秘書の志望動機を書くときのポイント|注意点や種類別の例文も紹介

秘書として、なぜその企業で、どのような貢献をしたいのか。志望動機は、あなたの熱意と適性を明確に伝え、採用担当者の心に響かせるための最重要項目です。
本記事では、秘書の志望動機を書くときのポイントや秘書業務を志望する際にアピールするべき強みについて解説します。また、参考になるNGケースや種類別の例文サンプルも紹介します。これから志望動機を考え始める方は、ぜひ参考にしてください。
秘書の志望動機を書くときの3つのポイント

はじめに秘書の志望動機を書くときのポイントを解説します。新卒や中途に関係なく、すべての方にとって活用できるポイントをまとめました。
1.なぜ「秘書」を志望しているのか?
志望動機には、数ある職種の中から「どうして秘書になりたいのか」といった、秘書として働きたい理由を記載しましょう。例えば「なぜ誰かをサポートする仕事に就きたいのか」「秘書が向いていると思った理由」を述べると効果的です。秘書の職種を志望する動機を伝える際には、何か具体的なエピソード盛り込むとより説得力が増します。
2.なぜ「その企業」に魅力を感じているのか?
秘書の仕事は、すべての企業にもある仕事です。志望動機では「どうして応募先の企業を志望するのか」を明確に伝えましょう。応募先の企業の特徴や良いと感じた点、共感したビジョンを盛り込むようにするのがおすすめです。企業をよく理解していないと書けないため、インターネットや書籍を活用して企業研究に努めましょう。
3.企業にどのように貢献できる?採用後のメリットは?
志望動機には、職種・応募先の企業を志望する理由だけでなく「自分を採用したら企業にどのようなメリットがあるのか」を伝えることも大切です。例えば「スケジュール調整やタスク管理が得意なため、社内外の調整を円滑に進められる」「秘書として数年活躍したら、秘書室のリーダー職にもチャレンジしたい」といった内容や、長期的なビジョンを盛り込んで記載しましょう。
秘書の志望動機でアピールするべき5つの強み

秘書の志望動機を書くときには、自分の強みをアピールすることが大切です。秘書の仕事で必要となる、5つの強みについてご紹介します。
人をサポートする力
秘書は、上司や役員の立場に立って物事を考え、裏方としてサポートする役割です。上司や役員の状況に応じて、適切なサポートができる能力が求められます。誰かをサポートすること、支えることに喜びややりがいを感じられる方が活躍できる仕事といえるでしょう。
細やかな気配りができる
秘書の業務は、細やかな気配りができる能力が必要です。上司から言われたことをそのままやるだけが秘書の仕事ではなく、相手が求めるものを察し、先回りして準備することが大切になります。気配りができるかどうかは客観的な視点で判断されるケースが多いため、身近な方に自分の印象を聞いてみると良いでしょう。
情報収集能力
上司が円滑に仕事を進められるように、さまざまな情報を集めることも秘書として大事な能力の1つです。例えば、取引先の情報をあらかじめ調べて、上司に端的に共有する場面もあるでしょう。
スケジュール調整、タスク管理が得意
上司のスケジュール管理は、秘書のメイン業務です。1日のスケジュールだけでなく、1ヶ月・1年単位の調整をしなければなりません。ただ予定を入れるだけでなく、優先順位を考慮したスケジュール調整力が必要になります。円滑に進めるためには、正確性や効率性が求められるでしょう。
コミュニケーション能力
秘書は上司とコミュニケーションをとるのはもちろんのこと、社内外の多くの人たちと接する機会が多い仕事です。ただ「話すのが上手」というだけでなく、「自分から積極的に行動する」「相手の気持ちを汲み取る」「相手の話を上手に聞く」といった、高度なコミュニケーションスキルが求められます。
秘書の志望動機を書くときに注意すべきポイント

続いて、秘書の志望動機を書くときに注意すべきNGポイントを3つご紹介します。
秘書の業務を理解できていない
志望動機の中で、秘書の業務を理解できていないことが伝わってしまうと、書類選考を通過することは難しいでしょう。
例えば、「パーティに役員と一緒に同席するため、貴重な経験ができそう」といった内容では、本来の業務を理解できていない、または秘書業務に関して知識が浅いと思われてしまいます。
また、企業によって秘書の業務内容が異なるため、志望動機に書いたことと応募先の企業における仕事内容に「ズレがいないか」という点もしっかり確認しましょう。
内容が抽象的で熱意が伝わらない
志望動機に記載する内容が抽象的すぎると、企業への志望度ややる気が伝わりにくい可能性があります。例えば、「かっこいい」「憧れ」のワードはなるべく使用しないほうが無難です。秘書の仕事に対する曖昧なイメージが先行しており、業務理解ができていない印象を与えてしまいます。
秘書の仕事に対する熱意を伝えたい方は、具体的に貢献したい内容や、将来目指すキャリアについて触れると良いでしょう。
誤字脱字が多い
秘書に限らず、履歴書や職務経歴書の誤字脱字は注意しましょう。とくに秘書の仕事は日常的に資料作成やビジネス文章を書く機会もあるため、文章能力が求められます。
提出する応募書類にミスがあると、マイナス評価につながりかねません。また、文章の読みやすさや分かりやすさを意識して、1文の長さにも注意して書きましょう。
【秘書の志望動機でこれは×】NG例を紹介

