【学校別】教員の志望動機で重視されるポイント・書き方・改善方法を解説

【学校別】教員の志望動機で重視されるポイント・書き方・改善方法を解説


教員の志望動機の書き方は、ほかの職種と比べて特殊だといえるでしょう。その理由は、エピソードや熱意をより具体的に伝える必要があるからです。

「民間企業の就活とは違うの?」
「大学で学んだキャリア講座の内容だけでは不十分?」

このように、教員の志望動機の書き方について不安がある方のために、志望動機の書き方と重視されるポイントについて解説します。より魅力的な志望動機にするための改善方法もご紹介しているので、ぜひ活用してください。

教員の志望動機で重視されるポイント

教員の志望動機で重視されるポイント


教員採用試験において、志望動機で以下の3点が重視される傾向があります。

志望動機で重視される点
・教育に対する熱意はあるか
・教育分野での目標はなにか
・目標を達成、実転する力はあるか



教員になるための就職活動は、ほかの職種とは大きく異なります。そのため、志望動機をどう書けば教員として採用されやすく好印象になりやすいのかを、事前に把握しておきましょう。

教育に対する熱意はあるか

1つ目のポイントは「教育に対する熱意はあるか」です。

学校の教員は勉強を教えるだけでなく、児童・生徒の人格形成などに大きくかかわることがあります。幼少期に人格形成が確立されることはもちろん、多感な時期である中学校・高校でも周囲の人間による影響は大きいでしょう。特に小学校では「決まりを守る」「まじめに取り組む」など、道徳的な価値観の形成に影響を与える可能性があるともいわれているようです。

そのため、教員の志望動機には「教育に対する熱意はあるか」を明確に記載しましょう。「熱意はどうやったら伝わるの?」と疑問をお持ちの方は、以下2つのポイントに注意してください。


志望動機で熱意を伝えるポイント
・児童生徒の成長に対する責任感はあるか
・授業の準備や保護者への対応ができるか



具体的なエピソードも加えれば、教育に対する熱意がより伝わりやすくなります。

教育分野での目標はなにか

2つ目のポイントは「教育分野での目標はなにか」です。教育分野に携わることでの目標を書きましょう。

ただし、「教育問題の解決を目指してすばらしい教員になりたい」など、自身の成長を語ることは避けてください。教育分野における問題・課題の解決に貢献できるかは重要なポイントですが「利己的である」とみなされるかもしれません。

目標を達成・実現する力はあるか

3つ目のポイントは「目標を達成・実現する力はあるか」です。目標を達成する力や実現する力があるかどうかは、以下の2つのポイントに注意して明確に書きましょう。

志望動機の記入ポイント
・目標を達成、実現するためにどのような活動がしたいか
・目標を達成、実現するために必要なスキルはあるか



【学校別】教員の志望動機で重視されるポイント

【学校別】教員の志望動機で重視されるポイント


教員の志望動機で重視されるポイントは、小学校・中学校・高校と学校別に異なります。それぞれ学力の指導も必要ですが、年齢に合わせたサポートが必要です。

例えば、人格形成が確立されるといわれる幼少期、つまり小学校では人間性を育むことや生活指導をする力が重視されています。ほかにも、中学校では多感な時期の子どもとの接し方、高校では進路に合わせたキャリア支援、特別支援学校では障害に対する理解などが重視されます。

小学校教員

小学校は、子どもの人格形成に大きな影響を与える時期といわれています。そのため、愛情を持って児童と接することができる「子どもへの熱意や教育的愛情があるか」「人間性を育むための教育ができるか」が重視されるでしょう。

小学校教員の志望動機で重視されるポイント
・子どもへの熱意や教育的愛情がある
・授業以外におけるサポート力がある
・人間性を育むための教育ができる



中学校教員

中学校は、子どもが思春期を迎え心が不安定になりやすい時期です。そのため、思春期の生徒とどのように接するか、個性や能力に対してどのように向き合うかが求められます。

中学校教員の志望動機で重視されるポイント
・個性や能力を育み、サポートする力はあるか
・多感な時期の子どもとの接し方を理解しているか
・社会的なマナーやルールを教えられるか


高校教員

高校では学校ごとに特色があるため、校風を考慮したうえで生徒と向き合う必要があります。特に私立高校では「グローバル」「スポーツ」など、学校によって重要視している特徴が異なります。

