作業療法士の職務経歴書の書き方は?項目ごとにポイントを紹介

職務経歴書に何を書けば良いのか判断しづらい、経歴を整理して魅力的にまとめられるか不安、転職回数が多い場合の伝え方がわからないなど、作業療法士が抱える悩みはさまざまです。
本記事では、業務内容や実績を正確に表現し、採用担当者に魅力を届けるための方法について詳しく解説します。要点を押さえた書き方や、評価されやすいポイントを紹介します。転職活動の方向が定まらない方に役立つ内容を用意しているため、ぜひ参考にしてください。
作業療法士の職務経歴書を書く前の準備

転職活動を進めるうえで作成の準備を疎かにすると、大切なアピール要素を見落としてしまうおそれがあります。次のステップで整理すべき点を確認しましょう。
目指すキャリアや振り返るべき実績を洗い出す行為は、書類全体の説得力を左右します。最初に明確化しておくと、後の工程が進めやすくなるでしょう。
作業療法士としての自分の強み・弱みを理解する
自分の強みや得意分野を把握する作業は、職務経歴書を作成するうえで外せない工程です。対人スキル、支援経験、リハビリ計画の立案など、得意とする領域を明確化するとアピール効果が高まります。過去の経験や活動から、自らが活躍しやすい分野を導き出せるためです。
一方で、弱みに気づき、その克服策を検討する姿勢は、新しい職場で求められる柔軟性や学習意欲を示す要素になります。経験者の場合は、これまで培ってきた成長を振り返る機会が重要です。
現場で身につけた技術や成功体験を再確認し、今後の方向性や専門性の深化に結びつけましょう。強みと弱みを整理する段階は、最適なキャリアパスを見極めるうえでも欠かせません。自己分析を徹底するほど採用担当者へ魅力が伝わり、転職活動の質を向上させられます。
担当患者や治療内容などを具体的に書く
担当利用者の病態を記載すると、専門性が明確になります。脳血管疾患であれば脳出血や脳梗塞、くも膜下出血などの種類、合併症の有無を示すと説得力が増すでしょう。また、重症度、合併症なども明記します。
小児領域では、発達段階(例:粗大運動、微細運動、認知機能など)や診断名(例:脳性麻痺、発達性協調運動障害など)を挙げ、使用した評価方法や検査名(例:Bayley発達検査、K式発達検査など)を記せば、専門性が際立ちます。実施した治療法やプログラムの具体例も欠かせません。
感覚統合療法や高次脳機能障害リハビリ、摂食嚥下支援、精神科領域などの専門とする分野に関する支援を挙げると、さまざまなニーズに対応できる力を示せます。
多職種チームで果たす役割も重要です。カンファレンスでの情報共有や、他職種と協力してプログラムを立案した経験、専門職としての意見提示などを記すと協調性やチーム全体の目標達成に貢献したことなどが伝わります。
研究活動に関しては、学会発表や論文執筆、研修会への参加実績があれば、評価尺度や統計解析に触れつつ記載して専門力を強調することがおすすめです。
さらに、専門性を高めるために参加した研修会やセミナーについても、具体的に記述します。例えば、認定作業療法士研修や専門作業療法士研修を受講した場合、その研修内容や習得した知識・技術、実際の業務への活用方法などを具体的に説明すると良いでしょう。
応募先施設の情報収集
まず、施設の種類と特徴を確認します。医療機関であれば、病院、クリニック、リハビリテーションセンターなどがあり、それぞれ急性期、回復期、維持期のどの段階のリハビリテーションに重点を置いているのかを把握することが重要です。
また、対象となる疾患が脳血管疾患、整形外科疾患、精神疾患などのどれに当てはまるのか、チーム医療の体制として医師や看護師、理学療法士、言語聴覚士との連携がどのように行われているのかを確認します。
介護・福祉施設の場合、介護老人保健施設や特別養護老人ホーム、デイサービスなどがあり、入所者や利用者の介護度やニーズを把握することが大切です。生活機能向上や認知症ケア、終末期ケアなど、提供されるリハビリテーションの種類を確認し、さらにレクリエーションや地域交流の取り組みについても情報を集めます。
大学病院なら、高度な知識を身につける機会や実習指導体制が整っているかを調べましょう。訪問リハビリや児童発達支援などは対象者の年齢や環境が幅広く、学べる領域もさまざまです。
施設の規模や人員構成のチェックも必須です。作業療法士の在籍人数や連携状況、研修やキャリア支援制度の有無を調べると、働き方のイメージがつかみやすくなります。事前に応募先施設の情報を収集しておくことで、離職のリスクを避けられます。
作業療法士の職務経歴書の書き方ポイント

