【例文あり】看護師が志望動機を書くときの5つのポイント|書き方や注意点を分かりやすく解説

看護師が就職、転職をする際の志望動機は、なぜ志望したかだけでなく、自身が看護師として得たスキルや経験を意識して書くことが重要です。自分の考えや経験がしっかりと書かれた志望動機は、応募先に好印象を与えやすくなります。
本記事では、看護師が志望動機を書くときのポイントや、書き方を例文付きでご紹介します。看護師として働くにあたって、志望動機の内容で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
看護師が志望動機を書くときの5つのポイント

志望動機は、いきなり書き始めずにメモを活用して内容を先にまとめましょう。内容を確認しながら記載できるので、効率よく進められます。
最初に、志望動機を書くときのポイントをご紹介します。
病院や施設の事前リサーチは徹底的に行う
まず、応募先の病院や施設が求める人物像、理念、規模、教育システムをしっかり調べたうえで共感できた内容を志望動機に書きましょう。ほかの病院や施設でも通用するような志望動機では「応募先でなければならない理由」にならないためです。
そして、自分の経験や価値観と照らし合わせながら、応募先だからこその志望動機を作成します。病院によって患者さんと向き合うスタンスや提供できる医療の内容も異なるので、複数に応募するときは違いを理解して志望動機の内容を書き分けることが大切です。
前向きな言葉選びを意識する
人によっては、人間関係や勤務形態が合わなかったといった理由として転職するケースもあるでしょう。しかし志望動機は、前向きな言葉で書くことが大切です。
嘘をつく必要はありませんが、応募先で長く働ける、また自分の経験も活かせることを始めとするポジティブな面が伝わるようにしましょう。
例えば、療養型から急性期に転職したいなら「経験も活かしつつよりスキルアップしやすい環境へ飛び込みたかった」などです。なお、志望動機を書くときに「スキルを基礎から学べると思った」といった受け身な理由は避けましょう。
志望動機に看護師としての具体的なエピソードも含める
例文を参考にすること自体は問題ありませんが、例文通りに書くと応募先に「どこにでもありそう」「別の応募者からも聞いた」と思われる可能性があります。自分が看護師として持つ技術や経験を含めることで、説得力ある志望動機の作成が可能です。
まだ新卒や1、2年目で看護師としての経験が浅い場合は、看護師を目指そうと思ったきっかけや、自身の考え方の基礎となるエピソードなどを混ぜるとよいでしょう。志望動機に具体性が増し、似た経歴の志望者のなかでも自身を差別化できます。
面接で聞かれても困らない内容にする
志望動機は面接でも聞かれる項目なので、例文を参考にしすぎたり内容を盛って書いたりしていると、記載内容と面接での回答内容に矛盾が生じる可能性もあります。志望動機の矛盾は悪い印象を与えかねないので、面接で聞かれたときにどう答えるかも考えながら書きましょう。
面接を想定しながら志望動機を書くと、実際に聞かれたとき、スムーズに答えやすくなるメリットもあります。
200~300字程度で分かりやすく書く
長すぎる志望動機は読みにくく、短すぎると働きたいという意欲が伝わりにくくなります。1文の長さは60~80字程度にしつつ、200〜300字程度にまとめるとよいでしょう。
下書きをしたときに300字を大きく超えるときは、書きたいことを優先順位に並べてみることがおすすめです。優先順位の低いものから削って推敲すると、200〜300字程度におさまりやすくなります。
【例文付き】シーン別看護師の志望動機の書き方

