新卒就活生が注意したい履歴書の作り方|基本や書き方のコツまで紹介

新卒の就活生は初めて履歴書の作成や面接に挑戦する方も多いことから「何から始めてもいいかわからない」と悩むこともあるでしょう。就職活動を行う際は、まず履歴書の作成を行いますが、記載にはいくつかのルールやコツがあります。

今回は就活を初めて行う新卒の方向けに、履歴書の作り方をわかりやすく解説します。自分の強みを適切にPRして、内定獲得を目指しましょう。

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履歴書の基本情報の記載方法

ここからは履歴書の基本情報について、具体的な記載方法を紹介します。基本情報は履歴書の左側を表します。自身の連絡先やこれまでの歩みを記載する箇所のため、丁寧に書き進めていきましょう。

①日付

日付は履歴書の提出日を記載します。履歴書の作成から提出まで日が空く場合は、空欄にした状態で他の箇所を埋めていきましょう。郵便であれば投函日を記載します。


履歴書の日付を後で記載すると、忘れてしまう可能性もあります。記載忘れを防ぐためにも日付の箇所に付箋を貼ったり、提出する際の封筒から出しておいたりして直前に書けるよう整えましょう。


日付は、和暦を書く箇所があれば「令和◯年」と記載、年号の記載がなければ和暦もしくは西暦を自分で記載します。ただし、年号は履歴書全体で統一することが必須です。


②写真

写真はスーツかつ写真館や証明写真で撮影したものを使用しましょう。いわゆる自撮りで行うと、不鮮明だったり他の応募者と比較して見劣りしたりする可能性があります。


写真はのりや両面テープで貼り付けますが、その前に裏面に名前と学校名を記載しましょう。万が一外れてしまった場合に備えられます。写真の裏面に記載する際は、油性のボールペンやマジックを使用します。写真は枠に沿って丁寧に貼り付け、履歴書から落ちない状態に整えましょう。


③印鑑

履歴書に捺印箇所があるものは押印を行います。一方、スペースがなければ省略しても構いません。印鑑は反対に押してしまったり、ずれてしまったりとトラブルが起こりやすい作業です。履歴書にあらかじめ押しておくと履歴書の書き直しを防げるでしょう。


④氏名と住所

住所と氏名はふりがなの記載方法に注意しましょう。履歴書によっては「ふりがな」「カタカナ」とひらがなで分かれているケースがあります。履歴書がふりがなであればひらがなで、フリガナであればカタカナで記載しましょう。


住所においては、番地やアパート名まで詳細に記載します。履歴書をもとに郵送物を行うとき、正しく届かない可能性があるためです。なお、居住地と同じ地域にある企業を受ける場合でも「○○県」「東京都」など都道府県名から必ず記載します。履歴書では全てにおいて正式名称を記載する意識が欠かせません。


⑤メールアドレス

履歴書のメールアドレス欄も必ず記載します。連絡が取りやすいスマートフォンやパソコンのアドレスを記載しましょう。メールアドレスを未記入にする方も見られますが、未記入にしてしまうと、採用担当者にあまり良い印象を与えられません。


さらにメールアドレスは就職活動にふさわしいものを使用しましょう。社会人としてふさわしくない個性的なメールアドレスは、ネガティブな印象を与える可能性もあります。


⑥学歴

基本情報の中で最も時間がかかるのが学歴欄です。学校名は下記のポイントに注意して記載しましょう。


・学校名は正式名称で記載する

・大学は学部だけでなくコース名ももれなく記載する

・西暦が和暦で年号を統一する

・現在、在籍中の学校は「卒業見込み」と記載する


学歴は中学校卒業から記載し、略称でなく正式名称で記載します。高校は高等学校です。大学のコース名が長い場合は省略する方も見られますが、履歴書では正式名称を記載します。長くなり枠内に収まらないと考えられるときは、事前に鉛筆で下書きし、収める工夫をしてみましょう。


なお、新卒者は、現在在籍中のことから卒業見込みとなります。最終学歴の学校名の横に卒業見込みと記載しましょう。


【動機や自己PR】書き方のコツ

ここからは履歴書の右にある欄の中で重要な志望動機や自己PRについて、記載方法やポイントを紹介します。履歴書には普段の文章と異なり、いくつかのルールがあるため、しっかり把握して読みやすい履歴書を作成を目指しましょう。


企業は「貴社」と記載

履歴書の中で相手企業のことを表現する機会があります。書類に表記する際は「貴社」と記載します。「〇〇株式会社様」と記載するとマナー違反のため注意しましょう。なお、相手企業を表すとき、書き言葉においては貴社ですが、話し言葉では「御社」の表現を使います。


ルールを間違えたからといってすぐ不採用につながるわけではありませんが、今後社会で使用していく決まりのため覚えておくと良いでしょう。


結論から記載

志望動機や自己PRなど文章を書くときは、結論から記載します。採用担当者は限られた時間で履歴書を確認しています。そのため、端的に内容が伝わるよう記載方法を工夫しましょう。


