さまざまな業界で必要とされる職種の1つに、事務職があります。業務に必要とされるスキルや経験を身につければ、安定して働けるため応募が集まりやすい職種だといえます。
事務職での採用を勝ち取るためには、自己PRの文章を入念に準備しておくことが大切です。この記事では、事務職に応募する際の自己PRのまとめ方やポイント、注意点などを解説します。
自己PRの書き方はこちら
履歴書・職務経歴書簡単作成ツールのワンポチを使ってみる
事務職の自己PRを作成するにあたって、まず次の3つのポイントが重要になります。
・応募先の企業研究を行う
・具体的なエピソードを交える
・アピールできる資格を整理する
それぞれのポイントを解説します。
事務職は多くの業種で求められている職種ですが、企業ごとに必要とされるスキルや経験には違いがあります。例えば、総務事務ではパソコンに関する基本的なスキルやコミュニケーション能力が求められますが、経理事務においては簿記などの専門的な知識が必要になります。
したがって、応募書類の自己PRを作成するときは、応募先の企業研究を行うことが重要です。求められている人材像を踏まえ、志望する事務職の種類に応じて、自己PRの文章を作成してみましょう。
事務職で求められている能力や適性は広範囲に及ぶため、単にスキルや経験をアピールするだけでは、他の応募者との差別化が図りにくい部分があります。当たり障りのない抽象的な表現になってしまわないように、今までの経験を踏まえて具体的なエピソードを盛り込んでいくことが大切です。
例えば、事務系の資格を取得したエピソードを書くのであれば、「どうして資格を取ろうと思ったのか」や「資格を取得するために工夫したことは何か」、「どのように資格を業務で活かしていくのか」といった点を順序立てて書いていきましょう。自分ならではの体験をアピールすることで、他の応募者との差別化を図ることが重要です。
事務系の資格を保有しているときは、自己PRの1つの材料となるでしょう。志望する事務職の適性や能力に合ったものであれば、将来のキャリアについてもアピールしていく要素となるはずです。
ただし、どのような資格でもアピールポイントになるわけではありません。事務職の応募に役立つ資格の例として、次のようなものが挙げられます。
・MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)資格
・日商簿記
・日商PC資格
・文書情報管理士
・秘書検定
・ITパスポート資格
・TOEIC など
上記はあくまで一例ですが、応募する事務職の募集要件などを踏まえたうえで、アピールできる資格を整理してみましょう。
勉強中の資格は履歴書に書くべき?資格を書く時のポイントと注意点を解説
事務職は企業において、日常業務をサポートしていく役割を担っているため、さまざまなスキルが求められます。特に重要なスキルとして、次の4つが挙げられます。
・パソコンの基本的なスキル
・コミュニケーション能力
・管理能力
・忍耐強さ
各スキルのポイントについて解説します。
事務職の仕事はどのような業務であっても、基本的にパソコンを使って仕事をすることが多いのが特徴です。パソコンの操作やソフトウェア・アプリに関する知識は備えておいたほうがよいといえます。
加えて、日々の業務を滞りなく遂行するだけでなく、業務効率化に役立つITツールなどの特性を理解し、導入を検討してもらうための提案も行っていく必要があります。ITに関する基本的なスキルを身につけておくことで、セキュリティ対策としてアップデートの最新情報をチェックするなどの習慣も、自ずとついてくるはずです。
どのような企業、業種に応募するにしても、パソコンの基本的なスキルが求められる点を押さえておきましょう。
事務職の仕事は1人で作業が完結するというより、多くの部署とやりとりを重ねながら進めていく場面が多いといえます。調整や確認といった作業が頻繁に発生するので、コミュニケーション能力の高さは、1つのアピールポイントになるでしょう。
例えば、事務での仕事が未経験の場合でも、「営業や販売の経験がある」「チームをまとめ上げたことがある」といった前職でのエピソードは、大きなアピールポイントとなります。多くの人とコミュニケーションを重ねて仕事に取り組んできたことをアピールしてみましょう。
事務職は企業が行うプロジェクトそのものの実施に直接携わるわけではありませんが、プロジェクトが円滑に進行するように支えていく役割を担います。そのため、多くの関係者のスケジュールを調整したり、各業務が問題なく進行しているかをチェックする管理能力が問われたりする場面が多いといえます。
