営業職の履歴書の書き方|採用につながる例文&アピールのコツ

営業職の履歴書を作成するとき「どのように書けば魅力が伝わるのか」「ほかの職種と違うポイントは?」と悩む方もいるのではないでしょうか。営業は成果が重視される職種だからこそ、経験や強みを効果的にアピールすることが大切です。
本記事では、営業職の履歴書作成のポイントや、採用につながる志望動機の例文をご紹介します。履歴書の書き方に不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
営業職の履歴書作成のポイント

ここでは、履歴書の書き方や注意点を押さえ、採用担当者に伝わりやすい内容にするためのポイントを解説します。
コミュニケーション能力をアピールする
営業職は顧客と直接関わりながら、自社の製品やサービスを提案・販売する仕事です。顧客の悩みを会話の中から引き出し、その課題を解決するために、コミュニケーション能力を活かして寄り添うことが求められます。そのため、営業職にとって高いコミュニケーション能力は大きなアピールポイントになるでしょう。
営業職で活かせるコミュニケーション力のポイント
・分かりやすく簡潔に説明する力
・相手の意図を正しく理解する力
・安心して会話できる雰囲気をつくる力
・相手の気持ちに寄り添い、表情や動作から本心を読み取る力
履歴書では「説明が得意」「相手の価値観を尊重できる」など、これらの要素を具体的なエピソードとともに記載しましょう。これにより、応募企業に対して「伝える力」「聴く力」「読み取る力」を持っていることを効果的にアピールできます。
営業に有利なスキルを記載する
営業職ではコミュニケーション能力だけでなく、応募先の業界に関する基本的な知識も求められます。その知識を身につける手段として、資格やスキルの取得は大きな強みになるでしょう。
中には国家資格のように難易度が高いものもあります。取得すれば専門的な知識を習得できるだけでなく、応募企業に対する意欲のアピールも可能です。
営業職に役立つ資格・スキル一覧
・自動車運転免許(外回り営業では必須となることが多い)
・営業士(営業の基礎知識を体系的に学べる)
・ビジネス実務法務検定(契約や取引に関する法律知識を習得できる)
・TOEIC(英語を活用する営業職に有利)
・マイクロソフトオフィススペシャリスト(ExcelやPowerPointのスキルを証明できる)
営業職の中でも、特定の業界では専門知識が求められることもあるでしょう。そのため、以下のような資格を持っていると、応募時のアピール材料になります。
営業職でアピール材料になる資格
生命保険業界:「生命保険募集人」 | 一般社団法人生命保険協会が実施する資格で、保険全般や税金に関する知識を学べる |
不動産業界:「宅地建物取引士」 | 国家資格であり、取得すると重要事項の説明や契約書への記名ができるようになり、業務の幅が広がる |
IT業界:「ITパスポート」 | 経済産業省認定の国家資格で、ITの最新情報や情報セキュリティの基礎知識を持っていることをアピールできる |
これらのスキルや資格は、業界未経験者であってもアピールポイントとして有効です。履歴書に記載する際は、資格取得の経緯や活かし方もあわせて記載すると、より説得力が増します。
数字を使って実績をアピールする
応募企業に対して、自分の実績をより具体的に伝えるために、数字や成果を活用してアピールしましょう。特に「目標達成のためにどのような行動を取ったのか」をあわせて記載すると、採用担当者に強い印象を与えやすくなります。
重要なのは社外の人が見ても「その実績がどれほど優れたものなのか」が分かるようにすることです。数字を使った表現としては、以下のような比較可能なデータを取り入れると、より説得力が増します。
営業実績を伝えるための主な数値例
・売上目標額・達成率
・成績の社内順位
・売上の前年比・昨対比(昨年度との比較)
・目標額の前年比・昨対比
また、社長賞・新人賞・MVPなどの表彰歴があれば、アピールポイントになります。営業職では、成果を正確に伝えることが重要なため、自分の実績を分かりやすく伝える工夫を意識しましょう。
応募企業ごとに内容を変える
営業職の履歴書は応募する企業ごとに、内容を変更することが重要です。同じ営業職でも、履歴書をそのまま使い回すのは避けるべきとされています。その理由は企業ごとに扱う商材やサービスが異なり、求められるスキルや適性も変わるためです。企業研究を行い、応募企業の特徴や営業スタイルに合わせて履歴書の内容を調整することが大切です。
