人事の職務経歴書の書き方を紹介【見本例文つき】

人事の職務経歴書の書き方を紹介【見本例文つき】





人事職への就職や転職活動の際に作成する「職務経歴書」は、過去の職務において、どのような人事領域(採用、研修、労務、制度企画、人事企画など)に携わってきたのかを伝える書類です。

本記事では、具体的にわかりやすく採用担当者の目に留まるような職務経歴書に仕上げるポイントを紹介します。例文も交えて解説しているため、今後、人事職への応募を控えている方は参考にしてください。

人事の職務経歴書作成のポイント

人事の職務経歴書作成のポイント




人事の職務経歴書を作成する際のポイントを3つご紹介します。各ポイントを押さえた例文も掲載しているため、自分のアピールポイントに合わせて活用してください。

「担当業務の深掘り」や「規模感の明確化」で職務経歴を具体的に網羅する

1つ目のポイントは、職務経歴を具体的に網羅して記載していくことです。まずは、担当業務を具体的に深堀りして記載していきましょう。人事経験者の方であれば、採用、研修・育成、労務管理、人事制度企画・運用、組織開発といった業務が挙げられるでしょう。各業務に従事した期間に関わらず、担当した領域はすべて網羅するように記載します。

担当業務の例文は以下の通りです。

担当業務の例文
・新卒・中途採用における母集団形成戦略の立案・実行、年間〇〇名の採用目標達成
・階層別研修プログラムの企画・開発・実施、受講者満足度〇〇%獲得


また、どのような規模の業務をこなしていたかも明示しましょう。人事経験者の方であれば、担当した従業員数、採用人数、研修対象人数、労務管理の対象範囲といった項目が考えられます。業務の規模感を具体的に記載すると、採用担当者に“自分が対応できる範囲”をわかりやすく伝えられます。

業務規模の例文は以下の通りです。

業務規模の例文
・従業員〇〇名規模の企業における人事全般を担当
・年間〇〇名の新卒採用プロジェクトを主担当として推進


今まで複数の企業経験がある方で、経験した業界や企業規模が異なるケースでは各職場での経験から得られた知見・対応力をアピールすると良いでしょう。

異業界・企業規模の経験をアピールする例文は以下の通りです。
異業界・企業規模の経験をアピールする例文
〇〇業界(従業員〇〇名)と△△業界(従業員〇〇名)の両方で人事経験があり、多様な組織文化への適応力があります。

人事の専門スキルと実績を数値化する

2つ目のポイントは、人事経験者は人事の専門スキルと実績を客観的に判断できるよう数値を用いて記載することです。人事の専門スキルの判断材料となる項目としては、次のような項目が挙げられます。

人事の専門スキルの一例
・採用戦略立案
・ダイレクトリクルーティング
・面接技法
・研修体系構築
・研修講師
・労使交渉
・給与計算
・社会保険手続き
・人事制度設計・運用
・組織サーベイ分析


レベルを示すために、保有資格や研修受講歴を記載するとより採用担当者の目に留まりやすいでしょう。

実績は、できるだけ数値化して成果をわかりやすく記載します。採用成功率、採用単価削減率、研修満足度、離職率改善、制度導入による従業員満足度向上のような項目は「率」を併記すると明瞭です。

数値を用いた専門スキルや実績の例文は以下の通りです。

数値を用いた専門スキルや実績の例文
・ダイレクトリクルーティングを強化し、採用単価を〇〇%削減
・〇〇制度導入により、従業員満足度が〇〇%向上


数値だけでなく、具体的なエピソードを交えるのも有効でしょう。困難な課題に直面したケースでは、状況をどのように分析し、解決のためにどのような施策を実行して解決したかを記載します。問題解決能力や実行力のアピールにつながります。