管理能力はチームを1つにまとめ、円滑に業務を遂行していくために必要とされる能力であるため、事務職におけるアピールポイントとなるはずです。予算管理や人員管理、リスク管理などにまつわるエピソードを自己PRに盛り込んでみましょう。
マネジメントを行った経験があれば、将来のキャリアアップとして管理職を目指していくこともできます。今後のキャリアを考えていくうえで、管理能力の高さをアピールしていきましょう。
事務職での仕事はさまざまな書類の作成や訂正、各部署の調整などに多くの手間や時間がかかます。事務処理を適切に行っていく能力に加えて、何か突発的な事案が発生しても、粘り強く対応していく忍耐強さが求められるでしょう。
今までに仕事上で困難を乗り越えてきた経験や、スポーツを通じて取り組んできた実績などがあれば、忍耐強さを証明するエピソードとして盛り込んでみましょう。
職務経歴書に書くことがない方必見!基本から書き方や例文まで紹介
事務職の自己PR文を上手に作成するには、例文をもとにまとめていくほうがスムーズに進められます。事務職の種類別に、参考となる例文を紹介します。
総務事務に応募する際の例文として、次のものが挙げられます。
前職ではベンチャー企業ということもあり、毎年のように新入社員が増加し、書類の確認や差し戻しが多く発生するという課題がありました。課題解決のために、書類の記入方法や記入例を簡潔にまとめたマニュアルを作成し、書類を配布する際に説明を加えました。
マニュアルに沿って、記入方法を確認しながら書いてもらうことで、チェックや修正にかかる作業が大幅に削減できました。社内で発生する課題に応じて業務プロセスを見直し、業務そのものの改善につなげることができました。
事務職の経験として、どのように課題を解決していったかを示すエピソードを盛り込むと、説得力のある自己PRになります。
人事労務事務に応募する際の例文として、次のものが挙げられます。
面接のスケジュールを調整する作業は応募者だけでなく、現場の従業員や役員などとの調整が必要です。限られた期間のなかでスケジュールを調整するため、日頃からコミュニケーションを緊密に図れる社内体制を構築してきました。
具体的には、連絡漏れや認識のズレが生じないように、クラウドでスケジュール管理が行えるツールを導入し、チャットツールでクイックレスポンスが行える仕組みを整えました。取り組みの結果、採用業務にかかる負担を軽減し、採用プロセスそのものをスピード化することができました。
積極的にITツールを導入し、業務効率化につながったエピソードを盛り込むとよいでしょう。
経理事務に応募する際の例文として、次のものが挙げられます。
経理の業務においては、担当者同士で個別に対応していたため、使用するフォーマットにバラつきがあり、確認作業に多くの時間が割かれていました。この課題を解決するために、経理で使用するフォーマットをすべて見直し、簡素化する取り組みを実施しました。
結果として、重複する作業や転記ミスなどを防ぐことができ、経理業務の効率化に結び付きました。また、統一されたフォーマットを使うことで担当者同士の認識にズレが生じなくなり、経理の処理スピードが格段に向上しました。
自分が担当する業務だけでなく、組織全体の業務効率化につながる取り組みが行えた点が、強いアピールポイントとなっています。
営業事務に応募する際の例文として、次のものが挙げられます。
営業担当者が不在のときに、お客様をカウンターにご案内するだけでなく、あらかじめヒアリングを行う仕組みを整えました。営業担当者が帰社した際に速やかに商談が行えるだけでなく、丁寧なコミュニケーションを通じて、顧客満足度の向上にもつなげていきました。
また、営業担当者が業務過多となってしまわないように、事務作業だけでなく営業活動のサポートにも努めることができたと思います。。営業担当者の動きを常に把握できるシステムを導入し、情報共有がスムーズに行える体制を構築することに貢献できました。
他部署との連携を意識し、顧客満足度の向上や組織全体としての業務効率化につなげています。
法務事務に応募する際の例文として、次のものが挙げられます。
法務に関する事務はミスが許されないため、顧問弁護士などとも連携をしながら、使用する契約書のフォーマットの見直しを行いました。内容の正確さを担保するだけでなく、できるだけシンプルな内容に取りまとめることで、契約書のチェック作業にかかる時間も削減できました。
また、書類の確認作業のやりとりを効率化するために、クラウドやITツールの導入を積極的に提案し、法務事務の作業プロセスそのものを簡素化することにも努めました。これらの取り組みによって、限られた人数でも業務を円滑に行うことができました。
