アルバイト経験の職務経歴書の書き方|例文や基本的なポイントを解説

アルバイト経験のみでも、求人によっては職務経歴書の提出を求められることがあります。しっかりと準備することで、これまでの経験や培ってきたスキルを効果的にアピールする機会に繋がります。
この記事では、アルバイト経験を職務経歴書に書くときの例文や基本的なポイントを解説します。
アルバイト経験だけでも職務経歴書は必要か?

アルバイトへの応募においては、原則として履歴書のみの提出が一般的であり、職務経歴書の提出は応募者の任意となります。本来、パート・アルバイトの応募段階においては、応募先企業より提出を求められない限り、職務経歴書を別途提出する必要はありません。
ですが、特段の求人においては、アルバイト応募者に対しても職務経歴書の提出が求められる場合があります。
アルバイトとしての勤務経験しかなかったとしても、多くの仕事を経験しているのであれば、職務経歴書を作成することが大切です。まずは、職務経歴書の基本的なポイントから解説します。
職務経歴書とは
職務経歴書とは、今までのキャリアの中で習得したスキルや経験、自己PRといったものを1つの書類にまとめたものを指します。履歴書にも職歴欄が設けられていますが、こちらはあくまで過去の仕事における在籍期間や退職理由といった基本情報を書くものであり、詳しい内容を伝えられるほどのスペースがありません。
履歴書の職歴欄とは別に、職務経歴書を作成することで応募先の企業でどういったスキルを発揮し、業務に貢献できるかをアピールできます。今までの職歴が短かったとしても、仕事以外の経験(ボランティア活動、インターンシップ、子育て)を通じて得たものを伝えるのも1つの方法なので、しっかりと作成していくことが大切です。
アルバイト経験だけで職務経歴書を作成しても問題ない
アルバイトの経験しかないからといって、職務経歴書の作成を控える必要はありません。たとえ、アルバイトの経験しかなかったとしても、応募先の企業や職種で活かせるスキルや経験があるならば、十分なアピールポイントになるはずです。
短期間の経験ではなかなか書きづらいところもありますが、3ヶ月以上のアルバイト経験があるのであれば、職務経歴書にしっかりと記入してアピールをしてみましょう。また、職務経歴書そのものを作成することによって、基本的なビジネススキルが備わっていることもアピールできるでしょう。
アルバイトとして働いていた理由も明確にする
人によって働く事情はさまざまであるため、正社員としての勤務経験がなく、アルバイトとしてしか働いていなくても、きちんと理由を説明できるのであれば問題ありません。例えば、「〇〇という資格取得を目指しており、勉強時間を確保するためにアルバイトとして働いていました」というように理由を説明してみましょう。
職務経歴書でアピールするスキルや経験というものは、何も仕事に限ったものばかりではありません。勉強を続けることで身につけた知識が、応募先の企業の業務に関連するものであれば、積極的にアピールしてみましょう。
アルバイトの経験が複数あるときは優先順位を決める
アルバイトとして働き続けてきた期間が長いときや、複数のアルバイトを経験してきたりした場合、すべての職歴を書き切れないときがあります。その際は、無理に全部を書こうとするのではなく、強調したい部分と簡潔にまとめられる部分を分けてみましょう。
応募先の企業が求めている人材像をきちんと把握したうえで、職種ごとの適性を見極めて、興味や関心を持ってもらえるスキルや経験を提示していくことが大切です。アピールポイントに優先順位をつけて、職務経歴書をまとめてみてください。
アルバイトの職務経歴書に記載する項目とは
職務経歴書に記載する項目として、次の5つが挙げられます。
職務経歴書に記載する5つの項目
・職務要約
・職務経歴
・職務内容
・保有資格とスキル・経験
・自己PR
各項目について、ポイントを見ていきましょう。
職務要約
職務要約とは、今までの職歴を要約したものを指します。詳しい内容については職務経歴の箇所に記入することになるので、職務要約は2~3行程度で短くまとめます。
職務要約を作成する理由は、職務経歴書の全体を読まなくても、大まかな内容を採用担当者に短い時間で理解してもらうことにあります。採用担当者の目に留まることを意識して、アピールしたいポイントを整理してみましょう。
職務経歴
職務経歴は、今までに経験した職務をまとめたものです。社名・会社規模・事業内容・雇用形態・在籍期間を記入します。
一般的な書き方としては、時系列順に整理する方法や、キャリア別にまとめる方法があります。経験した職務をただ書くだけよりも、「業務効率化に取り組んだことで、店舗の売上を前年比で20%超伸ばすことができた」といったように、具体的な数字を盛り込んで説明するほうが説得力は増すでしょう。
