言語聴覚士の職務経歴書の書き方|例文やアピールポイントまとめ

職務経歴書の言語聴覚士例文まとめ


この記事では、言語聴覚士の方が、これまでの専門知識や臨床経験、患者様への貢献を最大限にアピールして、就職・転職活動を成功させるための職務経歴書作成のポイントを解説します。

現職の言語聴覚士の方はもちろん、これから言語聴覚士としてキャリアをスタートされる方も、求められる能力やアピールポイント、実際の例文サンプルを参考に、採用担当者の心に響く職務経歴書を一緒に作っていきましょう。

言語聴覚士の職務経歴書と書き方ポイント

言語聴覚士の職務経歴書ポイント


はじめに、言語聴覚士の職務経歴書を書くときのポイントを解説します。就職・転職時に職務経歴書を作成するときの参考にしてください。

志望先の病院・施設のニーズに合わせた強みをアピールする

応募先となる病院や施設に合った、これまでの経験や実績をアピールしましょう。どこの病院・施設の応募書類でも同じ内容を書くのではなく、応募先の状況や仕事内容によって、アピールする経験・実績に変化を持たせて記載することが大切です。応募先の企業が求めている人物像やスキルを正しく捉えるためには、応募要項を事前にチェックしておくと良いでしょう。

職務経歴に正式名称や正確な数字を記載する

職務経歴書に記載する病院名・施設名は、正式名称で書きましょう。また、そのときの勤務業態や利用者数、スタッフ数も正確に記載してください。勤めていた病院の病床数やスタッフ数が分からないときには、病院のホームページで調べてから記入しましょう。

実績や評価は具体的に記載する

これまでの職歴における実績や成功体験は、アピールポイントになります。裏づけとなるエピソードは具体的に書くようにしましょう。実績を記載するときには、数値を書いておくと読み手に伝わりやすくなります。また、どんな病院や施設においても同じ実績が良い評価につながるとは限りません。志望先の病院や施設のニーズに合わせて、記入する実績を見極めましょう。

保有資格はすべて記載する

保有している資格がある方は、すべて「資格・スキル」欄に記載しましょう。言語聴覚士資格を最優先に記載、仕事関係する資格として「認定言語聴覚士」「摂食嚥下リハビリテーション認定士」を保有している方は、ぜひ記入しましょう。資格を書くときには、取得年月とスコアがあれば詳細まで記入してください。

担当症例や検査・訓練の職務経歴を詳しく書く

これまで担当した症例や検査・訓練の内容も詳しく書いておきましょう。担当した症例を記載するときには「失語症」と記入するのはなく、「脳梗塞後のブローカ失語/発症後2ヶ月/軽度麻痺あり」と記載するのが理想的です。原因疾患や発症時期、合併症を具体的に記載した方が、より効果的に伝わります。その他にも「小児構音障害」ならば、「機能性構音障害/6歳、特定の音韻の置換・歪みあり」のように、子どもの年齢や具体的な症状も書いておきましょう。

検査・評価の詳細を記載するときには、使用した検査名だけでなく検査結果の解釈と導き出された課題点も記入しましょう。例文は下記のとおりです。

検査・評価の例文
・標準失語症検査(SLTA)を実施。聴覚的理解の低下と語彙検索の困難さが認められた。
・嚥下内視鏡検査(VE)を実施。咽頭残留と誤嚥のリスクが認められた。

訓練・治療の詳細を記載するときには、実施した訓練名だけでなく、具体的な訓練内容と使用した教材や患者の反応を書いておくのも良いでしょう。

訓練・治療の例文
・意味性錯語に対し、絵カードを用いた語彙再学習訓練を実施。正答率がXX%向上した。
・嚥下訓練として、間接訓練(頸部挙上訓練、メンデルソン手技)と直接訓練(アイスマッサージ、嚥下食訓練)を実施。経口摂取量がXX%増加した。


多職種との連携した経験は、具体的に記載することで効果的にアピールできます。同じ言語聴覚士以外にも、医師や看護師をはじめ、理学療法士、作業療法士と連携して仕事を進める可能性が高いでしょう。

