就職活動において履歴書は最初の関門であり、企業に自分を売り込むための重要なツールです。しかし、意外と見落としがちなポイントも多く、せっかくのチャンスを逃してしまうこともあります。本記事では履歴書作成で注意すべきポイントと、提出前に必ず確認すべきチェックポイントをそれぞれ解説します。
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近年はパソコンで作成した履歴書が主流ですが、熱意や人柄を伝えたいという理由で、あえて手書きで履歴書を作成する人もいます。手書きの履歴書は丁寧に書くことで、真面目さや誠実さをアピールできるでしょう。しかし、誤字脱字や書き損じが目立つと、マイナス印象を与えてしまう可能性があります。そこで、手書きの履歴書を書く際の注意点をいくつか紹介します。
筆記用具は、黒の油性ボールペンまたは黒の万年筆を選びましょう。信頼性を損なわず、読みやすい履歴書を作成することができます。黒はフォーマルな印象を与え、油性ボールペンは滲みや裏移りが少ないため読みやすく、長期保存にも適しています。
消せるボールペンは改ざんが可能であるため、履歴書には使用しないのが常識です。信頼性を損なう可能性があります。また、青や緑などの色のボールペンや、筆ペンなど、奇抜な筆記用具は、フォーマルな場面にふさわしくありません。
履歴書は企業に提出する公式な書類であり、信頼性が求められます。筆記用具選びは、その信頼性を左右する基本的な要素の一つです。
修正液や修正テープで修正した履歴書は、見た目が悪く、不誠実な印象を与えてしまいます。また、書類としてNGとされる場合もあります。そのため、修正液や修正テープ、二重線と訂正印は避け、新しい履歴書に書き直すのがマナーです。
記入漏れや誤記入がないかも必ず確認しましょう。履歴書は、企業に自分を売り込むための重要な書類です。誤字脱字や記入漏れは、応募者の不注意や几帳面さを疑われ、採用担当者に悪印象を与えてしまう可能性があります。家族や友人など第三者に確認してもらうことで、自分では気づかなかったミスを発見することができます。
時間をかけて丁寧に書くことで誠意が伝わり、好印象を与えることができるでしょう。締め切りギリギリに書き始めると焦ってしまい、誤字脱字や記入漏れが多くなりがちです。一文字ずつ丁寧に確認しながら書くことで、誤字脱字を防ぐことができます。
また、相手が読みやすい字で書くよう心がけましょう。字があまりうまくなくても、丁寧に書くことが重要です。
履歴書は、常に最新の内容で、企業ごとに丁寧に作成することが大切です。日付が古い履歴書はやる気がない、準備不足と判断されてしまう場合があります。また、志望動機や自己PRが企業ごとに異なっていなければ、熱意が伝わらない可能性もあります。
企業ごとに時間をかけて作成した履歴書を提出することは、企業への敬意を表すことにもつながります。古い履歴書を使い回すことは、失礼な行為とみなされる可能性もあるでしょう。
また、返送された履歴書も使い回しNGです。たとえ不合格で返送された履歴書であっても、別の企業に提出することは避けましょう。時間をかけて準備することで熱意と誠意が伝わり、採用につながる可能性が高くなります。
履歴書は、パソコンで作成することで修正や編集が容易になり、時間短縮にもつながります。メリットとデメリットを理解し、注意点をしっかりと守ることも大切です。ここでは、履歴書の書き方の注意点について解説します。
履歴書は、読みやすさが重要です。フォントの種類や大きさをそろえることで、すっきりとした印象を与え、読みやすくすることができます。
フォントは、明朝体やゴシック体などの一般的なものを使用しましょう。また、文字サイズも小さすぎず大きすぎない適切な大きさに設定しましょう。一般的な文字サイズは、10.5pt〜11ptです。見出しや氏名といった強調したい部分のみ、少し大きめの文字サイズを使用しても良いでしょう。
文字間や行間も調整し、読みやすいレイアウトにします。太字や下線などの装飾は基本的には使用しないことをおすすめします。
使用するパソコンによっては、履歴書作成時に一部の漢字が文字化けする可能性があります。せっかく作成した履歴書が、企業側に誤って伝わってしまうと、好印象を与えられません。以下の漢字は、環境によっては文字化けする可能性があるため、使用を避けましょう。
旧字体(例:髙→高、﨑→崎)
機種依存文字(例:㈱→株式会社、㈲→有限会社)
特殊文字(例:✓、✔︎、★)など
これらの漢字を使用する場合は、常用漢字やJIS漢字に置き換えることをおすすめします。また、パソコン上で作成した履歴書は、必ず印刷して最終確認をしましょう。画面上では問題なくても、印刷時に文字化けが発生する可能性があります。
