【例文24選】建設業・施工管理向けの自己PRの書き方|基本的なポイントとコツを解説

施工管理向けの自己PRの書き方

建設業界には数多くの職種があるため、必要なスキルや経験はさまざまです。建設業界の特徴として、専門的スキルや資格が必要になる職種が多い点が挙げられます。

そのため、職種ごとの特徴をきちんと理解したうえで、自己PRの文章を考えていく必要があるといえるでしょう。この記事では、建設業界への転職を目指している方に向けて、建設業界の仕事の種類や特徴、志望動機や自己PRの作成ポイントを詳しく解説します。

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建設業界は今後も需要が伸びる

建設業界の今後の需要


国土交通省が公表している「令和4年 建設業活動実態調査」によれば、建設業界の国内売上高は14兆7,243億円であり、前年比で2.0%減少しているものの、依然として市場規模は大きいといえるでしょう。海外の契約金額については、前年のマイナスからプラスに転じており、2兆3,537億円と前年比で47.2%の大幅な伸びとなっています。

建設業界は、住宅やビルなどを建設する建築や、道路や水道などのインフラを整備する土木などに分類され、今日まで人々の生活を支え続けています。建築物やインフラは一度建てたら終わりではなく、年月が経ち、老朽化が進めばメンテナンスが必要になります。

地震や洪水などの自然災害によって破損する可能性もあるため、建設業界は需要が途切れることは考えにくいです。また、建設業界では大規模なプロジェクトが定期的に発生します。

例えば、オリンピックやパラリンピックの開催時には、会場の建設や周辺のインフラ整備のため、建設の需要が急速に高まりました。このような経済効果はオリンピックに限らず、さまざまなイベントにおいても期待できます。

人々の生活を支えるライフラインや大規模なイベント開催時に欠かせない建設業界の需要は、今後も伸びていくと考えられるでしょう。

出典:国土交通省「令和4年 建設業活動実態調査

建設業は大きく分けて5種類の仕事がある

建設業の分類と仕事内容


建設業界は以下5種類の仕事に分けられます。ここではそれぞれの仕事内容や特徴を紹介しますので、履歴書の志望動機や自己PRを考える際の参考にしてください。

建設業の分類

仕事内容・特徴

施工管理

施工管理とは、5大管理と呼ばれる「工程管理、品質管理、予算管理、安全管理、環境管理」を行う仕事。工事現場において指揮監督を取り、工事が計画どおりかつ安全に進むよう管理する重要な役割がある。

建築設計

建築設計とは、建物や設備の設計にかかわる包括的な業務をいう。建築設計にかかわる業種は、建築士や技術士などの有資格者と建築事務職員。建築設計の業種は主に、意匠設計、構造設計、設備設計の3つ。

技術者

建築技術者の仕事内容は、「設計」と「施工」の2つに分類される。クライアントの要望を伺って建物の構造を決めていくのが設計。設計の完了後、必要な資材や作業員の手配を行い、実際に工事を進めていくのが施工である。

営業

自社の建設工事を受注するために営業活動を行う。官公庁や民間企業への新規開拓営業、既存顧客へのフォローアップなどの業務がある。自社のイメージを背負い、最前線で顧客に接する職種。

事務

事務員は、現場作業や設計を支えるために多岐にわたる事務作業を担当している。電話対応や、来客対応、伝票作成、経理関連などの業務がある。基本的なビジネススキルやパソコンスキルがあれば、多くの業務を担当できる。

施工管理

建築にかかわる仕事の代表として、施工管理業務があります。施工管理とは、5大管理と呼ばれる「工程管理、品質管理、予算管理、安全管理、環境管理」を行う仕事です。

それぞれの管理業については、以下のとおりです。

工程管理
工事のスケジュールを作成し、円滑に工事が進行するように管理します。設計図のチェックや現場の進捗状況の確認などを行います。工事の遅れや逆に早く進んでいる場合のスケジュール調整なども施工管理の仕事です。

品質管理
発注者が求める建物の品質をクリアするように管理する業務をいいます。設計図と同じ寸法で造られているかや、建材の強度や機能がきちんと備えられているかをチェックします。

