【建設業界】建築・土木系の履歴書の書き方解説!アピールポイントや例文を紹介

ひとえに建設業界といっても、必要なスキルや経験はさまざまです。建設業界の特徴として、専門的スキルや資格が必要になる職種が多い点があります。本記事では、建設業界への転職を目指している方に向けて、建設業界の仕事の種類や特徴、志望動機や自己PRの作成ポイントを紹介します。建設業界への転職を考えている方は、参考にしてみてください。

建設業界は今後も需要が伸びる

令和3年における建設業界の国内売上高は15兆282億円であり、前年から減少しているものの、依然として市場規模は大きいといえるでしょう。建設業界は、住宅やビルなどを建設する建築や、道路や水道などのインフラを整備する土木などに分類され、今日まで人々の生活を支え続けています。

建築物やインフラは一度建てたら終わりではなく、年月が経ち、老朽化が進めばメンテナンスが必要になります。地震や洪水などの自然災害によって破損する可能性もあるため、建設業界は需要が途切れることは考えにくいです。

また、建設業界では大規模なプロジェクトが定期的に発生します。たとえば、オリンピックやパラリンピックの開催時には、会場の建設や周辺のインフラ整備のため、建設の需要が急速に高まりました。このような経済効果はオリンピックに限らず、さまざまなイベントにおいても期待できます。

人々の生活を支えるライフラインや大規模なイベント開催時に欠かせない建設業界の需要は、今後も伸びていくと考えられるでしょう。

建設業は大きく分けて5種類の仕事がある

建設業界は以下5種類の仕事に分けられます。ここではそれぞれの仕事内容や特徴を紹介しますので、履歴書の志望動機や自己PRを考える際の参考にしてください。

建設業の分類

仕事内容・特徴

施工管理

施工管理とは、5大管理と呼ばれる「工程管理、品質管理、予算管理、安全管理、環境管理」を行う仕事。工事現場において指揮監督を取り、工事が計画どおりかつ安全に進むよう管理する重要な役割がある。

建築設計

建築設計とは、建物や設備の設計にかかわる包括的な業務をいう。建築設計にかかわる業種は、建築士や技術士などの有資格者と建築事務職員。建築設計の業種は主に、意匠設計、構造設計、設備設計の3つ。

技術者

建築技術者の仕事内容は、「設計」と「施工」の2つに分類される。クライアントの要望を伺って建物の構造を決めていくのが設計。設計の完了後、必要な資材や作業員の手配を行い、実際に工事を進めていくのが施行である。

営業

自社の建設工事を受注するために営業活動を行う。官公庁や民間企業への新規開拓営業、既存顧客へのフォローアップなどの業務がある。自社のイメージを背負い、最前線で顧客に接する職種。

事務

事務員は、現場作業や設計を支えるために多岐にわたる事務作業を担当している。電話対応や、来客対応、伝票作成、経理関連などの業務がある。基本的なビジネススキルやパソコンスキルがあれば、多くの業務を担当できる。

施工管理

建築にかかわる仕事の代表として、施工管理業務があります。施工管理とは、5大管理と呼ばれる「工程管理、品質管理、予算管理、安全管理、環境管理」を行う仕事です。工事現場において指揮監督を取り、工事が計画どおりかつ安全に進むよう管理する重要な役割を持っています。

施工管理の業務には特別な資格は必要ありません。未経験から始めて経験を積む人も多くいます。また、実務経験を積んで、国家資格の施工管理技士を取得すると、仕事の幅が広がるでしょう。

建築設計

建築設計とは、その名の仕事があるわけではなく、建物や設備の設計にかかわる包括的な業務を表しています。建築設計にかかわる業種は、建築士や技術士などの有資格者と建築事務職員です。建築設計の業種は主に、意匠設計、構造設計、設備設計の3つがあります。それぞれに異なる専門知識やスキルが求められる点が特徴です。クライアントとの打ち合わせから始まり、土地の調査やコンセプトの構築、設計まで一貫して対応を行います。

技術者

建築技術者の仕事内容は、「設計」と「施工」の2つに分類されます。クライアントの要望を伺って建物の構造を決めていくのが設計です。設計の完了後、必要な資材や作業員の手配を行い、実際に工事を進めていくのが施行です。

設計では、建設を予定している建物の用途や規模などの条件をもとに、クライアントと繰り返し検討を重ね、希望の設計プランを立てていきます。施行では、設計プランを実現させるために、設計図にしたがって工事を進めていき、スケジュールどおりかつ事故のないよう安全体制を整備するのが業務です。