文字化けが発生した場合は、以下の方法で解決できる可能性があります。
・フォントを変更する
・文字コードを変更する
・別のパソコンで開く
これらの方法で解決できない場合は、履歴書の書き換えが必要になります。
誤字脱字がないように、提出前に必ず確認しましょう。一般的に、手書きよりもパソコンの方が誤字脱字が発生しやすいといわれています。これは、パソコンで入力するスピードが速く、確認が疎かになりやすいことが原因と考えられます。誤字脱字チェックのポイントは以下の通りです。
1.氏名や住所などの基本情報
氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの基本情報は、特に誤字脱字が発生しやすい箇所です。一字一句丁寧に確認しましょう。
2.学歴や職歴
学歴や職歴は、年月や学校名、会社名を正確に記載する必要があります。略称や旧字体の使用にも注意が必要です。
3.特技や資格
特技や資格は、正式名称で記載しましょう。誤字脱字があると、応募者の知識や能力を正しく評価してもらえない可能性があります。
4.読み仮名
氏名や住所などの読み仮名は、正確に記載する必要があります。誤字脱字があると、書類の処理がスムーズに進まなくなる可能性があります。
5.全体的なチェック
誤字脱字チェックは、一箇所だけではなく全体で行うようにしましょう。見落としを防ぐために、読み上げる、逆から読むなどの方法も有効です。
履歴書作成時には、数分おきに保存するようにしましょう。せっかく入力した内容が消えてしまうと、時間と労力が無駄になります。
多くのソフトには自動保存機能が搭載されており、この機能を有効にすることで、定期的に自動保存することができます。
作成時には、Wordなどの文書作成ソフトで下書きを作成しておくと、万が一保存がうまくいかなかった場合でも、入力内容を復元することができます。データ消失に備えて、文章作成ソフトを用いるのもおすすめです。保存場所もわかりやすい場所に設定しておきましょう。
複数企業に応募する際に、コピー&ペーストは便利な機能です。しかし、使い方を誤ると致命的なミスにつながる可能性があります。コピー&ペーストのミスを防ぐためには、以下の点に注意しましょう。
1.応募先企業情報の確認
企業名、職種、募集要項などをしっかりと確認し、コピー&ペーストを行うようにしましょう。うっかり別の企業の情報が残っていると、印象を大きく悪化させる原因となります。
2.固有名詞の修正
企業名、人名、学校名などの固有名詞は、必ず応募先企業に合わせて修正しましょう。
3.志望動機や自己PR
志望動機や自己PRは、企業ごとにオリジナルの内容を作成する必要があります。コピー&ペーストは避け、企業の特徴や求める人物像に合わせて内容を調整しましょう。
4.全体的なチェック
コピー&ペーストを行った後は、必ず全体的なチェックを行いましょう。誤字脱字や文法の間違いがないかの確認が重要です。
履歴書は、最初の印象を左右する重要な書類です。提出前に必ず全体的なチェックを行い、誤字脱字や文法の間違いがないようにしましょう。ここでは、提出前に確認しておきたいポイントを解説します。
写真は、鮮明で顔全体がはっきりと写っている必要があります。ぼやけていたり、暗すぎたり、明るすぎたりする写真は避けましょう。服装は、基本的にはスーツを着用します。
清潔感のある服装で、顔色が良く、表情が明るく見えるようにしましょう。履歴書には、写真のサイズや背景色などの指示が記載されています。指示に必ず従って撮影しましょう。
写真は正面から撮影し、顔全体が写るようにします。髪の毛は耳にかからないように整えます。笑顔の写真が望ましいですが、自然な表情であれば問題ありません。また、写真は3ヶ月以内に撮影したものが望ましいとされています。さらに、写真の解像度が低すぎると粗い仕上がりになり、悪印象を与えてしまう可能性があるので注意が必要です。
空欄や誤字脱字がないように、丁寧に作成しましょう。履歴書に空欄があると、不誠実な印象を与えてしまう可能性があります。全ての項目を丁寧に確認し、空欄がないようにしましょう。
特に、見落としがちな項目は以下の通りです。
・連絡先: 電話番号、メールアドレス
・学歴: 卒業年月、学校名、学部・学科
・職歴: 会社名、職種、期間
・免許・資格: 取得年月、資格名
・志望動機
・自己PR
書くことがない項目の場合は、「特になし」と記入しましょう。空欄のままにするよりも、誠実な印象を与えることができます。自分一人では気づかないミスを見つけるために、第三者にチェックしてもらうことも有効です。
文字の読みやすさや用紙の質など、細部までこだわることで好印象を与えることができます。読みやすく、見やすい履歴書を作成するために、以下の点に注意しましょう。
・文字の濃さ
