貢献度を具体的にアピールする

履歴書では、病院やチームにどのように貢献してきたかを具体的に伝えます。看護業務の効率化や安全管理、感染対策の取り組みは大きなアピールポイントです。ほかにも、委員会活動や研修運営の経験があれば記載しましょう。

さらに、患者様満足度の向上や医療安全に関する実績、後輩育成・新人指導での役割を具体的に書くと、協調性やリーダーシップが伝わります。後輩育成や新人指導をアピールする例文は、次の通りです。

自己PRの例文
これまで病棟勤務では、新人看護師の指導担当を務め、OJTを通じて基本技術や安全管理の指導に携わってまいりました。習熟度に応じた計画と定期面談で不安や課題を丁寧にサポートし、安心して業務に取り組める環境づくりに貢献しました。

貴院でも後輩育成を通じ、チーム力向上と働きやすい職場づくりに努めてまいります。


看護師の履歴書の書き方


履歴書は採用担当者が最初に目にする重要な書類です。正しく書くことで、好印象を与えられます。ここでは、看護師が履歴書を書く際の項目ごとの書き方を解説します。

日付

履歴書の日付は、応募先に提出する日または投函した日を記載するのが基本です。履歴書を書いた日ではないため、注意しましょう。

また、記載する際は西暦か和暦で統一します。日付の部分は西暦、学歴・職歴は西暦のように、表記が乱れないよう注意が必要です。

氏名

氏名欄には、漢字でフルネームを記載します。名字と名前の間に適度なスペースを入れ、読みやすさを意識しましょう。

あわせて、ふりがなの記載も必要です。記載が「ふりがな」ならひらがなで、「フリガナ」ならカタカナで記載します。また、印鑑欄が設けられている場合は、指定に従い押印してください。

証明写真

証明写真は第一印象を決める要素です。清潔感のある髪型や服装で撮影しましょう。

証明写真は、直近3ヶ月以内に撮影したものを使用します。サイズは縦40mm×横30mm、背景は白色または無地が一般的です。

また、証明写真はスピード写真機や写真館で撮影し、服装や髪型、メイクは面接時と同じにしましょう。写りがよいからといって、プリクラやスナップ写真を貼るのはNGです。

生年月日・年齢

生年月日は、日付欄に記載した表記で統一します。西暦なら西暦に、和暦なら和暦に合わせましょう。その年に30歳になるとしても、履歴書を提出する際に誕生日を迎えていなければ29歳と記載します。

住所

住所欄には、基本的に住民票に記載されている住所を記載します。ただし、住民票と現住所が異なる場合は、現在居住している住所にしても問題ありません。

都道府県から始め、マンション名や部屋番号まで省略せずに明記します。また、番地は「1-2-3」ではなく、「1丁目2番地3号」と正式な表記で記載しましょう。

電話番号

電話番号欄が複数行ある場合は、自宅の固定電話と携帯電話の両方を記載します。市外局番を含め番号は、読みやすいようハイフンで区切りましょう。

日中に連絡が取りやすい番号を記載します。携帯電話のみ所有している場合は、携帯番号だけの記載でも問題ありません。

学歴

学歴は、義務教育以降の入学・卒業の年を記載するのが一般的ですが、転職の場合は高校卒業からで問題ありません。〇〇高校や〇〇看護学校、〇〇大学だけでなく、その前に学校法人や県立などがついている場合は、省略せずに記載します。また、学部や学科も忘れずに正式名称で記載しましょう。

職歴

職歴は、学歴から1行あけて中央に「職歴」と記載し、次の行から具体的な職歴を記載します。学歴と同様に、〇〇病院だけでなく、法人名や診療科まで忘れないよう注意しましょう。

退職した経験がある場合は、退職理由を伝えておくことも大切です。詳細を書く必要はなく、「一身上の都合により退職」などで問題ありません。職歴の最後は「以上」と書いて締めます。