営業

建設業界でも、営業職は欠かせない業務の一つです。自社の建設工事を受注するために営業活動を行うのが営業スタッフで、さまざまなクライアントにアプローチを行います。たとえば、官公庁や民間企業への新規開拓営業、既存顧客へのフォローアップなどがあります。新しい顧客を探すだけではなく、既存顧客との信頼関係の構築や維持も行う大切な仕事です。

営業スタッフは、自社のイメージを代表し、最前線で顧客との窓口となる職種です。高いコミュニケーション能力と責任感が求められます。

事務

建設業界では、事務員が現場作業や設計を支えるために多岐にわたる事務作業を担当しています。たとえば、電話対応や来客対応、伝票作成、経理関連などです。建設業界だからと身構えてしまう人もいますが、通常の事務職の業務とさほど変わりはありません。基本的なビジネススキルやパソコンスキルがあれば、多くの業務を担当できるようになるでしょう。

ただし、会計業務に関しては、建設業界特有の法律や会計ルールに関連した知識が求められる場合があります。専門知識があると、より業務の幅が広がるため、建設業界の事務職を検討している人は資格の取得を目指してみるのも良いでしょう。

建設業における履歴書でアピールしたい内容

こちらでは、建設業を目指す際の履歴書でアピールしたい内容を紹介します。建設業は、専門的なスキルを必要とする職種が多いため、上手く自分のスキルや経験がアピールできれば、希望職種への転職も近づくでしょう。

現場経験以外のスキル

建設業界では、専門スキルが必要な職種も多いですが、一般的な仕事全般で役に立つ万能なスキルもアピール可能です。たとえば、建設業界はチームで仕事を進める機会が多いため、コミュニケーションスキルも、アピール要素の一つになります。

規模の大きいプロジェクトになるほど、かかわる人の人数も増えます。クライアントや現場作業員などさまざまなシーンで人とかかわる機会が発生するため、柔軟なコミュニケーション能力が求められます。過去の業務で実践している具体的なエピソードと結果を交えながら、コミュニケーションスキルをアピールしましょう。

デジタル技術に関連するスキル

近年、建設業界を含む多くの業界でデジタル技術が急速に発展しています。たとえば、CADや建築積算ソフトなどさまざまなソフトを利用する機会が増えています。システムやソフトを使いこなせると、業務の効率化が可能となり、ひとり一人の業務負担が軽減できると考えられます。

建築業務に関連するデジタル技術の知識やスキルを身に付けていると、職種によっては重宝されるでしょう。また、事務業務でもエクセルやパワーポイントなどのパソコン関連のソフトを使いこなせると役に立ちます。

仕事に対する責任感

建設業界の仕事を滞りなく進めるためには、責任感を持って仕事に取り組む必要があります。施工現場では、スケジュールを守って作業を進めていく必要があるため、監督する管理者が責任を持って現場を指揮しなければ、スケジュールが滞ってしまう可能性があります。建設業界では、専門的な技術だけではなく、責任感や誠実さなどもアピールポイントの一つとなるでしょう。

建設業における履歴書の志望動機の書き方・ポイント

建設業を目指すなら、建設業ならではの特徴を取り入れた志望動機を考える必要があります。重要なポイントを押さえて、建設業界の採用担当者の興味を引く志望動機を作成しましょう。

建設業界を志望する理由を明確にする

建設業界の志望動機を作成する際は、数ある業界の中からなぜ建設業界を志望するのか、具体的な理由を明確にしてください。どの業界にもいえるような志望動機では、採用担当者に興味を持ってもらいにくいです。建設業界ならではの特徴や魅力を踏まえた志望動機を作成すると、業界研究を深く行っているアピールになり、興味を持ってもらいやすくなるでしょう。

志望動機のフレームワークを把握する

情報が集まったら、志望動機のフレームワークを把握して、志望動機を組み立てていきます。まず、志望動機では結論から述べます。相手に伝わりやすいよう、志望動機を一言で作成しましょう。

次に、志望動機に対する理由を述べていきます。過去の経験や業界、応募企業との関連性を交えて具体的に説明すると、興味を持たれやすくなります。

最後に志望する理由だけではなく、入社後どのような活躍をして企業に貢献できるかを述べます。入社後の在り方については、求職者が企業の戦力となるかを判断するために必要な情報です。

応募企業を選んだ理由を明確にする

業界についてだけではなく、応募企業ならではの理由を伝えることも大切です。ほかの企業や業界にもいえる志望理由だと、入社意欲が高くないと判断されてしまう可能性があります。企業研究をして、応募企業独自の強みや魅力を踏まえた志望動機を作成しましょう。