予算管理
建設計画で算出された実行予算と、実際の工事にかかった原価を照らし合わせ、しっかりと利益が確保できるように予算を管理する業務です。材料費や人件費などが高くなってしまうときには、計画の見直しや下請け事業者の調整を行う必要があります。

安全管理
安全な作業環境で工事が行えるように配慮し、事故が発生しないように管理する業務をいいます。安全対策の一環として、「ヒヤリハット運動」「危険予知活動」「5S運動」などの取り組みを行います。

環境管理
建設工事を進めるうえで、周辺環境に影響を与えるものについて対策を行い、工事現場から出される産業廃棄物を適切に処理するための業務です。水質汚染や騒音、振動などについて必要な対策を講じます。


上記のように、施工管理の業務は工事現場において指揮監督を取り、工事が計画どおりかつ安全に進むよう管理する重要な役割を担っています。

施工管理の業務には特別な資格は必要ありません。未経験から始めて経験を積む人も多くいます。

また、実務経験を積んで、国家資格である「施工管理技士」を取得すると、仕事の幅が広がるでしょう。施工管理技士とは、建設工事の施工管理を担う技術者のことであり、建設業法に基づいた国家資格として定められています。

1級施工管理技士の資格を取得すれば、監理技術者や特定建設業の専任技術者などになれるため、多くの仕事に携われるようになります。

出典:e-Gov法令検索「建設業法」第27条

建築設計

建築設計とは、その名の仕事があるわけではなく、建物や設備の設計にかかわる包括的な業務を表しています。建築設計にかかわる業種は、建築士や技術士などの有資格者と建築事務職員です。建築設計の業務は主に、意匠設計、構造設計、設備設計の3つがあります。

それぞれの業務について見ていくと、以下のとおりです。

意匠設計
意匠とはデザインのことであり、建築物の機能性や美しさを追求する設計業務をいいます。顧客の要望を踏まえて、建物の外観や内装、空間構成などをデザインする業務です。

構造設計
耐震構造など、建物の安全性を確保するための設計業務をいいます。意匠設計の内容を基に、柱の数や梁の位置などを決め、建築基準法で定められた水準をクリアする必要があります。

設備設計
建物の利用に欠かせない電気や水道、空調などの設備を最適な場所に配置するための設計業務をいいます。建物内の設備を安全に使用できる状態にするために、欠かせない業務だといえます。


建築設計における3つの業務は、異なる専門知識やスキルが求められる点が特徴です。クライアントとの打ち合わせから始まり、土地の調査やコンセプトの構築、設計まで一貫して対応を行います。

出典:e-Gov法令検索「建築基準法」第20条

技術者

建築技術者の仕事内容は、「設計」と「施工」の2つに分類されます。クライアントの要望をうかがって建物の構造を決めていくのが設計です。そして設計の完了後、必要な資材や作業員の手配を行い、実際に工事を進めていくのが施工です。

設計では、建設を予定している建物の用途や規模などの条件をもとに、クライアントと繰り返し検討を重ね、希望の設計プランを立てていきます。施工では、設計プランを実現させるために、設計図にしたがってスケジュールどおりに工事を進めていき、事故が起こらないように安全体制を構築していきます。

営業

建設業界でも、営業職は欠かせない業務の1つです。自社の建設工事を受注するために営業活動を行うのが営業スタッフで、さまざまなクライアントにアプローチを行います。

例えば、官公庁や民間企業への新規開拓営業、既存顧客へのフォローアップ(ルート営業)などがあります。新しい顧客を探すだけではなく、既存顧客との信頼関係の構築や維持も行う大切な仕事です。

それぞれの営業手法について見ていくと、以下のとおりです。

新規開拓営業
新たな顧客を見つけるために営業活動を行います。建設業の場合は、民間企業だけでなく官公庁との関わりも大事な要素となります。Webを用いた営業手法なども取り入れ、顧客との信頼関係を築き、案件獲得につなげていくための活動です。

ルート営業
既存顧客へのフォローアップをいいます。リピートの獲得が目的であり、顧客と定期的にコミュニケーションを重ね、有益な情報などを提供することで新たな受注を狙っていきます。


