新卒就活の履歴書ガイド|書き方のルールやマナー、注意点などを例文付きで解説

新卒就活では、履歴書の書き方一つで採用担当者に与える印象が大きく変わります。書類選考を通過するためには、正しいルールとマナーを押さえ、自分の魅力を効果的に伝える工夫が必要です。
この記事では、基本項目から志望動機・自己PRの書き方まで、例文を交えながら詳しく解説します。履歴書作成の悩みを解消し、内定獲得への第一歩を踏み出しましょう。
履歴書の役割とは?

履歴書は応募者のスキルや能力、そして適性などを把握するための重要な書類です。新卒の就活において、企業が応募者を知るための第一歩となる重要な書類であり、学歴や資格だけでなく、自己PRや志望動機を通じて適性をアピールする機会でもあります。また、面接時の参考資料としても活用されるため、丁寧に作成することが大切です。
履歴書とエントリーシートの違い
履歴書とエントリーシートには明確な違いがあります。履歴書は応募者の基本情報や学歴、職歴などを一覧できる採用書類の基本となるものです。企業が応募者のプロフィールを把握するための第一の資料であり、面接の際の基礎資料として活用されます。
一方、エントリーシートは自分の魅力や入社後にどう貢献できるかなど、企業に対して自分自身をアピールするためのものです。選考で使用されるもののため、自己PRや志望動機の記入欄が大きく取られています。
履歴書は人事情報として扱われる公的書類のため、虚偽の記載事項がある場合、「私文書偽造」で解雇や不採用になる可能性もあるので、注意が必要です。
新卒就活で履歴書に書く内容
新卒の履歴書では、基本情報から志望動機まで様々な項目を記入します。それぞれの項目の書き方や注意点を押さえて、採用担当者に良い印象を与える履歴書を作成しましょう。
氏名・住所・連絡先
氏名はフリガナも含めて正確に記入します。「ふりがな」と記載されている場合はひらがなで、「フリガナ」とカタカナで書かれている場合はカタカナで記入しましょう。
住所は都道府県から省略せずに記載します。番地は「1-1-1」のような数字とハイフンではなく、「1丁目1番1号」と記入するのが正しい書き方です。マンション名や部屋番号も省略せずに書きましょう。
連絡先は確実に連絡が取れる電話番号とメールアドレスを記入します。就活用のメールアドレスは、フルネームを用いたシンプルでビジネス向けの形式(例:taro.yamada@example.com)にすることが望ましいです。企業からのメールには添付ファイルが含まれることもあるため、パソコンのアドレスを記入することをおすすめします。
学歴・職歴
新卒の場合、学歴の記入が重要になります。学校名や学部・学科名は正式名称で記入し、入学年月と卒業(卒業見込)年月は正確に記入しましょう。学歴は中学校卒業から記入するのが一般的です。
職歴については、正社員での就職経験がない場合は「なし」と記入します。アルバイトやインターンシップの経験は職歴には含まれませんが、自己PR欄などに書いてアピールするといいでしょう。
学歴欄の最初に「学歴」と中央に書き、以降は時系列で記入します。職歴欄は学歴の最終行から1行空けて「職歴」と中央に記入し、新卒者は次の行に「なし」と書き、その下に右詰めで、「以上」と記します。
資格・免許
資格や免許は取得年月とともに正式名称で記載します。たとえば「英検」ではなく「実用英語技能検定」、「FP」ではなく「ファイナンシャル・プランニング技能士」のように略称は使わずに記入します。
TOEICなどのスコアは点数と取得年月を記入し、業界や職種に関連する資格は特に詳しく記載することが大切です。現在勉強中の資格があれば「○○取得見込み」として記載することも可能です。
資格欄では普通自動車第一種運転免許を持っている場合は一番上に記載し、それ以外の資格は取得時期順に記入するのが一般的です。
志望動機
志望動機は企業研究に基づいた具体的な理由を記載します。自分の経験や価値観と企業の理念や事業内容を結びつけ、他社ではなくその企業を選んだ理由を明確に示すことが重要です。
新卒ならではの「将来性」や「成長意欲」をアピールし、入社後どのように貢献したいかの展望も含めると良いでしょう。企業のHPや説明会だけでなく、新聞・ニュースを通して調べたことや、企業の商品・サービスを使って感じたこと、OB・OG訪問のエピソードなどを盛り込むと説得力が上がります。
単に「企業理念に共感した」「貴社に魅力を感じた」といった抽象的な表現ではなく、自分自身と企業のつながりを語り、自分ならではの志望動機を作成することが大切です。
自己PR
自己PRでは学生時代の経験(サークル・アルバイト・ゼミ活動など)を具体的に記載し、新卒に求められる「ポテンシャル」をアピールします。自分の強みとそれを裏付ける具体例を示し、その強みが企業でどのように活かせるかを説明しましょう。
過大に自分を誇示するのではなく、意識して取り組んだことやそこから学んだことなど、過程と結論付けを意識して記入することが大切です。結果だけを伝えるのではなく、その過程や学びを伝えることで、思考力や行動力を示すことができます。
本人希望記入欄
本人希望欄は、勤務地や職種などの希望がある場合に記入します。配属希望部署がある場合は理由とともに記載し、入社可能時期や研修参加の可否など必要に応じて記入しましょう。
ただし、新卒の場合は特に希望がなければ「貴社規定に従います」と記入するのが一般的です。未経験の「新卒」においては、謙虚な姿勢で臨むことが求められます。空欄でも問題ありませんが、記入する場合は具体的かつ簡潔に書くようにしましょう。
新卒就活の履歴書で押さえておきたい4つのルール

