教員の職務経歴書の書き方と例文!基本構成からポイントを解説

「教員として転職するために職務経歴書の書き方が知りたい」
「転職が成功する職務経歴書にするには何に気をつけるべき?」
教員として初めて転職をお考えの方の中には、このように不安を抱えている方も少なくありません。そこで本記事では、教員の転職を成功させるための職務経歴書の書き方をご紹介します。基本構成から内容に関するポイントまで解説しているため、職務経歴書の書き方を1から知りたい方は参考にしてください。
教員の転職に必要な職務経歴書の基本構成
職務経歴書は、これまで働いてきた企業や職種・業務内容についてまとめるとともに、次に志望する業界・職種に対してスキル・能力をアピールするための書類です。
以下6つの要素で構成されています。
職務経歴書の構成要素
・タイトル・日付・氏名
・職務要約
・職務経歴
・活かせる経験・知識・技術
・資格
・自己PR
タイトル・日付・氏名
職務経歴書の1行目中央に大きめのフォントでタイトル「職務経歴書」を書きます。2行目右端に提出日もしくは郵送日の日付、3行目右端に氏名を記入してください。なお、日付に関しては西暦もしくは和暦のどちらかで統一しましょう。
職務要約
職務要約には、これまでの職務経歴を短く簡単にまとめましょう。3~5行にまとめると、採用担当者が読みやすくわかりやすい文章になります。
職務経歴
職務経歴書の項目は、いつどこの学校で教員として働いてきたかを示す部分です。所属・担当業務・工夫した内容などを記載します。
教員として学校に勤めていた場合、学校名は正式名称で記入しましょう。私立学校の場合は「学校法人」と記入するのも忘れないでください。なお、公立学校の場合は「〇〇県(都道府県)教育委員会」と書いてまとめます。
職務経歴の例文
私立学校の例:学校法人〇〇学園△△中学校
公立学校の例:〇〇県教育委員会
活かせる経験・知識・技術
4つ目の項目「活かせる経験・知識・技術」には、教員として活かせる経験などについて記入します。文章である必要はなく、箇条書きで構いません。
また、資格欄に書けない段位なども、この欄で記入するとよいでしょう。スポーツ系・文科系の免許もしくは資格についてこの欄で記入すれば、体育や部活動の指導・顧問としても採用するメリットがあるとアピールできます。
資格
資格欄は、履歴書と同じ内容でOKです。ただし、記入したい資格の数が多くて履歴書に書ききれず「その他は職務経歴書に記載」と書いた場合は、職務経歴書に追加して記入してください。
資格の書き方に迷ったら、以下の記事も参考にしてください。資格のほかに、教員免許の書き方も記載しています。
自己PR
「自己PR」は教員として採用後、どのように貢献できるかアピールする欄です。どのような力を持っており、それをどのように教育に活用できるか教育方針に触れながらアピールします。
以下の記事で自己PRの書き方を詳しく解説しています。何をアピールすればよいか分からない人は参考にしてください。
関連記事:
教員の自己PRには何を書く?書き方・ポイントとエピソードの選び方まで解説!
教員の職務要約の書き方とポイント