営業スタッフは、自社のイメージを代表し、最前線で顧客との窓口となる職種です。高いコミュニケーション能力と責任感が求められます。

建設業の案件のなかには、予算規模の大きなプロジェクトもあります。案件獲得までに長い時間がかかることもあり、責任も重い部分があるといえるでしょう。

顧客との信頼関係を構築し、維持するために高いコミュニケーション能力が求められる点を押さえておくことが重要です。

事務

建設業界では、事務員が現場作業や設計を支えるために多岐にわたる事務作業を担当しています。例えば、電話対応や来客対応、伝票作成、経理関連などです。

建設業界だからと身構えてしまう人もいますが、通常の事務職の業務とさほど変わりはありません。基本的なビジネススキルやパソコンスキルがあれば、多くの業務を担当できるようになるでしょう。

ビジネススキルとしては、文書管理や簿記、外国語などのスキルが挙げられます。具体的な資格としては、文書管理情報士や日商簿記、TOEICなどです。

パソコンスキルとしては、MOS資格やITパスポートなどが挙げられます。ただし、会計業務に関しては、建設業界特有の法律や会計ルールに関連した知識が求められる場合があります。

具体的には、「積算」に関する知識が挙げられるでしょう。積算とは、設計図や仕様書などをもとに、使用する資材や数量などを計算して、建設にかかる工事費の見積もりを算出する作業を指します。

専門知識があると、より業務の幅が広がるため、建設業界の事務職を検討している人は資格の取得を目指してみるのもよいでしょう。

職務経歴書「職務要約」の書き方を解説!人事が注目するポイントと注意点も併せて紹介

建設業における履歴書でアピールしたい内容

建設業の履歴書でアピールしたい内容


こちらでは、建設業を目指す際の履歴書でアピールしたい内容を紹介します。建設業は、専門的なスキルを必要とする職種が多いため、上手く自分のスキルや経験がアピールできれば、希望職種への転職も近づくでしょう。

現場経験以外のスキル

建設業界では、専門スキルが必要な職種も多いですが、一般的な仕事全般で役に立つ万能なスキルもアピール可能です。例えば、建設業界はチームで仕事を進める機会が多いため、コミュニケーションスキルも、アピール要素の1つになります。

規模の大きいプロジェクトになるほど、かかわる人の人数も増えます。クライアントや現場作業員などさまざまなシーンで人とかかわる機会が発生するため、柔軟なコミュニケーション能力が求められます。過去の業務で実践している具体的なエピソードと結果を交えながら、コミュニケーションスキルをアピールしましょう。

具体例として、次のような自己PRの文章が考えられます。

前職では、駅前の商業施設の建設に携わっていました。多くの業者を取りまとめ、工事を安全に行うために、毎朝の朝礼で話す内容を工夫しました。

業務に関することだけでなく、家族のことや最近起こった出来事などの話題も取り入れ、現場作業員との会話が弾むように心がけました。


コミュニケーションスキルは建設業にかかわらず、あらゆる業種・職種で必要とされるものです。建設業が未経験の場合にも、大きなアピールポイントになるので、積極的に自己PRとして盛り込んでみましょう。

デジタル技術に関連するスキル

近年、建設業界を含む多くの業界でデジタル技術が急速に発展しています。例えば、CADや建築積算ソフトなどさまざまなソフトを利用する機会が増えています。

システムやソフトを使いこなせると、業務の効率化が可能となり、1人ひとりの業務負担が軽減できると考えられます。データ分析やクラウド、DXに関する知識、セキュリティ対策などの知見もあると、さらに業務をスムーズに進められるでしょう。

建築業務に関連するデジタル技術の知識やスキルを身につけていると、職種によっては重宝されるでしょう。また、事務業務でもエクセルやパワーポイントなどのパソコン関連のソフトを使いこなせると役に立ちます。

一定のスキルを証明するために、MOS資格やITパスポートの資格などを取得してみるのもよいでしょう。上記の資格を取得することによって、現場作業の効率化や事務処理のデジタル化に貢献できることがアピールできるようになります。

勉強中の資格は履歴書に書くべき?資格を書く時のポイントと注意点を解説

仕事に対する責任感

建設業界の仕事を滞りなく進めるためには、責任感を持って仕事に取り組む必要があります。施工現場では、スケジュールを守って作業を進めていく必要があるため、監督する管理者が責任を持って現場を指揮しなければ、スケジュールが滞ってしまう可能性があります。