文字が薄く読みづらい場合は、プリンターの設定を確認しましょう。濃い目に設定することで、見やすい印字になります。
・用紙
厚手の上質紙を使用することで、高級感が出るとともに、文字が透けるのを防ぐことができます。薄い用紙は、ペラペラして安っぽく見えてしまいます。
・用紙サイズ
A4サイズまたはB5サイズになるよう、2枚つづりまたは見開きで印刷しましょう。
・印刷場所
自宅のプリンターはもちろん、コンビニエンスストアでも印刷することができます。
履歴書の表記が統一されていないと、読みづらく不正確な印象を与えてしまう可能性があります。以下の点を確認しましょう。
・西暦と和暦
西暦と和暦のどちらか一方に統一します。職歴や学歴など、時系列で記載する項目は、時系列順に並べましょう。企業名や資格、免許名などは、正式名称で省略せずに記載します。
・数字
数字は、漢数字とアラビア数字のどちらか一方に統一します。金額や年齢など、数字で表現する項目は、統一した表記で記載しましょう。
・時系列
一般的に、学歴や職歴は時系列順に記入します。空白期間がある場合は、その理由を簡潔に説明しましょう
・その他
漢字とひらがなの使い方は、統一します。また、誤字脱字がないか、入念に確認しましょう。
正しい言葉遣いを使うことで、知性や教養を感じさせることができます。言葉遣いが間違っていると、不誠実な印象を与えてしまう可能性があります。
よくある間違いには、以下が挙げられます。
1.言葉遣いの誤り
・敬語の誤用
・丁寧語の誤用
・誤字脱字
・文法の間違い
2.間違えやすい言葉
・御社/貴社
御社と貴社はどちらも「相手の会社」を表す敬語ですが、使う場面によって使い分けられます。御社は、話し言葉で相手の会社を指すとき、貴社は書き言葉で相手の会社を指すときに使用します。
・合格/取得
合格と取得はどちらも「目標を達成した」という意味合いを持つ言葉ですが、文脈によって使い分けられます。合格は試験や選考に合格したとき、取得は資格や免許を正式に得たときなどに使用します。
辞書や検索エンジンを使って、正しい言葉遣いを調べましょう。
履歴書は、正確に、丁寧に記入し、適切な方法で提出することが大切です。ここでは、提出時の注意点についてご紹介します。
履歴書を手渡しする場合でも、封筒に入れて渡すのがマナーです。クリアファイルに入れてから封筒に入れると、汚れや破れを防ぐことができます。
・封筒
封筒は、履歴書のサイズに合った封筒を用意します。白色の角形A4号または角形2号の封筒が一般的です。このサイズは、A4やB5サイズの履歴書を収納するのに最適です。また、色は白がおすすめです。茶色でも問題はないですが、茶色は企業が事務用として使用していることも多いため、他の書類に紛れやすくなります。
・クリアファイル
クリアファイルは、透明のものを使用しましょう。履歴書が透けないような厚みのあるクリアファイルを使用することがおすすめです。
・持ち運び
履歴書は、カバンの取り出しやすい場所に入れておきます。面接の直前に取り出すのではなく、事前に準備しておきましょう。
・手渡し方
面接官に正面から向き合い、履歴書の入った封筒を両手で差し出します。履歴書の文字が相手に見えるように渡しましょう。渡す際には、一言挨拶をします。
履歴書を郵送する場合、郵便局の窓口から普通郵便で送るのがおすすめです。また、窓口から郵送することで、料金不足時の返送や、ポストの集荷時にトラブルがあった場合のリスクを無くせます。
提出期限まで時間がないとき、速達を利用することも一つの方法です。ただし、速達を利用すると、期限ギリギリに作成した印象を与えてしまう可能性があります。提出期限に余裕があるならば、普通郵便で十分でしょう。追跡サービスがなくても、ほとんどの場合は問題なく届きます。余裕を持ったスケジュールで送付することが大切です。
履歴書を入れる封筒の書き方は、手渡しと郵送で異なります。
1.手渡しの場合
・表面
宛先を記入する必要はありません。左下に赤字で「履歴書在中」と書き、四角で囲みます。枠線はフリーハンドではなく、定規を使って書きましょう。
・裏面
自分の住所と氏名、日付を封筒の左側に記入します。
2.郵送の場合
・表面
宛先の会社名、部署名、担当者名、郵便番号、住所を記入します。会社名や部署名は省略せずに、正式名称で記入しましょう。個人宛てに送る場合は「◯◯様」とします。住所は都道府県名から番地まで全て記入しましょう。左下に赤字で「履歴書在中」と書き、四角で囲みます。
・裏面
自分の住所と氏名を記入します。
履歴書は、採用担当者に自身をアピールするための重要な書類です。上記の注意点を参考に、誤字脱字や記入漏れなどがないように丁寧に作成しましょう。
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