また、高校生になれば複雑な人間関係や経済的な悩みを抱えていることもあるでしょう。義務教育である小学校や中学校では感じなかった部分に対して、高校に入ってから疑問を持ったり悩むことも少なくありません。

高校教員の志望動機で重視されるポイント
卒業後に希望する進路に進むために、進学や就職について支援できる
教科の専門性と指導力
社会で活躍できる人材を育成するためのキャリア支援



特別支援学校教員

特別支援学校は、知的・身体的障害を持つ子どもが通う学校であり、幼稚園から高校までの児童・生徒が対象です。

学習指導はもちろん、障害に対する理解やサポートが求められます。特別支援学校の教員を希望する方の中には、勤務校の障害種に応じた免許状の取得を目指している方もいるでしょう。

志望動機の内容については以下のポイントをおさえる必要があります。

特別支援学校教員の志望動機で重視されるポイント
・施設などでのボランティア経験
・児童生徒へのサポートについての考え
・障害に対する理解



私立学校教員

私立の学校は学校法人であり、学校が直接教師を雇用する点が公立学校との大きな違いです。そのため、学校により教育方針や特徴が異なります。学校によって求められる力や志などが異なるため、志望動機は学校に合わせて作成するとよいでしょう。

私立学校教員の志望動機で重視されるポイント
・学校の校風や特色を理解しているか
・豊富な知識や高い指導力があるか
・スポーツや文化など部活動における高い知識・スキル・指導力はあるか



教員の志望動機を書く前の準備

教員の志望動機を書く前の準備



志望動機を書き始める前の準備には、次の3つが必要です。「早く書き終えたい」と思うかもしれませんが、これらを準備するとスムーズに志望動機が書けます。

志望動機を書き始める前の準備
・自己分析
・学校や都道府県の教育方針のリサーチ
・教育問題を把握と対処法の考察



自己分析をする

教員の志望動機で重視されるポイントをおさえるため、まずは自己分析が必要です。どのような教員を目指したいか考え、教員になろうと思ったきっかけを具体的に思い出しましょう。そして、教育分野での目標に活用できる自分の経験やスキルを洗い出してください。

自分で考えても分からない場合、以下の方法もおすすめです。

おすすめの自己分析の方法
・知人や家族に聞く
・自己分析サイトを活用する



学校や都道府県の教育方針を調べる

教員としての目標を達成するには、教育方針をリサーチしておく必要があります。その理由は、教育方針は学校や都道府県で異なるからです。

都道府県の教育方針とその内容は「教育振興会」などで確認できます。教育方針の内容についていくつか簡単にまとめていますので、ぜひ比較してください。学校や都道府県によって方針が異なることが分かります。

学校法人大阪医科薬科大学 高槻中学校・高槻高等学校の例
・全体を見渡して判断し、主体的に行動する力
・論理的に思考し、日本語および英語で表現する力
・コラボレーション力(チームワーク)


引用元:学校法人大阪医科薬科大学 高槻中学校高槻高等学校

慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部の例
・個性を伸ばし育む文化
・未来を拓く異文化理解
・実践につながるICT教育
・先導者を育てる一貫教育

引用元:慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部

東京都の例
・全ての児童・生徒に確かな学力を育む教育
・Society5.0時代を切り拓くイノベーション人材を育成する教育
・教育のインクルージョンの推進

引用元:東京都「「東京都教育ビジョン(第5次)P2

教育問題を把握し対処法を考える

教育分野でなにを目標とするか、どんな課題や問題を解決するかの対処法を考える必要があります。
まずは教育問題を把握し、自分なりの課題との向き合い方を考えておきましょう。

学校現場が抱える教育問題の例
・学力低下
・不登校
・いじめ問題の増加
・ICT教育への対応
・生成AI活用における適切な対応



教員の志望動機の書き方


教員の志望動機は、明瞭で簡潔な文章にすると好評価が得られる可能性が高いでしょう。つまり、誰が読んでも読みやすく分かりやすい文章であれば、伝えたいことを確実に伝えることができるため、よい印象になるかもしれません。

明瞭で簡潔な文章を作成するには、PREP法がおすすめです。まずは結論から入り、その後具体的な話をします。

PREP法で志望動機を書く順序
1. 結論:教員を志望する理由を一文で書く
2. 理由:教員でなければいけない理由を述べる
3. 具体例:教員を目指したいと思ったエピソードを具体的に伝える
4. 結論:採用後の貢献度についてアピールする



