経理職の職務経歴書の書き方【未経験・経験者向けの例文付き】

経理職の職務経歴書の書き方【未経験・経験者向けの例文付き】


経理職は新卒で採用されるケースが少なく、多くは中途採用です。そのため、転職活動中は職務経歴書を作成することもあるでしょう。職務経歴書は、これまでのキャリアでどのような業務を行ってきたかについて述べることで、経験やスキルをアピールする書類です。応募先の企業にとっては、採用後にどのような業務が行えるか、どのように貢献してくれるか判断するための材料にもなります。

しかし、何をどのように書けばよいかわからないと悩む方も少なくありません。そこで本記事では、経理職における職務経歴書の書き方について詳しく解説します。

経理職の職務経歴書の基本構成と書き方


職務経歴書の基本構成は、以下6つの項目からできています。それぞれアピールできる要素が異なるため、書き始める前に各項目の役割について確認しましょう。

職務経歴書の基本構成
・タイトル・日付・氏名
・職務要約
・職務経歴
・活かせる経験・知識・技術
・資格
・自己PR



タイトル・日付・氏名

1行目は、中央に「職務経歴書」と記入します。2行目は、右端に提出日もしくは郵送日の日付を記入しましょう。

最後に、3行目の右端に氏名を記入して「タイトル・日付・氏名」の項目は完了です。必要に応じて、氏名の下に電話番号とメールアドレスを記入してください。

職務要約

「職務要約」では、次のような実績や経験についてまとめます。

職務要約でまとめる実績と経験
・経理にまつわる実績や経験
・業務改善の提案など会社の利益につながるような実績や経験



職務要約の例文
クラウドシステム導入後は月間XX時間の工数削減に貢献


これまでのキャリアの要約であるため、長く書きすぎないよう注意してください。3~4行(300字)程度でまとめると読みやすくなります。

また、以下のポイントに注意して記入すると、内容の濃い職務要約が作成できます。

内容の濃い職務要約にするためのポイント
・応募先で求められるスキルや人物層をアピールする
・感想や意見などを入れずに、客観的な事実のみを記載する



職務経歴

「職務経歴」は、これまでの職務経歴について記載する項目です。時系列順に記載するか、職務経歴が多い人は勤続年数が長いもの、実績の多いものをピックアップしてもよいでしょう。

また、採用担当者が読みやすいかにも配慮してください。どこまでがどの職歴における実績なのか、適度に見出しや記号をつけながら作成すると読みやすくなります。

活かせる経験・知識・技術

「活かせる経験・知識・技術」は、採用後にどのような業務ができるか、どのように会社に貢献できるかについてアピールする項目です。実績や経験・資格・技術など、経理職に活かせるものがあれば記載しましょう。箇条書きで簡潔に記載し、直下に簡単な成果などを記入してもよいです。

経験や技術に関しては、年数も入れるとなおよいでしょう。経理職では、業務内容に対する経験年数が重視される傾向があるためです。

資格

「資格」に記入する内容は、履歴書と同じで問題ありません。ただし、なるべく略称にしないこと、履歴書と内容が異ならないように注意しましょう。履歴書と内容が異なる場合、不信感を抱かれる可能性があります。

履歴書に書ききれない場合は「そのほかは職務経歴書に記載」と記入し、職務経歴書に追加で記入してください。このように作成すれば、取得・合格した資格をすべてアピールできます。

なお、普通自動車の運転免許を取得している場合は、1行目に記載してください。取得年月日がほかの資格より後でも、1行目に記入するのが一般的です。

資格の書き方の例文
2014年8月 普通自動車第一種免許
2013年6月 日本商工会議所簿記検定試験 2級 合格



自己PR

「自己PR」の内容は、資格の項目と同様に履歴書と同じで問題ありません。また、履歴書に書ききれなかった場合は、職務経歴書で補足してもよいでしょう。小さくタイトルをつけて分けて書くと読みやすくなります。

自己PRの書き方の例文
専門知識の習得
経理業務はもちろん、業務改善に役立つ知識を吸収し、向上心を持って取り組みます。現在、経理職への転職を目指して日商簿記2級合格のために勉強に励んでいるほか…。