志望動機が思い浮かばないときは、自身の状況と似たケースの例文を参考にすると、文章をまとめやすくなるでしょう。看護師の志望動機の例文を、シーン別にまとめました。
看護師が前の職場を理由に転職をするときのケース
転職するときの志望動機は、なぜ転職するに至ったかを含め、転職時点で問題は解決し、入職後は長期間働けることをはっきり告げます。
前職の離職理由が給与や待遇面のときは、志望動機の理由に含める必要はありません。「応募先なら専門資格の取得環境が整っているから」のような、応募先を選んだ理由にフォーカスするとよいでしょう。
志望動機の例文
私は、看護大学大学院卒業後、5年間クリニックの内科で勤務してまいりました。しかし、私の父が糖尿病を患ったあとに心筋梗塞で亡くなったことから、糖尿病の方を支えるより専門的なケアの技術を身につけたいと考え、転職を決意いたしました。
貴院では、糖尿病内科で最新の専門的な治療を取り扱っているほか、資格取得支援も行っております。内科での経験、また父が糖尿病のときに食事や外出時の支援を行った経験などを活かしつつ、将来的には糖尿病認定看護師の資格を取得したいと考え、志望いたしました。
新卒で看護師の採用選考を受けるときのケース
新卒の場合は、転職した看護師のような経験や資格を持っていないことも多いので、看護師として働くことの熱意を伝えることがおすすめです。自分が看護師を目指した理由とともに、応募先の施設の魅力や将来なりたいと考えている看護師像を志望動機としてまとめます。
志望動機の例文
私は、私の地元でもある地域の方々に寄り添い、一人ひとりと密接な関係を築いたうえで看護を提供できるようになりたいと考えております。
貴院は理念として「患者様と地域に寄り添う医療の提供」を掲げていることに加え、院内もアットホームな雰囲気で患者様がおだやかに過ごしていらっしゃいます。こうした点が私の考え方と合致すると思い、志望いたしました。
看護実習では地域医療について学び、とても興味深いと感じました。そのため今回、大学のある地域のクリニックを選択いたしました。実習で学んだことを現場で活かし、将来は患者様の状況に応じて適切なケアを柔軟に、かつ心身に寄り添いながら提供できる看護師になりたいと考えております。
高校生が看護師を目指すときのケース
高校生が看護師を目指し、看護学校や看護系の大学、専門学校へ入学するときにも、志望動機を考える必要があります。新卒の場合と同様になぜ看護師になりたいと思ったかのほか、学校で具体的に何を学びたいかもまとめましょう。
志望動機の例文
私は小学生の頃にけがで2ヶ月ほど入院したことがあります。その際、病院の担当看護師が私の症状の変化に合わせて迅速に対応してくださり、スムーズに退院を迎えられたことが印象的でした。この経験がきっかけとなり、看護師を目指しました。
貴校は国立病院機構附属の学校であり、国立病院機構に属する医療センターで実習が受けられるほか、指導体制、学生間交流やフォーラムなどの経験の場も充実しています。学生のうちから多様な経験を積めることから「知識と経験に裏付けされた臨機応変な対応ができる看護師」を目指せると感じ、志望いたしました。
子育て中で看護師として再就職するケース
子育て中に再就職で看護師として働くときは、子育てと勤務の両立ができるアピールが重要です。家族からの支援体制が整っているときは、子どもの急な対応に家族が対応してくれることを具体的な内容で伝えると、応募先も急な早退や欠勤に対する不安が軽減するでしょう。
志望動機の例文
私は、4年間小児科で勤務し、妊娠と出産を機に一度退職いたしました。しかし、子どもの小児定期検診を受けた際に、クリニックの方が丁寧に子どものケアをする様子を見て「やはり私も地域で子どもたちを支えたい」という思いになり、復職を決意いたしました。
自宅近くには両親が住んでおり、私が仕事の際には子どもの面倒を見てくれることになっています。貴院では子どもたち一人ひとりへの時間をかけた丁寧な診察を理念としており、私の理想の看護師像と一致すると感じました。私の小児科勤務の経験も活かして、地域の小児医療に貢献していきたいと考えております。
クリニックで働きたい看護師のケース
地域でかかりつけ医としても機能するクリニックは、なぜ大きな病院ではなく志望した地域で、応募したクリニックがよかったのかを明確にすることが大切です。
順番としては、なぜクリニックがよいのかを書いたあとに、応募したクリニックを志望した理由をまとめると志望動機が分かりやすくなります。
志望動機の例文
私は、大学病院の消化器内科で7年間の勤務経験があります。採血や服薬指導のほか、内視鏡検査、治療の介助など消化器内科での専門知識を積極的に学んでまいりました。昔から、看護師としての知識や経験を活かして地域医療に貢献したいと考えており、私の地元で消化器内科クリニックをなされている貴院を志望いたしました。
貴院は、地域のかかりつけ医として患者様から慕われております。私も、患者様の症状だけでなく精神的な側面へのケアを通じて、患者様に頼られる看護師として働いていきたいと考えております。
急性期病院で働きたい看護師のケース
急性期病院は、病状やけがの状態が不安定な患者さんを担当する場所で、緊急度の高い方の治療および回復支援にあたります。看護師としてさまざまな症状に対して臨機応変に対応できる能力や体力、精神力が求められ、常にスキルアップを目指す積極的な姿勢も重要です。
新卒で目指す場合にはなぜ急性期病院を最初に選ぼうと思ったのか、転職ならその病院を選ぼうと思った理由のほかに、自身が急性期病院で活かせる資格や技術、経験も交えるとアピールにもつながるでしょう。
志望動機の例文
貴院では、急性期実習の際にたいへんお世話になりました。貴院ではさまざまな症状の患者様に対して、どの看護師も的確かつ迅速に処置を行っている姿が印象的でした。
私は、祖母が急性期病院での治療を受けて回復した経験から、担当してくださった看護師のように、症状に応じて柔軟に対応できる看護師になることが目標です。実習経験から、貴院では理想とする看護師を目指せると思い、志望いたしました。より高度な医療ケアを提供できる看護師となり、貴院の医療に貢献していく所存です。
訪問看護ステーションで働きたい看護師のケース
訪問看護ステーションは、利用者さんのご自宅へ直接訪問し、日常生活の支援や医療処置、看護ケアを実施するサービスです。ステーションによっては、ターミナルケアや精神疾患に特化したところもあります。なぜ病院やクリニックでの勤務ではなく、訪問看護師を希望したのかを明確に伝えましょう。
また、訪問看護ステーションでは利用者さんに応じた柔軟な対応が求められるため、訪問看護で活かせる経験やスキルも記載すると熱意が伝わりやすくなります。
志望動機の例文
私は緩和ケア病棟で8年間勤務いたしました。さまざまな患者様と接するなかで、ご自宅で最期まで過ごしたい患者様も多くいらっしゃいました。そうした患者様の心情に寄り添い、適切なケアをご自宅で提供できるようになりたいと思い、貴施設を志望いたしました。
貴施設は患者様だけでなく地域からの信頼も厚く、患者様がおだやかにご自宅で最期まで過ごせる体制があります。私の緩和ケア病棟での経験も活かして、患者様に寄り添った看護を提供していきます。
看護師の志望動機に関してよくある質問