多職種との連携した経験の例文

・週1回のカンファレンスに参加し、患者の状態や訓練計画について情報共有を行った。
・看護師と連携し、患者の食事形態や介助方法について検討した。


チーム医療への貢献事例もあれば、チームにおける自分の役割や貢献した仕事内容を具体的に記載してください。

チーム医療への貢献の例文
・多職種チームで、嚥下食の検討を行い、患者様の経口摂取の向上に貢献。

例文を参考して、自分の経歴や経験を効果的に伝えられる文章作成を心がけましょう。

言語聴覚士のスキル・資格を詳しく書く

言語聴覚士のスキル・資格は、詳しく記入しましょう。専門知識やスキルの詳細を書くときには、得意とする専門分野のみならず、言語聴覚士に関する最新の知識や技術を記載するのがポイントです。

最新の知識や技術の例文
・失語症領域において、最新の認知神経心理学的アプローチを用いた訓練を実施できる。
・嚥下障害領域において、高解像度食道内圧検査(HRM)の結果に基づいた訓練計画を立案できる。

また、前述したとおり、保有しているスキル・資格はすべて記入してアピールしましょう。

職務経歴書でアピールしたい!言語聴覚士に求められる6つの能力

言語聴覚士に求められる6つの能力


続いて、言語聴覚士の職務経歴書を書くときにアピールできる力、求められる力についてご紹介します。下記に記載する6つの力をアピールすることを意識しながら、職務経歴書を書いてみましょう。

コミュニケーション能力

言語聴覚士は、リハビリを行う患者と向き合う仕事です。リハビリの進捗は、プログラム内容だけでなく言語聴覚士とのコミュニケーションによっても左右されるといわれています。リハビリで患者と接するときには、良い関係を築くためのコミュニケーション能力が必要です。また患者だけでなく、患者の家族に症状や治療計画を説明する場面、他の医療従事者と協働するといった場面も多くあります。言語聴覚士として働くうえで、コミュニケーション能力は必須スキルのひとつといえます。

協調性・共感力

前述したとおり、言語聴覚士は他職種のスタッフ(医師、看護師、理学療法士)と協働しながら、患者のリハビリを進めていきます。患者に総合的なケア、適切なリハビリを提供するためには、協調性やチームワークが不可欠といえるでしょう。また、患者が伝えたいことを溜め込まないためにも、心の声に耳を傾け、共感する力が必要になります。

観察力・想像力

言語聴覚士は、患者の些細な変化や非言語的なサインを捉える力が必要です。患者の発音、口の動きから状態を理解しなければならない場面も数多くあります。高度なスキルとなりますが、表情やしぐさから人の意思を読み取る注意深さが必要とされます。

判断力

言語聴覚士にとって重要なスキルのひとつが、判断力です。患者の状態・反応を見て、どのような治療法を選ぶのか判断する力が必要になります。例えば「患者の音が聞き取れない原因を見極める」、「治療中の患者の様子を観察して治療方法を変える」といったケースが発生する可能性もあるでしょう。そんなときには、言語聴覚士としての観察眼と判断力が問われることになります。

忍耐力

患者のリハビリをする中で、なかなか改善や成果が見られないケースもあります。患者や家族に諦めず寄り添い、何度も繰り返し練習とサポートする力が必要です。言語聴覚士として働くなら、忍耐力や粘り強さは必須スキルとなるでしょう。

自ら学ぶ力、向上心

言語聴覚士が関連する脳科学や生命科学、認知科学は、日々新たな研究成果が発表される医学の世界です。最新情報をキャッチして、自ら学ぶ前向きな姿勢が大切になります。勉強会やセミナーに参加して自分のスキル向上に励み、現場の患者たちに還元する気持ちが大切です。

【職務経歴書の例文】言語聴覚士の働く場所別で紹介


続いて、言語聴覚士を志望する職務経歴書を書くのに悩んでいる方に向けて、すぐに活用できる例文サンプルをご紹介します。言語聴覚士の就職先として最も多いのが医療施設で7割、介護施設が1割です。働いていた場所別に、職務経歴書の書き方の例文をまとめました。未経験・新卒向けのサンプルも用意しています。ぜひ、参考にしてください。

病院で勤務していた言語聴覚士の職務経歴のサンプル例文

病院で勤務していた言語聴覚士の職務経歴サンプルと自己PRの例文をご紹介します。

職務経歴のサンプル例文
□2020年4月~現在 医療法人XX会XX病院
◆事業内容:〇〇科、△△科、□□科等を有する総合病院(病床数X床)
◆職員数:XXX名 
雇用形態:正規職員