秘書の志望動機は、書き方によってはマイナスの評価につながる可能性もあるでしょう。志望動機のNG例を具体的に3つご紹介します。
NG例1|秘書の仕事が分かっていない
読み手に「秘書の業務が分かっていない」と思わせる文章になっていないか注意しましょう。下記の文章は「秘書の仕事を分かっていない」と思われてしまうNG例です。
志望動機のNG例
秘書を志望した理由は、いろいろな経験ができそうと感じたためです。
知り合いで秘書として仕事をしている方がいて、大手企業の社長が集まるイベントや会食に同席する機会があると聞きました。
秘書として働ければ貴重な経験がいろいろできそうと感じ、私も秘書を志すようになりました。
「いろいろな経験ができそう」と曖昧に書かれていると「秘書の仕事を理解できていないのでは?」という印象を与え、秘書の仕事を甘く見ているように捉えられるかもしれません。
秘書は「上司に付いて、周りでサポートする仕事」だけでなく、上司のマネジメントを補佐する仕事です。上司の言動にアンテナを立て、常に「何を求めているのか」先回りして判断し、すぐ行動できる気配りができることが秘書業務の本質といえるでしょう。
NG例2|秘書の適性に合っていない
志望動機の中で、自分が前に出て活躍したり、サポート側の仕事に向いていないと思われたりするエピソードを記載することは避けたほうが無難です。下記の文章は「秘書の適性に合っていない」と思われてしまうNG例です。
志望動機のNG例
私はこれまで営業部門の第一線として活躍することにやりがいを感じ、仕事をしてきました。強みであるコミュニケーション能力で取引先と信頼関係を構築し、営業の年間表彰で1位になった経験もあります。
私の営業で培った経験や知識を、貴社では秘書として活かし、上司の方お役に立てる仕事をしたいと思いました。
自分が活躍したエピソードを記載することによって、「他の方をサポートする秘書の仕事」よりも、自分が行動して動くほうが向いている人材だと判断される可能性があります。コミュニケーション能力を活かすといったアピールは問題ありませんが、サポート役である秘書を目指す理由を盛り込むほうが好ましいでしょう。
NG例3|曖昧な志望動機
前述したとおり、曖昧な理由で志望動機を書くと良い印象を持たれにくくなります。下記の文章は、曖昧な志望動機と思われてしまうNG例です。
志望動機のNG例
私が秘書を目指そうと思った理由は、秘書の仕事に対して強い憧れを感じているためです。社長の隣にいてスピーディに仕事をこなす秘書の姿がかっこよく感じ、理想の大人の女性像と一致しました。
やる気は誰にも負けません。かっこいい秘書になるため、全力で頑張りたいと思います。
曖昧な表現はマイナス評価につながるため、使用しないように気をつけましょう。「秘書の仕事内容を理解していない」「判断力が低い」と思われてしまう可能性があります。
秘書の志望動機の例文【職種別サンプル】