看護師が志望動機を考えるにあたって、よくある質問をまとめました。志望動機が思い浮かばなかったり転職回数の多さに悩んでいたりする方は、チェックしてみてください。
看護師の志望動機が思い浮かばないときはどう書けばよい?
志望動機が浮かばないのは、自己分析と応募先のリサーチが足りていない可能性があります。
まずは、自分が看護師を目指したいと思った理由から志望する病院や施設に感じた魅力、活かせる資格、経験をメモにできるだけピックアップしていきましょう。書き出した内容を基に、起承転結を意識してまとめると、志望動機の形ができあがります。
最後に誤字脱字を確認しながら内容をブラッシュアップすれば、自分らしい志望動機が完成するでしょう。
転職回数が多いときの志望動機を書くコツは?
転職回数が多いこと自体は、大きな問題ではありません。必要に応じて転職した理由を説明すれば、経験の豊富さというアピールにつなげられます。
なお、あまりにも転職が多いときは自分に合う施設を見つけられていない可能性が考えられます。応募する前に、本当に職場環境が自分に合っているのかを、自己分析や事前調査を通じてよく考えることが大切です。
また、転職回数を少なく告げることは経歴の詐称行為になる可能性があるので避けましょう。
看護師として応募先で働く意欲を示せるような志望動機にしよう

看護師として志望動機を書く際は、応募先の事前リサーチをしっかり行うことで、応募先だからこその志望動機を作成しやすくなります。また、志望する理由に応じた書き方をすれば、志望動機にも説得力が生まれるでしょう。
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【ディスクリプション】
本記事では、看護師が志望動機を作成するときのポイントや書き方をご紹介します。新卒から転職、クリニックや訪問看護ステーションへの就職など、さまざまなシーン別で例文とともに解説しているので、自分に合ったものを参考にしてみてください。