理学療法士の自己PRの作り方|新卒・転職向け例文はもちろん、分野・強み別の例文も紹介

理学療法士として就職・転職活動をする際、自己PRの内容は選考結果を左右する重要な要素です。とはいえ「自分の強みがわからない」「何をどう書けばよいかわからない」と悩む人も少なくありません。
そこで、本記事では自己PRを効果的に書くためのポイントや構成方法を解説し、キャリア別・分野別・強み別の例文も多数紹介します。採用担当者に伝わる自己PRを作成し、理学療法士としての魅力をしっかりアピールしましょう。
理学療法士の自己PRで重要なポイント

理学療法士の自己PRは、応募先に自分の価値を伝える重要なアピール材料です。そのため、スキルや経験、仕事への意欲を簡潔に伝え、「この人に任せたい」と思ってもらえる自己PRにすることがポイントです。特に自己PRは、履歴書や職務経歴書、さらには面接でも問われることが多いため、一貫性を持って準備しましょう。
採用担当者は、過去の経験や実績、スキル、職場との相性、そして将来性などを総合的に評価しています。自分の強みをしっかりと整理し、具体的なエピソードとともに伝えることが重要です。
理学療法士の自己PRの作り方

理学療法士としての自己PRには伝えるべきコツがあります。ここからは、基本の作り方を
順を追って解説します。
理学療法士としての強みを明確にする
自己PRを作成する際は、まず理学療法士としての「強み」を明確にしましょう。ただし、どんな長所でもよいわけではなく、応募先の業務内容や施設の特徴と関連性があることが重要です。
急性期であれば「的確な判断力」、回復期なら「粘り強さ」や「観察力」、訪問リハビリであれば「高いコミュニケーション力」などが効果的です。これまでの経験を振り返り、自分の強みが現場でどう活かせるかを意識して選びましょう。
実習や臨床経験を活かした具体的なエピソードを入れる
自己PRでは、選んだ強みの裏付けとして、実習や臨床での具体的なエピソードを盛り込むことが大切です。「観察力」が強みであれば、「実習中、わずかな動作の違和感に気づき、指導者から高く評価された」といった経験を紹介することで、説得力が増します。
成果がある場合は「〇〇症例の機能回復をサポートした」など、数字や事実を交えるとより効果的です。採用担当者がイメージしやすい形で伝えることを意識しましょう。
自分のスキルが職場でどう活かせるかを伝える
自己PRでは、自分のスキルや強みが職場でどのように活かせるかを具体的に伝えることが重要です。「患者さんに寄り添う姿勢」が強みであれば、「リハビリへの不安を抱える高齢患者に丁寧な声かけを重ね、リハビリ継続への意欲を高めた」といったエピソードを加えると効果的です。
また、志望先の理念やリハビリ方針と結びつけることで、職場への適性や貢献度をより明確に示せます。実体験をベースに、オリジナリティのある自己PRを意識しましょう。
簡潔かつ論理的にまとめる
自己PRは、読み手に伝わりやすく簡潔にまとめることが大切です。まずは、自分の強みをひと言で端的に示すところからはじめましょう。次に、その強みを裏付ける具体的なエピソードを加えることで説得力が生まれます。最後に、志望先でどのように貢献できるかを述べれば、論理的で一貫性のある自己PRに仕上がります。情報を詰め込みすぎず、要点を押さえて整理することで、読みやすさと印象のよさを両立させられるでしょう
【キャリア別】理学療法士の自己PRの例文

自己PRはキャリアの段階によって内容が変わります。ここでは、新卒・経験者などのパターン別に例文を紹介します。
新卒者の自己PR
新卒の場合は実務経験がないため、人柄や学生時代の学びを中心にアピールしましょう。現場で活かせる強みを伝えることがポイントです。
【自己PRの例文】
私は細かな変化に気づける観察力を強みとしています。大学の実習では、患者さんの表情や姿勢の変化をいち早く察知し、指導者から的確なフィードバックができると評価をいただきました。この経験から、日々の小さな変化に目を向ける姿勢の大切さを学びました。現場でもその観察力を活かし、患者さん一人ひとりに寄り添ったリハビリを提供したいと考えています。
経験者の自己PR
経験者の場合は、これまでの業務経験をもとに、即戦力としてどう貢献できるかを具体的に伝えることが重要です。経験者の自己PRの例文は、以下のとおりです。
【自己PRの例文】
私は、急性期病院での3年間の経験を通じて培った判断力と対応力を強みとしています。多忙な現場で、患者さんの容態変化に素早く対応し、医師や看護師と連携しながら最適なリハビリ計画を立ててきました。今後はその経験を活かし、回復期においても一人ひとりの回復過程に応じた質の高い支援を提供し、患者さんの生活再建に貢献したいと考えています。
ブランクありの自己PR
ブランクがある場合でも、過去の経験と学び直しへの意欲を示すことで、現場復帰への前向きな姿勢をアピールできます。具体的な例文は以下のとおりです。
【自己PRの例文】
私は、回復期病院での勤務経験を通じて得た「患者に寄り添う姿勢」を強みとしています。出産・育児によるブランク期間中も、最新のリハビリに関する専門誌を読み、オンライン講習に参加するなど、知識と技術の維持に努めてきました。復職後は、経験と学びを活かして患者さん一人ひとりの回復に向き合い、チームの一員として現場に貢献したいと考えています。
【分野別】理学療法士の自己PRの例文

