教員の履歴書の書き方を詳しく解説【学校別】

教員の履歴書の書き方を詳しく解説【学校別】


教員採用試験を受けたり転職したりする際には、履歴書の作成が必須です。教育に携わる特別な職種ではありますが、就職活動に変わりはありません。しかし、教員の履歴書の書き方には他職種とは異なる特徴があります。そのため、どのように書きはじめればよいかわからない方も多いでしょう。

そこで本記事では、教員採用を目指す方向けに履歴書の書き方を詳しく解説します。よくある質問にも回答しているため、教員の履歴書作成において疑問をお持ちの方もぜひ参考にしてください。

教員の転職に向けた履歴書作成のポイントと例文

教員の転職に向けた履歴書作成のポイントと例文


教員の履歴書を書きはじめる前に、次のポイントを押さえましょう。

教員の転職に向けた履歴書作成のポイント
・職歴の学校名は正しく記入する
・教育方針に沿った自己PRにする
・教育に対する熱意が伝わる志望動機にする



また、資格など正式名称を記入する項目もあります。必要であれば免許状や合格証を準備してください。

職歴の学校名は正しく記入する

公立の場合は「〇〇県教育委員会 採用」とまとめ、学校名は書きません。また、私立の場合は「学校法人〇〇 採用」と正式名称で学校名を記入しましょう。「学校法人」も忘れず記載してください。

教育方針に沿った自己PRにする

教員が履歴書の自己PRを書くときのポイントの1つとして「教育方針に合わせて作成する」が挙げられます。その理由は、教育方針は都道府県と学校によって異なるからです。
たとえば、「グローバル化」における施策を福井県と東京都で比較しましょう。

福井県の方針
小・中学校、高校において、修学旅行等でふるさとの福井について英語で発信したり、高校生が県内で外国人への観光ガイドをしたりする取り組みを実施
高校において、遠隔授業・研修システムを活用し、海外の生徒との地域課題の解決に向けた探究的な学習を充実


出典:福井県教育振興基本計画

東京都の方針
教科等で学んだ知識を相互に関連付けて活用する機会や、学校や国籍を超えて生徒が学び合う機会を提供
地球規模の課題等の解決に向けて貢献する人材を育成するための幅広い指導を行い、海外留学を促進


出典:東京都教育振興計画 東京都教育ビジョン(第5次)

福井県は「一人一人の個性が輝く、ふくいの未来を担う人づくり」の基本理念をもとに、英語を通して地元の観光ガイドをしたり海外の生徒と交流したりしている点が大きな特徴です。一方、東京都では世界で活躍する人材育成を目指し、国籍を超えた交流と海外留学の促進に力を入れていることがわかります。

東京都の教育方針に沿った自己PRの例
私の強みはあらゆるシーンへの適応力と、それらに対応するための英語力です。
高校2年生の夏、電車でとある親子に出会いました。
そのころの私は英語力に自信があったため、思い切って話しかけることにしました。
しかし、授業で習った英語だけでは彼らがオーストラリア人であることしかわからず、とても悔しい思いをしました。
その出来事をきっかけに、世界で通用する英語力が欲しいと思い、現在通っている〇〇大学の国際英語学科に進学しました。
大学ではボランティアにも参加し、海外の方との交流も経てかなり英語力が上達したほか、海外留学中での予想外の出来事にも焦らず解決するなど、対応力も向上したと実感しました。
東京都では学校や国籍を超えた交流や海外留学を促進しているため、教員になった際はこれらの経験を活かしてグローバル化の進む社会で活躍できる人材を育成したいと考えております。


自己PRでは、このように教育方針と絡めて自分の強みや長所をアピールしてください。
関連記事:
教員の自己PRには何を書く?書き方・ポイントとエピソードの選び方まで解説!

教育に対する熱意が伝わる志望動機にする

教員が履歴書の志望動機を書くときのポイントは「教育に対する熱意が伝わるか」です。
教員は、日本の未来を背負う人材を教育する立場です。そのため、責任感を持って仕事ができるか、辛抱強く仕事をやり遂げられるか、その熱意が重視される傾向があります。

志望動機の例文
私は貴校の「一人も取りこぼさない教育」という教育方針に強く共感し、生徒一人ひとりへの手厚い指導を通し、子どもの自尊心を育てる教育を実現するため教員を志望します。
前職での〇〇では新人教育を行う機会も多くありました。しかし、そこで気になったのが新人の「自尊心の低さ」です。複数人に話を聞くと、学生時代に自尊心が損なわれてしまう出来事があったようです。しかし、新人一人ひとりに丁寧に接するうちに、彼らも自信が持てるようになりました。私はそのことを通して指導におけるやりがいを感じるとともに、未来を担う若者が輝かしい人生を歩めるようにサポートしたいと思うようになりました。
民間企業で培った指導力は、貴校の教育においても活かせると考えております。日本の将来を背負って立つ子どもたちの成長を積極的にサポートしたいと思っております。