職務経歴書を作成する際は、専門職としての能力を簡潔かつ正確に表現する工夫が重要です。
次のパートでは、ポイントを整理しながら伝える指針を紹介します。事前に強みや実績を振り返る作業をしておくと書類全体の完成度が上がります。
資格や病院名・施設名を正式名称での記載を意識する
職務経歴書を作成する際は、誤解を防ぐためにも、すべての情報を正確に記載することが大切です。作業療法士の資格名は正式名称を用い、省略形を避ける方が賢明でしょう。勤務先も同様で、正式名称を記すと採用担当者に好印象を与えやすいです。
大学病院や総合病院、法人名付きの施設などであれば、略称より正式な呼称を使う方が信頼度が高まります。細部まで丁寧に仕上げる姿勢は、全体の完成度を底上げする要因になります。
必要であれば非常勤の経歴も記載する
非常勤やアルバイトなどであっても、転職先が評価に値しそうな経験があれば書く価値があります。職務経歴書には、基本的に常勤での職歴を詳細に記載し、自身のキャリアを明確に伝えることが重要です。しかし、非常勤やアルバイトとしての経験であっても、転職先が評価する可能性のあるスキルや業務内容と関連性がある場合は、積極的に記載すると良いでしょう。
もちろん、常勤歴はすべて記し、キャリアの流れを明確に伝えましょう。アルバイト経験を追加するかどうかは、長期間続けた実績や専門性が活用できるかどうかを基準に判断します。非常勤の経歴を記載する際は、担当業務や身につけたスキル、成果などを具体的に記述することで、より説得力のある職務経歴書になるでしょう。
雇用形態に関係なく、有用なスキルを身につけた経験があれば転職活動でのアピール材料になります。
作業療法士の業務内容や実績は具体的に記載する
作業療法士として行ってきた業務や実績を具体化する姿勢は、書類で能力を伝えるうえで欠かせません。単に「作業療法士として勤務」と書くだけでは、どのような経験を積んできたのかが伝わりにくくなってしまうため、できるだけ詳しく記載しましょう。
担当した利用者の状態やリハビリ目標、どれほど機能回復に貢献したかなどを明記し、説得力を高めましょう。成功事例や同僚から評価されたポイントを持っているなら、具体的なエピソードや数値を加えると採用担当者の目を引きやすくなります。
例えば、新しいリハビリプログラムを導入した結果、患者の回復が促進された事例や、チーム医療の中で積極的に意見を出し、治療方針の改善に貢献した経験などがあれば、それを明記すると良いでしょう。
作業療法士の職務経歴書の項目と書き方
職務経歴書には複数の欄があり、それぞれの役割を踏まえて適切に配置すると読みやすい書類になります。余すところなく情報を提示するため、各項目をどう記述するかを見直しましょう。次のセクションでは、項目別に要点を整理し、説得力を高めるコツを説明します。
職務要約
経歴の概略は採用担当者が全体像を短時間で把握する際に重要です。勤務先の正式名称、業務内容、職位、勤務期間などを簡潔にまとめ、どのような環境で働いてきたかを示しましょう。自身のキャリアの全体像をわかりやすく伝えることで、応募先にどのような経験やスキルを持った人物であるかを印象づけられます。
利用者数や職員数、提供するサービスの種類を加えると、現場の規模感を伝えやすくなります。書き方のポイントは「端的に概要を示す」点です。要約を記載し、その後の詳細欄へ興味を持たせる流れを作ると効果的です。
職務経歴
これまでの職務を正確かつ端的にまとめる欄です。
担当した利用者の特徴(高齢者、障害者、精神障害など)やリハビリ計画、アプローチを具体的に書くと良いでしょう。勉強会やカンファレンスへの参加頻度、継続的な学習への姿勢を示すエピソードなどがあれば盛り込みます。
自己研鑽への意欲を表現する要素を追加すると、採用担当者へポジティブな印象を与えやすくなります。
業務内容
担当業務を整理し、リハビリ計画の立案や退院支援などを箇条書きにするとわかりやすいでしょう。例えば、以下の形式で示すと、採用担当者が業務範囲を理解しやすくなります。
仕事内容の記載方法
・個別リハビリの実施
・チームカンファレンスへの参加
・退院後の生活支援に関するプラン提案
得意分野や注力している領域を際立たせる書き方を工夫すると、自分の強みを明確に示せます。
経験・実績
例えば、脳血管障害を抱える方の歩行機能がどれくらい回復したか、数値変化や目標達成率を記載するとわかりやすくなります。
他職種と連携して環境調整を行い、日常生活レベルを高めた事例などがあれば盛り込むのも効果的です。成果を裏付ける定量情報があれば、総合的なスキルを示せます。
資格
作業療法士免許をはじめ、関連資格や修了証などを正しく書き込みます。資格名は省略形を避け、取得年月と併記すると信頼度が高まります。
例えば、「作業療法士免許(〇年〇月取得)」の形で記載するとわかりやすいでしょう。学会認定の資格や民間の技能証明がある場合は評価につながる可能性があるため、忘れずに記載してください。
自己PR
履歴書よりもさらに詳細にアピールできるのが、職務経歴書内の自己PR欄です。
前の職場で得たスキルや困難を乗り越えた経験を盛り込み、新しい環境でどのように役立てるかを具体的に示しましょう。
職場で重視する価値観を挙げると、採用担当者との共感を得やすくなります。自主的な勉強会や研修へ積極的に参加していた実績を示すと、向上心の高さをアピールできます。
作業療法士の職務経歴書を提出する前に確認しておきたいこと