理学療法士の活躍分野は多岐にわたります。ここで紹介する分野ごとの自己PR例文を参考にしてみましょう。
急性期リハビリの経験者
急性期リハビリテーションでは、的確な判断力と多職種との連携が求められます。スピード感ある対応力をどう活かせるかが自己PRの鍵になるでしょう。具体的な例文は、以下のとおりです。
【自己PRの例文】
私は、急性期病棟でのリハビリ業務を通じて培った「迅速な判断力」と「チーム連携力」を強みとしています。これまで状態変化が激しい患者さんに対し、限られた時間内でリスク管理と介入方針を立て、多職種と連携しながら効果的なリハビリを提供してきました。今後も、このスキルを活かして質の高い急性期リハビリを実践し、患者さんの早期回復に貢献したいと考えています。
回復期リハビリの経験者
回復期リハビリテーションでは、患者さんの生活再建を見据えた支援と、家族や多職種との連携が求められます。以下に記載した例文を参考にしてみてください。
【自己PRの例文】
私は「患者さんと家族に寄り添い、目標を共有できる関係づくり」を強みとしています。回復期リハビリテーションでは、退院後の生活を見据えて、患者さんやご家族と話し合いながらリハビリ計画を立て、ADL向上に向けて取り組んできました。また、医師や看護師、ソーシャルワーカーと密に連携し、現実的で継続可能な支援体制づくりにも尽力しました。今後もこの経験を活かし、信頼される支援者を目指します。
訪問リハビリの経験者
訪問リハビリでは、住環境や生活背景に合わせた対応力と、信頼関係を築くコミュニケーション力が求められます。具体的な例文は、以下のとおりです。
【自己PRの例文】
私は「相手の立場に立って考える力」と「柔軟な対応力」を強みとしています。訪問リハビリテーションでは、患者さんの住環境や生活習慣を踏まえたリハビリ計画を提案し、無理なく継続できる支援を心がけてきました。また、日々の会話を通じて信頼関係を築き、リハビリへのモチベーションを高める工夫も重ねました。今後もこの経験を活かし、患者さんのQOL向上に貢献していきたいと考えています。
介護施設での経験者
介護施設では、身体機能の維持だけでなく、入所者の心理的なサポートや日常生活を意識したリハビリも求められます。介護施設での経験を活かした自己PRの例文は、以下のとおりです。
【自己PRの例文】
私は「安心感のある関わりと継続的な支援」を強みとしています。介護施設での勤務では、入所者の不安を軽減するため、積極的に声かけを行い、信頼関係の構築に努めてきました。その結果、レクリエーションや集団体操を取り入れたリハビリにも取り組み、参加率の向上と身体機能の維持に貢献しました。今後も、心身の両面から支援できる理学療法士として、利用者の生活の質向上に尽力したいと考えています。
【強み・長所別】理学療法士の自己PRの例文