具体的なエピソードの例文は以下の通りです。

具体的なエピソードの例文
〇〇という組織課題に対し、〇〇という施策を実行し、〇〇という成果を上げました。

企業研究で応募企業への貢献ポイントを自己理解する

3つ目のポイントは、企業研究をしっかりと行い、応募企業への貢献ポイントを明確にすることです。企業研究は、応募企業のWebサイト、ニュース記事、IR情報を参考に進めます。そのうえで、応募企業の事業内容、経営戦略、企業文化、人事課題といった項目を深く理解している旨を示しましょう。

「〇月に発表された△△の開発着手について」といった具体的な情報を盛り込みながら記載すると、採用担当者に企業研究の深さが伝わりやすいでしょう。

自分の経験やスキルが、応募企業にどのように貢献できるかも具体的に示します。応募職種の要件を十分に把握・理解したうえで、自分の強みと結びつけてアピールポイントにしていきましょう。

経験やスキルを応募企業への貢献につなげる例文は以下の通りです。

経験やスキルを応募企業への貢献につなげる例文
貴社の〇〇という課題に対し、今までの〇〇の経験を活かし、〇〇という貢献ができると考えております。

自信のキャリアビジョンを明らかにし、応募企業だからこそ実現できる旨も示すとより企業への貢献意欲がアピールできます。転職経験者や転職活動での応募である方は、今後は転職予定がなく「貴社で長く働く意欲がある」意思表示にもなるでしょう。

人事の職務経歴書の書き方・見本例文




人事の職務経歴書は履歴書のように定型ではありません。採用担当者に具体的かつわかりやすく伝わる書き方を項目別に解説していきます。

標題・日付・氏名

職務経歴書の最上部中央に「職務経歴書」と標題をつけてから記載をはじめます。

日付は提出日または郵送時は投函日を記載し、履歴書と統一します。氏名はフルネームで記載し、姓名の間はスペースを空けてわかりやすく書きましょう。

職務要約

職務経歴の概要を3~4行にまとめて記載します。

人事経験者はどのような業界・規模の企業でどのような人事経験を積んできたのかをわかりやすく記載しましょう。転職を複数経験している方は、職務要約を記載すると採用担当者に経歴の流れを把握してもらいやすくなります。

職務経歴

職務経歴を具体的に記載していきます。勤務先名、在籍期間、雇用形態、事業内容、従業員数、配属部署、役職まで正式名称で記載していきましょう。

具体的な担当業務内容や実績も記載すると、よりわかりやすくなります。人事経験者の方は、採用、研修、労務管理、人事制度設計・運用といった項目です。従業員数や採用人数、研修実施回数、制度導入による効果といった項目は「〇人」「〇回」「〇%」のように数字を用いると明瞭になります。

また、応募先の企業で求められるスキルや経験と関連づけて記載すると、採用担当者にとっては即戦力となるかの判断材料になるでしょう。

活かせる経験・知識・技術

人事として働く際の強みやスキルを箇条書きで記載しましょう。

採用スキルであれば、母集団形成、書類選考、面接、内定者フォローといった分野になります。研修・育成スキルであれば、研修企画・運営、OJT指導、キャリア開発支援が挙げられるでしょう。労務管理スキルとしては、給与計算、社会保険手続き、勤怠管理、労使対応が該当します。

自己PR

人事経験者は、今までの経験を活かして応募先の企業でどのような貢献ができるかを記載します。実績を活かし、どのような組織課題の解決や人材育成に貢献できるかを具体的に明記するようにしましょう。

なお、応募先の企業文化や事業戦略を理解したうえで、どのように貢献したいかにつながっていくことに留意してください。将来的なキャリアビジョンが明確な方は、人事分野における目標と合わせて記載すると好印象でしょう。

採用担当側が職務経歴書でチェックしたいポイント

採用担当側が職務経歴書でチェックしたいポイント





採用担当者は、面接前に目を通す「職務経歴書」で応募者の実績、スキル、仕事への姿勢、自社で働きたい理由を知りたいと考えています。

人事経験の有無からはじまり、経験者であれば担当業務もチェックポイントです。どのような業界・規模の企業で人事を経験し、採用、研修、労務、制度企画といったいずれの分野を担当してきたのかも知りたい情報です。