【業務内容】
言語聴覚士(脳血管疾患後の言語・嚥下障害に対する言語聴覚療法を担当)

<担当業務>
・脳血管疾患後の言語や嚥下障害の言語聴覚療法
・外来のリハビリテーション業務

自己PRの例文
患者のニーズを引き出し、リハビリチームで同じ目標に向けて全体的なケア・支援ができるように努めていました。急性期病棟では、脳梗塞、外傷による高次脳機能障害、パーキンソン病といった、さまざまな症状の患者を担当しました。急性期の患者やご家族の中には、不安を抱えている方も多くいらっしゃいます。リハビリを行う際には、患者をはじめご家族の心情に寄り添いながら、これからの生活について話し合いの機会を設けるよう心がけていました。


病院に勤めている際に、さまざまな症状の患者と関わった経験がある方は、病名まで記入しましょう。仕事に対する熱意や自分の強みをアピールできるエピソードがあると、より説得力が高い文章に仕上がります。

介護福祉施設で勤務していた言語聴覚士の職務経歴のサンプル例文

介護福祉施設で働いていた言語聴覚士の職務経歴サンプルと自己PRの例文を見てみましょう。

職務経歴のサンプル例文
□2020年4月~現在 社会福祉法人YY会YY介護福祉施設
◆事業内容: 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院等の介護福祉施設の運営(入所定員XX名)
◆職員数XXX名
雇用形態: 正規職員

【業務内容】
言語聴覚士(入所者様の言語機能・嚥下機能評価、訓練、指導を担当)

<担当業務>
・高齢者の方々の加齢や疾患に伴う言語機能低下(コミュニケーション困難)、嚥下機能低下に対する個別言語聴覚療法、集団療法
・ご家族への指導、多職種連携

自己PRの例文
前職の介護福祉施設では、失語症の利用者様が多数いらっしゃいました。自分の気持ちをうまく言葉にできない方も多く、私は、その方が好きな歌謡曲を取り入れたレクリエーションを音楽療法として行うことを提案しました。数ヶ月後、「利用者様が以前より多く話してくれるようになった」と介護職員から報告を受けました。以降は、介護職員に対して積極的に音楽療法の指導も行うように心がけています。


介護福祉施設には、介護老人保健施設や特別養護老人ホームといったさまざまな福祉サービスがあります。リハビリをはじめ、日常生活を多面的に支援した経験や他職種と連携した経験がアピールポイントになるでしょう。介護福祉施設におけるエピソードは、数値・成績で表せないケースも多いため、現場で学んだこと・工夫したことを具体的に盛り込めると良いでしょう。

訪問リハビリで勤務していた言語聴覚士の職務経歴書サンプル

続いて、訪問リハビリで働いていた言語聴覚士の職務経歴サンプルと自己PRの例文をご紹介します。

職務経歴のサンプル例文
□2020年4月~現在 医療法人ZZ会ZZ訪問看護ステーション
◆事業内容:在宅における訪問看護、リハビリテーション等の提供(入所定員XX名)
◆職員数XXX名
雇用形態: 正規職員

【業務内容】
言語聴覚士(在宅療養者の言語機能・嚥下機能評価、訓練、指導を担当)

<担当業務>
・在宅で療養されている高齢者や疾病・障がいをお持ちの方々の、加齢や疾患に伴う言語機能低下(コミュニケーション困難)、嚥下機能低下に対する個別言語聴覚療法
・ご本人様、ご家族への生活指導、コミュニケーション支援、摂食嚥下に関するアドバイス

自己PRの例文
私は訪問リハビリステーションにおいて4年間、言語聴覚士として勤務しました。主な支援内容は、利用者様の摂食、嚥下機能や音声言語機能のサポートです。利用者様に合ったリハビリを行うことを大切にして取り組んでいました。訪問リハビリは、利用者様が自宅で生活を続けられることを目的に、病気や身体機能に関しても把握しておく必要があります。私はリハビリだけでなく、他のケアマネージャーや訪問看護師とも連携して、情報共有を行うことを意識しておりました。コミュニケーション能力や共感力、そして利用者様の状態によってリハビリの内容を見極める力が、自分の強みだと自負しております。貴施設でも訪問リハビリの経験を活かして、利用者様の支援に努めたいと考えております。