職務内容
応募先の企業によって、アピールポイントとなるものは異なります。そのため、今まで経験してきた職務内容を書くときは、企業研究を事前に行って、どのような点に興味を持ってもらえるかをチェックしておきましょう。
職務内容の具体的な書き方としては、どのような職務に携わり、スキルや経験がどの程度あるのかを示せば問題ありません。使用経験のあるPCソフトや職種ごとに求められる専門知識があるときは、詳しく記入することで良いアピールにつながるはずです。
保有資格とスキル・経験
保有する免許や資格があるときは、取得した年月日順にしっかりと記入しましょう。免許や資格は略称ではなく、正式名称で記入するのがマナーであり、例えば「普通自動車第一種免許 取得」「日商簿記検定2級 合格」といった形で書きます。
もし、取得している免許や資格が多くて、記入欄に入りきらないときは、応募先の企業で役立つものを優先して書くことが大事です。取得年月日に誤りがあると、後から訂正する手間が生じるので、合格証書や資格試験を主催している団体の公式サイトを確認しながら、正しく記入しましょう。
スキル・経験欄では、応募職種で活かせるスキル・経験を具体的に記述し、実績や成果を簡潔に100文字前後で示すことが重要です。自己PRとの差別化も図り、応募企業への貢献意欲を伝えます。
自己PR
自己PRは、今までのキャリアをもとに自分の強みや人柄をアピールポイントとして伝えるために作成します。主観的に自分の強みをアピールするというよりは、客観的な強みとして評価してもらえるように、今まで培ってきたスキルや経験、実績といったものを数字でアピールしてみましょう。
例えば、「営業に自信がある」と書くよりも、「地道に顧客との接点を増やしていった結果、全国の支店の営業スタッフ200名の中で売上3位の実績を残した」と書くほうが、採用担当者もイメージを持ちやすくなります。具体的なエピソードを交えながら、仕事への向き合い方や意欲を伝えていくことが大事です。
【例文】アルバイト経験の職務経歴書の書き方

アルバイトとして働いた経験を職務経歴書に書くときには、実際の記入例を参考にしてみると書きやすくなるでしょう。ここでは、職歴があるケースと職歴がないケースの書き方についてそれぞれ解説します。
職歴があるケースの書き方
職歴がある場合の書き方としては、ただ書き連ねていくというよりは、アピールすべき点にメリハリをつけることが大切です。どのように書いていけばよいかを紹介します。
職務要約
正社員や契約社員としての勤務経験があっても、退職後にアルバイトとして働く人もめずらしくありません。一定の職歴がある場合には、アルバイトとして働いていた期間はブランクと見なされるケースもありますが、応募先の企業で役立つスキルや経験であれば、アルバイト経験も職歴に加えたほうがよいでしょう。
職歴がある場合の職務要約の書き方としては、次のとおりです。
職務要約の例文
私は〇〇株式会社に正社員として入社し、ドラッグストアの店舗スタッフとして従事しておりました。来店されるお客様への丁寧な接客を心がけ、社内のコンテストで2度表彰された経験もあります。入社してから4年目には店長を任されることになり、店舗運営の管理業務や新人スタッフの育成にも携わりました。
結婚・出産を機に退職し、しばらくは子育てに専念しておりましたが、子どもが保育園に通えるようになったので再び働きたいと考え、株式会社△△で衣料品販売のアルバイトとして採用され、店舗の売上を前年比で15%高めることに貢献しました。
職務要約では、今までの職歴を短くまとめて伝えることが大切です。詳しい内容については、職務経歴や職務内容の項目に記載しましょう。
職務経歴
職務経歴は、今までの勤務先を時系列で詳しく解説するための項目です。具体的には、勤務期間・勤務先の企業名・事業概要・企業規模・売上高・従業員数・雇用形態といった内容を記載します。
具体的な記入例としては、次のとおりです。
職務経歴の例文
2015年4月~2021年3月 〇〇株式会社(事業内容:ドラッグストア運営、フランチャイズ加盟店への卸売業)××支店に配属
資本金:5億円/売上高:380億円(2024年)/従業員数:約860名
雇用形態:正社員
2022年10月~2024年3月 △△株式会社(事業内容:衣料品製造、販売)□□支店に配属
資本金:8,000万円/売上高:23億円(2024年)/従業員数:約120名
雇用形態:アルバイト
上記のように、勤務先ごとに企業情報の概略を簡潔にまとめてみましょう。
職務内容
職務内容では、職務経歴で取り上げた勤務先で、どのような業務を担当していたのかを詳しく記載します。具体的な記入例は次のとおりです。
職務内容の例文
<主な業務内容>
・来店者への接客対応
