理学療法士の職務経歴書の書き方|転職めのポイントと注意点も解説

理学療法士として転職を目指すなら、職務経歴書の書き方が成功のカギを握ります。経験やスキルを具体的に伝えることで、採用担当者にあなたの強みが伝わりやすくなるでしょう。
本記事では、職務経歴書の基本構成から差がつくアピール方法、NG例までを網羅的に解説します。採用率アップにつながるポイントを押さえて、理想の職場への一歩を踏み出しましょう。
理学療法士の職務経歴書作成のポイント

職務経歴書を効果的に仕上げるには、伝えるべき内容を押さえておくことが大切です。まずは基本のポイントを解説します。
経験を明確に伝える書き方が重要
理学療法士の職務経歴書では、経験や実績の具体性が重要です。勤務先の種類(病院・訪問リハビリ・介護施設など)や、対応した患者層(整形外科、脳血管疾患、高齢者など)を明記しましょう。
さらに、「1日平均◯人のリハビリを担当」「退院支援に◯件関与」など、数値や具体例を交えて成果を伝えることで、経験の深さや専門性がより明確になります。
使用した技術・手法を記載
職務経歴書では、使用した技術や評価方法も具体的に記載しましょう。たとえば「脳血管障害の患者に対してボバース法を用いた機能訓練を実施」「整形外科疾患に徒手療法やPNFを活用」など、疾患とアプローチをセットで伝えると効果的です。
また、応募先の施設で重視される手法や対象疾患を意識して、自身の経験との関連性をアピールすると、より説得力が増します。
チーム医療の実績をアピール
理学療法士はチーム医療の一員であることを意識することも重要です。医師・看護師・作業療法士・言語聴覚士など多職種との連携経験を記載し、リハビリ計画の立案やカンファレンスへの参加など、具体的に関与した内容を示しましょう。
「退院支援カンファレンスでリハビリ経過を報告し、在宅復帰に貢献」など、自身の役割や工夫した点を伝えることで、チーム内での調整力や主体性をアピールできます。
理学療法士の職務経歴書の書き方・例文
ここでは、職務経歴書の各項目の書き方と例文をご紹介します。書き出しから自己PRまで、順を追ってみていきましょう。
なお、以下の記事では理学療法士の履歴書の基本的な書き方や例文、注意点を解説しています。気になる人は、あわせてチェックしてみてください。
【例文付き】理学療法士の履歴書の書き方。作成時のポイントや志望動機の書き方も解説
標題・日付・氏名
職務経歴書の冒頭には、中央上部に大きめの文字で「職務経歴書」と記載します。
日付は提出日を明記し、履歴書と統一しましょう。和暦・西暦も書類全体で統一します。氏名は右上に記載してください。
【標題・日付・氏名の例文】
職務経歴書 2025年3月24日 氏名:理学 太郎 |
職務要約
職務要約は、これまでの略歴や経験を3~4行で簡潔にまとめる項目です。転職回数が多い場合や、経歴に一貫性を持たせたい場合に有効です。職務経歴の前に記載することで、採用担当者の理解を手助けする役割があります。
【職務要約の例文】
総合病院や訪問リハビリ、介護施設での勤務を経験。整形外科・脳血管疾患・高齢者へのリハビリに幅広く対応してきました。多職種連携による退院支援や在宅復帰支援にも携わっています。
職務経歴
職務経歴では、勤務先や業務内容を具体的に記載し、経験や実績を明確に伝えることが重要です。施設の規模や配属先、対応した疾患や役割なども詳しく書きましょう。数字を用いて成果を可視化すると効果的です。
【職務経歴の例文】
□2020年4月~現在 医療法人〇〇会 〇〇病院
業務形態:正職員
【業務内容】
<担当業務>
・病床数200床の地域中核病院にて勤務。
・整形外科病棟を担当し、術後リハビリや在宅復帰支援に従事。
・1日平均6〜8名のリハビリを担当し、多職種と連携して個別支援計画の作成にも関与しました。リハビリテーション会議や退院前カンファレンスにも継続的に参加。
活かせる経験・知識・技術
この欄は、自分の強みを端的に伝える項目です。理学療法の技術に限らず、PCスキルやコミュニケーション力など、業務に活かせるスキルを箇条書きで記載すると効果的です。
【活かせる経験・知識・技術の例文】
・脳血管疾患に対するボバース法の実践経験
・整形外科術後のリハビリテーション指導
・退院支援におけるカンファレンス参加経験
・Word、Excelを用いた書類作成・記録業務
・多職種との調整・情報共有スキル
自己PR
自己PRでは、自身の強みや仕事に対する姿勢、実績などを具体的に伝えることが大切です。性格的な特徴に加えて、それがどのように業務に活かされたかをエピソードを交えて説明しましょう。将来の目標にも触れると、成長意欲を伝えられます。
【自己PRの例文】
私の強みは、相手の立場に立って考えられることです。患者一人ひとりの状態や目標に合わせたリハビリを心がけ、信頼関係の構築に努めてきました。また、多職種と円滑に連携し、カンファレンスでも積極的に発言しています。こうした取り組みにより、退院支援や在宅復帰の成功率が向上し、担当患者のADL改善率も大きく伸びる結果につながりました。今後も幅広い分野で経験を積み、地域医療に貢献していきたいと考えています。
理学療法士の職務経歴書の提出方法

