広報の志望動機を書く際には、経験の有無や企業を選んだ理由など、記載内容として押さえておくべきポイントがあります。内容に乏しい志望動機では、採用担当者に好印象を与えるのは難しいでしょう。
そこで今回は、新卒採用や転職で広報職を希望する方に向けて、志望動機に書くべき内容やアピールポイントとなる能力を解説します。パターン別の例文やNGポイントもまとめました。本記事を参考にすると、質の高い志望動機が書けるようになるはずです。
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さっそく、広報の志望動機に書くべき内容を解説します。広報職は選考が高倍率になるケースもあるでしょう。採用を勝ち取るには、明確な志望動機が必要です。
自分をPRすること自体が、広報としての能力を示すことにつながるともいえます。企業が志望動機において何を重視しているか、しっかりポイントを抑えておきましょう。
志望動機を書く際は、まず広報経験の有無を明確にする必要があります。企業が即戦力を求めているのか、あるいは未経験でも採用可能かどうかを理解しておくのが重要です。
企業が求める人材を理解したうえで、広報経験者ならば、携わっていた年数や前職での業務内容、これまでに収めた成果などを盛り込みましょう。結果だけでなく過程まで具体的に説明すれば、入社後の活躍に現実味を持たせられるため、即戦力としてPRできます。
異なる職種から転職する方は、これまでの経験で得たスキルを広報職と結びつけて説明しましょう。今の職種と広報の仕事の違い、または共通点をきちんと把握できていると、企業から好印象を持たれやすくなります。
新卒採用で広報に活かせるスキルが身に付いていないときは、積極的に自ら学ぶ姿勢や仕事に対する熱意を示すとよいでしょう。
次に、広報職を選んだ理由を明示します。なぜ他の職種ではなく広報職なのかという点にフォーカスするのが重要です。広報職以外にも当てはまる条件を理由に挙げてしまうと、志望動機が十分でないとみなされる可能性があります。
例えば、情報を伝えることによる影響力の大きさや、企業について発信し商品やサービスについてさらなる価値を生み出せる点などが、広報ならではの魅力といえます。
続いて、企業を選んだ理由も必要です。広報職だけなら、多くの企業で希望できます。他の企業にも当てはまる理由では、採用担当者は自社の強みを理解していないと捉えるでしょう。
志望企業を選んだ理由を説明する際は、競合他社と比較して会社の特性を分析し、自分にとって何が魅力的なのかを伝えるのが重要です。具体的には理念やビジョンのほか、商品やサービス、社風などが、企業ならではの魅力につながるポイントとなるでしょう。
特に広報職では、企業の商材や広報手法に対する理解度が重要視されます。また、企業が進める方向性と自身の価値観が共通している点をアピールできれば、マッチ度が高いと判断され、採用につながりやすくなります。
入社後に企業でどう活躍できるかは、採用において大きなポイントです。これまでの経験や培ってきたスキルをもとに、自分の能力を存分にアピールしましょう。
ただし、スキルと経験は抽象的になりやすいため、具体性に欠けた内容ではアピール不足です。「広報全般のスキル・経験があります」と書くよりも「プレスリリースのほか、公共に向けた文章作成を行っていました」など、具体的に記載したほうが、企業に好印象を与えられるでしょう。加えて、企業が求める人材に合うニュアンスで記述するのも大切です。
志望動機の締めくくりには、意欲を充分に伝えましょう。社内での目標に加え、理想のキャリアや仕事で実現したい内容を明確にし、広報活動における自身のビジョンと併せて、貢献できるポイントを説明してください。
入社後、企業をいかに成長させるかを考えられているか否かは、会社にとって重要です。広報には、企業の活動を外へ広げる「社外広報」と、組織の活性を促す「社内広報」があります。両者の視点から、目指す企業の在り方と実現のために貢献できる点をアピールしましょう。
ただし、企業の課題に対して強く出すぎると、印象が悪くなってしまう可能性があります。あくまで自分のスキルが志望企業に役立つところをアピールしましょう。
広報職で求められる能力を持っていれば、アピールポイントになります。志望動機でアピールできる能力について解説します。いずれの能力も入社後継続的に必要なため、採用前の段階から高めておいて損はありません。しっかりチェックしておきましょう。