課題解決力
業務改善にあたり、課題を分析し解決を目指します。現職の事務職では、ペーパーレス化が進んでいないことにより資料の管理が困難であることなど、複数の課題がありました。そこで、ぺーパーレス化を推進することを提案し、システムを導入するなど解決に努めました、その結果…。

マネジメント能力
各工程の管理と部下のモチベーションを高めます。現職では…。

【未経験者向け】経理職の職務経歴書を書く際のポイント

【未経験者向け】経理職の職務経歴書を書く際のポイント


経理未経験者の場合、前職の経験やスキルが活かせるか採用担当者がイメージしにくい可能性があります。そのため、経理未経験者は仕事に対する考え方や意欲についてアピールするとよいでしょう。

ただし、前職の経験やスキルを列記するのは避けてください。また、応募先が求める未経験者の人物像に合わせて内容を考えることが好ましいでしょう。

採用側が経理未経験者を求めるのは、以下の理由が挙げられます。応募要項を見てもわからない人は参考にしてください。

経理未経験者を募集する理由
人手不足解消
新しい視点での考え方を取り入れる
先入観や固定概念のない人材の確保
潜在能力を秘めた人材の確保



前職での実績を記載する

経理職未経験でも、業務効率化やコスト削減などの改善の経験があれば、十分にアピール可能です。また、マネジメント経験や営業成績がある場合は、汎用性の高いスキルを持っていると評価される可能性があります。積極的にアピールしましょう。

そのほか、実績については具体的な数字を挙げてください。具体的な数字を挙げることで、採用担当者がイメージしやすくなったり、評価しやすくなったりします。

具体的な数字を挙げた例文
・新事業の立ち上げにより売上〇億円
・社内成績〇人中〇位
・システム導入を提案し、〇〇にかかる業務を月〇時間削減



経理で活かせる経験をアピールする

具体的な成果が上げられなくても、事務処理で給与の管理をしていた、原価計算をしたうえでの提案など、経理業務に関連する経験があれば記載しましょう。

経理職への転職で求められる実務経験は、以下のものがあります。もし該当するものがあれば、職務経歴書に記載してアピールしましょう。

経理職で求められる実務経験
・売り上げや在庫管理など数字に関わる業務の経験
・コミュニケーションを円滑に行うための取り組み
・書類のミスがないなど正確に業務を行った経験



勉強中の資格について記載する

経理職への転職に向け、取得を目指して勉強している資格があれば、現在の状況や受験予定などについてまとめましょう。未受験で取得していない場合でも、取得の意思があることをアピールできます。

「資格」項目での書き方の例文
日本商工会議所簿記検定試験 2級 合格に向けて勉強中(11月受験予定)


【経験者向け】経理職の職務経歴書を書く際のポイント

【経験者向け】経理職の職務経歴書を書く際のポイント


経理職経験者は未経験者とは異なり、即戦力になる人材が求められます。そのため、職務経歴書は雇用されてからどんな働きが期待できるのか、明確にイメージできるような内容が好ましいです。