・在庫管理、受発注管理、予算管理
・勤務シフトの作成
・新人スタッフの指導、マニュアルの作成
・店舗レイアウトの立案
・クレーム対応
上記のように、担当していた業務内容を詳しくまとめていきます。任されていた業務が多い場合は、主なものをまとめてみるとよいでしょう。
保有資格とスキル・経験
取得している免許や資格があるときは、取得した年月の順に記載していきます。保有資格がない場合でも、今までの職務を通じて培ったスキルや経験を書いておきましょう。
具体的な記入例は次のとおりです。
保有資格とスキル・経験の例文
■保有資格
・2013年4月 普通自動車第一種免許 取得
・2016年3月 登録販売者資格 合格
・2023年9月 ファッションコーディネーター色彩検定1級 取得
■活かせるスキル・経験
・PCスキル:Microsoft Officeの基本的な操作スキル
・クレーム対応能力
・人材育成能力
・店舗レイアウトの立案、販促の提案
・マネジメント能力
保有する免許や資格は誤りがないように記入するために、合格証書や資格試験の主催団体のホームページを確認して正しく書きましょう。また、活かせるスキルや経験は、どのような仕事でも役立つものを書いておくと、アピールポイントの1つになるでしょう。
職種によっては、専門知識が身につくケースもあるので、応募先の企業で求められるものであれば、積極的に記入しておくことが大事です。
自己PR
自己PRは、自分の強みや人柄を採用担当者に知ってもらうために書くものです。今まで培ってきたスキルや経験を応募先の企業でどのように活かしていきたいかを書いてみましょう。
具体的な記入例としては、以下のとおりです。
自己PRの例文
私の強みは、販売業や接客業を通じて身につけた顧客対応のスキル、店舗全体の運営を考えながら行動するマネジメント能力です。店舗に来店してくださるお客様に対して、常に気持ち良く過ごしてもらえるように、丁寧な対応を心がけておりました。地道にコミュニケーションを重ねていくことが店舗への信頼につながり、売上に貢献できたと思っております。また、新人スタッフの育成は接客の質に直結するため、お客様の要望をもとに社内マニュアルを見直し、店舗全体の接客レベルの向上に取り組みました。貴社においても今までの経験を活かし、地域のお客様に喜んでいただける店舗運営を念頭におき、貢献できるように努めてまいります。
職務要約から保有資格までの流れを受けて、自己PRをまとめてみると伝わりやすい内容になるでしょう。前後の内容に矛盾がないかをよく確認しながら、自己PRの文章を仕上げてみてください。
職歴がないケースの書き方
職歴がないからといって、職務経歴書が作成できないわけではありません。どのような書き方ができるのかを紹介します。
職務要約
正社員や契約社員として働いた経験がない場合でも、職歴があるケースと基本的な書き方は同じです。まずは、職務要約の記入例から見ていきましょう。
職務要約の例文
私は高校卒業後に、□□株式会社が運営するファミリーレストランで、ホールスタッフとして4年間従事していました。2年目からはアルバイトのリーダーを任されることになり、食材管理や受発注管理、新人スタッフへの指導、店舗マニュアルの作成補助といった業務に携わってきました。また、現在は××株式会社の居酒屋チェーン店にて、ホールスタッフとして従事しています。
職務経歴
職歴がないケースの職務経歴の記入例は、次のとおりです。勤務していた期間や企業情報を簡潔にまとめてみましょう。
職務経歴の例文
2016年4月~2020年3月 □□株式会社(事業内容:飲食業)〇〇店に配属
資本金:1,000万円/売上高:1億3,000万円(2024年)/従業員数:約80名
雇用形態:アルバイト
2020年4月~現在 ××株式会社(事業内容:飲食業)□□店に配属
資本金:2,000万円/売上高:2億8,000万円(2024年)/従業員数:約100名
雇用形態:アルバイト
職務内容
職務内容が細かくなってしまうときは、主に担当していた業務をひとまとめにして、分かりやすく記載するようにしましょう。具体的な記入例は、次のようになります。
職務内容の例文
<主な業務内容>
・店内での接客対応(案内、注文、配膳、会計、片付け)
・店内清掃
・新人スタッフへの指導
・店舗マニュアルの作成補助
・食材管理、受発注管理
保有資格とスキル・経験
保有する免許や資格があるときは、すべて記載しましょう。また、アピールできるスキルや経験がある場合も合わせて書いておくことが大事です。
保有資格の記入例は、次のとおりです。
保有資格とスキル・経験の例文
■保有資格
・2015年4月 普通自動車第一種免許 取得
■活かせるスキル・経験
・PCスキル:Wordでの書類作成、Excelでの表計算
・電話応対
・人材育成能力