外部の専門家と連携することで、業務効率化やミスの削減につながったエピソードが盛り込まれています。
医療事務に応募する際の例文として、次のものが挙げられます。
私が担当していたのは、予約対応や外来の受付、会計、レセプトの点検、処方箋の発行といった業務でした。多くのタスクを並行して処理しなければならないため、業務に取りかかる前に優先度の高いタスクを整理し、業務遂行がスムーズに行える仕組みを整えました。
また、イレギュラーな対応が必要なときも、スタッフ間で情報共有が適切に行える体制を構築し、全スタッフが対応できるようにしました。繁忙期でもミスが少なくなり、患者様を待たせる時間が大幅に減りました。
タスク管理やリスク管理など、管理能力の高さをアピールする内容となっています。
貿易事務に応募する際の例文として、次のものが挙げられます。
貿易事務においては、天候不良などの影響によって輸送のスケジュールが変更となる事案は多く発生するため、事前にトラブルを想定したスケジューリングや調整を行ってきました。納期に遅れが生じる可能性がわかった段階で荷主様に速やかに連絡を行い、別の輸送手段に変更した場合のスケジュールや金額などを先回りして伝えるようにしました。
早期にトラブルに対応することで、荷主様からのクレームが出てこないようになり、対応の丁寧さが評価されて、受注数の増加に貢献できました。
トラブルが恒常的に起こりやすい業種において、先んじてどのような対応が行えたかがエピソードからわかります。
事務職全般で応募する際の例文として、次のものが挙げられます。
店舗運営を円滑に進めるために、発注業務や在庫管理の手順を見直し、アルバイトスタッフのシフト管理や研修などを担当していました。限られた時間で多くのタスクを消化しなければならないため、どのタスクを優先すべきかを決めてから、それぞれの作業に取りかかっています。
現在では、以前に毎月数十件は発生していたミスを0件に抑えることができ、円滑な店舗運営に貢献することができました。
具体的な数値をあげて、自己PRの内容に説得力を持たせることも重要です。
事務職の自己PRを考えるときは、次の3つの点を押さえておく必要があります。
・事務の経験がない場合でも応募を諦めない
・企業研究をおろそかにしない
・長々と自己PRを書かない
各ポイントについて、どのような点に注意すべきかを解説します。
事務職に応募する人のすべてが、これまでに何らかの形で事務を経験しているわけではありません。なかには事務での仕事が未経験であっても応募する人はいますし、実際に事務職未経験者の募集を行っている企業は存在します。
そのため、事務の経験がないからといって諦めてしまうのではなく、事務以外の経験でアピールできる部分を取りまとめてみましょう。例えば、営業や接客での経験をもとに、コミュニケーション能力をアピールするのも1つの方法です。
応募先が求めている人材像を把握したうえで、事務職に求められるスキルや適性につながるエピソードや実績をアピールしていくことが大切です。
事務職の応募倍率は高い傾向があるため、当たり障りのない自己PRの文章だと差別化が図りにくい部分があります。応募する企業の研究をおろそかにせず、自己PRの作成に十分な時間をかけることが大切です。
求められている人材像や適性、能力などを把握したうえで、作成した文章の見直しに時間をかけてみましょう。長所やアピールポイントは自分では気づきにくい部分もあるため、作成した文章を第三者に見てもらって、改善してみることも大切です。
しっかりとした自己PRの文章を書くといっても、多くのエピソードなどを盛り込んで、長々とした文章になるのは避けたほうが無難です。企業の採用担当者は毎日のように多くの応募書類に目を通すため、簡潔にまとめられていない文章だと読みづらさを感じてしまうため、マイナスの評価につながりかねません。
あくまで自分の強みをアピールするために、エピソードや実績を1つに絞って文章をまとめていくことが重要です。本筋とは関係がないエピソードは避け、アピールポイントを整理して300字程度でまとめるように心がけましょう。
事務職は多くの業界で求められる職種である分、応募の倍率が高い傾向が見られます。他の応募者と差をつけるために、具体的なエピソードを盛り込んで、自分らしい自己PRを作成してみましょう。
履歴書・職務経歴書をスマホで無料作成できるサービスである「ワンポチ」なら、多くのテンプレートが用意されているため、事務職の自己PRをまとめるときにも役立ちます。ライバルに差をつけるツールとして、ぜひ活用してみてください。
自己PRをサクッと作成!ワンポチの履歴書・職務経歴書作成はこちらから