また、応募企業を選んだ理由として、給与や待遇などの条件面だけを提示するのは避けたほうが無難です。企業の経営理念や業務への取り組みなど、仕事に対する姿勢などについて記入することをおすすめします。

【履歴書】建設業界の志望動機例文

こちらでは、建設業界の履歴書ならではの志望動機の例文を紹介します。建設業界では、専門的なスキルが必要な職種も多いため、正社員経験がある場合と未経験の場合で、アピールポイントも異なります。

正社員経験がある場合

正社員経験ありの建築施工管理の志望動機例文は、以下のとおりです。


私は現在、住宅の施工管理の業務を担っています。多くの人が利用する大きな施設の管理に携わりたいと考え、オフィスビルの建設を手がけている貴社を志望しました。現場では、職人の方と積極的にコミュニケーションを取りながら仕事の割り振りやスケジュール管理を行い、安全かつスピーディに工事を進めてきました。貴社でもお客様や職人の方たちとのコミュニケーションを大切にして、スケジュール通りかつ現場の職人が安心して工事を進めていける施工管理をしたいと考えています。

正社員経験ありの土木施工管理の志望動機例文は、以下のとおりです。

私はこれまでも、全国各地のトンネルや道路などの社会インフラを整備する仕事に携わってきました。今後は、自分が生まれ育った地元のインフラ整備を行い、地元の発展に貢献したいと思い貴社を志望しました。1級施工管理技士や2級建築士などの経験を活かし、貴社で1日も早く仕事の流れをつかみ、貢献していきたいと考えています。

正社員経験ありの設計の志望動機例文は、以下のとおりです。

私は、実用性とデザイン性のバランスに優れた建築の設計をしたいと思い、貴社を志望しました。私は、大学時代から意匠設計を行い、2級建築士を取得して現在も設計の仕事を行っています。社内で開催された設計コンペに参加した際は、テーマに合った沿った建築にするために、ニーズに沿った取捨選択を行う経験を積みました。このときの経験を活かして、貴社でも顧客のニーズに応えたバランスの良い建築を設計していきたいと考えています。

未経験の場合

建設業界未経験者の志望動機例文は、以下のとおりです。

建築施工管理の場合

私は、オフィスビルの建設にかかわりたいと思い貴社を志望しました。私は、ゼミでグループをまとめる役割を担っていました。仕事の割り振りを行い、学年発表では最優秀発表に選ばれた経験があります。入社後は、施工管理職に就き、的確かつスピーディーに指示を出して、貴社の業績に貢献したいと考えています。

土木施工管理の場合

私はこれまで、地元に貢献したいという思いを持ち、農協の営業職として働いてきました。現在、地方の道路整備の需要が高まり続けていることを受け、人々の生活に欠かせないインフラに関する仕事に興味を持っております。貴社では、地元に密着してライフラインの整備を数多く手掛けていることを知り、自分もその一員として地域地元に貢献したいと思い、志望しました。建築の仕事は未経験ですが、現在土木設計や構造力学に関連する入門書を読み勉強をしております。この転職を機に、腰を落ち着けて業務に取り組んでいきたいと考えております。

設計の場合

大学時代にゼミでオフィスビルの見学会に参加したとき、設計者の人々の安全を守るための取り組みについての説明に、強く感銘を受けました。あのとき見学したオフィスビルのように、構造や設備のこだわりや、安全性に対する高い意識を両立できる、誰もが利用しやすい建築を設計したいと感じ、オフィスビルの建設を担っている貴社を志望しました。

建設業における履歴書の自己PRの書き方・ポイント

こちらでは、建設業界における履歴書の自己PRの書き方を紹介します。建設業界に活かせるスキルや経験を把握し、採用担当者の目に留まるような自己PRを作成できるよう、ポイントをチェックしましょう。

自己分析で強みを明確にする

自己PRで伝える自分の強みやスキルを、自分自身が知るために自己分析を行いましょう。自己分析をすると、自分の得意分野が見つかるため、アピールしたいポイントが明確化されます。自己分析で複数の強みを発見できたら、応募企業に活かせるものをピックアップして、自己PRを作成していきます。

応募先企業が求めるスキルを確認する

建設業界は、専門性の高い職種が多い傾向にあります。企業が必要とする専門スキルを有する人材であれば、企業側も積極的に採用したいと感じるでしょう。応募先の企業が求めている資格やスキルのチェックは欠かせません。

自己分析によって明らかになった自分の強みと、企業が求めている人材やスキルがマッチしているかを確認した上で、自己PRを作成します。

取得を目指している資格のアピールを取り入れる

建設業界は専門性が高いため、応募先企業が求めている資格を取得できていないケースもあるでしょう。現在、資格を所有していない場合でも、取得を目指して勉強中であるとアピールできれば好印象を与えられます。

