施工管理職の職務履歴書の書き方のコツを解説!【例文あり】

施工管理を目指して就職・転職を行う際に履歴書とあわせて必要になるのが、職務経歴書です。職務経歴書は、これまでの経験や実績、携わってきた業務内容をアピールする書類です。企業側は、職務経歴書で自社の採用基準と合致しているかを判断するため、応募先の求めるものをアピールすることが重要になってきます。
この記事では、施工管理の職務経歴書を書くポイントやコツを解説します。例文もあわせてご紹介するので、就職活動の参考にしてください。
職務経歴書に記載する項目【基本】
まずは、基本的な職務経歴書の書き方を理解しましょう。項目ごとに注意したい点やポイントを詳しく解説します。
職務要約
これまでの業務内容や職務経歴をわかりやすくまとめたものが、職務要約(職務概要)です。日付、氏名を書いた次の項目にあたる部分(職務経歴書での先頭部分)に書きます。
どのような仕事を経験してきたのか、持っているスキル、実績などをコンパクトにまとめましょう。
だらだら書くのは印象がよくありません。3~5行程度で250文字を目安にするとスッキリとした職務要約になります。数字を盛り込むとより明確になるでしょう。
経験が多い場合、全てを書く必要はありません。企業側が求めている人材や手掛けている業務内容に関連づけられると、採用担当者側の目に留まりやすくなります。
職務経歴
職務要約を時系列でまとめたものが職務経歴(職務内容)です。
職務経歴の項目で記載する基本的な内容は以下となります。
職務経歴の基本項目
・会社概要
・業務経歴
会社概要では、会社名、部署、従業員数、資本金、売上を省略せず正しく記載します。
業務経歴では、担当した案件ごとに「どのような仕事をしたのか」を伝えたいため、プロジェクト名や工事内容、規模の大きさ、できあがったものを具体的に書きましょう。また数字を交えると担当者がより把握しやすくなります。
活かせる経験・知識・技術
保有しているスキルや知識を言語化して書きましょう。箇条書きでOKです。
スキルや知識は、応募先の企業が求めているものを理解して書く必要があります。即戦力となれるように、入社後すぐに活かせるものをピックアップしましょう。CADの使用経験は、企業にアピールできるポイントです。
スキルや知識は可視化できないため、業務に活かせそうなものは積極的に記載しましょう。
資格
取得した資格を記入する項目です。資格欄には、保有しているものを正式名称で、正確な取得年月日と一緒に記載します。重要なのは、持っているものを全て記載することです。
特に資格がなければ空欄にはせず、「特になし」と書いてください。資格取得に向けて勉強中であるものや、合否待ちのものについては「〇〇の勉強中」「〇〇を取得予定」と記載します。持っている資格がなくても、資格を取りたいという熱意が伝わりやすくなります。
また、履歴書との相違がないかもしっかり確認しましょう。
自己PR
自己PR欄では、自分の強みや一番伝えたい部分を記載します。
どのような人間なのか、どのような経験をしてきたのか、経験をどう活かせるか、仕事に対する姿勢などがアピールできる項目です。幅広い視点で自己PRできるポイントを探しましょう。
資格欄に何も書けなかった方は、自己PRで自分を売り込みましょう。仕事にへのやる気をアピールして、担当者に印象づけることが大切です。
詳しいポイントは、後の「職務経歴書を書く際のポイント【施工管理】」で詳しく解説しますので、参考にしてください。
【施工管理】職務経歴書のマナー
次に、職務経歴書を書く上で基本となるマナーについてご紹介します。各項目の注意点はもちろん、全体のポイントを押さえれば完成度の高い職務経歴書が作成できます。
マナーを理解して、採用担当者の興味を惹きつけましょう。
職務経歴書の形式について
職務経歴書は、履歴書のように決められたフォーマットはありません。A4サイズを使用して、1~2枚でまとめるのがベストです。多すぎると読みにくくなってしまうため、できれば3枚以内には収めましょう。
一般的に職務経歴書の形式には、「編年体形式」「逆編年体形式」「キャリア形式」の3つのタイプがあります。
「編年体形式」は、古い職歴から時系列でまとめるタイプです。パッと見てわかりやすい特徴があります。
「逆編年体形式」は、「編年体形式」と反対に新しい職歴から遡って記載するタイプです。現在のキャリアやスキルをアピールしたいときに用いられます。
「キャリア形式」は、業務内容や携わった分野ごとに記載するタイプです。今までのキャリアを伝えやすいため、職歴が多い方に向いています。
未経験者なら、経歴が一目でわかりやすい「編年体形式」が、経験者なら即戦力であることをアピールできる「逆編年体形式」がおすすめです。自分の魅力を存分に伝えられるフォーマットを選びましょう。
読みやすいレイアウトにする
読みやすい、見やすいレイアウトにすることも、職務経歴書を書く上で重要なポイントです。採用担当者はあなただけではなく、多くの方の職務経歴書を見ています。整ったレイアウトの職務経歴書は、それだけでプラスの印象になります。
フォントや文字サイズは統一しましょう。余白や改行を工夫して、年月日や企業名、見出し名の位置を揃えることが大切です。
まとめ方やレイアウトにこだわり、視覚的にもしっかりとアピールしましょう。
担当者の目に留まる内容にする
経験や実績が多いだけでは、大きなアピールにはなりません。採用担当者へ印象づけるには、具体的な経験や実績、成果を伝える必要があります。
数字やデータで表現するとより内容が明確になるでしょう。例えば「△△工事を○件担当した」「施工管理として○人のスタッフをまとめていた」と記載します。
また企業が求める人材であることをアピールのも効果的です。「自分の強み」はもちろん「強みやスキルを活かすために工夫した点、プロセス」といった、企業が求める人材と合致する内容になるよう意識しましょう。
わかりやすい文章にする
読みにくさを減らすためには、数字の使用はもちろん、箇条書きや表を取り入れるのもおすすめの方法です。特に箇条書きは、複数の項目を羅列するときに便利です。項目ごとに分けて、それぞれを箇条書きにすると読みやすさの向上につながります。
職務経歴書は記載する項目が多く、文章ばかりで作成すると読み手にストレスや圧迫感を与えてしまうこともあります。長すぎる文章は避けて、一文は100文字程度を目安に記載しましょう。
最後にしっかりと読み返して、わかりにくい部分がないかをチェックしてください。
【施工管理】職務経歴書を書く際のポイント