建設業界では、専門的な技術だけではなく、「責任感」や「誠実さ」などもアピールポイントの1つとなるでしょう。具体的な例文として、以下のものが挙げられます。

建設業界は未経験ですが、私はこれまでアパレル業界において店長として1つの店舗を任されていました。毎月の売上を達成するために、スタッフ1人ひとりの能力や適性を見極めるために面談を定期的に行い、それぞれの担当業務を見直しました。

また、スタッフの意見を取り入れて、季節性のある商品や売り場の配置などを工夫しました。その結果、半年で売上を前年比15%増加させることができ、お客様に満足していただくだけでなく、スタッフの労働環境も改善し、モチベーションの維持につなげることができました。


チームとして仕事の目標を達成するには、さまざまな部署と連携する「調整力」も必要になります。業務に関する情報を共有し、同じ認識を持って行動することで仕事に対する責任が果たせるといえます。

多くのバックグランドを持つメンバーと連携するには、誠実さが欠かせないので、自己PRにおいても人柄に関する部分を盛り込んでみましょう。

マネジメントに関する経験

マネジメントの経験とは、主にリーダーシップや予算管理、安全管理などのことを指します。チームをまとめ上げた経験があるのなら、リーダーシップについて自己PRができるでしょう。

予算管理については、どれくらいの規模や人員のプロジェクトを取り扱ったかが、アピールポイントになるので、過去の経験を振り返って文章をまとめることが大切です。さらに、安全管理の経験をエピソードとして盛り込むのならば、例えば「現場作業員の熱中症対策のために作業服を見直した」などの改善策を取り上げてみるとよいでしょう。

施工管理の仕事を円滑に行っていくには、マネジメントに関する経験が欠かせません。実績をもとにエピソードを紹介することで、実務能力の高さをアピールしていくことが大事です。

建設系の取得資格

建築系の資格を取得しているのであれば、次に掲げるものは建設業界で働くうえでアピールポイントとなります。

資格の種類

特徴・難易度

建築士

建設業界における代表的な国家資格。一級建築士・二級建築士・木造建築士の3つがあり、一級建築士であれば大規模な建物の工事も担えるようになる。資格の難易度として、一級建築士の最終合格率は10%程度、二級建築士は22~26%程度となっている。

施工管理技士

施工管理の国家資格であり、電気・土木・建築・造園などの分野に細分化されている。監理技術者や主任技術者となるためには、施工管理技士の資格が必須なので、取得することで仕事の幅を広げられる。1級施工管理技士の合格率は40%程度。

電気工事士

配線や電気設備のメンテナンス、冷暖房設備の設置などを行うための国家資格。第一種と第二種の資格があり、第二種は家庭における電気設備の作業、第一種は大規模な電気設備を取り扱う場合に必要になる。合格率は第一種で50%程度、第二種で60%程度となっている。

技術士

科学技術に関する高度な専門性と応用力、実務経験を備えたエンジニアの証明となる国家資格。21の技術部門に分かれており、建設業界でも役立つ資格といえる。建設部門における最終合格率は10%程度。

とび技能士

とびに関する国家資格で、1~3級の三段階に分かれている。取得をすることで、とび工としての知識や技術を備えている証明になる。合格率は30%程度。

出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 試験結果
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「二級建築士試験結果データ
出典:国土交通省「令和5年度 技術検定結果について
出典:国土交通省「令和4年度 建築・電気工事施工管理技術検定(1級・2級) 「第一次検定(2級後期)」及び「第二次検定」合格者の発表
出典:公益社団法人 日本技術士会「令和5年度技術士第ニ次試験統計」P1
出典:愛知県職業能力開発協会「令和4年度 前期 技能検定職種別(作業)別合格状況」P4

建設業における履歴書の志望動機の書き方・ポイント

建設業の志望動機のポイント

建設業を目指すなら、建設業ならではの特徴を取り入れた志望動機を考える必要があります。重要なポイントを押さえて、建設業界の採用担当者の興味を引く志望動機を作成しましょう。