免許・資格

免許・資格欄は、取得年月が古い順に正式名称で記載します。すでに試験を受けており結果待ちの場合など、取得予定がある資格については、見込み取得年月を記載しましょう。

また、看護師免許の取得日は国家試験に合格した月ではなく、看護師免許証に記載されている月です。基本的にすべての免許・資格を記載しますが、仕事に関連がないと思われる資格は省略して構いません。

志望動機

志望動機は、応募先の特徴や理念への共感を伝え、自分の経験と結びつけて具体的に書くことが大切です。応募先を選んだ理由、これまでの看護経験やそこから学んだこと、大切にしている看護観、新しい職場でどのように貢献できるかを簡潔にまとめましょう。給与や休日などの条件面の記載は避け、読みやすい長さに整えるのがポイントです。

志望動機の例文
私は患者様一人ひとりの心に寄り添う看護を大切にしており、貴院の「患者様中心の医療」という理念に共感しました。

これまでの病棟勤務で、患者様の不安や苦痛を軽減するため丁寧なコミュニケーションを心がけた結果、患者様やご家族から「安心して療養できた」と感謝の言葉をいただく機会が増えました。この経験を活かし、貴院でも患者様の安心につながる看護を提供したいと考えております。


自己PR

自己PRでは、自分の強みを明確に伝えましょう。最初に強みを一言で示し、続けて具体的な経験や学びで裏づけることで信頼性が高まります。

また、応募先のホームページや求人票をよく確認し、応募先が求める人物像に合った強みを伝えるとよいでしょう。最後に、自身の強みを職場でどう活かすかを簡潔にまとめます。

自己PRの例文
私の強みは、状況に応じた柔軟な対応力です。これまで急性期病棟で勤務し、突発的な対応が求められる場面でも落ち着いて行動し、患者様とご家族に安心感を与えることを心がけてきました。

その結果、医師やスタッフからも信頼を得て、チームで連携して業務を進められました。貴院でも、この柔軟な対応力を活かし、患者様に安心していただける看護の提供と、チームの一員として円滑な医療環境づくりに貢献してまいります。


趣味・特技

趣味・特技は人柄を伝える大切な項目です。看護に直接関係していない趣味や特技でも構いませんが、協調性が感じられたり健康維持につながったりする内容は、好印象を与えられる可能性があります。

例えば「バレーボールのサークルでキャプテンとして長年活動していたい」「毎日のランニングで体力維持を意識している」などです。仕事にもよい影響を与える内容であれば、アピールポイントとして記載できます。

本人希望欄

本人希望欄に特に記載すべき事項がない場合は、「貴院(貴施設・貴法人)の規定に従います」と記載するとよいでしょう。「特になし」と記載するよりも、丁寧な印象を与えやすくなります。

もし勤務地や入職時期など、譲れない条件がある場合は、具体的に希望内容を記載します。ただし、待遇や給与に関する要望は、履歴書には記載せず、面接時に確認する方が無難です。

看護師が履歴書を書くときの注意点

看護師が履歴書を書くときの注意点



履歴書で応募先を敬称する際は、適切な表現を選ぶことが重要です。看護師の場合、一般的な「貴社」が適していないケースが多く、応募先によって使い分けます。

病院なら「貴院」、介護施設は「貴施設」、医療法人や社会福祉法人には「貴法人」と記載します。株式会社が医療機関を運営している場合のみ「貴社」が適切です。

また、話し言葉で使われる「御」は履歴書では避け、「貴」を用いるのが基本です。正しい敬称を使うことで、細部まで配慮できる人物として受け取られるでしょう。

看護師の履歴書作成のよくある質問

看護師の履歴書作成のよくある質問



最後に、履歴書作成時に迷いやすい3つのポイントについて、それぞれ解説します。

Q.経験した診療科や病棟によって、書き方に違いはある?

履歴書の職歴欄は、経験した診療科や病棟によって書き方を変える必要はありません。勤めていた病院の正式名称と経験した診療科を記載しましょう。

ただし、応募先に関連する診療科の経験は、自己PRや志望動機でアピールします。例えば、救急外来なら緊急対応やトリアージ、手術室なら手術介助や術後管理、精神科病棟なら心理的サポートの経験をもとに自己PRや志望動機を記載します。応募先の特徴に合った経験を強調することで、即戦力になる印象を与えやすくなるでしょう。

Q.医療安全に関する取り組み経験は、どのように記載すればよいですか?