履歴書を作成する際には、いくつかの基本的なルールを押さえておく必要があります。見た目の印象も含めて、採用担当者に好印象を与える履歴書を作成しましょう。
用紙や写真のサイズ指定を守る
新卒採用で一般的に使われる履歴書のフォーマットはJIS規格のA4サイズもしくはB5サイズが一般的です。大学によっては指定の履歴書がある場合もあるので、それを使用するとよいでしょう。
写真は指定サイズ(多くは縦4cm×横3cm)で最近3ヶ月以内に撮影したものを使用します。スーツ姿で正面を向いた証明写真が基本で、写真館やスピード写真機で撮影すると良いでしょう。写真の裏面に氏名を記入してから貼付することも忘れないようにしましょう。
きれいな字で記入する
履歴書は黒のボールペンまたは万年筆で丁寧に記入します。修正液の使用は避け、書き直す場合は新しい用紙を使用しましょう。文字の大きさやバランスを整えて読みやすく書くことが大切です。
また、枠からはみ出さないよう適切な文字量で記入することも重要です。あらかじめ鉛筆やシャープペンシルで下書きしてから清書すると、バランスの良い履歴書に仕上がります。
正しい日本語を使用する
履歴書では敬語や謙譲語を適切に使い分け、誤字脱字がないよう何度も確認することが大切です。口語表現や若者言葉は避け、フォーマルな文章を心がけましょう。
また、一文が長すぎないよう簡潔にまとめることも重要です。複雑な文章は読みにくく、伝えたいことが伝わりにくくなってしまいます。結論から書き始め、具体的な根拠や経験を添えるとわかりやすい文章になります。
PCで書く場合はフォントや文字を一定にする
パソコンで履歴書を作成する場合は、フォントは明朝体やゴシック体など読みやすいものを選びましょう。文字サイズは10〜12ポイントが適切で、重要なポイントを太字にするなどメリハリをつけると読みやすくなります。
全体的に統一感のあるデザインにすることが大切で、フォントや文字サイズをむやみに変えるのは避けましょう。また、印刷する前に何度も確認し、誤字脱字や改行位置などをチェックすることも重要です。
新卒就活で履歴書を書く際の注意点

履歴書を作成する際には、事前の準備や確認が重要です。以下の点に注意して、スムーズに作成しましょう。
記入事項を整理しておく
学歴や資格の正確な名称と取得年月日を事前に確認しておくことが大切です。アルバイト経験の期間や具体的な業務内容を整理し、志望動機や自己PRの要点を箇条書きでまとめてから文章化するとスムーズです。
必要に応じて下書きを作成してから清書することで、バランスの良い履歴書に仕上がります。特に手書きの場合は、下書きをしっかり行うことで書き間違いのリスクを減らすことができます。
募集要項や会社情報を確認する
企業が指定する履歴書の様式や記入方法を確認し、企業の正式名称や所在地を正確に記入することが重要です。募集している職種名を正確に記載し、企業の理念や事業内容を理解した上で志望動機を考えましょう。
企業研究が不十分だと、志望動機が薄っぺらいものになってしまいます。企業のWebサイトや会社説明会での情報を整理し、自分の経験や価値観と結びつけて説得力のある志望動機を作成しましょう。
提出方法を確認しておく
郵送の場合は折り目をつけずに専用封筒で送付し、持参の場合はクリアファイルなどに入れて保護することが大切です。Web応募の場合はPDF形式での提出が一般的です。
提出期限に余裕を持って準備し、郵送の場合は投函日を確認しておくことも重要です。また、送付状やメール本文に簡潔な挨拶と履歴書送付の旨を記載するとマナーが良いでしょう。
【例文】新卒の履歴書で使えるテンプレート