履歴書や職務経歴書に作業療法士としての活動内容をしっかり盛り込むと、採用担当者が実力を正確に判断しやすくなります。
抽象的にまとめるのではなく、具体的な事例や成果を述べると説得力が増すでしょう。自らが担当した範囲やチーム内での役割、達成したゴールをわかりやすく書き込む姿勢が重要です。
数値やエピソードを加えると、アピール度合いを一段と高められます。
作業療法士の職務経歴書の書き方でよくある質問

書き方のポイントを把握していても、実務経験が浅い、転職回数が多いなど個々の事情により悩む方もいます。
次のパートでは、経験が浅いケースや症例が少ない状況、転職回数が多い場合など、よくある疑問に答えます。対策を把握して職務経歴書の完成度をより高めましょう。
経験の浅い作業療法士は、どのように職務経歴をアピールすれば良い?
学生期の実習や入職後の研修、学会参加、資格取得を目指した学習など、向上心がうかがえる内容を積極的に書く姿勢が望ましいです。
患者とのコミュニケーションで留意してきた点や、チーム医療の場面でどのように関わったかを示すと人柄も伝わります。経験値を補う意欲の高さを強調するのが効果的です。
経験した症例が少ない場合、どのように自己PRを作成すれば良い?
経験不足を過度に意識する必要はありません。
症例が少ない分、一人ひとりと誠実に向き合い、丁寧なリハビリを提供してきた点を伝えると好印象を残せます。
さらに、今後どのような専門分野を掘り下げたいかや、学び続ける意思を示すと、採用担当者から成長性を見込まれる可能性が高まります。
転職回数が多い場合、どのように職務経歴を記載すれば良い?
転職理由を明確にし、それぞれの職場で獲得したスキルや経験を丁寧に示すと評価されやすいでしょう。
キャリアアップや専門性向上のための転職だった場合は、該当部分をしっかり強調します。ネガティブな印象を避けるために、前向きな変化や成長を強調する書き方が有効です。
作業療法士の職務経歴書はコツを押さえて作成しよう

作業療法士の職務経歴書は、具体的な活動や成果を盛り込みながら、自分らしさや強みを示す姿勢が重要です。採用担当者にとって読みやすく、内容が充実している書類ほど魅力を感じてもらえるでしょう。効率的に書類を準備したい方は、履歴書作成サービス「ワンポチ」を使う方法があります。
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