営業職は大きく「新規営業」と「ルート営業」に分かれ、それぞれに求められるスキルも異なります。新規営業では、取引実績のない企業にアプローチするため、コミュニケーション能力や交渉力が重視されます。また、商談を通じて相手のニーズを引き出し、適切な提案を行う力も必要です。
一方、ルート営業では、すでに取引のある顧客を担当し、売上の維持や拡大を目指します。
多数の顧客と長期的な関係を築く必要があるため、営業力に加えて顧客管理能力や信頼関係を構築するスキルが求められます。
応募企業の営業スタイルを把握し、それに合わせたアピールをすることで「この会社で活躍できる人材だ」と採用担当者に印象づけることができるでしょう。
営業職の履歴書の書き方
営業職の履歴書を作成する際は、基本的なルールを守りながら、自分の強みや実績を効果的にアピールすることが重要です。ここでは、営業職の履歴書の書き方について解説します。
提出年月日
履歴書の日付は、郵送の場合は投函日、メールで送る場合は送信日を記入します。面接時に直接持参する場合は、その日の日付を書けば問題ありません。履歴書を作成した日ではないため、記入の際は注意しましょう。
氏名
姓と名の間はスペースを開けて読みやすくしておきましょう。また、ふりがな欄が「ふりがな」と表記されている場合はひらがな、「フリガナ」と表記されている場合はカタカナで記入します。
証明写真
写真のサイズは横2.4〜3cm、縦3.6〜4cmのものを用意しましょう。 カラー写真であることが必須で、撮影から3ヶ月以内のものを使用するのが原則です。
生年月日・年齢
生年月日を記載する際は、和暦か西暦のどちらかに統一して記入しましょう。 また、年齢欄に「満〇〇歳」とある場合は、履歴書を作成した日ではなく、送付日時点の満年齢を記入します。
現住所・連絡先
現住所を記載する場合は、都道府県から番地やマンション名まで、省略せずに記入します。
その際、ふりがなは忘れないように注意しましょう。また「連絡先」欄は、現住所以外に連絡を希望する場合に記入すれば問題ありません。
学歴
学歴と職歴が同じ欄にある場合は、1行目の中央に「学歴」と記載し、その下の行から年月と学校名を記入します。企業からの指定がなければ、義務教育は省略しても問題ありません。また「〇年〇月 〇〇高等学校 入学」「〇年〇月 〇〇高等学校 卒業」のように、入学と卒業の年月をセットで記入しましょう。
職歴
職歴欄には、働いていた期間に関係なく、これまでの職歴をすべて記入するのが原則です。 会社名や所属部署は省略せず「株式会社」も「(株)」と略さずに、正式名称で記入しましょう。
免許・資格
免許・資格欄は免許を先に、その後に資格を記入するのが基本です。すべて正式名称で記入し、省略しないようにしましょう。また、取得前であっても、取得に向けて勉強中であることを記載しても問題ありません。
志望動機
履歴書の志望動機欄では「貴社でなければならない理由」を伝えることが重要です。採用担当者は「なぜ自社の営業職を希望するのか」という点を重視しています。そのため、応募企業の特徴や強みをよく調べ、自分が求める人材に合っていることをアピールしましょう。
このとき、単に志望する理由を述べるだけでなく、具体的にどのように貢献できるかを伝えることがポイントになります。
自己PR
履歴書の自己PR欄では、自分を売り込むために積極的にアピールすることが大切です。
ここで伝えるべきなのは「自分を採用すべき理由」です。営業職では、具体的な数字や実績を交えて書くことで、より説得力のある自己PRになります。
また、この欄は自己紹介や単なる長所を述べる場所ではなく「自分の強みが応募企業でどのように活かせるか」を伝える場であることを意識しましょう。
本人希望欄
就業するにあたって絶対に譲れない条件がある場合は、シンプルにまとめて記入しましょう。
特に希望がない場合は「貴社の規定に従います」と記載しても問題ありません。
【営業職の種類別】志望動機の例文

営業職は業界ごとに求められるスキルや適性が異なります。そのため、志望動機では「なぜこの業界なのか」「どのように貢献できるのか」を明確に伝えることが重要です。ここでは、種類別に志望動機の例文をご紹介します。
保険営業の志望動機