多くの応募者の中からあなたを選んでもらうには、他者よりも勝る自己PRが重要になります。
ここでは、施工管理においてどのような要素をアピールすれば良いのか、具体的なポイントを確認していきましょう。
施工管理の専門性をアピールする
施工管理の就職活動において、専門性のアピールは重要な要素です。土木や建築といった現場は違っても、専門性は共通するものであるため、資格取得で得た知識の広さをアピールできます。
さまざまな現場に携わってきたなら、手掛けたものや業務内容、プロジェクトを具体的に記載すると説得力が上がります。
また、建築や工事に関わる専門的な資格はきちんと記載しましょう。施工管理に必要な資格や、ものづくりの分野で役立つ資格は大きなアピールになります。
施工管理としての協調性をアピールする
施工管理の業務にあたるには、協調性が欠かせません。現場で多くの作業員と関わるのが施工管理です。効率的に業務を進めていくためには、しっかりとコミュニケーションを取り、協力することが大切になります。
協力するのは作業員だけではありません。上の責任者やクライアント、現場付近の住人との連携も重要になります。
施工管理では、どのような人ともトラブルなく良好な関係を築ける人が求められるため、コミュニケーション能力や協調性の高さをアピールすると良いでしょう。
マネジメント能力をアピールする
施工管理は、現場の作業員や関係する会社をまとめなければならない仕事です。納期を守って質の高い作業をするには、工期や作業員の人数、それぞれの業務内容を全て把握し、管理できるマネジメント能力が必要不可欠です。
またリーダーシップも欠かせません。現場の状態を把握して作業員を引っ張っていける人が上に立つことで、スムーズに進めます。
職務経歴書には、マネジメント力やリーダーシップ、スケジュール管理が得意であることをアピールできる具体的な内容を記載しましょう。
判断力・問題解決能力をアピールする
現場では、天気や事故、機械の故障など予測不可能で突発的なトラブルが起こることがあります。しかし納期は待ってくれません。今の状況を理解し、トラブルの解決策や優先順位、これからの作業を瞬時に判断する必要があるのが、施工管理の仕事です。また、慌てず冷静な対応も求められます。
トラブルが起きた際、柔軟かつ臨機応変な対応ができるのをアピールできれば、応募先企業からの信頼が得られるでしょう。
マルチタスク能力をアピールする
施工管理には「工程管理」「品質管理」「安全管理」「原価管理」といった業務があり、現場をまとめながらも作業を進めていかなければなりません。そこで重要になるのがマルチタスク能力です。
状況を読み、優先度の高いものから進めていけば効率的に作業を進められます。さまざまな業務のバランスを見ながら業務をこなすマルチタスク能力があれば、幅広い仕事をこなすことが可能です。
マルチタスク能力を活かせた経験などを記載して、即戦力として活躍できる点をアピールしましょう。
危機管理能力をアピールする
危険と隣り合わせである現場において、危機管理能力は欠かせません。作業員みんなが安全に業務を遂行するには、常にリスクを予測してトラブルへの対策を考えておくことが重要です。
例えば、大きな事故やトラブルが起こった際は、安全を優先した対応を取らなければなりません。加えてトラブルによる納期遅れにも柔軟な対応が求められます。
トラブル防止のための対策や、起きた問題への対応力が優れていると施工管理として採用されやすくなります。
職務経歴書を書く際の注意点