建設業界を志望する理由を明確にする

建設業界の志望動機を作成する際は、数ある業界のなかからなぜ建設業界を志望するのか、具体的な理由を明確にすることが大切です。例えば、「企業研究を通じて建設業界に興味を持った」「建設業界であれば自分の経験を活かせると感じた」など、できるだけ具体的に書いてみましょう。

「社会に貢献したい」「自分を成長させたい」など、どの業界にもいえるような志望動機では、採用担当者に興味を持ってもらいにくいです。建設業界ならではの特徴や魅力を踏まえた志望動機を作成すると、業界研究を深く行っているアピールになり、興味を持ってもらいやすくなるでしょう。

「大きなプロジェクトに携われるチャンスがある」「長く勤めることでさまざまな資格を取得できる」といった内容を志望動機に書いていくことが大切です。

志望動機のフレームワークを把握する

情報が集まったら、志望動機のフレームワークを把握して、志望動機を組み立てていきます。基本的な流れとして、以下のようになります。

・結論
・エピソード
・志望動機の根拠
・競合他社との比較
・結論

まず、志望動機では結論から述べます。相手に伝わりやすいよう、志望動機を一言で作成しましょう。

次に、志望をするに至った具体的なエピソードを交えながら、志望動機に対する理由を述べていきます。過去の経験や業界、応募先の企業との関連性を踏まえて具体的に説明すると、興味を持たれやすくなります。

そして、競合他社ではなく、なぜ応募先の企業を選んだのかを説明しましょう。業界研究や企業研究を熱心に行っているアピールポイントにもなるはずです。

最後に志望する理由だけではなく、入社後どのような活躍をして企業に貢献できるかを結論として述べます。入社後の在り方については、求職者が企業の戦力となるかを判断するために必要な情報です。

応募企業を選んだ理由を明確にする

業界についてだけではなく、応募企業ならではの理由を伝えることも大切です。ほかの企業や業界にもいえる志望理由だと、入社意欲が高くないと判断されてしまう可能性があります。企業研究をして、応募企業独自の強みや魅力を踏まえた志望動機を作成しましょう。

業界研究や企業研究を行う方法として、具体的にはWebや市販の書籍で調べたり、OB・OGにヒアリングをしたりすることが挙げられます。志望動機を書く前に、疑問点や不明点をできるだけ解消しておきましょう。

また、応募企業を選んだ理由として、給与や待遇などの条件面だけを提示するのは避けたほうが無難です。企業の経営理念や業務への取り組みなど、仕事に対する姿勢などについて記入することをおすすめします。

しっかりと企業研究を行うことによって、自ずと競合他社との比較をすることになり、応募先の企業が目指す方向性や今後の事業展開などを把握するのに役立つでしょう。

【履歴書】建設業界の志望動機の例文

建設業界の志望動機の例文


こちらでは、建設業界の履歴書ならではの志望動機の例文を紹介します。建設業界では、専門的なスキルが必要な職種も多いため、正社員経験がある場合と未経験の場合で、アピールポイントも異なります。

正社員経験がある場合

正社員経験ありの建築施工管理の志望動機例文は、以下のとおりです。

私は現在、住宅の施工管理の業務を担っています。多くの人が利用する大きな施設の管理に携わりたいと考え、オフィスビルの建設を手がけている貴社を志望しました。

現場では、職人の方と積極的にコミュニケーションを取りながら仕事の割り振りやスケジュール管理を行い、安全かつスピーディーに工事を進めてきました。日頃から関係者の間で情報共有を緊密にしていたので、急なトラブルにもチームとして連携して対処することができました。

貴社でもお客様や職人の方たちとのコミュニケーションを大切にして、スケジュール通りかつ現場の職人が安心して工事を進めていける施工管理をしたいと考えています。

正社員経験ありの土木施工管理の志望動機例文は、以下のとおりです。

私はこれまでも、全国各地のトンネルや道路などの社会インフラを整備する仕事に携わってきました。今後は、自分が生まれ育った地元のインフラ整備を行い、地元の発展に貢献したいと思い貴社を志望しました。

