【例文あり】経理の自己PRを書くときのポイント・心得を徹底解説

経理の転職では、即戦力になるのかどうかを自己PRから判断することが多いです。そのため、自己PRに記載する内容は非常に重要となります。自己PRは実務経験や知識を踏まえて書くことになりますが、効果的な書き方を理解していなければ採用担当者の目には留まりません。
本記事では、経理の自己PRで有利になる経験・知識を始め、書く時のポイントや心得をまとめました。また、転職で役立つ経理の自己PRの例文までご紹介します。
経理の自己PRで有利になる経験・知識

転職の自己PRでは、経理の経験と知識を伝えますが、具体的にどのようなことを書けばよいのかを解説します。いずれも有利に進めるために必要なポイントですので、ぜひ参考にしてください。
ソフトや会計システムの使用経験
経理の転職では、ソフトや会計システムをどれだけ幅広く使用できるかの能力が重要視されます。これは、使用している会計システムが企業によって異なるためです。近年ではクラウド会計ソフトに移行する企業が増加傾向にあります。自己PR欄にいろいろなソフトを使いこなせることを記載すれば、対応範囲の広さをアピールできるでしょう。これは、業務効率化を目指す企業にとっては魅力的に映るため、経理の自己PRとしては効果的です。
生産性向上のための体制の設計・構築経験
経理の転職では、業務体制の設計と構築経験が豊富なほど有利になります。業務効率を高めるためには、問題点を洗い出して改善を図ることも欠かせません。たとえば新たなシステムの導入や業務フローの改善などを行ったのであれば、積極的にアピールしましょう。具体的にどのくらい効率化ができたのかまで記載できると、有利に働く可能性が高いです。
マネジメントの経験
40歳前後で経理職の転職を目指す際には、マネジメントや管理職の経験が評価されやすいです。求人によっては即戦力を求めている場合があり、管理職のポストを準備していることも少なくありません。役職に就いたことがある経験や、社員やパートの管理を実施した経験があれば、自己PRでに記載しておくとよいでしょう。
IPO(新規公開株)準備の経験
IPO(新規公開株)準備の経験は、設立して年数が浅い企業やベンチャー企業から高く評価される可能性があります。近い将来の上場を検討している企業では、IPO経験をもつ人材を経理部門のトップやCFO(最高財務責任者)などで迎え入れるケースもあるでしょう。証券会社や監査法人とのやり取りや、ルール整備などの経験を自己PRで示せば、経理の転職で有利になります。
海外会計基準(IFRS・US-GAAP等)の知識
IFRS(国際会計基準)やUS-GAAP(米国会計基準)など海外会計基準の知識を保有し、熟知していると、経理職の転職で有利です。大手企業はもちろん、近年では中小企業でもグローバル展開が増えているため、ニーズが高いといえます。企業がグローバル展開をする際は、国際的に適用される会計基準に対応しなければなりません。IFRS検定や米国公認会計士試験などに合格していれば、自己PRを書く際に有利になるでしょう。
経理の自己PRを書く時の3つのポイント

自己PRには、経理の経験とスキルを記載しますが、書く時には3つのポイントを押さえると効果的です。どれだけ具体的に記載できるかも重要になりますので、意識してみましょう。
1. 経験者は業務内容と貢献度を具体的に示す
経理の転職では、過去の経験と会社への貢献度を、自己PRで具体的に示します。過去の経験では、日々の入出金管理や請求・決済、決算、給与計算、マネジメントなどを示しましょう。
また、営業での接客や財務なども、書き方次第では自己PRとして活用できます。実際の経験から、企業へどのように貢献したのかを具体的に示すことが、自己PRを書く時のポイントです。
2. 経験した期間を明確に記す
経験を記載する際、経理の業務に携わった期間を示すことで説得力が生まれます。従事期間の長さに応じて経理の精通度も高まり、重要な業務でも任せられる可能性が高くなるためです。
例えば、マイクロソフトオフィス製品や会計システムの利用経験値については、できるだけ詳細を記載しましょう。漠然と記載するのではなく、経験の豊かさまで伝わるように記すことがポイントです。
3. 未経験の人は保有する資格やスキルを提示する
未経験の人が転職を望むのであれば、経理に関連する資格やスキルを持ち合わせていなければ難しいです。転職では即戦力が求められるため、専門知識の保有や実務経験が重視されます。
幅広い企業から求められやすい資格が「日商簿記検定2級以上」です。IFRS検定のような資格も所持しているなら、併せて示しておきましょう。
経理の自己PRの例文