たとえば志望動機は「〇〇のため貴社を志望します。」、自己PRは「私は〇〇が強みです」と結論から記載します。結論を初めに述べたうえで具体例や根拠を述べると、説得力のある文章に仕上がります。


採用するメリットを記載

志望動機、自己PRともに自分を採用するメリットを意識して内容を組み立てましょう。自分を採用することで、企業は〇〇のメリットを企業が得られる、といったイメージで記載します。データ分析が得意なケースの例文を下記に紹介します。

私は大学でデータ分析について学びました。ツールの活用や数字の見方を4年間で学んだことから、様々な対象に対して適切な分析を行い必要な改善策や提案を行えるようになりました。

貴社においてはマーケティング部でデータ分析力を利用して、市場のニーズを把握し、適切な商品をお客様に提案できるよう努めて参ります。

学んだことを具体的な業務で活かせるよう記載すると、説得力が高まるでしょう。


実体験を記載

自己PRにおいて実体験を記載すると、自分が文章を組み立てやすくなり、かつ面接でも話しやすくなります。学生は、アルバイトやサークル活動での体験を取り上げると良いでしょう。下記は具体的な例文です。

私は場や集団をまとめることを得意としています。所属していたサークルは100人以上が在籍しており、1つのイベントに対しても飛び交う意見が様々でした。しかし、オンラインのアンケートツールの活用や、定期的にミーティングを行うことで、それぞれの要望を汲み取りながら最も良い結果に導けるよう行動を起こしました。

実際に実施したイベントでは、在籍する部員が何らかの形で必ず関われるようにし、参加者にも満足の声をいただきました。この体験から適切なツールを活用し、相手の様子を伺いながら、コミュニケーションを取り人をまとめることが得意だと自負しております。


実体験を記載するなら時系列を追って記載するとストーリーをイメージしながら読んでもらえます。


根拠となる数値を記載

志望動機と自己PRにおいては、具体的な根拠や数値を記載すると説得力が高まります。企業は新卒であっても、自社に貢献してくれる優秀な人材を求めています。そのため、どのように活躍できるかを明記すると採用の確率が高まるでしょう。具体的な例文は下記の通りです。

私は大学4年間ドラッグストアでアルバイトをしていました。毎日シフトに入っていたことから、2年目からは売り場のレイアウトも任せてもらえるようになりました。店長と一緒に売り場のレイアウトを行い展開した結果、特定商品の売り上げが前年比120%を達成しました。

お客様からどのように商品を見てもらえるか、またどのように伝えると買ってもらえるかを考えた結果、数字につながったためこの経験を貴社の業務でも活かしていきたいと考えております。

アルバイトでの数値は採用試験において有効です。精力的に取り組んでいたのであれば活用できる根拠や数値がないか振り返ってみましょう。


ひとつの話題を深堀りして記載

文面にまとまりを持たせるなら、1つの話題を深掘りする方法がおすすめです。たとえば自己PRの欄に特技を3つ書くと、それぞれに言及するため、長文かつまとまりがなくなります。自己PRは1つの長所に絞り、具体的なエピソードを交えながら記載すると良いでしょう。例文は下記の通りです。

私は人を楽しませることが得意です。先日、友人と旅行の約束をしたのですが、その行程や宿泊先のホテルや交通手段などを全て私が手配しました。交通手段や宿泊先観光地のリサーチには時間がかかりましたが、友人に提案すると「観光会社の人みたいだね」と言ってもらえ、実際に旅行はとても楽しいものになりました。

大切な人が喜んでもらえくれるようイメージしながら、物事を進める力を貴社の業務においても活かしたいと考えております。

テーマを限定すると具体的なシーンを深堀りできるため、面接でも話しやすくなります。


文字はバランスよく記載

志望動機や自己PRは、内容だけでなく体裁も注意しましょう。手書きは文字の大きさを均等にそろえ、まっすぐになるよう意識します。まっすぐに字が書けないのであれば、定規を使ってそろえる、鉛筆でマス目を作成し文章を記載してから消すなどの方法も挙げられます。採用担当者の読みやすい体裁を目指しましょう。


空欄は厳禁

履歴書において空欄は避けましょう。記載する内容がなくても「特になし」と記載し、空欄ができないように作成します。本人希望欄にも、希望がなければ「貴社の規定に従います」と記載するとスマートです。


知っておきたい履歴書作成の注意点

ここからは新卒の方が知っておきたい、履歴書作成の注意点を2つ紹介します。


「ガクチカ」は何を得たかを明確に記載する

新卒者は中途採用と違い、学生時代に力を入れたいわゆる「ガクチカ」を盛り込める利点があります。ガクチカには「何を学んだか」「どのようなスキルを身に付けたか」を記載しましょう。


たとえばアルバイトでは、どのような課題があり自分はどのように対処して乗り越えたかを、時系列を追って紹介します。サークルや部活、ゼミなどジャンルを問わず、企業が採用したいと思えるような文章を意識しましょう。

アカデミックの面も自己PRに活用できる

アルバイトやサークル活動を行っていない人は、ゼミの研究を自己PR欄に記載しましょう。ゼミの研究の中でも試行錯誤したことや自分に任せられた役割があるなら、それらにどのように向き合ったかを記載します。


