銀行の志望動機の書き方|大事なポイント6つと注意点【例文あり】

銀行の志望動機の書き方|大事なポイント6つと注意点【例文あり】



銀行業界は人気が高い業界のひとつであり、就職活動の際は「志望動機」の書き方が、選考通過の大きなポイントになります。まずは、銀行の種類や業務内容を正しく理解し、そのうえで自分がどのように活躍したいのかを考えることが大切です。また、ライバルに差を付けられる志望動機を作成するには、書き方の工夫も必要でしょう。

この記事では書き方のポイントと注意点の紹介、プラスアルファで銀行の種類別に例文も用意しました。銀行向けの志望動機を作成する、新卒の就職活動中の方も転職をお考えの方も、ぜひ参考にしてください。

銀行業界の全体像と主な職種

銀行業界の全体像と主な職種



銀行業界を目指す方のために、まずは銀行業界の全体像をお伝えします。主要業務と銀行の種類を把握したうえで、選考通過に繋がる志望動機の作成に取り掛かりましょう。

銀行の主要業務

銀行の主要業務は、預金業務・貸付業務・為替業務の3つです。預金業務は個人や法人から資金を預かり、安全に管理・保管する役割を担います。普通預金や定期預金のほか、手形や小切手の決済に利用される当座預金も含まれます。
貸付業務は預かった資金をもとに、個人や企業へ融資を行う業務で、住宅ローンや企業の設備投資資金などが代表例です。為替業務は、振り込みや送金などの資金移動を行うもので、公共料金の口座振替のように日常生活でよく使われる銀行取引も含まれます。
銀行の種類によって多少異なる点はありますが、上記3つの業務を中心に金融サービスを提供することが銀行の大きな役割です。

銀行の主な職種

銀行の主な職種は、「営業職」と「窓口業務」に分けられます。営業職は顧客の状況を把握したうえで、適した商材を提案する職種です。個人や法人との関わりが多くなるため、顧客に対する提案力やプレゼン能力などが求められるといえるでしょう。
一方、窓口業務は個人客との関わりが多い職種なので、丁寧な接客対応や的確な事務処理の能力などが求められます。受付事務や後方事務を担うスタッフの、正確な処理能力も銀行運営を支える大切な役割です。
その他にも経理部門やシステム部門など、専門知識が求められる職種もあります。どのように貢献できるかをアピールするのが大切です。職種によって求められる適性や能力に違いがあることを把握し、銀行の志望動機を作成していくことが大切です。

銀行の種類とそれぞれの特徴

銀行の種類とそれぞれの特徴



銀行とひと口にいっても、種類によって役割や特徴が異なります。志望動機を書く際は、それぞれの役割を把握することが大切です。銀行の主な種類とそれぞれの特徴を以下の表にまとめました。

銀行の主な種類と特徴

種類

特徴

都市銀行

全国規模で幅広く店舗を展開し、大企業や官公庁を始めとした大口取引を中心に行う銀行。大規模な融資案件や国際業務、金融商品開発など、さまざまな業務に関わる機会が多い。

例:三井住友銀行・みずほ銀行・三菱UFJ銀行 など

地方銀行

主に特定の地域に根差し、地元企業や個人を支える役割を担う銀行。地元企業や経済発展への貢献が求められる、地域密着型の取引が主です。

例:横浜銀行・北海道銀行・福岡銀行 など

信託銀行

銀行業務に加え、財産管理や資産運用、相続・年金管理など、幅広い信託業務を手掛ける。個人・法人双方の資産形成や、資産継承のサポートを通じて、専門的な金融サービスを提供している。

例:三井住友信託銀行・三菱UFJ信託銀行 など

ネットバンク

実店舗を持たず、インターネットやスマートフォンのアプリを通じたサービス提供が中心の銀行。時間や場所を問わずに利用できるため、利便性が高く、預金金利が高い・手数料が安いなどのメリットがあり、近年利用者が上昇傾向にある。

例:楽天銀行・PayPay銀行 など



銀行業界における志望動機の書き方のポイント

銀行業界における志望動機の書き方のポイント



次に、銀行の志望動機を書くうえで押さえるべき6つのポイントをご紹介します。志望動機をしっかりと作り込んでおけば、面接の受け答えにも役立ちます。

銀行業界を選んだ理由を明確にする

まずは、なぜ金融業界の中でも銀行を選んだのかをしっかり言語化しましょう。例えば、「地域経済の発展に貢献したいから」や「人々の生活を支える金融の力に魅力を感じたから」などです。銀行業務や、銀行の在り方を、自分の価値観や将来のビジョンと結び付けると説得力が増します。