広報職では、社内外に情報を発信するため、有益な情報を選別・整理し発信する力や、世の中のトレンドを掴む才が必要です。企業や商品、サービスを広く発信するためには、潜在ニーズを探り情報を引き出す力を要します。したがって、情報収集力の高い人材が求められるのです。
ただし、情報をやみくもに収集するだけでは不十分です。インターネットが普及し情報が溢れている現代だからこそ、信頼できるデータを見極める力量が問われます。志望動機で情報収集能力をアピールする際は、効率化の工夫や、データ分析の活用方法など、これまでの経験を具体的に盛り込みましょう。
広報には、自社と社会をつなぐ役目があります。社内外で人と接する機会が多いため、コミュニケーション能力は必須です。人と関わるのが好きな方であれば、広報の仕事にやりがいと楽しさを見出せるでしょう。
なお、コミュニケーション能力には「傾聴力」や「プレゼンテーション能力」も含まれます。相手の話からニーズを汲み取り、物事をわかりやすく伝える力が必要です。
特に社外広報の仕事では、会社の顔として企業に関わるさまざまな人と良好な関係を築かなければならず、人脈を広げるうえで臨機応変な対応力も重要でしょう。加えて、ビジネスマナーをはじめとする立ち振る舞いや表情管理といったスキルも要します。
広報では企業をPRする一環として、企画出しや進行を務める場面も多いでしょう。よって、企画を積極的に立案する行動力もアピールポイントとなります。また、予定を調整したり、計画を立てたりと、企画自体を順調に進める力が必要です。
企画力をアピールする際は、前職で同様の成果を出した経験などを盛り込むとよいでしょう。新卒の方は、文化祭やサークルのイベントで企画出しから行事の実行までを成功させた経験があれば、アピールポイントとして活かせます。
文章力の高さは広報として活躍するうえで、大いにアピールポイントになります。なぜなら、広報は収集した情報をもとに文書を作成する機会が多いためです。
社内で配布する広報物のほか、企業情報を社外に発信するプレスリリースの作成も行います。書類を作成する際は正しい日本語やマナー、適切な文章構成への理解が必要なうえ、企業にまつわる情報を的確に伝えられる文章力が欠かせません。また、社外への情報発信には企業のよさを広めるのに効果的な文章が求められるため、語彙力も要します。
文章力のスキルアップは、特段難しいことではありません。まずは、新聞や書籍を読むのを習慣化し、質の高い日本語に触れることです。特別な資格なしでスキルアップを図れる分野のため、日頃から意識しておくとよいでしょう。
広報職に求められるスキルとして、危機管理能力も重要です。SNSにより情報があっという間に拡散される現代社会では、企業が窮地に陥らないよう、データの収集と分析を絶え間なく行い、早急にリスクを察知し対応する力が求められます。さまざまなリスクを想定し、事前に対応方法を計画しておくのが広報の仕事です。
加えて広報には、慎重に行動する思慮深さも重要です。手堅く慎重に情報を集める冷静さと、迅速に対応する行動力が求められます。
広報職向けの志望動機の書き方を、例文を用いて紹介します。例文は「新卒で広報職に応募」「WEBマーケティング職から転職」「広報職から違う企業の同職種へ転職」の3パターンです。詳しく見ていきましょう。
未経験の新卒が応募するときの例文は以下です。
私はファッションに興味があり、これまでさまざまな雑誌を愛読してきました。そのなかで、貴社のブランドは他社とは一線を画した存在であると感じています。
バリエーションに富んだコーディネートや手に取りやすいアイテムの掲載など、読者目線の営業コンセプトに大変感銘を受けました。貴社の素晴らしさをさらに多くの人に伝えるために、広報に携わりたいと考えています。
学生時代は新聞部に所属し、読みやすい文章構成や読者を惹きつける表現力を養ってきました。決められた文字数のなかで、必要な情報を取捨選択する判断力に自信があります。
また、学業と並行しながら、ショップ店員として4年間アルバイト経験を積んできました。ニーズに合った商品を提案し、お客様の笑顔を引き出すことにやりがいを感じています。
入社後は、部活動やアルバイトでの経験を活かしながら、社内報やプレスリリースといった文書作成をはじめとする業務に携わることで、広報を通して企業とお客様をつなぐ架け橋のような存在になれるよう努力する所存です。
新卒採用では、広報としての能力より、ポテンシャルが重視される可能性があります。部活やアルバイトでの自身の経験から、広報に活かせるポイントを伝えるのが大切です。また、文章力が求められる広報では、質の高い志望動機を書けていること自体がアピールポイントになるでしょう。