応募者に求める人事スキルも重要なチェックポイントとなります。募集職種の業務内容に欠かせない専門知識やスキルを持っていれば、即戦力として期待できるからです。採用戦略立案、研修プログラム開発、労使交渉といった経験は人事としての専門性やスキルが求められる業務です。

チームや組織をまとめた経験の有無も、採用担当者はチェックしています。人事経験者であれば、メンバー育成、チーム運営、部門間連連携、組織開発といったシーンでの経験値が見られるでしょう。

転職者の方は、転職理由と貢献意欲が重視されます。なぜ転職を考えているのか、応募企業への入社によってどのような知識・経験を活かし、貢献につなげられるのかを明確にする必要があります。

人事の職務経歴書で差がつくアピールポイント

人事の職務経歴書で差がつくアピールポイント





人事の職務経歴書を作成する際、次のポイントを盛り込むと他の応募者との差がつけられるでしょう。

担当領域・専門知識の深さと実績

携わった担当分野を具体的に示し、成果も数値化するとわかりやすくアピールできます。

人事職であれば採用、研修、労務、制度企画といった担当分野を具体的に挙げ、各業務でどのような成果を上げたのか数値化して記載します。

具体的な業務と成果の例文は以下の通りです。

具体的な業務と成果の例文
階層別研修プログラムを刷新し、受講者のエンゲージメントスコアを〇〇%向上させました。

専門的な知識も他社と差がつくポイントです。人事の専門性が高い資格や研修・セミナー受講歴がある際は記載し、高い専門知識を持っている旨をアピールしましょう。キャリアコンサルタントや社会労務士などが該当します。

成功事例を具体的に記載しておくのも有効です。過去に成功させた施策やプロジェクトがある方は、課題や目標、具体的な取り組み、その結果をSTARメソッド(Situation・Task・Action・Result)を活用して詳しく記載しましょう。

人事の戦略性と課題解決能力

人事経験者は、人事戦略が企業の事業戦略にどのように貢献したのか記載するとアピールポイントになります。課題解決能力も記載できると、他者との差別化につながるでしょう。

人事戦略による事業戦略への貢献の例文は以下の通りです。

人事戦略による事業戦略への貢献の例文
事業拡大に伴う人材ニーズを予測し、〇〇戦略に基づいた採用計画を立案・実行しました。

課題解決能力をアピールする際は、データ分析に基づいた施策の実行経験を具体的に記載するのも1つの方法です。人事職の分野では、離職率、採用効率、従業員満足度といった項目が挙げられます。各項目を分析し、課題を見つけて施策を立案・実行した経験まで端的に記載しましょう。

課題解決能力のアピール例文は以下の通りです。

課題解決能力のアピール例文
従業員満足度調査の結果を分析し、〇〇という課題を発見。〇〇制度を導入することで、〇〇%の満足度向上を実現しました。

人事経験者は、組織の変化や社会情勢をはじめ外部環境の変化に対し、どのように人事戦略や施策を順応させてきたかも具体的に示せると、採用担当者の目に留まりやすくなるでしょう。

リーダーシップとチームワーク

チームマネジメント経験は、人事職で重視される経験値です。チームリーダーやプロジェクトリーダーとしてどのようにメンバーをまとめてきたのかを具体的に記載しましょう。目標達成や課題解決に向けてリーダーとしてどのような動きを取り、貢献してきたか明確にしてください。メンバー育成やモチベーション向上・維持のための取り組みも有効です。

部門間での連携や交渉の経験があれば、どのように連携し、共通の目標達成のためにどのように協力したかを具体的に記載しましょう。異なる意見を持つ相手との交渉をスムーズに進めた経験も、高いアピールポイントとなります。

人事の職務経歴書を作成する際のNG例

人事の職務経歴書を作成する際のNG例




人事の職務経歴書を作成する前に知っておきたいNG例とNG理由をまとめました。採用担当者の目に留まりやすい職務経歴書に仕上げるため、NGポイントに注意しながら作成を進めましょう。