教員の職務要約を書く際のポイントは、以下の3つです。
職務要約を書く際のポイント
・細かく書きすぎない
・取り組み内容がわかるキーワードを使う
・数字を使って説明する
公立学校の教員採用倍率は、全国平均で3倍を超えており、5倍を超える都道府県もあります。
出典:文部科学省「令和5年度公立学校教員採用選考試験の実施状況」
応募者が多い場合、職務経歴書を熟読するとは限らないため、簡単にまとめてある職務要約を見て比較することもあります。
つまり、職務要約で魅力を伝えられなければ、面接に進めない可能性もあるでしょう。面接へと進むためにもご紹介したポイントを押さえて、採用担当者が読みやすくわかりやすい文章で職務要約を書いてください。
細かく書きすぎない
経歴が長かったりさまざまな取り組みを行ったりした場合、すべてを伝えたいとの思いから、細かく書きすぎてしまうことがあります。これは「さまざまな知識を児童生徒にたくさん教えたい」との気持ちから、授業計画が膨大になってしまうことと同じです。
細かく書きすぎて伝わらない文章になるのを避けるためには、要点をまとめましょう。冗長的な部分は削除し、シンプルな文章を目指してください。
複数ある場合は優先順位をつけましょう。高い順からまとめると、魅力が伝わる職務要約が書けます。
取り組み内容がわかるキーワードを使う
前職で何をしたかパッと見て理解してもらうためには、取り組み内容がわかるキーワードを使うとよいです。教育分野で使われるキーワードの中には、パッと見るだけで目的や取り組み内容がイメージできるものも多くあります。採用担当者は教師生活が長く教育分野における知識が豊富であるため、キーワードを使うだけですぐに理解できるでしょう。
添削例
授業を工夫することで児童生徒の知りたい気持ちを向上させ、自ら参加させる学習手法を取り入れ…
→アクティブラーニングを取り入れ…
ほかにも、以下のようなキーワードがあります。
取り組み内容がわかるキーワード
・ICT教材
・教材作成
・カリキュラム
・教科研究
・学級経営
・成績向上
・受験対策
・難易度調整
数字を使って説明する
前職での取り組みの結果、どのような効果が得られたか数字を使って説明するとわかりやすくなります。「教員は営業職ではないし数字で取り組み内容が説明できるの?」と思う方もいるかもしれませんが、教員だからこそ集計できるものがあります。
教員の仕事は授業だけでなく、児童生徒の評価も行います。そのため、取り組みの成果が集計しやすくなっているでしょう。
たとえばペーパーテストの結果や授業での発言・評価などから、どのような結果が得られたのか数字で説明できます。意欲に関しては、単元の最初と最後に自己評価を行うと集計しやすくなるでしょう。
教員からの評価だけでなく自己評価もあれば、より確実に評価できます。
数字を使った説明の例文
・平均点が〇〇点上がった
・〇%の児童(生徒)が意欲を持って授業に参加した
・〇%の児童(生徒)が授業内容を理解できた
教員の職務経歴書を書くポイントと例文

教員の職務経歴書の書き方は、民間企業の就職・転職とは異なります。教員としてどのように貢献できるかアピールしつつ、具体的なエピソードで根拠を示しましょう。
取り組みと成果をわかりやすく説明
単に「こんな取り組みをしました」で終わらせないでください。どのように工夫をしてどのような結果が得られたのか、職務要約だけでは説明できなかった部分についてわかりやすく説明しましょう。また、取り組みがわかるよう最初に小さく見出しをつけると読みやすくなります。
取り組みと成果の例文
教科指導
中学1~3年生の〇〇科を指導。…。
習熟度に応じた授業
学力のばらつきが大きい学校のため、習熟度に応じて授業のやり方を柔軟に変えました。…。
具体的なエピソードを交える
前職での取り組みと成果・工夫点だけでは、ほかの応募者と差別化できないこともあります。そのため、具体的なエピソードを交えましょう。具体的なエピソードがあればどういう状況で何を行い、どのような結果が得られたのか、と書くとイメージしやすいほか、熱意も伝わりやすくなります。
具体的なエピソードの例文
前職で担当した〇年生の授業では学力に差があり、授業が進めにくいといった課題がありました。そこで習熟度別に応じた授業を行い、学力の底上げを目指しました。
まず取り掛かったのは習熟度を見極めるためのテストです。従来は学期末テストで習熟度を分けていましたが、実は国語力によって実際の習熟度や意欲が異なることがわかりました。
そのためまずは国語力のテストを行い…。その結果、〇年生全体における成績が〇%上昇しました。
可能性と意欲を意識する
採用担当者の目線に立ち、教員として採用させることでどのような可能性があるかを期待させましょう。教育分野での目標をまとめることで、意欲と熱意を感じさせられます。
ただし、主観的な表現が多いとアピールになりません。客観的な事実を述べたうえで、可能性と意識をアピールしましょう。
可能性と意欲を伝える例文
~~という経験から、これからの教育には〇〇が必要であると感じるようになりました。実際に、〇〇は長年教育分野での課題になっています。この目標の達成に向けて自身のスキルと知識を活かしたいと考えております。
教員の職務経歴書のチェックポイント

