作業療法士の履歴書の書き方とポイント|例文やよくある質問も紹介

履歴書は採用担当者が最初に目を通す重要な書類です。書くべき内容を理解し、自分が携わったことがある分野や経験してきたことを記載することで、わかりやすく簡潔な履歴書になります。
本記事では作業療法士の履歴書で押さえる内容や具体的な書き方を紹介しますので、作業療法士として就職や転職を成功させたい方は、ぜひお読みください。
作業療法士の履歴書を書くときのポイント

作業療法士の履歴書を書くときには、大きく3つのポイントがあります。それぞれ詳しく紹介します。
「対象疾患・障害」や「専門分野」などの専門性を具体的に示す
作業療法士の履歴書を書くときは、まず携わったことがある疾患や障害、専門分野を記載します。脳血管疾患、整形外科疾患、精神疾患、発達障害のように、疾患や障害を記載し、それぞれの疾患や障害に対する評価や治療の経験を具体的に記載しましょう。以下に例文を示します。
実績の例文
脳血管疾患患者に対する高次脳機能評価、上肢機能訓練、日常生活動作訓練を○○例実施。
評価の経験を記載するときは、MMSE、FAB、FIMといったような評価ツールについて使用経験の有無とともに、知識や習熟度を記載します。治療経験についても同様です。CI療法やボバースコンセプト、感覚統合療法のような治療について、以下のように具体的に記載しましょう。
評価の経験の例文
MMSE、FABを用いた高次脳機能評価、CI療法を用いた上肢機能訓練を実施。ボバースコンセプトに関する研修受講歴あり。
また、専門分野に関しては、認定作業療法士、専門作業療法士の資格があれば、取得年月と合わせて記載します。専門分野に関しての研究や学会発表、論文発表の経験があれば記載しておくとアピールポイントになるでしょう。記載例は、以下のとおりです。
専門分野の例文
認定作業療法士(○○分野)取得。○○に関する研究発表、論文発表経験あり。
「リハビリテーション計画」や「チーム医療」の経験を具体的に示す
作業療法士として働く際は、患者様の目標設定やリハビリテーション計画の立案、進捗管理の経験も重要なポイントです。患者様だけでなく、ご家族との目標の共有や計画の見直し、コミュニケーションの取り方についても記載しましょう。経験を記載するときの例は、以下のとおりです。
経験の例文
患者様、ご家族と目標を共有し、○○に基づいたリハビリテーション計画を立案します。定期的な進捗評価を行い、計画の見直しを行いました。
患者様、ご家族と目標を共有し、○○に基づいたリハビリテーション計画を立案します。定期的な進捗評価を行い、計画の見直しを行いました。
さらに、作業療法士は医師や看護師、理学療法士、言語聴覚士といった多職種との連携が欠かせない仕事です。チーム医療における自身の役割やチームワーク向上のために工夫したことを具体的に示すことで、チームの中でどのように貢献できるかをアピールできます。記載例は、以下のようになります。
経験の例文
多職種カンファレンスに定期的に参加し、患者様の情報を共有し、治療方針を検討しました。チームリーダーとして、多職種間の連携を円滑に行った経験があります。
「施設の理念への共感」などの自己PR・志望動機を具体的に示す
クリニックや病院は、専門分野や主な対象疾患、治療方針が施設により異なります。自己PRや志望動機を記載する際は、応募先の施設の特徴や理念を理解したうえで、共感する点やどのように貢献したいかを記載しましょう。記載例は、以下のとおりです。
貢献の例文
貴院の○○分野における専門性の高さ、チーム医療を重視する姿勢に共感しました。○○の経験を活かし、患者様のQOL向上に貢献したいです。
また、作業療法士としての目標や活躍したい分野も記載することがポイントです。目標達成のために努力していることや、スキルアップの方法を交えながら、以下のように具体的に示しましょう。
目標の例文
将来的には、○○分野の専門性を高め、チーム医療の中核を担える作業療法士を目指しています。○○に関する研修、学会発表に積極的に参加し、スキルアップに努めます。
作業療法士の履歴書の書き方と例文
ここからは、具体的な履歴書の書き方を紹介します。
基本情報