未経験者がWEBマーケティングから広報職へ転職するときの例文は以下です。
私は現職にて、8年間にわたり広告代理店でのWEBマーケティングを担当しております。WEBマーケティングでは、お客様に商品やサービスの価値を伝え、得られた効果をデータで明確にできますが、成果を挙げるには企業の信頼が必須です。マーケティングを行うなかで顧客だけでなく、社会全体へ自社の価値を訴求できる広報職に魅力を感じるようになりました。理念やビジョンに共感できる貴社で、より信頼のおける企業のイメージ構築に貢献したいとの思いから、未経験ではありますが、広報職を志望いたします。
現在は、クライアントの商品ごとにマーケティングを行っている他、自社SNSを用いた施策の提案・運用を担当中です。3年間で自社SNSのフォロワーを10倍にまで増やし、企業の認知度アップに貢献した経験があります。また、SNSのテキストを作成するうえで、講座に通い、ライティングスキルを継続的に磨いて参りました。
WEBマーケティングで身に付けた企画力や分析力を活かし、貴社の企業活動を魅力的に発信できるよう努力する所存です。
異なる職種から広報への転職を志望する際は、仕事内容の違いに対する理解を示したうえで、志望理由を明確にするのが重要です。また、具体的な数字を用いながら自身の実績をアピールすれば、より信憑性を持たせられるでしょう。
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経験者の志望動機の例文は以下です。
私は印刷会社にて、5年間広報職に従事して参りました。さまざまなメディア業界に携わるなかで、広報としてさらなるレベルアップを図りたいという思いが強くなっていたところ、企業の活性化のために多角的な視点を重視している貴社の理念に大変感銘を受け、入社を希望いたしました。
現職では、社内広報と社外広報をいずれも1名体制で担当していたため、コミュニケーション能力や企画力に自信があります。また、テレビメディアへの露出拡大に尽力してきました。WEBメディアだけでは獲得できない高年層への認知を広げるべく、テレビメディア関係者への企画提案を行った結果、顧客の10%増加に成功した経験があります。
異なる業界出身の方が多く活躍している貴社で、広報としての自身の経験を活かしながら、企業の認知拡大に貢献したい所存です。
広報経験者の場合、どのような仕事内容が得意かを明記することで、採用担当者に強みが伝わり、入社後の活躍をイメージしてもらいやすくなります。また、少人数で業務を行っていた方は、幅広い業務を迅速にこなす能力があるとアピールできるでしょう。
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最後に、志望動機を書く際に注意したいNGポイントを紹介します。採用側の印象をよくする方法も併せて確認しておきましょう。
自身の能力や入社後の目標を志望動機でアピールするのは大切です。しかし、能力や入社後やりたいことばかりをアピールしていては、採用担当者の好印象につながらない可能性があります。
志望動機で本来重要なのは「企業のために何ができるか」です。企業の成長のために、自身がどのように役立ち、何を成し遂げたいかを説明するとよいでしょう。
会社の知名度や安定性、成長企業であることが魅力的でも、それだけでは志望する根拠が乏しいと判断されます。他の企業にも当てはまる内容ではなく、希望する会社ならではの志望理由を説明しましょう。
入社したい企業を十分に分析し、ビジョンや商品・サービスの特徴を把握するのが大切です。
事実と異なる内容を志望動機に書くと、面接時に辻褄が合わなくなり、採用者の印象が悪くなる可能性があります。志望動機は、事実や実体験をもとに作成しましょう。
また、嘘を書くつもりがなくても、事実と相違が生じるケースに注意が必要です。例えば、広報経験者でも未経験の分野があるなら「広報全般を経験」と記載しないようにしましょう。広報職のなかでも、経験した内容を具体的に記載してください。
広報の志望動機を書く際は企業分析を十分に行い、内容の質を高めましょう。志望動機と自己PRに優れていることが、広報職へのアピールになります。今回紹介したポイントをしっかり押さえて、内定に向けて一歩前進しましょう。
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