また、経済のインフラを支える役割や、多くの人の人生に関わる重要な仕事である点にも着目すると良いでしょう。志望理由に「社会貢献をしたい」「金融知識を高めるべく、この業界で勉強し続けたい」など具体性をプラスするとより好印象でしょう。

なぜこの銀行なのか?を具体的に述べる

次に「数ある銀行の中でもこの銀行を志望するのはなぜか」を明確に、かつ具体的に書きましょう。その銀行ならではの特徴を調べて、「だからこそ私はここで働きたい」という熱意を表現するのが大切です。希望する銀行特有の商品やサービスについて深堀して調べて、魅力に感じる点を伝えるのも良いでしょう。

例えば地域の「子育て支援」や「環境活動」など、具体的にどんな取り組みが行われていて、自分はどの部分に共感したのかを示します。志望する銀行について「しっかり調べてくれているな」と、採用担当者に印象付けられる文章を考案してみてください。

自分の強みを把握しつつ銀行業務と結び付けてアピールする

銀行の仕事には、コミュニケーション力や正確性、分析力や問題解決能力、信頼性などさまざまな力が求められます。志望動機を書く前に自己分析を行い、自分の強みがどのように銀行業務で生かせるのかを具体的に洗い出しておくと良いでしょう。

例えば、「飲食店のアルバイト経験で培った、コミュニケーション能力や問題解決力を営業職で生かしたい」などです。大学時代のゼミやアルバイトなど、過去の経験を絡めるのもおすすめです。

加えて、チームでの協働経験や責任感を持って取り組んだ経験などがあれば、積極的にアピールしましょう。特にチームで動くことの多い銀行には、周囲と連携しながら目標を達成した経験や、細かい作業を正確にこなしたエピソードなどをアピールできると好印象です。

銀行が求めている人材像を意識する

銀行によって、求める人物像は異なり、チャレンジ精神や誠実さ、地域貢献意識などさまざまです。志望する銀行の行風や特色を、説明会やホームページなどで読み取り、大切にしているであろう価値観に合わせたアピールを心がけましょう。例えば、リテール営業や個人営業を重視する銀行では、顧客に寄り添った提案力が求められるでしょう。

また、勤勉さも評価される要素に含まれます。常に市場変動や経済状況にアンテナを張り、さまざまな分野の知識を深める姿勢を持って働けるかどうかが鍵となります。勤勉な姿勢をアピールできるような志望動機を作れると良いでしょう。

今後のキャリアについての考えを盛り込む

志望動機には自分の今までの経験だけでなく、入社後の目標や今後どのようなキャリアを築いていきたいのかも盛り込んでおくと良いでしょう。将来性を思い描いてもらえるような、前向きなビジョンを盛り込むと好印象です。自身の強みと絡めた入行後のキャリア形成にまで触れると、より採用担当者からの評価も高まるはずです。

具体的かつ簡潔にまとめる

銀行の採用担当は多くのエントリーシートに目を通しています。長すぎる文章や、内容に引き込まれない平凡な文章、文脈や文法が散乱した読みにくい文章などは、読む手を止められてしまう可能性があるため注意が必要です。なるべく内容を簡潔にまとめながら、具体性があり、印象に残りやすい文章を心がけましょう。なお、結論から先に述べる、結論ファーストの書き方もおすすめです。

【例文】銀行の志望動機の書き方

【例文】銀行の志望動機の書き方



銀行に提出する志望動機は、例文をもとに考えてみるとスムーズに作成できます。以下では、銀行の種類別に志望動機の例文を紹介するので、参考にしてください。

なお、銀行の志望動機は履歴書やエントリーシート(ES)に記載するもので、200字~400字程度にまとめるのが一般的です。

都市銀行のケース

都市銀行向けの志望動機の例文は以下の通りです。

志望動機の例文
私が貴行を志望する理由は、金融の分野において日本経済の活性化に貢献したいからです。学生時代に不動産会社のインターンシップに参加した経験から、まちづくりに関心を持つようになり、社会的なインフラや多くの企業を支えている銀行の役割について考えるようになりました。

社会には多くの課題が存在していますが、顧客との信頼関係を築きながらひとつ一つの課題を洗い出し、最適解を見つけていくことが大切だと感じております。金融面で企業や社会を支えるパートナーとして、私は貴行における業務を通じて貢献していきたいと思っています。

広範囲にわたる都市銀行の業務の中では、いかに銀行が担う役割を理解し、どのように貢献できるかをアピールするのが大切です。特に総合職志望の方は、幅広い業務への理解と意欲をアピールできると良いでしょう。

地方銀行のケース

次は、地方銀行の志望動機の例文です。

志望動機の例文
私は貴行が事業を展開している地域で生まれ、長年暮らしてきました。地域に根差した企業を支援し、多くの住民の生活を金融面から支えている貴行の存在は、私にとって身近な存在でした。