実際に自己PRを書く際には迷ってしまう方もいるでしょう。経理職で自己PRをするには、どのようなアピールポイントを前面に出すかが重要です。
ここではいくつかのジャンルに分けて、経理の例文をご紹介します。
職務経験の自己PR
経理の経験者が転職する際は、過去に経験した内容と貢献度を示すことが重要です。
自己PRの例文
私は前職でも経理職に携わり、5年間で幅広いバックオフィス業務を経験しました。そのうち2年間は、キャッシュフロー管理と毎日の仕訳、月次・年次決算の対応、給与計算を経験しており、スピードと正確性を重視した業務には自信があります。
3年間は税務申告にも携わり、インボイス制度に基づいた処理を行うだけでなく、業務フローの改善を提案し、円滑に対応することができました。これにより、効率性が高まり月次決算の締め作業を、従来よりも4日短縮することに成功しています。
貴社では前職での実務経験やスキルを生かして、業務体制の見直しやコスト削減に貢献していきたいと考えています。
部署内の体制の設計と構築経験で結果を出していると、転職で有利になります。
コミュニケーション能力の自己PR
経理でもコミュニケーション能力は重要なため、自己PRで活用できます。
自己PRの例文
前職でも3年間、経理職に従事しており、現金と預金口座の管理、仕訳や請求書・領収書の発行を中心に担当し、処理業務の正確さやスピードを習得しました。
また、コミュニケーション能力も向上したと自負しております。
部署内での流れが円滑に進むよう、情報を正確に伝達することを徹底してきました。
各部署でのプロジェクトの進行を妨げぬよう、社員の状況に配慮したコミュニケーションを意識しています。
貴社でも、バックオフィス業務としての役割を理解し、正確な業務遂行のために適切なコミュニケーションを取りながら、経理職の業務を全うしたいと考えています。
大手企業では部署内で意思疎通を図りながら業務を進行しなければなりません。
中小企業では社員全体と関わる機会があるため、コミュニケーション能力は積極的にアピールしましょう。
経理の強みに関する自己PR
強みに関しては、以下のような内容を自己PRに書くとよいでしょう。
経理の強みの一例
・処理の速さ
・正確さ
・計画性
・責任感
・向上心など
自己PRの例文
前職では、経理職に携わっており、計画性と責任感を強みとして処理業務を行ってきました。
業務処理のスピードと正確性には自信があります。
ベタ入力では10分間に1000文字、仕訳処理は50件をコンスタントにこなし、ダブルチェックの徹底により、ケアレスミスを回避しました。
期日を厳守するためにタスクを配分し、予期せぬ業務が増えても対応できるように、常に早めの作業を心がけていました。期日には一度たりとも遅れたことがありません。
私の強みでもある責任感の強みを生かして、貴社でもスピードとともに正確な経理処理を行います。
仮に経理に携わった経験が少なくても、業務に生かせる強みがあれば、採用担当者の目に留まりやすくなります。
経理の管理職の経験を踏まえた自己PR
ある程度年齢を重ねてからの転職は、前職の管理職ポストでの経験が重視されることが多いです。
自己PRの例文
前職では、経理部で6人の部下のマネジメントを経験しています。
部下の経験や能力を理解し、業務の割合が偏らないように配分し、病気などの欠勤にも配慮することを日頃から意識しました。
特に部下の話に耳を傾けることに努め、意欲やスキル向上のための機会も設けてきました。目標を設定して社員が刺激し合いながら成長できるしくみを採用することで、月あたりの残業時間が30%ほど軽減しています。
貴社でも過去の経験を生かして、経理部の成長に寄与していきたいと考えています。
マネジメント経験での成果や、意識して実践していたことを、自己PRとして記載するとよいでしょう。
経験が浅い・新卒の経理の自己PR
経験が浅い人や新卒などの未経験者は、前職の経験や学業で得た知識や学生生活での成功経験が役立ちます。
自己PRの例文
前職では6年間、マーケティング部で商品の企画・開発を担当し、経理は未経験です。応募のきっかけは、勤務先の経理部が部署間での連携システムを導入し、スピーディーな開発予算の伝達を実現したことでした。これにより、いち早い商品開発に乗り出し大ヒットを実現したことがきっかけで、経理の重要性を理解し、経理職に魅力を感じています。
貴社で経理の責務を果たすために、日商簿記検定の2級を取得しました。マーケティング部ではExcelやPowerPointなどによる資料作成経験があります。会計知識とマーケティング部で培った経験を生かして、事務処理を円滑に進行していき、業務効率化にも貢献したいと考えています。
自分の経験を、どのように経理で生かせるのかを自己PRに書くとよいでしょう。
未経験の人は、資格取得など会計知識を習得する姿勢を見せると熱意が伝わりやすくなります。
経理の転職で評価されやすい自己PRの書き方