教員の職務経歴書の作成後は、以下のポイントを見直ししてください。いずれも、職務経歴書を作成する際に注意すべき基本的なポイントです。
職務経歴書作成時の基本的なポイント
・誤字脱字はないか
・読みやすくわかりやすい文章になっているか
上の2つがチェックできたら、教員ならではのチェックポイントも見直す必要があります内容について見直し、必要があれば調べたり書き加えたりしましょう。
職務経歴書の内容のチェックポイント
・学校ごとに必要な適性をアピールできているか
・応募する学校の教育方針に合っているか
学校ごとに必要な適性をアピールできているか
小学校の教員としての適性と、中学校の教員としての適性は異なります。それぞれの適性を理解したうえでアピールできているか確認し、必要であれば教育方針について調べるなどしてください。
小学校教員に必要な適性
小学校教員に必要な適性は、主に以下の2つです。
小学校教員に必要な適性
・国語力
さまざまな専門スキルのベースとなる。ひらがなや漢字が書けるようになったばかりの児童に対してわかりやすく日本語の面白さを伝える力
・コミュニケーション力
さまざまな個性の児童をまとめ役となりながら、間違ったことの意味や正しいことの意味をきちんと伝えて精神面での成長を促す力
小学校教員は子どもが好きであることを前提に、国語力とコミュニケーション力が求められます。
特に、国語力はほとんどの教科のベースとなる力です。国語力がなければ算数の文章問題やそのほかの問題文を読んで解くことが難しくなります。そのため、小学校教員としては全体的な学力を維持・向上させるために国語力が必要です。
また、担任として児童と接する時間が長いため、コミュニケーション力も必要になります。授業外でも積極的にコミュニケーションをとる必要があるため、体力も必要でしょう。
中学校教員に必要な適性
中学校教員に必要な適性は、主に以下の4つです。
中学校教員に必要な適性
・指導力
担当教科の知識だけでなく、学力とモチベーションがそれぞれ異なる中学生を相手によりそいながらわかりやすく教える力
・責任感と倫理観
生徒の気持ちによりそいながら責任ある行動をとる力
・バイタリティ
体力はもちろんそれを維持するためにも活気や元気などの力
・生徒への愛情
多感な時期を迎えた生徒の心を理解しようとする生徒への愛情
中学校に入ると、生徒は多感な時期に突入します。知識や指導力ももちろん必要ですが、心身の成長に合わせて適切に向き合うことも必要です。
高校教員に必要な適性
高校教員に必要な適性は、主に以下の3つです。大学受験や進路指導・キャリア支援できる能力が求められるほか、ストレス耐性があるかなどメンタル面の強さも求められます。
高校教員に必要な適性
・専門分野への知識欲
最新の情報を基に授業を組み立てるための知識欲
・ストレス耐性・精神力
思春期の生徒から保護者・同僚・上司との人間関係を円滑に行う力
・根気強さ
トラブルや悩みを抱える生徒に根気強く指導を続ける力
応募する学校の教育方針に合っているか
公立の学校では都道府県、私立では学校独自の教育方針が設けられています。そのため、応募先の教育方針に合わせたアピールが好ましいでしょう。
まずは自分の教育理念を言語化し、それに基づいた具体的な取り組みや授業の事例を紹介します。具体的な例を挙げることで、採用後のメリットがイメージしやすくなる点がメリットです。
自己PRの最後に、応募先の教育方針に合致する教育理念を持っているとアピールすれば好印象になるほか、ミスマッチも防げるでしょう。
応募する学校の教育方針に共感できる方は、自己PR欄で積極的にアピールしてください。職務経歴書の自己PR欄は履歴書の自己PR欄よりも割合が大きく自由度が高いため、存分に魅力をアピールできます。
教員の職務経歴書はシンプルかつ熱意が伝わるものを作成しましょう

教員の職務経歴書は、シンプルで読みやすく熱意が伝わるものを作成しましょう。スキルや知識のアピールももちろん必要ですが、それだけで教員にはなれません。子どもの教育に対する関心や熱意、それを実現する能力をアピールしましょう。
しかし、教員として働いていて忙しく、履歴書や職務経歴書を書く時間が確保できない方もいるかもしれません。そのような方は「ワンポチ」をご活用ください。例文付きの教員向け職務経歴書のテンプレートもあり、スマホやパソコンで簡単に作成できます。
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【ディスクリプション】
本記事では、教員として就職・転職をお考えの方のために、職務経歴書の書き方やポイントについて解説します。簡単な例文もご紹介しているため、参考にしてください。