履歴書の志望動機や自己PRの書き方に迷ったときは、以下のテンプレートを参考にしてみましょう。ただし、そのまま使うのではなく、自分の言葉でアレンジすることが大切です。
志望動機
志望動機の例文
私が貴社を志望する理由は、地方再生に貢献したいと考えているからです。
地方再生に興味を持ったのは、祖父母の自宅周辺の活気が年々失われていく状況に直面したことが契機です。大学では地域創生学を学び、同じような課題を抱える地域がたくさんあることや、その再生が急務であることを理解し、自分にできることは何だろうかと考え続けてきました。
貴社は、5年前から古民家を再生したホテルの企画と運営に注力し、周辺地域に観光客を呼び込むことで地域を活性化させる新しいビジネスモデルで実績を上げており、その点に大きな魅力と可能性を感じました。ぜひ貴社の一員として、地方再生に貢献できるよう尽力したいと考えています。
さらに、大学で行ったフィールドワークでは、地元商店街と連携してイベントの企画・運営を行う機会があり、地域の人々と直接関わりながら課題解決に取り組む経験を得ました。その中で「人と地域をつなぐことのやりがい」を実感し、現場での体験を通して学んだ姿勢を、貴社の事業でも活かしていきたいと考えています。
自己PR
自己PRの例文
私はよく社交的な性格と言われ、個人よりもチームで物事を達成することが好きです。
大学ではチームで研究することも多く、進捗が遅れたり意見が対立したりすることもありました。自分自身の性格を活かしてメンバーの話をよく聞き、話しやすい雰囲気を築くよう努めたところ、さらによりよいアイディアが生まれ、研究成果につながることを実感しました。
貴社でもよりよい製品を作るため、周囲の人たちとの関係性を重視し、さらなる発展に貢献したいと考えています。
新卒の履歴書でよくある質問

履歴書作成に関してよくある疑問について、回答します。初めて履歴書を書く方も、これらのポイントを押さえれば安心です。
書き間違えたときどう直せばよい?
修正液や修正テープの使用は避け、新しい履歴書に書き直すのが基本です。小さな誤字は二重線で消して訂正印を押すという方法もありますが、できれば書き直しましょう。
書き直す場合は余裕を持ったスケジュールで履歴書を準備しておくことが大切です。PCで作成する場合は修正が容易なため、印刷前に何度も確認するようにしましょう。
応募先ごとに内容は変えた方がいい?
志望動機は各企業の特徴や求める人材像に合わせて必ずカスタマイズすべきです。自己PRも応募先企業や職種に関連する強みを強調するよう調整するとよいでしょう。
基本情報(氏名・住所・学歴など)は変更する必要はありませんが、同業界内でも企業カラーや事業内容は異なるため、企業研究を基に内容を変えることをおすすめします。
退学・留年・休学経験の書き方は?
退学・留年・休学経験は正直に書くことが大切です。事実を隠すと後で発覚した場合に信頼を失います。理由は簡潔に記載し、長文で言い訳がましくならないように注意しましょう。
ポジティブな表現を心がけ、例えば「家庭の事情で休学しましたが、その期間に○○の資格を取得しました」などと書くとよいでしょう。必要がなければ詳細を書かないことも大切で、企業側が特に求めていない場合は深掘りしすぎないようにしましょう。
短期間のアルバイト経験は記載すべき?
基本的には短期間のアルバイトは書かなくてもOKです。新卒の場合、正社員経験がないため、アルバイトよりも学業やガクチカを重視する傾向があります。
ただし、長期間継続したバイト(例:1年以上の経験、責任あるポジションを担った経験など)は記載価値があります。短期間でも特筆すべき経験があれば、「1ヶ月間の短期インターンで〇〇のスキルを習得」などと自己PR欄に記載するとよいでしょう。
履歴書は郵送とメールどちらがいい?
企業の指定に従うのが基本です。郵送の場合は折り目をつけず、専用の履歴書送付用封筒を使用しましょう。封筒の表に「履歴書在中」と朱書きし、裏面に差出人の住所・氏名を記載します。
メール添付の場合はPDF形式で送付し、ファイル名は「履歴書_氏名」など分かりやすく設定しましょう。送付状やメール本文には簡潔な挨拶と履歴書送付の旨を記載するとマナーが良いです。
新卒就活に向けて魅力的な履歴書を作成しよう

履歴書は新卒就活の第一歩です。基本ルールを守り、強みと企業への熱意が伝わる内容を心がけましょう。丁寧な作成と企業研究が、採用担当者に好印象を与えるポイントです。記事内のテンプレートも活用してみましょう。
さらに、履歴書作成を通して自己分析を深めることも重要です。自分の経験や価値観を見つめ直し、将来のキャリアビジョンと照らし合わせることで、より納得感のある志望動機が生まれます。また、第三者に見てもらい客観的なアドバイスを得ることで、内容のブラッシュアップにもつながります。
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