保険営業を志望する際は、なぜ保険業界を志望したのかを書くようにしましょう。また、企業の特徴に触れることで、応募企業を選んだ理由に関連性を持たせることも重要です。
志望動機の例文
前職では接客業に従事し、お客様のニーズに合わせた提案を行う中で、より深くお客様の人生に寄り添う仕事がしたいと考えるようになりました。
保険は万が一の際に大きな安心を提供できる仕事であり、人の役に立つやりがいを感じられると考えています。
貴社は顧客第一の提案型営業を重視しており、私の強みであるヒアリング力を活かせる環境だと感じました。
入社後は保険商品に関する知識を深め、一人ひとりに最適な提案ができる営業を目指します。
入社後のビジョンが明確になっているのであれば、どのように成長していきたいのかまでアピールできるとよいでしょう。
不動産営業の志望動機
不動産営業を志望する際は「忍耐力」や「継続力」があることを伝えてみてください。また、顧客と長く関わる仕事であるため「信頼関係を築く力」をアピールするのも効果的です。
志望動機の例文
不動産は人生の中でも大きな買い物の一つであり、お客様にとって重要な選択をサポートできる仕事に魅力を感じています。
前職の営業職では、新規顧客開拓を担当し、長期的な信頼関係を築くことの大切さを学びました。
貴社は地域密着型の営業を強みとしており、地元に根ざした活動を通じて、多くのお客様の住まい探しをサポートしたいと考えています。
入社後は宅地建物取引士の資格取得を目指し、専門知識を活かした提案ができる営業を目指します。
不動産業界は高い専門性が求められるので、宅地建物取引士の取得や不動産の専門知識を学ぶ姿勢を見せましょう。
SES営業の志望動機
SES(システムエンジニアリングサービス)営業を志望する場合は「エンジニアでなく、なぜIT業界のSES営業を志望したのか」を述べると効果的です。企業ごとに営業スタイルは異なるため、できるだけ応募企業に沿った志望動機を作成できるとよいでしょう。
志望動機の例文
IT業界の発展に興味を持ち、特に企業とエンジニアの架け橋となるSES営業に魅力を感じています。
前職では法人営業として顧客折衝を担当し、ヒアリングを通じて最適な提案を行う力を培いました。
貴社はエンジニア支援に力を入れており、エンジニアが働きやすい環境を整えることに注力している点に共感しました。
入社後はIT知識を深め、エンジニアと企業の双方にとって最適なマッチングを実現できるよう尽力します。
エンジニアと企業をつなぐ役割に対して、自分がどのように貢献できるかを伝えることを意識してみてください。
人材派遣営業の志望動機
人材派遣営業の場合は「人と関わることが好き」「誰かの役に立ちたい」という想いが重要
です。適切な人材を見極め、企業への提案を根気強く続ける姿勢をアピールしましょう。
志望動機の例文
前職で人材育成に関わる業務を担当し「人と企業をつなぐ仕事」に魅力を感じるようになりました。
貴社は求職者と企業の双方に寄り添い、長期的なマッチングを重視している点に共感しています。
人材派遣営業では、求職者のキャリアを支援しながら、企業の発展にも貢献できることが魅力だと考えています。
入社後は求職者との信頼関係を築くことを大切にし、最適なマッチングを実現する営業を目指
します。
このとき、企業と求職者の双方にとって最適な採用につながるよう意識していることを伝えられると、なおよいです。
自動車営業の志望動機
自動車営業を志望する場合、自動車の魅力や社会的な役割を踏まえ「なぜ自動車営業を志望するのか」を具体的に伝えましょう。このとき「ただ自動車が好き」という理由だけでなく、営業としての適性をアピールし忘れないようにしてください。
志望動機の例文
自動車は単なる移動手段ではなく、生活を豊かにする大切な存在だと考えています。
前職では販売職として、お客様のライフスタイルに合わせた提案を行ってきました。
貴社は幅広い車種を取り扱い、顧客のニーズに合わせた提案ができる点に魅力を感じています。
入社後は車の知識をさらに深め、お客様に最適な一台を提案できる営業を目指します。
お客様のライフスタイルに寄り添い、顧客目線を持った提案ができることを伝えられるとなおよいでしょう。
営業の履歴書を書くときによくある質問

営業職の履歴書を作成する際に、多くの人が悩むポイントをまとめました。 ここでは、5つの質問についてご紹介します。
営業未経験でも履歴書でアピールできることはありますか?