私の実家は小さな商売を営んでおりますが、毎月のように貴行の担当者の方が見えられており、経営者である父の細々とした相談にも丁寧に対応していただいています。私が貴行で働く機会を得られるのであれば、地域で頑張る企業をしっかりと支えられるように、金融分野における専門知識を身につけ、適切なアドバイスを行ってまいりたいと思っています。


地方銀行の場合は、地域経済の発展に貢献するという役割を理解し、志望動機の中に落とし込んでいくことが大切です。

信託銀行のケース

信託銀行向けの志望動機の例文は、以下の通りです。

志望動機の例文
高齢社会である日本において、資産運用や相続などに関するお客様のニーズは高まっています。私は大学で社会保障について学び、研究のために多くの方と接してきましたが、ご自身やご家族に関する将来への不安をたくさん見聞きしました。

信託業務や併営業務において、お客様1人ひとりのニーズは多種多様であり、臨機応変に対応できる力が求められていると思います。私は接客業務のアルバイト経験で培った能力を活かし、どのようなお客様とも粘り強く接していきたいと考えています。


学生時代に学んだことや就業経験などをエピソードとして盛り込みつつ、説得力のある志望動機を完成させましょう。

ネットバンクのケース

ネットバンク向けの志望動機の例文もご確認ください。

志望動機の例文
最先端のデジタル技術を駆使して、銀行の在り方そのものを変えようとする貴行の取り組みに惹かれ、今回志望するに至りました。ネットバンクが銀行業界に参入してからの経緯を自分なりに調べてみましたが、利用手数料の引き下げや預金金利の上乗せなど、顧客にとってプラスとなる数多くの取り組みを行っていることを知りました。

銀行は顧客にとって、いつも身近で当たり前の存在であるからこそ、常にチャレンジしていく姿勢が重要だと私は考えています。貴行に入ることができたならば、今までの常識だけにとらわれるのではなく、顧客にとって最適なサービスとは何かといった課題と常に向き合っていきたいと思っています。


ネットバンクが果たしている社会的な意義を踏まえながら、自分はどのように働くビジョンを持っているかを明確に示した志望動機です。

銀行の志望動機を書くときの注意点を悪い例とともに紹介

銀行の志望動機を書くときの注意点を悪い例とともに紹介



銀行の志望動機を書く際の注意点をチェックしましょう。悪い例も示しているので、自身の志望動機と照らし合わせながら作成してみてください。

抽象的な表現を避けて明確な理由を提示する

抽象的で相手に伝わりにくい、悪い例は以下の通りです。

志望動機のNG例文
昔から銀行で働きたいと思っていたため志望しました。

抽象的な表現では、なぜ銀行で働きたいのか、どこに魅力を感じているのかが伝わりません。「地域の経済活動を支える貴行の姿に魅力を感じ、地元企業の発展に貢献したいという思いで志望しました。」など、具体的な志望の理由と、惹き込まれるようなエピソードを盛り込むのがおすすめです。

志望動機の使い回しをしない

就職活動では、いくつかの銀行を並行して志望するケースもあるでしょう。しかし、銀行によって事業展開や求める人材像は異なるため、志望動機の使い回しはNGです。

各銀行の企業性や特色を必ず確認し、その中で自分はどのような役割を担えるのか、どんな活躍ができるのかを具体的に示しましょう。

自分の強みを自己PRするのはもちろんですが、選考を突破するには、丁寧な企業研究も必要です。しっかりと熱意が伝わるように、志望動機は使い回しせずに、個々で考え作成しましょう。

銀行の本質的な役割を捉えて志望動機にまとめる

志望動機には銀行の本質的な役割を踏まえたうえで、自分はその組織の中でどう在りたいかを示す必要があります。

銀行は単にお金を預ける場所ではなく、社会の経済活動を支える重要な役割を担っており、資金の流れを作り、個人や企業の成長を支援することで、地域や社会の発展に貢献しています。
本質的な部分を踏まえて、自分なりのビジョンや自分の強みをどう生かせるかをアピールすれば、採用担当者に好印象を持ってもらいやすくなるでしょう。

銀行の種類別の特徴を踏まえて志望動機を作成しよう

銀行の種類別の特徴を踏まえて志望動機を作成しよう



銀行の志望動機を書く際は、まず種類別の特徴や本質的な役割を理解することが大切です。さらに企業ごとに異なる理念や特色もしっかりと調べたうえで、自分はその中でどんな役割を担えるのか考え、志望動機に落とし込みましょう。具体的な経験や過去のエピソードを盛り込みながら書くことで、抽象的で単調な表現を避けることができます。

今回紹介したポイントや例文を参考に、採用担当者に自分の良さと熱意を伝えられる、説得力のある志望動機を作成してみてください。

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