貴社のことを調べているうちに、建築系のさまざまな資格があることを知り、専門的な知識を増やすために資格の取得に励みました。今後は1級施工管理技士や2級建築士などの経験を活かし、貴社で1日も早く仕事の流れをつかみ、貢献していきたいと考えています。

正社員経験ありの設計の志望動機例文は、以下のとおりです。

私は、実用性とデザイン性のバランスに優れた建築の設計をしたいと思い、貴社を志望しました。私は、大学時代から意匠設計を行い、2級建築士を取得して現在も設計の仕事を行っています。

社内で開催された設計コンペに参加した際は、テーマに合った沿った建築にするために、ニーズに沿った取捨選択を行う経験を積みました。自分たちのやりたいことだけを追求するのではなく、世の中にとって本当に役立つものは何かをチームメンバーと共に、徹底して話し合い、完成させることができました。

このときの経験を活かして、貴社でも顧客のニーズに応えたバランスの良い建築を設計していきたいと考えています。

未経験の場合

建設業界未経験者の志望動機例文は、以下のとおりです。

建築施工管理の場合
私は、オフィスビルの建設にかかわりたいと思い貴社を志望しました。私は、ゼミでグループをまとめる役割を担っていました。

仕事の割り振りを行い、学年発表では最優秀発表に選ばれた経験があります。オフィスビルの機能性だけを重視するのではなく、デザイン性にもこだわることによって、「落ち着いて仕事に向き合える空間」を演出できたことが評価につながったのだと思います。

入社後は、施工管理職に就き、的確かつスピーディーに指示を出して、貴社の業績に貢献したいと考えています。


土木施工管理の場合
私はこれまで、地元に貢献したいという思いを持ち、農協の営業職として働いてきました。現在、地方の道路整備の需要が高まり続けていることを受け、人々の生活に欠かせないインフラに関する仕事に興味を持っております。

新鮮な農作物を都市部に届けるには、生産地から消費地へとつながる交通網の整備が必要であり、次第にインフラ整備に関心を持つようになりました。貴社では、地元に密着してライフラインの整備を数多く手掛けていることを知り、自分もその一員として地域地元に貢献したいと思い、志望しました。

建築の仕事は未経験ですが、現在土木設計や構造力学に関連する入門書を読み勉強をしております。この転職を機に、腰を落ち着けて業務に取り組んでいきたいと考えております。

設計の場合
大学時代にゼミでオフィスビルの見学会に参加したとき、設計者の人々の安全を守るための取り組みについての説明に、強く感銘を受けました。特に構造設計において、デザイン性を重視しながらも、地震などの災害に備えた設計に余念がないことに大きな敬意を抱きました。

あのとき見学したオフィスビルのように、構造や設備のこだわりや、安全性に対する高い意識を両立できる、誰もが利用しやすい建築を設計したいと感じ、オフィスビルの建設を担っている貴社を志望しました。

ブランクがある場合

出産や子育てといったライフステージの変化によって、キャリアにブランクが生じるケースもあるでしょう。ここでは、ブランクがある場合の志望動機の書き方を解説します。

出産・子育ての場合
私は2年前に出産を経験し、それまで働いていた事務の仕事をいったん休職しました。周りからの協力もあり、子育てが少し落ち着いてきたタイミングであるため、もう一度仕事をしたいと考えています。

しばらくブランクはありますが、休職する前の私は営業事務を担当しており、毎月多くの案件を担当していました。今まで培ってきたスキルを活かしながら、貴社の営業活動をしっかりとサポートしていけるように努めたいと思っております。

また、別の業界で働いていた場合についても見ていきましょう。

別業界に転職していた場合
以前は設計事務所で働いておりましたが、海外の優れた建物の構造に強い興味を抱き、3年間ほど海外で暮らしていました。海外に在住しているときは、設計の仕事から離れ、デザイン会社に就職していました。

多くのデザイナーの方と交流し、長く親しまれるデザインについて考えるきっかけになったのは、今でも大きな財産だと感じております。今回再び、貴社の業務を通じて設計の仕事に取り組みたいのは、デザインを学んだことで人々がより親しみを持てる建物の設計が実現できると考えたからです。

建設業界においては、キャリアに多少のブランクがあったとしても、今までの実績や取得資格で評価される面があります。そのため、キャリアに空白があっても再就職の機会を得やすいといえるでしょう。