営業未経験でも、コミュニケーション能力や忍耐強さなどは、十分なアピールポイントになります。営業に活かせる経験やスキルがある場合は、具体的なエピソードを交えて積極的に伝えましょう。もし、適した経験が思い浮かばない場合は「時間を守る」「報告・連絡・相談を怠らない」など、社会人として求められるビジネスマナーをアピールするのも効果的です。
営業職の履歴書に転職回数が多いと不利になりますか?
転職回数が多いことが営業職の就職に不利になるとは限りません。過去の経験を活かして、業界や商材・サービスの知識を身につけていれば、十分に魅力的な履歴書を作ることができます。重要なことは「どのようなスキルを身につけているか」です。そのため、これまでの経験や実績を具体的に伝えられるように工夫しましょう。
営業職の履歴書に「趣味・特技」は書くべきですか?
趣味や特技を履歴書に記載し、営業職に活かせるスキルをアピールするのは効果的です。以下のように、自分の強みと営業で活かせるポイントを結びつけて伝えましょう。
営業職に活かせる趣味や特技とアピール方法
スポーツ | 協調性や体力が養われ、営業活動にも役立つ |
旅行 | 好奇心や行動力をアピールでき、新規開拓営業にも活かせる |
顔を覚えるのが得意 | 顧客の顔と名前を瞬時に記憶し、信頼関係を築くことに役立つ |
英会話 | 海外顧客との商談にも有効 |
このように、趣味や特技を営業の仕事につなげることで、より説得力のある履歴書が作成できます。
履歴書はパソコンで作成しても大丈夫ですか?
履歴書はパソコンでも手書きでも、内容に不備がなければ合否に大きく影響することはありません。 パソコンで作成すると、内容の修正がしやすく、作成にかかる時間や労力を減らせるメリットがあります。 また、基本的なパソコンスキルを持っていることをアピールすることも可能です。
「ワンポチ」では名前や住所などの基本情報を保存できるため、履歴書の作成をより簡単に行うことができます。
履歴書を作成するうえで、やってはいけないことはなんですか?
履歴書を作成する際は誤字脱字がないか、文章が話し言葉になっていないかを確認しましょう。 また、採用担当者が「志望度が低い」と感じる履歴書には共通点があります。 例えば、空欄が多いものや、ほかの応募先と同じ履歴書を使い回しているケースです。
とくに、志望動機や自己PRを使い回すと、応募企業の求める人物像と合わなくなり、合格率が下がる可能性があります。 さらに「貴社」を「御社」にしていたり、会社名を略称で記載していたりすると、社会人としてのマナーが欠けている印象を与えかねません。
履歴書などの書面では「貴社」、面接などの口頭では「御社」と使い分けるようにしてください。細かな部分にも注意を払い、丁寧な履歴書を作成しましょう。
営業の種類や企業の方向性に合わせた履歴書を作成しよう

営業職の履歴書は企業ごとに求められるスキルや営業スタイルが異なるため、内容を適切にカスタマイズすることが重要です。企業の特徴や営業の種類を理解し、それに適した経験や強みを効果的にアピールしましょう。
また、履歴書作成サイト「ワンポチ」を活用すれば、基本情報を保存できるため、効率的に履歴書を作成できます。企業ごとに内容を調整しながら、採用担当者に響く履歴書を作成し、選考通過の可能性を高めましょう。
ワンポチの履歴書作成はこちらから
【ディスクリプション】
営業職の履歴書作成のポイントや、採用につながるアピール方法を解説。志望動機の例文や業界別のポイントも紹介し、企業に響く履歴書の書き方をサポートします。履歴書作成に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。