経理の自己PRは、ただ経験などの要素を並べればよいのではありません。採用へ導くために、評価される書き方を意識することが重要です。
自己PR内容の根拠まで書く
経理の自己PRは、内容の根拠まで書くと説得力が生まれます。この部分を具体的に記載できれば、他の応募者との差別化を図れ、評価にもつながるでしょう。
何を実践したのか、どのような結果が生まれたのか、結果としてどう効率化できたのかなどを具体的に示すことが大切です。数値などで示せるような実績等がない場合は、実際の行動まで詳しく記載しましょう。
企業が求めるスキルや経験に触れながら書く
自己PRには、企業が求めている経験やスキルを書かなければ、評価にはつながりません。求人情報から応募の趣旨を理解し、企業が求めるスキルや経験で、どのように貢献できるのかを示す必要があります。
例えば、IPO準備の経験がある人物を求めているのに、税務申告をアピールしてもあまり意味はありません。求人要項を確認したうえで適合する場合に応募し、経験などをアピールしましょう。
正確性などの経理で求められる強みを押さえる
経理職に応募するのであれば、どのような強みが求められるのかを押さえましょう。正確性・責任感・パソコンスキルなどを自己PRに書くと、評価されやすいでしょう。
経理の仕事は数値や財務を扱うため、注意深さと責任を持って業務を遂行する誠実さが必要です。また、作業は基本的にパソコンで行うこととなるため、パソコンスキルも欠かせません。
企業によって求められている人材は異なりますが、基本的には経理職に必要なスキルをアピールするとよいでしょう。付随して、コミュニケーション能力や学習意欲なども自己PRに含めてみてください。
未経験で経理に就く際、自己PRではポジティブな意欲と学習姿勢を示す

未経験の人は、経理に従事した経験が不足するため、自己PRを書くことが難しいと考えられがちです。しかし、企業に貢献できることを示すための内容を作成できれば、採用担当者からの評価にもつながるでしょう。
自己PRでは、自主的に学ぼうとするポジティブな意欲とその行動を、下記のように示してみてください。
自主的に学ぼうとするポジティブな意欲と行動の一例
・経理事務に就くため、日商簿記2級の取得を目指して勉強を始めている
・経理の仕事に携わる際に新しい税務制度に対応するため、セミナーに参加している
・経理職として活躍するために、公認会計士の資格を取得した
また、企業が求める人物像と自分のキャリアが適合することを示すと効果的です。例えば、企業がスローガンとして利益率の向上を掲げている際には、予算削減に貢献できることを自己PRで示します。
自己PRの例文
営業部では売上でノルマを達成するとともに、実際の収益まで目を向けなければいけませんでした。企業全体の財務に関心を持つようになったことが、経理に応募したきっかけです。数値を扱った経験から、貴社の事業理念である利益率向上に貢献できると考えており、経理にて経営をバックからサポートしたいと考えています。
経理の専門知識だけでなく、企業が求める人物像を積極的に理解しようとする姿勢が評価につながります。経営の方針と同じ方向を目指している人材を雇用すれば企業の力になるため、採用担当者の目に留まる可能性も高まるでしょう。
経理の自己PRで経験や強みを伝えて転職を成功させよう

経理の転職では、即戦力や成長意欲が重視されることを意識して自己PRを作成することが重要です。経理職で有利になる職務経験と知識を理解し、ポイントと心得を押さえて行いましょう。
本記事では、経理の自己PRで参考にするために例文をご紹介しましたが、実際に書き始めると悩んでしまいます。そこでおすすめしたいのが「ワンポチ」です。
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【ディスクリプション】
経理の自己PRは、即戦力と成長意欲が伝わるように書くと採用につながりやすいです。本記事では、経理の自己PRを書く時のポイントと書き方、例文を解説します。また、自己PRに書くと有利になる経験・知識までまとめました。