試験日や取得予定日などを具体的に伝えると、より意欲を感じられます。応募時点で資格取得の勉強を進めていなくとも、入社後に取得を考えているとポジティブな理由を伝えると、仕事に対する姿勢を評価してもらえる可能性があります。

アピールする強みの具体的なエピソードを考える

自己PRを作成する際は、アピールしたい自分の強みに関する具体的なエピソードを加えましょう。具体的には、これまでの職場で培った経験や実績などを盛り込みます。社会人経験が少なく、アルバイト経験しかない人でも、応募企業が求めるスキルや経験にマッチしているのであれば、積極的にエピソードを伝えるとよいでしょう。

入社後に何を実現したいか考える

自己PRを作成する前に入社したあとに何をしたいかを考えておきます。自己PRの前半で企業にマッチした自分の強みを伝えたあと、その強みを生かして入社後どのような活躍ができるかをアピールしましょう。入社後の貢献について述べると、採用担当者側は求職者が求めている人材にマッチしているか判断しやすくなります。

【履歴書】建設業界の自己PR例文

こちらでは、建設業界の履歴書ならではの自己PRの例文を紹介します。正社員経験がある場合と未経験の場合では、アピールできるスキルや経験が異なるため、それぞれ何を強みとすれば良いかチェックしましょう。

正社員経験がある場合

正社員経験ありの建築施工管理の自己PR例文は、以下のとおりです。

前職では、戸建て住宅の建築施工管理を担当していました。チームメンバーと積極的にコミュニケーションを取り、プロジェクトの進行や品質管理に貢献してきました。貴社でも建築施工管理の経験とノウハウを活かして、オフィスビルや商業施設の施工管理をスムーズに進めていきたいと考えております。

正社員経験ありの土木施工管理の志望動機例文は、以下のとおりです。

私はこれまでも、全国各地のトンネルや道路などの社会インフラを整備する仕事に携わってきました。今後は、自分が生まれ育った地元のインフラ整備を行い、地元の発展に貢献したいと思い貴社を志望しました。1級施工管理技士や2級建築士などの経験を活かし、貴社で1日も早く仕事の流れをつかみ、貢献していきたいと考えています。

正社員経験ありの設計の自己PR例文は、以下のとおりです。

私は、前職での業務これまでの設計においても工程管理を徹底して、柔軟な軌道修正を行えるような設計を心がけてきました。施工管理の経験もあり、現場の動き方を考えた効率の良い施工方法の提案もできます。設計と施行両方の経験を活かし、貴社でも設計の品質を維持したままスケジュールどおりの施工ができる仕事を行い、貢献していきたいと考えております。

未経験の場合

建設業界未経験者の自己PR例文は、以下のとおりです。

建築施工管理の場合

私は、施工管理の業務は未経験ですが、前職では営業事務としてスケジュール通り業務を進めるだけではなく、営業や顧客からの突発的な依頼に対してもスピーディに対応できるよう、あらかじめ業務計画を営業と共有し、素早い判断ができるよう準備していました。その結果、イレギュラーな対応が入っても、多くの案件を納期に余裕をもって納品することができ、顧客満足度の向上に貢献してきたと考えています。貴社の施工管理の業務においても、計画的にスケジュールを進めるとともに、イレギュラーに対応できるよう事前の準備を欠かさず業務を遂行していきたいと思っています。

土木施工管理の場合

私は、建設業界の仕事は未経験ですが、中学・高校・大学とバスケットボール部に所属していたため、体力には自信があります。またチーム競技であったため、仲間と協力して目標達成に向けて試行錯誤を繰り返していく活動を数多く経験してきました。将来は土木施工管理技士の資格を取得し、貴社の事業により貢献していきたいと考えております。

設計の場合

私は、建設業界の仕事は未経験ですが、現在2級建築士の資格取得に向けて勉強を進めており、知識や技術の習得に取り組んでいます。前職はSEですが、顧客とヒアリングを丁寧に行い、希望のプログラムを構築していく点は、設計の業務と共通する点があると考えています。これまでのSEの経験を生かして、顧客のニーズをしっかり読み取り、満足してもらえる設計を構築していきたいと考えています。

建設業における履歴書の書き方のコツを押さえよう

今回は、建設業界に着目して履歴書の書き方や、志望動機・自己PRの作成ポイントを紹介しました。建設業界は専門スキルが必要な職種も多い傾向ですが、未経験でも挑戦できる職種があります。

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