初めに、基本情報の欄を埋めていきます。日付は、提出日や投稿日を記載します。実際に応募する日付と記載する日付があまりに離れていると、履歴書を使い回していると思われてしまう可能性があるため、注意しましょう。名前や住所のふりがなは、履歴書の様式に合わせて「ふりがな」と書いてあればひらがなで、「フリガナ」と書いてあればカタカナで書くのが基本です。履歴書の様式により押印欄がある場合は、忘れずに印を押しましょう。写真は、3ヵ月~半年以内に撮影したカラー写真を添付します。サイズは指定があれは指定通りに、なければ縦4cm×横3cm程度の写真を貼りましょう。
学歴
学歴は、高校卒業から記載するのが基本です。一行目の中央に「学歴」と記載し、二行目から記載していきましょう。学校名や学部、学科は正式名称で書き、在学中の学歴は「卒業見込み」と記載します。
職歴
職歴は、在職期間の長さに関係なくすべて記載し、パートや契約職員といった雇用形態も正しく記します。学生時代に行ったアルバイトは基本的には含みません。退職した職歴を記載する際は、「一身上の都合」「会社都合」といったように、退職理由を事実に基づいて書きましょう。入社年月日は、西暦と和暦でまちがえやすいため、特別な理由がなければ西暦で記載することをおすすめします。社名も記載ミスがないように注意して書きましょう。
保有資格・スキル
保有資格欄には、作業療法士の業務に関連のある免許や資格を取得年月日の順に記載します。すでに失効している免許や現在受講中の資格もアピールポイントになるため、忘れずに記載することがおすすめです。失効中や取得見込みと補足すると、採用担当者に伝わりやすいでしょう。なお、作業療法士としての業務に関係がない免許や趣味で取得した資格は、趣味欄に記載しましょう。
志望動機
志望動機は次に紹介する自己PRとともに、履歴書の中で重要な項目の1つです。記載欄の8割以上を埋め、働きたい意欲をしっかり伝えましょう。以下に例文を示します。
志望動機の例文
これまで作業療法士として、総合病院のリハビリテーション科で経験を積んできました。患者様と接する中で、急性期だけではなく、回復期や生活期に至るまで包括的にかかわりたいと考え、転職を考えました。
貴院では、地域連携にも力を入れており、急性期から退院後の生活環境までサポートしている点に魅力を感じています。急性期ではこれまでの経験を活かし、さらに長期的なリハビリ計画の作成や他の職種との連携スキルを磨き、貴院に貢献していきたいと考えています。
書くのに悩んだときは、上記のように応募先の特徴や理念と結びつけながら記載すると書きやすくなります。
自己PR欄
自己PRの欄では、自分の強みがどこにあるのかをアピールします。自分を良く知ってもらうため、やり遂げたことや長所を記載しましょう。長所を書くときは、どのようにして身につけたのか、長所で得られた成果を合わせて記載するとより伝わりやすくなります。また、応募する会社の業務に関連させると、会社にとって採用するメリットがイメージしやすくなるでしょう。なお、長所は書きすぎないことがポイントです。複数記載すると人物像が分かりにくくなるため、1つに絞ってアピールしましょう。
本人希望記入欄
本人希望欄は、職種や勤務地、勤務時間に強い希望がなければ、「貴社の規定でお願いいたします。」とだけ記載するのが無難です。履歴書は、最初に採用担当者が応募者を知る手掛かりとなる書類です。勤務時間や働く条件に関する希望を記載しすぎると「仕事への意欲が感じられない」「要望が多い」といった印象を持たれてしまうかもしれません。選考が進むと、接遇や勤務時間に関して直接希望を伝えられる機会があるため、履歴書では記載を控えめにしておきましょう。
作業療法士の履歴書に関するよくある質問

作業療法士の履歴書を書く際によくある質問に「対象疾患・障害の経験はどのように書けば良い?」があります。履歴書や職務経歴書で対象疾患・障害の経験を記載する際は、「脳血管疾患」「整形外科疾患」「精神疾患」「発達障害」といった具体的な疾患名や障害名を挙げましょう。それぞれの疾患・障害に対して、どのような評価や治療経験をお持ちなのかも具体的に記述することで、採用担当者にあなたの専門性を効果的に伝えることができます。
作業療法士の履歴書は具体的に記載して就職・転職を成功させよう

作業療法士の就職・転職で履歴書を書く際は、丁寧に分かりやすく伝えることが大切です。採用担当者に自分をしっかりとアピールするためには、具体的なエピソードを交えながら、自分の経験や得意なことをわかりやすく伝えましょう。
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