歯科衛生士としての第一歩を踏み出す際、履歴書は自分の人柄や強みを伝えるための重要なアイテムのひとつです。
とはいえ、「履歴書の書き方を忘れてしまった」「志望動機や自己PRの書き方がわからない」とった不安がある人もいるでしょう。
この記事では、履歴書の基本情報の書き方から、志望動機を作成するときのポイントや自己PRを効果的に伝えるコツまで詳しく解説します。
内定を目指すみなさんに向けて、実例を交えながら分かりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ここからは、歯科衛生士の履歴書が重要な理由と採用担当者が見るポイントを詳しく解説します。
履歴書は、採用担当者が応募者の資格や経験、スキルを確認し、職場に適した人材かどうかを判断するために重要です。
歯科医院の採用担当者が応募者を選ぶ際に重視するのは、その人が自院で活躍できるかという点です。予防歯科や小児歯科、審美歯科など複数の診療科を持つ歯科業界では、それぞれの診療内容に対してどのように貢献できるかを明確に示すことが重要です。
採用担当者は志望動機や自己PRだけでなく、形式の整った書き方や正しい敬称の使い方など、履歴書の基本的なマナーを反映できているかも見ています。
また、長く働く意欲があり他のスタッフ・歯科医師とスムーズに連携できるか、といった点や職場での貢献意識も重視しているでしょう。
中途採用の場合は、歯科衛生士としての経験やスキルから、患者対応や診療補助に必要な専門知識・実務能力を確認しています。これまで経験してきたことを今後どのように活かすかという点が具体的に書かれているかをチェックしましょう。
履歴書を書く際は、適切に記入することが重要です。ここでは、歯科衛生士の履歴書の基本的な書き方について、項目ごとに詳しく解説します。
日付欄には提出日を記入しましょう。郵送の場合は投函日、面接時に手渡しする場合は面接日を記入します。
なお、日付は履歴書全体で和暦または西暦のどちらかに統一する必要があります。職務経歴書など、他の書類の日付とも表記が揃っているか確認してください。
証明写真は、基本的に3か月以内に撮影した清潔感のある写真を使用します。証明写真の背景色は白、または水色にするのが適切です。
サイズは縦4cm×横3cmが基本で、裏面には氏名を記入しておきましょう。写真を貼る際は、テープのりでしっかりと固定してください。
出典:厚生労働省「履歴書・ 職務経歴書セミナー」P8
氏名欄には、採用担当者が見やすいよう大きな字で氏名を書き、苗字と名前の間にはスペースを空けます。
ふりがなは履歴書に平仮名で「ふりがな」と書いてあれば平仮名で、カタカナで「フリガナ」と書いてあればカタカナで記載してください。
生年月日の表記は、和暦または西暦で統一します。
年齢は、提出日時点での年齢を「満◯歳」と記入します。書き間違いがないよう、履歴書の提出日を事前に確認しましょう。
現住所には、基本的に住民票に記載してある住所を都道府県名からマンション名まで省略せずに記入します。ただし、住んでいる住所と住民票の住所が異なる場合は、現在住んでいる住所で問題ありません。
なお、住所のふりがなは市区町村までを記入します。
連絡先は携帯電話、固定電話どちらか一方でも問題ありませんが、すぐに連絡のつく番号を記載することが重要です。
学歴を記入する際は、はじめに1行目の中央に「学歴」と記入し、2行目以降に高等学校以降の入学年月・卒業年月を記入します。
学校名は正式名称で記入し、学部や学科名も省略せずに書いてください。在学中の場合は「〇〇歯科専門学校 卒業」ではなく、「〇〇歯科専門学校 卒業見込み」と記載します。
職歴がある場合は、学歴の最後の行から1行空け、その次の行の中央に「職歴」と記載し、学歴と同様に入職年月と歯科医院名を省略せずに記入してください。
職歴を書き終えたら、最後の職歴の下に「以上」と明記します。
履歴書の作成時に職歴を忘れてしまった時の対処法は?