職務経歴書は作成だけでなく、提出方法も重要です。ここからは、提出手段ごとに注意すべきポイントをご紹介します。
メールで提出する場合
職務経歴書をメールで提出する場合は、Wordなどで作成したファイルをPDFに変換して添付しましょう。レイアウトの崩れや内容の改ざん防止にもなり、安心して提出できます。
郵送で提出する場合
郵送で提出する際は、A4サイズが折らずに入る封筒を使用します。職務経歴書は送付状と一緒にクリアファイルへ入れ、丁寧な印象を与えるよう心がけましょう。
面接時に持参する場合
面接時に職務経歴書を持参する際は、クリアファイルに挟み、封筒に入れて丁寧に準備しましょう。予備も1~2部持参しておくと、複数の担当者に提出を求められた場合にも安心です。
理学療法士の職務経歴書で差がつくアピールポイント

ほかの応募者と差をつけるには、自身の強みをしっかりアピールすることが重要です。ここからは、注目されるポイントをみていきましょう。
多職種連携でのリーダーシップ
多職種との連携は、理学療法の質を高めるうえで重要な要素です。職務経歴書では、自身が中心となってチーム医療を推進した経験を具体的に記載しましょう。
たとえば、カンファレンスで患者のリハビリ目標を提案・調整し、他職種と情報を積極的に共有した事例などが有効です。あるいは、円滑なコミュニケーションを図るために定期的な意見交換の場を設けた経験や、個別性の高い支援によりADLが向上したエピソードなどを盛り込むと、リーダーシップの実践力が伝わります。
研究・学会発表歴のアピール
研究や学会発表の実績は、専門性の高さや学習意欲の高さを示す有効なアピールポイントです。職務経歴書では、参加した学会名や発表テーマ、症例報告の内容などを具体的に記載しましょう。
たとえば、回復期リハビリテーションに関する症例を学会で発表した経験や、施設内研究会で取り組んだテーマなどは評価につながります。また、所属学会や論文執筆歴がある場合は明記し、継続的に知識を深めている姿勢を伝えることで、転職先への意欲や成長意識をアピールできます。
地域包括ケアへの取り組み
地域包括ケアにおける経験は、今後の在宅医療・介護需要の高まりを見据えた強みになります。在宅リハビリや介護施設での訪問リハ経験がある場合は、対象者の状況に応じた支援や工夫した点を具体的に記載しましょう。
たとえば、ケアマネージャーやソーシャルワーカー、介護スタッフと連携し、生活環境に即した訓練計画を立案・実施した事例などは効果的です。他には、地域の健康教室や介護予防活動への参加など、地域密着型の取り組みを積極的に行ってきた姿勢を示すことで、総合的な対応力が伝わります。
理学療法士の職務経歴書を作成する際のNG例

せっかくの経験も、伝え方を誤るとマイナス印象になりかねません。避けたいNG例を確認しておきましょう。
リハビリの内容が抽象的すぎる
職務経歴書で「リハビリを担当」「患者対応を行った」など抽象的な表現だけでは、具体的なスキルや経験が伝わりません。採用担当者に専門性や実績をアピールするには、対象となる疾患や症例、用いた手法、実施内容を明確に記載することが重要です。「脳卒中後遺症の患者に対してボバース法を用いた歩行訓練を実施」「人工関節置換術後の患者に対してADL訓練を中心に介入」など、具体性のある表現を心がけましょう。
数値を使った実績がない
職務経歴書において数値を用いた実績がないと、経験や成果の具体性が伝わりにくくなります。採用担当者に説得力を持ってアピールするためには、担当した患者数やリハビリの頻度、回復率などを数値で示すことが効果的です。「月平均30名の患者を担当し、7割以上がADLレベルの改善を達成」といったように記載すれば、実績がより明確になります。数字を交えることで客観的なアピールができ、信頼性につながるでしょう。
専門用語が多すぎて読みにくい
職務経歴書では、専門用語を多用しすぎると読み手に内容が伝わりにくくなります。採用担当者が必ずしも医療やリハビリの専門とは限らないため、「PNF」「ボバース法」などの用語は簡潔な説明を添えたうえで使用しましょう。たとえば「神経筋の促通を目的としたPNFを活用」など、リハビリ効果や目的も補足すると理解が深まります。誰が読んでも内容が伝わるよう、専門用語に偏らない表現を意識することが大切です。
理学療法士の職務経歴書に関するよくある質問

職務経歴書に関して多くの方が疑問に思うポイントをQ&A形式でまとめました。疑問を解消し、自信を持って提出しましょう。
研究・学会発表の経験は職務経歴書に書くべき?
研究・学会発表の経験も、専門性や学習意欲を示す重要な実績です。職務経歴書に記載することで、担当者に具体的なスキルや勤勉さを伝えられます。積極的に記載しましょう。
職務経歴書には職歴をどこまで書けばいい?
職務経歴書では、基本的にすべての職歴を記載するのが原則です。ただし、職歴が多く枚数が多くなりすぎる場合は、直近の1~2社を詳しく書き、それ以前は要点のみを簡潔にまとめても問題ありません。
職務経歴書にはどのような経験を記載すべき?
職務経歴書には、脳血管障害、整形外科疾患など、担当した疾患や症例を具体的に記載しましょう。あわせて徒手療法・電気刺激療法など、使用した技術や病床数、リハビリ科の規模、1日あたりの担当患者数などを記載することで、業務量や専門性が採用担当者に伝わりやすくなります。
職務経歴書の書き方をマスターして理学療法士への一歩を踏み出そう

理学療法士の職務経歴書は、ただ経歴を並べるだけではなく、「何ができるか」「どう貢献できるか」を具体的に伝える書類です。経験や実績は数字や具体例を交えて表現し、応募先のニーズに合った内容に仕上げることがポイントです。
丁寧に作り込まれた職務経歴書は、あなたの専門性や人柄を伝える大きな武器になります。自信を持って提出できる一枚を目指しましょう。
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