関連記事:
【学校別】教員の志望動機で重視されるポイント・書き方・改善方法を解説

教員の転職に向けた履歴書の基本的な書き方



教員の履歴書はその内容に特徴はありますが、基本的な書き方は一般的なものと同じです。

履歴書を書く際の基本的なルール
・学歴と職歴の間は1行空ける
・入学・卒業・採用・退任などの行頭の位置をそろえる
・職歴を書き終わったら改行し「現在に至る」と記入する
・最後の行の右端に「以上」を書く



【学校別】教員の転職に向けた履歴書の書き方

【学校別】教員の転職に向けた履歴書の書き方


教員の転職において、注意すべきポイントの1つに職歴の書き方があります。公立学校と私立学校で異なるため、必ずチェックしてください。

公立学校から転職する場合


公立学校から転職する場合、履歴書の「職歴」には以下のように記入してください。

公立学校から転職する際のポイント
・「〇〇県教育委員会」でまとめて学校名は書かない
・正規採用の場合は「採用」「退任」と書く
・臨任講師(臨時的任用教員)の場合は「任用」「任期満了」と書く



私立学校から転職する場合


私立学校から転職する場合は、以下のポイントに気をつけて記入してください。

私立学校から転職する際のポイント
・正式な学校名を記載する(例:学校法人〇〇)
・公務員ではなく会社員と同じ雇用形態のため「採用」「退職」と書く
・非常勤講師の場合は「採用」「契約期間満了により退職」と書く



【資格・免許】教員の転職に向けた履歴書の書き方と記入例

【資格・免許】教員の転職に向けた履歴書の書き方と記入例


教員の履歴書にある資格・免許は、原則、時系列に沿って記入します。

正確な取得年月を思い出せない方は、事前に免許状や合格証などを用意しましょう。ただし、運転免許は最初にまとめて記載するケースが一般的です。

資格・免許の例文

免許・資格

2015

8

普通自動車第一種運転免許 取得

2014

3

中学校教諭一種免許状(国語) 取得

2014

3

高等学校教諭一種免許状(国語) 取得



運転免許の書き方

車の運転免許は「免許・資格」欄の最初に記入します。「運転免許」と略さず、正式名称で記入しましょう。

運転免許証の例文

免許・資格

2015

8

普通自動車第一種運転免許 取得



教員免許の書き方

教員免許は、取得した教員免許を正式名称で記入してください。中学・高校ともに取得した場合でも、省略せず1つずつ記入します。また、運転免許は「第〇種」と記入しますが、教員免許には「第」がない点に注意しましょう。

教員免許の例文

免許・資格

2014

3

中学校教諭一種免許状(国語) 取得

2014

3

高等学校教諭一種免許状(国語) 取得



検定など資格の書き方

検定など資格については、教員としてアピールできるものを記入してください。

検定などの資格の例文 

免許・資格

2014

3

実用英語技能検定 準1級 合格

2014

3

TOEIC Listening&Reading Test 700点 取得



スポーツ系・文化系の段位や資格は、部活動での指導力があると評価されることもあります。ただし、資格欄ではなく特技欄に記入することが一般的です。

教員の転職に向けた履歴書に関するよくある質問

教員の転職に向けた履歴書に関するよくある質問


教員の履歴書を書きはじめると、出身校の学校名や学部名の変更などにどのように対応すればよいかわからないこともあるでしょう。そこで、教員として転職する方向けに履歴書に関するよくある質問について回答します。

卒業後に学校名・学部名が変更された場合はどうする?

卒業後に学校名や学部名が変わってしまうこともあります。その場合、入学・卒業時の学校名を記入し、最後に()で変更になった学校名を記載してください。なお、廃校になった場合はあえて書く必要はありません。

学校名が変更された場合の例文
〇〇県立〇〇大学〇〇学部〇〇学科(現△△学部△△学科)


資格は合格と取得のどちらを書くの?

資格・免許欄に記載する「合格」と「取得」は、内容によって変わります。日本漢字能力検定や実用英語技能検定のように合格ラインがあるものは「合格」、免許や合格ラインが設定されていないものは「取得」となります。

資格の例文
・実用英語技能検定 〇級 合格
・TOEIC Listening&Reading Test 〇〇点 取得


教員免許の有効期間が切れたら応募できない?

教員職に就きたいのであれば、教員免許は必須です。有効期間(修了確認期限)は必ず確認しましょう。

有効期間後に教職に就きたい場合、それまでに免許状更新講習の免許管理者への申請が必要です。教員免許の修了確認期限については、文部科学省の「修了確認期限をチェック」をチェックしてください。

教員としてふさわしい丁寧な履歴書を書きましょう

教員としてふさわしい丁寧な履歴書を書きましょう


教員の履歴書の内容は、民間企業へ提出する履歴書と少し異なります。そのため、転職に向けてきちんと調べたうえで作成しているかもチェックされる可能性もあるでしょう。

また、教育方針など事前に調べておくべきポイントが多いことも特徴です。事前準備が多いですが、きちんと調べて記入すれば、評価される履歴書が作成できるでしょう。

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【ディスクリプション】
教員への就職・転職をお考えの方のために、履歴書の書き方を詳しく解説します。事前に必要な準備から資格の書き方など細かく説明しているため、これから履歴書を書きはじめる方はぜひ参考にしてください。

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