免許・資格欄には、歯科衛生士免許や運転免許などを資格取得日が古い順に記入します。まだ取得してる資格がない場合は「〇〇年3月 歯科衛生士免許取得見込み」と記載しましょう。
なお、取得している免許や資格の数が多く、記入欄に収まらない場合は重要なもののみ記入し、ほかは職務経歴書で補足するのも一つの手段です。
勉強中の資格は履歴書に書くべき?資格を書く時のポイントと注意点を解説
志望動機・自己PRは自身の経験をふまえた強み・長所や応募先の歯科医院で学びたいこと・魅力的に感じたこと・貢献できることにもとづいた内容を記載しましょう。
経験者の場合は、これまでの歯科衛生士としての経験をもとに、転職を決めた理由などについて説明します。
また、ブランクを経て復職する場合は、今後は長く働ける予定であることや、知識・技術を取り戻すために努力していることなどを盛り込みましょう。
本人希望欄は、特に希望がない場合は「貴院の規定に従います」と簡潔に記入しましょう。
入職可能日や勤務できる時間帯など、譲れない条件があれば記載して問題ありませんが、条件にこだわりすぎると印象が悪くなる可能性があります。
給与や待遇に関する内容は、面接のときに直接確認するのがおすすめです。
履歴書の本人希望欄は「休み希望」を書いてもいい?書く場合のポイントと例文を紹介
志望動機の作成時には、いくつかのポイントがあります。ここでは、例文を交えながら志望動機の書き方を詳しく解説します。
志望動機を書く際は、応募先の魅力について具体的に書くことが重要です。理念や特徴的な取り組みに触れつつ、魅力に惹かれた理由を記載しましょう。
また、自分の過去の経験と結びつけて志望動機を深めていくことで、より説得力のある志望動機を作成できます。これまでの経験を振り返って、応募先のどのような点に共感を覚えたのか具体的なエピソードを交えて説明しましょう。
加えて、入職した後の将来像にも言及することが大切です。今後、自分がどのように組織に貢献できるのか、また、どのような目標を持って仕事に取り組みたいと考えているのかを示しましょう。
歯科衛生士としての就業経験がない新卒者は、歯科衛生士を目指したきっかけや入社後の目標を中心に作成するのがおすすめです。
予防歯科に力を入れており、患者様の健康な歯を守るケアを大切にされている貴院に大きな魅力を感じ、志望いたしました。
私が歯科衛生士を目指すきっかけは、高校生のときの矯正治療の経験です。不安だった私に、担当の歯科衛生士さんが温かくサポートしてくれたおかげで、前向きに治療に向き合えました。
この経験から歯科衛生士を目指すこととなり、専門学校では基礎知識の学習に励むとともに、臨床実習を通して患者様とのコミュニケーションの大切さを学びました。
貴院では、患者様一人一人に寄り添いながら予防歯科の知識と技術を深め、口腔衛生の向上に貢献していきたいと考えています。
経験者の場合は、歯科衛生士として働いた経験を強調して作成しましょう。
貴院を志望した理由は、医療チームの一員として多職種のスタッフと協力しながら患者様を支える姿勢を大切にしているとお聞きしたからです。
総合病院での勤務を通じて、医療の質の向上にはさまざまな専門職の方々との協力が欠かせないと強く感じました。そのため、日々の業務で積極的に他職種との定期ミーティングを行い、情報共有をスムーズにする取り組みを行ってきました。
この行動が、職場内での効率的な連携と患者様との信頼関係構築に繋がり、実際に患者様からも信頼されるようになったと実感しています。今後も、この経験で培ったコミュニケーション能力を活かして、貴院で地域の皆様の健康づくりに貢献していきたいと考えています。
ブランクを経て復職する場合、今後は長期的に働ける予定であることと、知識・技術を取り戻すために努力していることなどを盛り込んで作成してみてください。
総合病院の口腔外科に6年間勤務した後、出産と育児のため一度退職しましたが、子どもの通園が決まり、この度復職を決意いたしました。
前職では精神疾患を抱える患者様への対応を経験し、歯列や噛み合わせの問題が患者様の自信や生活の質に大きな影響を与えることを実感しました。
その経験から、カウンセリングを重視する診療スタイルの貴院で働きたいと応募いたしました。新しい環境にも早くなじみ、研修などにも積極的に参加しながら技能を高めて、貴院に長期的に貢献していきたいと考えています。
自己PRを書く際には、意識すべきがいくつかあります。ここでは、例文を交えながら自己PRの書き方を詳しく解説します。
印象に残る自己PRの書き方とは?強み別・職種別の例文も紹介
自己PRを書く際は、まず自分自身をしっかりと分析することからはじめてみましょう。これまでの経験を振り返り、自分の強みや得意分野を見つめ直すことで、説得力のある自己PRを作成できます。
また、自己PRには、業務に直結する強みやスキルを中心に記載することが重要です。応募先の仕事内容と関連する具体的なエピソードを交えながら、どのように活かせるのかを強調しましょう。
なお、自分の短所や弱みも、前向きな表現に言い換えることでポジティブな印象を与えられます。例えば、苦手な部分を克服した方法や、短所を補うために行った工夫を説明することで、向上心の高さを評価してもらえる可能性があるでしょう。