なお、経理職経験者に対しては以下のスキルが求められる傾向にあります。これらを意識して作成すれば、採用担当者が興味を持つ可能性があるでしょう。

経理職経験者に求められるスキル

経理経験年数

担当業務

求められるスキル

3年未満

・伝票処理

・仕分け入力

・売掛・買掛管理

・支払処理

・経理精算

・データ分析

・報告書作成

・コミュニケーション力

・ビジネスマナー

・基本的な会計知識

・PCスキル

・正確な数値理解

・基礎業務を確実に実行する力

・仕事への責任感

・学習への積極性

3~5年

・月次・年次決算

・予算管理

・税務申告

・財務分析

・プロセス改善

・システム導入

・コミュニケーション力

・高度な会計知識

・リーダーシップ力

・PCスキル

・財務分析能力

・法律や規制への理解

・問題解決力

・プロジェクト管理能力

5~10年

・予算計画

・財務戦略

・経営報告

・意思決定支援

・部門の統制

・監査対応

・チームマネジメント

・コミュニケーション力

・高度な財務分析能力

・リーダーシップ力

・プレゼンテーションスキル

・会計基準の理解

・経営分析スキル

・法令順守

・マネジメント能力

・情報収集力

・業界への理解

・IT活用スキル

10年以上

・財務・リスク管理

・国際会計基準(IFRS)やIR(投資家向け広報)の責任者

・高度な会計関連業務能力

・より深い財務知識

・IPO(新規公開株式)経験

・決算経験

・管理職経験

・監査法人経験

・会計コンサル経験

・公認会計士の資格

・英語力

・上場企業での経験



具体的な業務内容をまとめる

具体的な業務内容について説明することで、どんな業務を任せられるのか採用者が判断しやすくなります。異動によって業務内容が変わった場合は、時系列が分かるように記載するとよいでしょう。

また、ナンバリングをしたうえで項目ごとに詳しく説明するなど、配置に工夫にするとより見やすくなります。

具体的な業務内容をまとめる書き方の例文
1. 基礎業務を組織全体で確実に実行する力と体制の構築
正確な数値の理解と丁寧な業務を心がけ、基礎業務を確実に実行してきました。1つ例を挙げると、入力ミスを防止するため2人による2重チェックから3人でのチェック体制を構築するなど、自分がミスをしないだけでなく全体のミスを防止できるよう努めてまいりました。

2. 高度な会計知識と積極的な学習意欲
経理職として〇年勤続しましたが、その間も積極的に学習を続け、高度な会計知識の取得に努めました。入社前には日商簿記3級に合格していましたが、その後も2級に合格するため勉強に励みました。また、現在ではより高度な会計知識を会得するため、公認会計士の資格取得を目指しています。



経理職での成果を記載する

業務の効率化やコスト削減、システムの導入などに取り組んだ経験があれば、その成果について触れてください。箇条書きにした業務内容の直下にまとめたり「活かせる経験・知識・技術」にそれぞれ記入したりしてもよいです。

経理職での成果の書き方の例文
経費精算システム導入による効率化
経費精算システムを導入した結果、精算にかかる時間の大幅な削減に成功しました。以前は多数在籍する営業担当者の経費精算が大きな負担となっており、月末月初の営業活動にも影響が出ていました。しかし、システムの導入により経費の精算にかかる時間の削減はもちろん、担当者の負担軽減にもなり月末月初の営業活動も効率よく行えるようになりました。



ITやDX化に関する知識を挙げる

昨今、経営判断のためのデータ分析や業務効率化が求められ、IT化に積極的な企業が増えています。そのため、IT化による業務改革やデータ管理を経理職が担当することもあります。

もしITやDX化に関して知識があれば、その有無も記載するとよいでしょう。ほかの応募者と差別化しやすくなります。

経理に求められるITスキル・知識には以下のようなものがあります。これらについての実務経験などがあれば、具体的な内容とともに記載しましょう。

経理に求められるITスキル・知識
・PC・タブレットの操作スキル
・会計ソフトの操作スキル
・Excelの活用スキル
・社内外のコミュニティツールの知識
・電子帳簿保存法の仕組みの知識



経理の職務履歴書は採用後のメリットを意識して書きましょう

経理の職務履歴書は採用後のメリットを意識して書きましょう


経理の職務経歴書は、これまでのキャリアと長所と強みについてアピールするための書類です。ただし、それらについてただ箇条書きにしただけではアピールになりません。

経理の職務経歴書を作成する際は、採用後にどのような業務が行えるか、どのように貢献できるかなど、採用後のメリットを意識するとよいでしょう。採用担当者の目線に立って作成すれば、採用したいと思えるような魅力的な職務経歴書が作成できるはずです。

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【ディスクリプション】
経理職への転職をお考えの方のために、職務経歴書の書き方についてご紹介します。各項目の例文や未経験者・経験者向けのポイントと書き方の例もまとめているため、経理職の職務経歴書の書き方に悩んでいる方は参考にしてはいかがでしょうか。

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