建設業における履歴書の自己PRの書き方・ポイント

建設業の自己PRのポイント


こちらでは、建設業界における履歴書の自己PRの書き方を紹介します。建設業界に活かせるスキルや経験を把握し、採用担当者の目に留まるような自己PRを作成できるよう、ポイントをチェックしましょう。

施工管理の志望動機の書き方|例文や作る際のポイント・注意点などを解説

自己分析で強みを明確にする

自分自身の強みやスキルを把握するためには、自己分析が欠かせません。自己分析を行うことで得意分野が見つけることにつながるため、アピールしたいポイントが明確化されます。

自己分析で複数の強みを発見できたら、応募企業に活かせるものを選び、自己PRを作成していきます。

応募先企業が求めるスキルを確認する

建設業界は、専門性の高い職種が多い傾向にあります。企業が必要とする専門スキルを有する人材であれば、企業側も積極的に採用したいと考えるでしょう。応募先の企業が求めている資格やスキルのチェックは欠かせません。

自己分析によって明らかになった自分の強みと、企業が求めている人材やスキルがマッチしているかを確認した上で、自己PRを作成します。

取得を目指している資格のアピールを取り入れる

建設業界は専門性が高いため、応募先企業が求めている資格をまだ取得できていないケースもあるでしょう。現在、資格を所有していない場合でも、取得を目指して勉強中であるとアピールできれば好印象を与えられます。

試験日や取得予定日などを具体的に伝えると、より意欲を感じられます。応募時点で資格取得の勉強を進めていなくとも、「入社後に取得を考えている」と前向きな理由を伝えることで、仕事に対する姿勢を評価してもらえる可能性があります。

アピールする強みの具体的なエピソードを考える

自己PRを作成する際は、アピールしたい自分の強みに関する具体的なエピソードを加えましょう。具体的には、これまでの職場で培った経験や実績を盛り込みます。社会人経験が少なく、アルバイト経験しかない人でも、応募企業が求めるスキルや経験にマッチしているのであれば、積極的にエピソードを伝えるとよいでしょう。

入社後に何を実現したいか考える

自己PRを作成する前に入社したあとに何をしたいかを考えておきます。自己PRの前半で企業にマッチした自分の強みを伝えたあと、その強みを生かして入社後どのような活躍ができるかをアピールしましょう。入社後の貢献について述べると、採用担当者側は求職者が求めている人材にマッチしているか判断しやすくなります。

【履歴書】建設業界の自己PRの例文

建設業界の自己PRの例文


こちらでは、建設業界の履歴書ならではの自己PRの例文を紹介します。正社員経験がある場合と未経験の場合では、アピールできるスキルや経験が異なるため、それぞれ何を強みとすれば良いかチェックしましょう。

正社員経験がある場合

正社員経験ありの建築施工管理の自己PR例文は、以下のとおりです。

前職では、戸建て住宅の建築施工管理を担当していました。チームメンバーと積極的にコミュニケーションを取り、プロジェクトの進行や品質管理に貢献してきました。

プロジェクトの進行については、ITツールを積極的に活用して、急な変更やトラブルの発生でも情報共有が行えるように仕組みを整えました。また、品質管理についてはチェックリストを細かく作成し、日々の点検・確認に役立てました。

貴社でも建築施工管理の経験とノウハウを活かして、オフィスビルや商業施設の施工管理をスムーズに進めていきたいと考えております。

正社員経験ありの土木施工管理の志望動機例文は、以下のとおりです。

私はこれまでも、全国各地のトンネルや道路などの社会インフラを整備する仕事に携わってきました。大規模なプロジェクトに参加するうちに、まちづくりに関して興味を持つようになり、暮らしに直接的な影響を与えるインフラ整備について、さらに深く学んでみたいと感じるようになりました。

今後は、自分が生まれ育った地元のインフラ整備を行い、地元の発展に貢献したいと思い貴社を志望しました。1級施工管理技士や2級建築士などの経験を活かし、貴社で1日も早く仕事の流れをつかみ、貢献していきたいと考えています。