医療安全に関する取り組みは、履歴書の自己PR欄で具体的にアピールできます。例えば「インシデント・アクシデント事例の分析を行った」「安全対策を立案・実施した」「医療安全研修の講師を担当した」などの実績を記載しましょう。

単に経験した事実だけでなく、どのように病院全体の安全向上に貢献したのかを具体的に伝えると、採用担当者に行動力と責任感が伝わります。

Q.ブランクがある場合、どのように書けばよい?

ブランクがある場合は、正直にその理由を説明し、前向きな姿勢を伝えることが大切です。自己PRや志望動機で「家族の介護に専念していた」「医療に関する勉強を続けていた」のように、ブランク期間中に取り組んでいたことを記載しましょう。

また、スキル維持や再就職への意欲を示すと、採用担当者に安心感を与えられます。ただ空白を埋めるのではなく、どのように看護師としての成長につなげたかを伝えましょう。

看護師が履歴書を郵送するときのマナー

看護師が履歴書を郵送するときのマナー



履歴書は、内容だけでなく郵送時のマナーも大切です。ここでは封筒のサイズや書き方、添え状など具体的なマナーを説明します。

封筒のサイズ

履歴書を郵送する際の封筒のサイズは、一般的にA4サイズの履歴書であれば「角形2号」の封筒を使用します。折らずにそのまま入れられるサイズのため、見た目もきれいで採用担当者に丁寧な印象を与えます。封筒の色は、白無地が基本です。

封筒の書き方

履歴書を郵送する際は、封筒の書き方にも注意が必要です。まず、宛名は縦書きで記載し、住所は省略せず封筒の右側に書きましょう。番地は「1-2-3」ではなく、「一丁目二番三号」と漢数字を用いるのが基本です。

中央には応募先の正式名称を大きく書き、担当者名はその左側、少し下の段に記載します。左下には赤字で「履歴書在中」または「応募書類在中」と書き、四角で囲むのがマナーです。

裏面の左下には、自分の郵便番号・住所・名前を小さめに記載しましょう。

添え状を同封する

履歴書を郵送する際は、添え状を同封します。添え状とは、応募書類に同封する挨拶文のことで、挨拶のほか送付書類の内容や目的、自分の氏名・連絡先を記載します。一般的にはパソコンで作成しますが、手書きでも問題ありません。

封筒に入れる際は、上から添え状、履歴書、職務経歴書、そのほかの提出書類の順に重ね、クリアファイルに入れてから封筒に入れましょう。

手渡しする場合

履歴書を面接時に直接手渡しする際も必ず封筒に入れて持参しますが、郵送時と異なり封筒の宛名書きや封は不要です。面接官に渡すときは封筒から履歴書を取り出し、相手の方に向きを整えて手渡すのがマナーです。

受付で渡す場合は、封筒に入れたまま渡して問題ありません。状況に応じた渡し方を心がけましょう。

メールで送る場合

履歴書をメールで送る際は、PDF形式で送付するのが基本です。ワードやエクセルのままだと、文字化けや改ざんのリスクがあるためです。ファイル名は「履歴書_氏名」とし、誰の書類か一目で分かるようにします。

メールの件名や本文は簡潔にまとめて「履歴書送付の件(氏名)」など明確な件名をつけることが大切です。内容がわかりにくいと見落とされる可能性があるため気をつけましょう。

正しい方法で履歴書を書いて理想のキャリアに近づこう

正しい方法で履歴書を書いて理想のキャリアに近づこう



履歴書は、看護師としての経験や強みを採用担当者に伝える大切な第一歩です。これまでの経歴を正確かつ具体的に記載し、志望動機や自己PRでは応募先の特徴に合った内容を意識しましょう。また、封筒の書き方や送付方法まで丁寧に対応することで、細やかな気配りが評価されやすくなります。

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