訪問リハビリの経験では、それぞれの環境に合わせた支援の経験をアピールポイントにするといいでしょう。支援内容や関係機関との連携について具体的なエピソードを盛り込んでください。

保育園で勤務していた言語聴覚士の職務経歴書サンプル

保育園・幼稚園の療育分野で働く言語聴覚士の職務経歴サンプルと自己PRの例文をご紹介します。

職務経歴のサンプル例文
□2020年4月~現在 社会福祉法人AA会AA保育園
◆事業内容: 認可保育園の運営(定員XX名)
◆職員数XXX名
雇用形態: 正規職員

【業務内容】
言語聴覚士(園児の言語発達支援、コミュニケーション支援、摂食指導を担当)

<担当業務>
・発達に遅れや偏りのある園児の言語発達、コミュニケーション能力、摂食機能の評価
・個別支援計画に基づいた言語発達支援、コミュニケーション支援、摂食指導の実施

自己PRの例文
これまで、児童発達支援事業所や、保育園・幼稚園を訪問の療育サポートを行っていました。それぞれ、子どもたちの成長に応じた発達支援を心がけており、児童発達支援事業所においては、子どもたちとともに生活しながら保育士と協働して業務にあたっていました。子どもたちの成長を近くで見ることで、それぞれの性格、個性に配慮した訓練が行えたと自負しております。これまでの経験を活かして、貴院の発達支援に携わりたいと考えています。

療育分野で働いていた方は、子どもやご家族との関わり方、保育士たちとの協働で工夫したことをアピールすると良いでしょう。発達支援に対する熱意が伝わる内容にできるのが理想的です。

新卒・未経験向けの言語聴覚士の職務経歴書サンプル

最後に、言語聴覚士としての実務経験がない新卒・未経験向けの職務経歴サンプルと自己PRの例文をご紹介します。

職務経歴のサンプル例文と自己PRの例文
□〇〇〇〇大学 保健医療学部 言語聴覚学科 卒業見込み

□学歴
2021年4月 〇〇〇〇大学 保健医療学部 言語聴覚学科 入学
2025年3月 〇〇〇〇大学 保健医療学部 言語聴覚学科 卒業見込み

【担当業務】

<実習経験>
2024年〇月~〇月 〇〇病院 リハビリテーション科(脳血管疾患患者に対する言語訓練、嚥下評価など)
2024年〇月~〇月 △△介護老人保健施設(高齢者に対する嚥下評価、摂食訓練など)
(他、実習経験があれば追記)

■資格
言語聴覚士免許(取得見込み:2025年3月)


■自己PR
私の祖母は嚥下困難があり、訪問リハビリで訪れる言語聴覚士の方とお話しする機会が度々ありました。障害がある人に寄り添いながら回復をサポートする過程や声がけを間近で見ており、非常に感銘を受けました。医療従事者として働きたいという気持ちはありましたが、祖母のリハビリの様子を見てから「言語聴覚士を目指したい」と思うようになりました。
リハビリは、自分ひとりではなくチームとして行うものだと感じています。学生時代はバレーボール部に所属し、仲間と協力してプレーする喜びを実感しました。学生時代の経験を仕事でも活かして、貴院のリハビリテーションチームの一員として活躍できるよう尽力したいと思っています。貴院の、患者様 중심の温かい医療を提供されている点に強く共感しており、一日も早くチームの一員として貢献できるよう、精一杯努めてまいります。

新卒・未経験者は、言語聴覚士を目指すきっかけを記載すると良いでしょう。また、これから言語聴覚士として働く意気込みや熱意、就職してから頑張りたいことを記入するのもおすすめです。

言語聴覚士の経験・スキルをアピールして魅力的な職務経歴書を書こう

言語聴覚士の職務経歴書を書こう


言語聴覚士の職務経歴書を書くときは、志望先の病院・施設のニーズに合わせた強みをアピールして、実績や評価は具体的に記載しましょう。また、これまで実務経験がある方は担当症例や検査・訓練の職務経歴を詳しく書くように心がけてください。

言語聴覚士として働く場所は、病院や訪問リハビリ、福祉施設、保育園とさまざまです。本記事で紹介したとおり、志望先の病院・施設に合わせてアピールポイントに変化をつけることも大切になります。サンプル例文を参考にして、自分の強みを伝えられる職務経歴書を書いてみましょう。

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