理学療法士の強みは人それぞれ異なります。ここでは、代表的な長所別に自己PRの例文を紹介します。
患者の状態に応じた柔軟なリハビリ対応力
理学療法士には、患者の状態や環境に応じた柔軟な対応力が求められます。柔軟なリハビリ対応力をアピールする自己PRの例文は、以下のとおりです。
【自己PRの例文】
私は「患者一人ひとりの状態に合わせた柔軟な対応力」を強みとしています。実習では、設備が限られた現場で工夫を凝らしながら、患者さんに合わせたリハビリ方法を提案・実施しました。その結果、担当患者の歩行距離が1週間で2倍に伸び、指導者からも臨機応変な対応力を評価されました。現場でも状況に応じた対応で、最適なリハビリを提供していきたいと考えています。
根気強く患者と向き合う粘り強さ
回復までに時間がかかる患者に対しても、根気強く向き合う姿勢は理学療法士に欠かせない資質です。粘り強さを強みにした自己PRの例文は、以下のとおりです。
【自己PRの例文】
私は「粘り強く患者さんと向き合う姿勢」を強みとしています。実習では、モチベーションが低下していた脳卒中患者に対し、毎回声かけを行いながら寄り添うリハビリを継続しました。その結果、徐々に表情や発言に変化が見られ、自発的に訓練へ取り組むようになりました。医療現場では思うように進まない場面も多いため、根気強さを活かして患者さんの小さな前進を支えていきたいと考えています。
患者の微細な変化を見抜く鋭い観察力
理学療法士には、患者の微細な変化を見逃さない観察力が求められます。信頼関係の構築にもつながる重要な強みとしてアピールできます。
【自己PRの例文】
私は「患者さんの微細な変化を見抜く観察力」を強みとしています。実習中、歩行時のわずかな動揺に気づき、問診と評価を重ねた結果、膝の違和感が影響していることを発見しました。その結果、指導者と相談しリハビリ内容を調整したことで、痛みの軽減と安定性の向上がみられました。こうした細かな変化への気づきを活かし、信頼関係を築きながら質の高い支援を行っていきたいと考えています。
リハビリの課題を解決する問題解決力
現場では想定外の課題が発生することも多く、問題を分析し解決へ導く力は理学療法士にとって重要な強みになります。具体的な例文は、以下のとおりです。
【自己PRの例文】
私は「課題を見極め、最適な解決策を導く力」を強みとしています。実習では、立ち上がり動作に苦戦していた患者さんに対し、原因を分析した結果、姿勢保持筋の弱化が影響していると判断しました。その後、重点的に強化訓練を行ったところ、日常生活動作が安定し自信を取り戻されました。現場でも冷静に状況を整理し、患者さん一人ひとりに合ったリハビリを提供できる理学療法士を目指します。
患者の未来を想像し最適なリハビリを提案する力
理学療法士には、患者の将来を見据えたリハビリを提案する力が求められます。生活背景や目標を踏まえた支援が重要です。具体的な例文は、以下のとおりです。
【自己PRの例文】
私は「患者さんの未来を想像し、最適なリハビリを提案する力」を強みとしています。実習では、在宅復帰を目指す患者さんに対し、生活環境や日常動作を考慮した自主トレーニングを提案し、指導者から実践的な視点を評価されました。リハビリは目の前の動作改善だけでなく、その先の生活を見据えた支援が重要だと考えています。今後もその視点を大切に、患者さんの目標達成をサポートしていきたいです。
理学療法士の自己PRで避けるべきNGポイント

自己PRにはやってはいけないポイントもあります。ありがちなNG例を押さえておきましょう。
アピールポイントを詰め込みすぎる
自己PRでアピールポイントを詰め込みすぎると、結局どれが強みなのかが伝わらなくなってしまいます。あれもこれもと欲張るのではなく、1つの強みに絞って深掘りすることが大切です。また、強みを裏付けるエピソードや、仕事でどう活かせるのかをセットで伝えることで、印象に残る自己PRになります。採用担当者が知りたいのは「何が得意で、それを職場でどう活かすか」という点なので、端的かつ明確に伝えましょう。
抽象的な表現を使う
自己PRでは「コミュニケーションが得意」「やる気がある」などの抽象的な表現だけでは、説得力に欠けてしまいます。強みを伝える際は、具体的なエピソードや成果を交えて説明することが大切です。たとえば「患者さんから相談されることが多かった」「多職種との連携でチーム全体の効率が向上した」など、採用担当者がイメージしやすい形で表現しましょう。応募先が求める人物像に合った伝え方を工夫することもポイントです。
誇張や嘘を書く
自己PRで事実と異なる内容を書いたり、経験をおおげさに誇張したりするのは絶対に避けましょう。履歴書や職務経歴書に記載された情報は、面接時に詳しく質問されるため、矛盾が生じれば信用を失いかねません。悪質な場合には内定の取り消しにつながる可能性もあります。説得力のある自己PRをつくるには、実際に経験したことや自分が持つスキルを正直に伝えることが大切です。リアルなエピソードを交えることで、より信頼性の高い内容になります。
強みを活かし、理学療法士としての価値を発揮しよう

理学療法士の自己PRは、自分の強みや経験を通じて「職場でどのように貢献できるか」を伝える大切な手段です。強みをただ並べるのではなく、エピソードや成果とあわせて具体的に示すことで、採用担当者の心に響く自己PRになります。
応募先の求める人物像や施設の特性に合わせて内容を工夫すれば、より説得力が増すでしょう。自身の強みをしっかり言語化し、理学療法士としての価値を存分に発揮してください。
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