・接客スキル
自己PR
自己PRは、職務要約から保有資格までの流れと矛盾しないようにまとめることが大切です。具体的な記入例は、次のようになります。
自己PRの例文
私の強みは、長年ホールスタッフとして働くことで身についたコミュニケーション能力です。ファミリーレストランや居酒屋では来店されるお客様の年齢層は異なりますが、さまざまな職場を経験することで幅広い年齢層のお客様と接するうちに、1人ひとりのニーズに合った対応ができるようになりました。お客様の名前と顔を覚え、日頃から積極的なお声がけをすることで、徐々にリピーターとなってくださる方が増え、店舗の売上に貢献できました。貴社においても、今まで培ってきたコミュニケーション能力を活かし、新たなお客様のニーズを発掘してまりたいと考えております。
アルバイト経験の職務経歴書を作成するときのチェックポイント

アルバイト経験をもとに、職務経歴書を作成するときは以下の4つのポイントを押さえておくことが重要です。
職務経歴書を作成する4つのポイント
・職務経歴から志望動機につなげられているか
・入社後に活かせる経験やスキルを記入しているか
・誤字脱字、不自然な表現はないか
・自己PRに具体的なエピソードは盛り込まれているか
各ポイントについて、どのような点を気をつければよいか解説します。
職務経歴から志望動機につなげられているか
職務経歴書を作成するときは、職務経歴が志望動機と関連したものであるかをよく確認しておきましょう。志望動機は基本的に履歴書で書くものですが、職務経歴書においても補足できる内容は併記しておくとよいでしょう。
職務経歴書を書くときに志望動機を意識することで、内容に一貫性を持たせられます。今までのアルバイト経験から得られたスキルや経験が、職務内容ときちんとつながっていることも大切です。
職務経歴書を作成したら、すぐに提出するのではなく、少し時間を置いてから他の書類を含めて内容を見直すようにしてみましょう。
入社後に活かせる経験やスキルを記入しているか
職務経歴書に記入をする経験やスキルは、入社後の業務において役立つものである必要があります。実際の業務に関連したものでなければ、いくらアピールを工夫しても採用担当者に伝わりづらい内容となってしまうでしょう。
ただ、業務に関連する経験やスキルがないように感じても、どのような仕事でも求められるものがあります。例えば、協調性や忍耐力といったヒューマンスキルや、PCの操作に関するスキルが挙げられます。
自分自身のキャリアを振り返ってみて、思うように長所や強みを見つけられない場合は、身近な友人や家族に尋ねてみると、新たな気づきを得られる可能性があります。
誤字脱字、不自然な表現はないか
職務経歴書は応募書類として提出するものであるため、誤字や脱字がないかをしっかりと確認する必要があります。また、読みづらさを感じるような不自然な表現がないかといった部分をチェックするために、作成後は少し時間を置いてから見直すようにしてみましょう。
内容をできるだけ簡潔にまとめるほうが、後からチェックしやすくなるといえます。自分で書いた文章はなかなか間違いに気づきにくい面もあるので、周りの人に読んでもらって感想やアドバイスをもらってみるのもよいでしょう。
自己PRに具体的なエピソードは盛り込まれているか
職務経歴書には自己PRを記入する欄が設けられていますが、自分の強みや人柄をアピールするための具体的なエピソードを盛り込んでいるかを確認しましょう。スキルや経験について書かれていても、なぜ身につける必要があったのかが書かれていなければ、採用担当者にはイメージが湧きにくいところがあります。
エピソードといっても、何か特別なものを書く必要はなく、自分の言葉でしっかりと語れる内容を選んでみましょう。どういった困難にぶつかり、何に取り組むことで乗り越えられたのか、そうした経験によって身につけたスキルは何かといったように、話を丁寧に展開していくことが大事です。
自己PRをしっかりと練り上げておくことは面接対策にもつながるので、時間をかけて取り組んでみましょう。
職務経歴書でアルバイトの経験をしっかりとアピールしよう!

アルバイトのみの経験であっても、職務経歴書を作成したほうが、採用担当者へのアピール力を高められます。応募先の企業が求める人材像や応募する職種で求められるスキル・経験と合致していれば、アルバイトの経験であっても前向きに評価されるといえます。
企業研究や職種のリサーチをしっかりと行って、アピールポイントを整理して職務経歴書を作成してみましょう。履歴書作成サービスの「ワンポチ」を活用すれば、PCやスマホから応募に必要な書類を作成できるため、スキマ時間を有効に使えます。テンプレートや書類を作成するときに役立つ情報が多く提供されているので、ワンポチをぜひ活用してみてください。