①結論:教員を志望する理由を一文で書く

まず、一番伝えたいことがらである「教員を志望する理由」を分かりやすく印象づけるため、一文で書きます。

結論の例文
・私は〇〇を実現したいため教員を志望します。
・〇〇県の教員を目指す理由は△△です。



②理由:教員でなければいけない理由を述べる

次に、数ある職種の中から教員を選んだ理由について述べましょう。教科指導以外の教育に携わるシーンの多い「教員でなければならない理由」について説明します。

ただし、「学ぶ喜びを教えたい」「学んだことを生徒が吸収する姿が好き」などの理由は避けてください。塾講師や家庭教師でも当てはまるため、印象が薄くなる可能性があります。

教員を志望する理由は、教育方針と絡めると書きやすくなります。例えば、教員としての目標の達成や課題の解決を目指す自分の考え方と、教育方針がマッチしていることを理由とすれば、説得力が増すはずです。

③具体例:教員を目指したいと思ったエピソードを具体的に伝える

次に、①②の理由を詳しく説明するために、教員を目指すきっかけとなったエピソードを具体的に伝えます。

具体的なエピソードの語り方としては、以下のNG例とOK例を参考にしてください。できるだけ詳しく書くことで、内容の濃い文章を作成できます。

エピソードのNG例文
高校で恩師となる人物に出会い、教員を目指したいと思いました。その恩師は高校3年生のときの担任です。どんな話でも真剣に聞いてくれるため、生徒から人気の先生でした。

エピソードのOK例文
高校で恩師となる人物に出会い、教員を目指したいと思いました。その恩師は高校3年生のときの担任であり、生徒一人ひとりと真剣に向き合ってくださる人です。例えば人間関係で悩んでいる生徒には、〇〇してくれることもありました。


④結論:採用後の貢献度についてアピールする

最後に、最初の結論に戻りましょう。

達成したい目標や解決に導きたい問題について、採用後どのように貢献できるのかアピールして締めくくります。教科指導だけでなく、部活指導に関して経験が豊富な点などをアピールしても構いません。

教員の志望動機を魅力的にする改善方法

教員の志望動機を魅力的にする改善方法


教員の志望動機には「目標とする教師がいる」「恩師のような教員になりたい」などが多く、ありきたりな理由になってしまい他者と差別化しづらいことがあります。そこで、面接官の興味を引くような魅力的な志望動機にするための改善方法をご紹介します。

書かなくても理解できる部分は消す

読みやすく分かりやすい文章を作成するには、最小限の文章で多くの情報を伝える必要があります。そのため、履歴書で分かる部分など、書かなくても理解できる部分は消しましょう。

志望動機の添削例
・〇〇大学に入り~。→履歴書で分かるため削除する。
・教育実習に参加した中で~。→「参加した」はなくても伝わるため省く。



エピソードで感情を語る

ありきたりな志望動機にしないためには、どのように心を動かされて教員になりたいと思ったのかを書きましょう。エピソードだけでなく、感情を語ると好印象になります。

エピソードのNG例
尊敬する恩師の姿を見て教員になりたいと思いました


エピソードのOK例文
尊敬する恩師の姿に強くあこがれを抱き、教員になりたいと思いました。さら に、教育実習やボランティアを通じて子どもと接するうち、子どもの~~する姿について教師の社会的価値を強く感じ、教員を志望しました。


経験から得られたことを伝える

どのような経験からなにを得られたかについては、ほかの人と同じになることはあまりありません。他者と差別化するためにも、面接官が興味を引きそうな経験とそれらで得られたものを伝えるとよいでしょう。

ポイントを駆使して魅力的な志望動機にしましょう

ポイントを駆使して魅力的な志望動機にしましょう


教員の志望動機で重視されるポイントと書く前の準備、志望動機の書き方について解説しました。

教員の就職活動は、ほかの職種と比べて特殊です。志望動機を語る中で教育方針や教育問題に触れるなど、さまざまな準備が必要となります。より印象に残る志望動機にするためには、ぜひ本記事でご紹介した方法やポイントを活用してください。ポイントを把握したうえで準備すれば、魅力的な志望動機が作成できるでしょう。

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【ディスクリプション】
教員の志望動機を書くには、重視されるポイントを理解する必要があります。本記事ではそのポイントとともに、志望動機の書き方と改善方法も解説します。教員の志望動機の書き方にお困りの方は、ぜひ参考にしてください。


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