正社員経験ありの設計の自己PR例文は、以下のとおりです。

私は、前職において工程管理を徹底して、柔軟な軌道修正を行えるような設計を心がけてきました。施工管理の経験もあり、現場の動き方を考えた効率の良い施工方法の提案もできます。

実際に顧客や現場のスタッフとのコミュニケーションを緊密に行い、作業手順の見直しや人員配置について調べ、急なトラブルが発生しても工期に支障が出ないように努めました。設計と施行の両方の経験を活かし、貴社でも設計の品質を維持したまま、スケジュールどおりの施工ができる仕事を行い、貢献していきたいと考えております。

未経験の場合

建設業界未経験者の自己PR例文は、以下のとおりです。

建築施工管理の場合
私は、施工管理の業務は未経験ですが、前職では営業事務としてスケジュール通り業務を進めるだけではなく、営業や顧客からの突発的な依頼に対してもスピーディーに対応できるよう、あらかじめ業務計画を営業と共有し、素早い判断ができるよう準備していました。

その結果、数量や納品場所の変更といったイレギュラーな対応が入っても、多くの案件を納期に余裕をもって納品することができ、顧客満足度の向上に貢献してきたと考えています。貴社の施工管理の業務においても、計画的にスケジュールを進めるとともに、イレギュラーに対応できるよう事前の準備を欠かさず業務を遂行していきたいと思っています。

土木施工管理の場合
私は、建設業界での仕事は未経験ですが、中学・高校・大学とバスケットボール部に所属していたため、体力には自信があります。またチーム競技であったため、仲間と協力して目標達成に向けて試行錯誤を繰り返していく活動を数多く経験してきました。

困難な場面に直面しても、1人で解決しようとするのではなく、メンバーと情報共有を行いながら対応していくことで課題を乗り越えられたと思います。こうした経験をもとに、仕事においてもチームプレーを大事にしながら取り組んでいきたいと考えています。

将来は土木施工管理技士の資格を取得し、貴社の事業により貢献していきたいと考えております。

設計の場合
私は、建設業界での仕事は未経験ですが、現在2級建築士の資格取得に向けて勉強を進めており、知識や技術の習得に取り組んでいます。前職はSEですが、顧客とヒアリングを丁寧に行い、希望のプログラムを構築していく点は、設計の業務と共通する点があると考えています。

これまでのSEの経験を生かして、最新のデジタル技術などを活用し、貴社の業務において効率化などに貢献していきたいです。顧客のニーズをしっかり読み取り、満足してもらえる設計を構築していきたいと考えています。

ブランクがある場合

次に、出産や子育てなどでキャリアにブランクがある場合の例文についても見ていきましょう。

出産・子育ての場合
私は第2子を出産してから、子育ての環境を整えるために今のところへ転居してきました。子どもが保育園に通うようになり、以前より時間が確保できるようになったため、今回貴社の事務職に応募させていただきました。

しばらく仕事からは離れておりましたが、営業事務としての経験は10年以上あり、すぐに貴社の環境に馴染めると思っております。チームメンバーとも連携をしながら、貴社の業務に貢献していきたいと考えています。

また、別業界で働いていたケースについても例文を紹介します。

別業界に転職していた場合
私は5年ほど施工管理の業務に携わっていましたが、実家の父が病気になり、3年ほど故郷に戻っておりました。そこでは農業に関する仕事に従事していましたが、自然との調和を考えながら、ものづくりを進めていく素晴らしさを学べたと実感しています。

今回、貴社への応募にあたって、木造建築に特化して事業展開を行っている点に惹かれました。私の経験が貴社の業務にも役立つものと思っております。

上記の例文のように、建設業界は多少のブランクがあったとしても、実績や資格で評価される部分が大きいので問題ありません。自分なりの経験を活かして、自己PRを取りまとめてみましょう。

建設業における履歴書の書き方のコツを押さえよう

建設業界で好印象を与える履歴書を作ろう

今回は、建設業界に着目して履歴書の書き方や、志望動機・自己PRの作成ポイントを紹介しました。建設業界は専門スキルが求められる職種が多い一方で、未経験からでも挑戦できる職種が少なからずあります。

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参考:建設業界で評価される履歴書の書き方とは。志望動機でまわりと差をつけよう | 建築転職

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