完成度の高い職務経歴書を作成するには、どれだけ自分をアピールできるかが重要ですが、注意点もあります。
ちょっとしたことですが、意識するのとしないのとでは完成度が違ってくるでしょう。
マイナスな印象を与えないよう心がける
「できなかった」「未達成」などのネガティブな表現はNGです。担当者へマイナスなイメージを印象づけてしまうため、できれば避けましょう。
退職理由を書く際も注意が必要です。働いていた会社に悪いイメージがあり、退職理由として嘘偽りなく書いたとします。しかし、事実だとしても悪口を書いてしまうと、印象はよくありません。
ネガティブなことでも、ポジティブな言葉に変えれば印象はガラリと変わります。前向きな表現を心がけましょう。
また、経歴の嘘や誇張も印象を下げてしまうポイントです。面接時にバレる可能性もあるため、事実を記載しましょう。
誤字脱字がないように注意する
職務経歴書で誤字脱字があると、仕事へのミスが連想されてしまったり、注意力や誠意がないと判断されてしまったりする可能性があります。
うっかりミスを防ぐためにも、書き終えたらしっかりとチェックしましょう。専門用語が正確かどうかも確認してください。
職務経歴書をパソコンで作成した際は、校正ツールを使用するのもおすすめです。
【施工管理】職務経歴書の自己PRの例文

最後に、施工管理の職務経歴書の自己PRの例文を未経験者、経験者別にご紹介します。
例文を参考にして、担当者の印象に残りやすい自己PRを完成させましょう。
未経験者向けの例文
施工管理としての経験や実績がない未経験者は、施工管理に必要なスキルをアピールすることが大切です。
未経験者が施工管理に応募する際の自己PRの例文は以下です。
自己PRの例文
私の強みは、どのような人とも関われるコミュニケーション能力の高さです。学生時代は、サークルで部長を務めました。イベントを主催する際は、各部員の意見を尊重しながら部員との円滑なコミュニケーションを図ることができました。
入社後は、コミュニケーション能力を活かして先輩たちと連携を取り、新しい環境でも努力をしていきます。
また資格取得にも挑戦して、施工管理として貴社に貢献していきたいと考えております。
経験者向けの例
施工管理としての経験がある方は、どのような仕事をしてきたのか、またその際の努力について具体的に伝えられると即戦力としてアピールできるでしょう。
経験者が施工管理に応募する際の自己PRの例文は以下です。
自己PRの例文
私は、施工管理に必要な業務の管理能力や判断力があると自負しております。
これまでに10年ほど道路の工事現場に携わってまいりました。20人程の作業員がいる現場では、クライアントの打ち合わせや近隣住民への対応、部品の発注、各作業員の業務の把握・管理など業務は多岐にわたります。スケジュール管理や問題解決などを迅速かつ柔軟に行えるよう心がけてきました。
今後は、経験を活かして大きなプロジェクトにも参加していきたいと考えております。
担当者の印象に残りやすい職務経歴書をマスターしよう

職務経歴書は履歴書とは違い、あなたという人材を売り込む書類です。どのような職種でも同じですが、企業の求める人材とマッチすることが重要になります。協調性やリーダーシップ、現場の管理能力を求められるのが施工管理です。今までの経験を振り返り、アピールできるポイントを洗い出しましょう。
また、担当者の印象に残りやすい職務経歴書を作成することも重要です。見やすい職務経歴書を作成する際は、ぜひ「ワンポチ」をご利用ください。「ワンポチ」はパソコンやスマートフォンから簡単に職務経歴書が作成できるツールです。質の高い職務経歴書で、あなたの魅力をしっかりアピールして就職・転職を有利に進めましょう。
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