自己PRでは、これまでの経験で培った強みやスキルを活かして職場に貢献する意欲を具体的に伝えることが大切です。
以下の例を参考に、自分の強みや得意分野にあった自己PRを作成してみてください。
私は、どんなに小さな作業でも責任感を持って最後までやり遂げる力が強みです。
クリニックでの実習中、器具の管理や消毒など細かい業務も正確に行うことを心がけた結果、スタッフの方々から信頼を得ることができました。その信頼を受けて、徐々に重要な業務を任され、患者様への対応やサポートにも自信を持って取り組めるようになりました。
貴院でも、この責任感を活かして患者様の健康管理に確実なサポートを提供し、患者様から信頼される歯科衛生士として貢献していきたいと考えております。
また、「仕事が遅い」という一見ネガティブに思えることでも、以下のように前向きな表現に変えてアピールすることで、より魅力的な印象を与えられます。
私は、歯科衛生士として丁寧さを大切にしており、集中力を持って一つ一つの業務に取り組めることが強みです。
前職では、患者様一人一人の健康状態や口腔環境に合わせて細やかな対応をすることで、「安心できる」とのお声をいただいたこともあります。
この丁寧さは、患者様との信頼関係を築くうえで不可欠だと感じております。今後も強みを活かして、患者様が安心して治療に臨める環境作りに貢献していきたいと考えています。
履歴書の作成方法は手書き・パソコン・スマホの主に3種類があり、応募先から指定がなければ、どの方法を選んでも問題ありません。ここからは、3種類の作成方法についてそれぞれ解説します。
手書きで履歴書を作成する場合は、黒のボールペンまたは万年筆を使用しましょう。もし記入ミスがあっても修正液は使わず、新しい履歴書に書き直してください。
手書きの履歴書は、細かな配慮や丁寧さをアピールできる傾向があります。誤字脱字がないよう、書き終えたらしっかり見直しを行いましょう。
パソコンでの履歴書作成は、電子カルテを導入している歯科医院であれば、パソコンのスキルがあることをアピールできるでしょう。
履歴書に使用するフォントは明朝体、文字サイズは10.5〜11ptに設定するのが一般的です。
なお、志望動機欄などは使いまわさずに、応募先ごとに内容をカスタマイズすることが重要です。
手書きが苦手な人やパソコンを持っていない人には、スマホのアプリや専用ツールで履歴書を作成する方法もあります。
スマホでの作成は、手軽に履歴書を作成・編集できるので、時間が限られている場合にも便利です。ただし、作成後は、履歴書を印刷したりパソコン画面で見たりして、見やすさをチェックしてください。
なお、ワンポチでは、パソコンやスマホで必要事項を入力するだけで、これまで手書きで書いていた履歴書や職務経歴書などを簡単に作成できます。
作成した履歴書はPDFへ出力したりメールで送ったりすることもできるので、気になる人はぜひ活用してみてください。
簡単操作で使える!ワンポチの履歴書・職務経歴書作成はこちらから
ここからは、履歴書を提出する際の注意点を解説します。履歴書の作成が完了したらからといって気を抜かず、提出するところまでしっかりと確認しておくことが大切です。
メールで履歴書を提出する場合、添付する履歴書のファイルはPDF形式に変換しましょう。WordやExcel形式で送付すると、内容改変のリスクがあるので注意が必要です。
なお、採用担当者に要件がすぐ伝わるよう「履歴書送付に関して/〇〇 〇〇(氏名)」などの一目でわかる件名にすることが重要です。
また、添付漏れしていないかやファイル名が適切かどうか、変換ミスや誤字脱字がないかどうかを送信前に必ず確認しましょう。
スマホで履歴書をメール送信する方法!注意点やPDF化の方法も解説
履歴書を郵送する際は、書類が折れないようクリアファイルに入れ、A4サイズの封筒を使用しましょう。
書類は添え状を一番上にして履歴書・職務経歴書・その他書類の順で封筒に入れます。
封筒の表面には、送付先の住所・法人名・部署名に加えて、担当者名がわかる場合は記載します。封筒の左下には、赤いボールペンで「履歴書在中」と書きましょう。
なお、添え状には以下の内容を記載します。
日付
宛名
タイトル
頭語と結語
同封書類の内容
署名
持参する際は、クリアファイルに入れた履歴書を封筒に入れて持参します。
封筒に宛名や送り先住所を記載する必要はありませんが、封筒左下に「履歴書在中」と赤字で書き、裏面には差出人を書きましょう。
担当者に提出する際は、封筒から出して直接渡します。封筒や書類に汚れやシワなどがついていないか、訪問前に必ず確認しましょう。
履歴書は、ポイントを押さえたうえで丁寧に記入することで、採用担当者に好印象を与えられます。この記事を参考に、自分の強みを最大限にアピールできる履歴書を作成して、歯科衛生士としての新たな一歩を踏み出しましょう。
履歴書作成ツールの「ワンポチ」を使えば、PCやスマホから簡単に履歴書や職務経歴書を作成できます。新卒向け・転職向けなどのシーンに応じたフォーマットが揃っており、入力内容を保存して後から編集することも可能です。ワンポチを活用して、手軽に効率的に履歴書の作成を進めてみましょう。
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