最後に、秘書の志望動機を書くときに役立つ例文を種類別に紹介します。さまざまな職種の秘書があるため、パターン別にまとめました。自分が志望する職種に合わせて例文を活用してみましょう。
社長秘書・役員秘書の志望動機
一般企業で働く、社長秘書・役員秘書の志望動機の例文をご紹介します。
志望動機の例文
これまで、1,000名規模の企業の役員秘書として5年間働いていました。
秘書は3名体制で行っており、営業同行や会食のスケジュール調整、出張手配、経費精算、その他庶務業務を行っています。複数名で秘書業務を分担していたため、スピーディな対応ができないといった点にジレンマを感じました。
秘書としてやりがいは感じていましたが、これからは個人秘書としてのキャリアを積みたいと考えています。
貴社は業界の成長スピードも著しく、役員や社長の方の秘書業務を1人で対応する点にも魅力を感じています。業界に関する情報や経営・経済に関する知識を習得しつつ、対応できる範囲をさらに広げて、貴社の成長に貢献していきたいです。
前職における具体的な秘書の仕事内容、転職を決意した動機が書かれています。また「採用後、どのように企業に貢献できるか」がアピールできており、応募企業を選んだ理由も書かれているのが良いポイントです。
弁護士など専門職の秘書の志望動機
秘書は、企業だけでなく税理士・弁護士といった専門職の方に付く秘書業務もあります。志望動機の例をご紹介します。
志望動機の例文
〇〇法律事務所に勤めている友人がおり、〇〇法律事務所では秘書業務と事務作業とのバランスが自分の理想に近いと感じました。また、さまざまな業種やお客様の案件に関わる法律事務所は、成長できる環境であると感じています。
専門用語や独自のルールをできるだけ早く覚えて、専門職としての基礎知識を身に付け、貴所に貢献したいと考えています。
応募する法律事務所を志望するきっかけや、入所後に貢献したいことが書かれているのが良いポイントです。
大学教授の秘書の志望動機
大学教授をサポートする学者秘書は、庶務的な仕事の割合が多いことが特徴的です。大学教授は授業や研究で忙しいため、秘書がさまざまな身の回りのサポート、庶務を引き受けることになります。志望動機の例は下記のとおりです。
志望動機の例文
私が大学での秘書を志望したのは、教授をサポートできる裏方の仕事がしたかったためです。母校である〇〇大学、お世話になった〇〇学部を支える裏方として活動することが、自分に向いていると気付きました。
秘書業務に加えて、庶務的な業務も率先して取り組みたいと思います。縁の下の力持ちとして、貴校に貢献したいと考えております。
自分が秘書を目指したきっかけ、強みをアピールできています。大学では研究費の申請や来客対応、経費精算といった幅広い業務があるため、志望する大学や研究室のことをよく理解している点もアピールポイントになるでしょう。
【未経験者向け】秘書の志望動機の例文

秘書を志望する方の中には、新卒の方をはじめ、秘書経験がない方もいるでしょう。新卒・未経験者向けの志望動機の例文をご紹介します。
【新卒向け】秘書の志望動機の例文
新卒は企業や職種について理解を深める必要があるため、よく企業研究してから志望動機を書き始めることが大切です。企業の理念や社風を知るためにも、応募先の企業のトップや経営陣が執筆している書籍があるときには必ずチェックしましょう。新卒向けの例文は下記のとおりです。
志望動機の例文
自分の強みやスキルを活かせる仕事だと感じ、貴社の秘書室の秘書業務を志望しました。私はタスク管理やコミュニケーション能力に自信があり、スケジュール調整や電話対応、取引先とのやり取りといった秘書業務で活かせると感じています。
高校時代は野球部でマネージャーをしており、サポート業務に向いていると感じました。強みを生かしながら、貴社の秘書室を支える一員として尽力したいと考えています。
過去の経験から、自分の強みをアピールすることが大切です。強みについては、自己PR欄にさらに深堀りして記載するのも良いでしょう。
【未経験向け】秘書の志望動機の例文
未経験で他の職種での実務経験がある方は、「これまでの経験を活かし、より専門性のある分野として秘書に挑戦したい」といった前向きな志望理由を記載しましょう。未経験の方の例文は、下記を参考にしてください。
志望動機の例文
これまでは、食品業界で営業事務として、営業サポートをメインに行っていました。営業支援システムやExcelを使用して、資料作成や取引先との電話やメール対応も行っていました。
営業事務での経験を活かして、さらに高いコミュニケーション能力・判断力が求められる、秘書業務に挑戦したいと思っています。秘書を志してからは、秘書検定の準1級を取得しました。今後は、自分の経験や強み・スキルを活かし、貴社に貢献していきたいです。
これまでの職務経歴、得られた経験・スキルが分かりやすく記載されている点が良いポイントです。秘書検定の資格取得もアピールにつながります。なお、「前職の職種が合わなかった」といった転職理由はマイナス評価になるため、記載しないように注意してください。
秘書業務における大切なポイントを押さえて志望動機を作成しよう

秘書の志望動機を書くときは、秘書を志望している理由、応募先の企業を志望する理由、採用後の企業側のメリットを簡潔にまとめることが大切です。自己PRとどのように書き分けるのか難しい点もありますが、自分の経験やスキルを効果的にアピールできる箇所でもあります。本記事で紹介したNGケースや例文サンプルを参考に、秘書の志望動機を考えてみましょう。
履歴書や職務経歴書を作成するときには、「ワンポチ」を活用してみませんか。スマホやPCで、簡単に履歴書や職務経歴書が作成できます。費用は無料、職種・雇用形態に合わせたフォーマットが選べます。また、秘書向けの職務経歴書テンプレートも選択可能です。入力した内容をブラウザに自動保存できる便利機能も付いています。手軽に履歴書・職務経歴書が作成できるワンポチをぜひお試しください。
ワンポチの履歴書作成はこちらから