大学で学ぶ内容は、企業の業者や業界に関係ないと記載方法に迷いますが「1つの物事にどのように取り組んだか」といった姿勢が見えると高評価につながります。ただし、専門用語があると伝わりにくくなるため、わかりやすく説明する工夫が必要です。


新卒就活生の履歴書でよくあるNG例

ここからは新卒就活生の履歴書においてよくあるNG例を4つ紹介します。


誤字脱字がある

最も多いNG例として、見直しをしておらず誤字脱字が見られる点です。漢字が間違っていたり、送り仮名が間違っていたりなどがないか必ず確認しましょう。オンラインで履歴書を作成すると、漢字変換やタイプミスが発生することもあるため、いずれにせよ確認が必要です。自分で読み直しを複数回行い、家族や友人に読んでもらい対策を行いましょう。


文章にまとまりがない

新卒就活生は、履歴書にまとまりがないことも見られます。文章の結論が見えず、曖昧で何を伝えたいかがわからない文章になると、採用担当者に自分の強みや熱意が伝わりづらくなります。文章は、結論ファーストを意識するとまとまりのなさを解決できます。また、時系列によって出来事をまとめると読みやすい文章になるでしょう。


口語を使用している

履歴書の作成は文語(書き言葉)で行い、口語(話し言葉)は厳禁です。「いっぱい」や「めちゃくちゃ」などは話し言葉のため、不適切だと判断されます。「とても」「非常に」など書き言葉での表現を意識しましょう。


書き言葉であってもカジュアルな表現は避け、フォーマルな書類であることを意識しましょう。表現方法の確認は履歴書を客観的に見る、目上の人に確認してもらうといった方法が適しています。


企業目線で文章を考えられえていない

履歴書の文面は企業目線を意識しましょう。企業にとって自分の強みがどのようなメリットであるか、自分が入社することで、企業はどのような変化を起こせるかなど「企業がどうなるか」を意識して文章を組み立てましょう。


履歴書の志望動機や自己PRは自分のことを記載する箇所ですが、採用を目指して記載する箇所でもあります。そのため、常に企業目線ではどうかを意識しながら文章を記載しましょう。

新卒就活生の履歴書の作り方でよくある質問

ここからは履歴書の作り方でよくある質問に回答します。履歴書の作成が初めてだと、疑問点が多くありますが、1つずつ解決し、履歴書の完成を目指しましょう。


履歴書を郵送する際のマナーを教えてください

履歴書の宛名は、会社名の後に「御中」と記載します。封筒には履歴書在中と赤文字で記載すると担当者が何の書類か把握しやすくなります。切手の料金は、適切なものを貼り付けましょう。送付状を添付すると丁寧な印象を与えられます。締め切りにゆとりを持って郵送しましょう。


履歴書を郵送する場合、白色の封筒に入れて送ります。また、オモテ面の左下には赤文字で「履歴書在中」と記載し、応募書類であることを明記しましょう。さらに、郵送では送付状も添付します。送付状はハローワークのテンプレートを参考にしてください。

出典:ハローワーク


なお、切手の料金が不足すると採用担当者にネガティブなイメージを与えるため、郵便局で荷物の重さを測ってもらい購入すると良いでしょう。郵送は1週間程度かかる可能性もあるため、提出日にゆとりを持つか速達での提出を検討しましょう。


大学で配布される履歴書を使ったほうが良いですか?

大学で履歴書のフォーマットが配布される場合は、指定の履歴書を活用しましょう。大学で配布される履歴書は新卒向けのフォーマットになっており、自己PR欄が大きく設けられています。そのため、自分の強みをアピールしやすく、面接で有利に働きやすいでしょう。


上手に文章を書けない時はどうしたら良いですか?

履歴書の文章をうまく組み立てられない人は、大学の相談窓口の利用がおすすめです。大学の事務局で就活生向けにサポートを行っている場合があります。


また、家族や友人に履歴書を読んでもらい、修正する方法もあります。両親は、社会人としての経験があることから、有益なアドバイスを受けられるでしょう。また、近年はネット上で様々な例文が紹介されているため、それらを活用し書き進める方法もおすすめです。


ChatGPTを使って自己PR文を作成しても良いですか?

ChatGPTを履歴書に使用するとしても、骨格部分の作成のみにとどめましょう。文章をそのまま活用すると不自然かつ、整合性がなく企業から違和感を覚えられる可能性があります。


また、ChatGPTで文面を全て作ってしまうと面接で自己PRを話す際にスムーズに伝えられない可能性があります。ChatGPTを使用するなら要点のみにし、自分の言葉で話せるよう考えながら活用しましょう。


新卒の履歴書は一歩一歩丁寧に仕上げよう

就活の履歴書を初めて作成するのであれば、大学やアルバイトなど特別な項目を含むため、記載方法のコツを把握して作成が必要です。文章の記載が難しければ、オンラインの例文を活用したり、大学のサポートを受けたりして進めましょう。

履歴書は就職活動の第一歩です。自分の学生生活を振り返りながら、企業にアピールできるポイントを見つけて内定を目指しましょう。

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