人事領域の説明があいまい

以下のような担当領域の記載方法はNGです。

担当領域の書き方のNG例
・人事関連業務全般
・人材マネジメントを担当


人事が担当する業務分野は多岐にわたります。具体的な担当分野が明らかにされていないと、応募者の専門性や経験値が伝わりません。採用、研修、労務、制度企画といった項目まで具体的に記載し、どの分野を強みとしているのか明確にしましょう。

戦略人事視点の説明が書かれていない

以下のような業務目標の記載方法はNGです。

業務目標の書き方のNG例
日常業務の遂行内容のみを記載し、事業戦略や経営目標との関連性が示されていない

現代の人事職には経営視点が求められており、人事でありながら事業成長に貢献する“戦略的な役割”を担います。人事経験者であれば「採用計画が事業拡大にどのように好影響を及ぼしたか」「研修が従業員のスキル向上につながり、業績にどのように反映されたか」といった戦略的な視点を持った記載が必要です。

人事制度設計・運用における従業員視点の実績が書かれていない

以下のような実績の記載方法はNGです。

実績の書き方のNG例
制度の導入実績のみを記載し、従業員の意見やニーズをどのように反映させたのかが不明確

人事制度は、従業員のエンゲージメント(貢献意欲)やモチベーションに大きく影響します。制度設計・運用の実績を記載する際は、従業員の視点に立ち、納得が得られる制度作りを心がけている旨を記載しましょう。

人事の職務経歴書に関するよくある質問

人事の職務経歴書に関するよくある質問




人事の職務経歴書作成においてよくある質問をまとめました。

人事の経験が浅い場合、どのようにアピールすれば良い?

職務経歴に限らず、人事関連の経験がないか振り返ってみましょう。大学や大学院での研究テーマ、アルバイトやインターンシップで人事に関連する経験はないか振り返り、該当する内容を具体的に記載しましょう。人事関連の研修・セミナー受講歴や保有資格、資格に向けた勉強も1つで、人事職への強い意欲や、学習意欲をアピールすることにつながります。

採用経験はどのように書けば良い?

採用経験は、担当した種類(新卒・中途)、採用人数、採用方法(媒体選定、書類選考、面接、エージェント対応ほか)、採用ターゲット層を具体的に記載しましょう。採用担当に従事するにあたり工夫した点や実績も合わせて書くと良いでしょう。実績は、採用単価削減や入社後の定着率向上といった点が挙げられます。

研修・育成経験はどのように書けば良い?

研修の種類をはじめ、各取り組み内容を具体的に記載していきましょう。新人社員研修、階層別研修、専門スキル研修といった種類が考えられます。研修の企画・開発・実務経験、研修対象人数、研修期間、研修効果測定の方法や結果まで具体的に記載できると、採用担当者は経験内容をイメージしやすくなります。

労務管理経験はどのように書けば良い?

担当した労務管理業務を具体的に挙げて記載しましょう。給与計算、社会保険手続き、勤怠管理、労使対応、安全衛生管理といった業務が考えられます。関連法規の知識や労働組合との交渉経験、労務問題の解決事例もあれば具体的に記載し、経験値をアピールしましょう。

組織開発経験はどのように書けば良い?

具体的な取り組み内容および成果を記載しましょう。組織診断、組織活性化施策の企画・実行経験、チームビルディング、リーダーシップ開発、企業文化構築といった具体的な項目を挙げて記載します。各成果もそれぞれ添えておくと経験内容がより明瞭になるでしょう。

人事の職務経歴書を完成させてキャリアアップを実現しよう

人事の職務経歴書を完成させてキャリアアップを実現しよう



人事の職務経歴書の記載項目は、いずれも具体的かつ明瞭に記載していくことが大切です。採用担当者が知りたい情報をひと目で把握できるよう、わかりやすい見出しを順序立てて構成してください。

そのうえで、自分ならではの経験談や知識を織り交ぜた文章を作成し、他の応募者より際立つ内容に仕上げましょう。どのような経験があり、どのような貢献ができる人物かを効果的に伝え、新しいキャリアにつなげましょう。

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