履歴書は応募者の第一印象に大きく影響を与えるため、正確な記載方法で作成することが重要です。しかし、介護職として就職活動を行う際、履歴書の書き方がわからない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、介護職の履歴書の書き方について、記入例を交えながら解説します。志望動機・自己PRで採用担当者に好印象を与えるポイントも紹介しています。
履歴書を書くのがはじめての方はもちろん、経験やスキルを効果的にアピールしたい方も、ぜひ履歴書を作成するときの参考にしてみてください。
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履歴書を作成する前に、まずは基本的なルールやポイントをしっかりと理解しておくと安心です。ここでは、履歴書を書く際に押さえておきたい基本的なポイントを詳しく解説します。
履歴書を作成する際は、手書き・パソコンどちらの作成方法でも問題ありませんが、応募先から指定がある場合は、指示に従って作成しましょう。
手書きで作成する場合、黒のボールペンまたは万年筆を使用します。パソコンで作成する場合は、フォントのサイズを10.5〜11ptにするのが一般的です。
履歴書は作成したものを使い回さず、応募先ごとに内容をカスタマイズしましょう。特に志望動機・自己PRは応募先に合わせた内容にすることが大切です。
学歴や職歴は同じ内容でも問題ありませんが、志望動機・自己PRは応募先の特徴や理念に沿った内容で記載し、応募先が求める人材像に合わせた内容にしましょう。
履歴書の記入項目はすべて記入し、空欄をなくすことで誠実さをアピールできます。空欄があると、書き漏れがあると判断される可能性があるので注意が必要です。
特に資格や特技がない場合でも、「特になし」や「現在学習中」などと記入することが重要です。
履歴書の基本情報を書く際は、それぞれの項目ごとに気をつけるべきポイントが存在します。各項目ごとの具体的な記入方法と留意点について、しっかりと理解しましょう。
日付欄には提出日を記入します。郵送する場合はポストに投函した日、メールの場合はメールを送信した日を記入してください。履歴書を作成した日ではない点に注意しましょう。
日付は和暦・西暦のどちらを記入しても問題ありませんが、履歴書全体でどちらか一方の表記に統一する必要があります。
氏名欄には、苗字と名前の間にスペースを入れてバランス良く記入します。
ふりがなは、履歴書に「ふりがな」と記載されていればひらがなで、「フリガナ」と記載されていればカタカナで記入しましょう。
手書きの場合は、読みにくい字にならないよう丁寧に書くことが重要です。
証明写真の規定サイズは縦4cm×横3cmです。
写真の背景はシンプルな無地が好ましいとされています。また、服装はビジネスカジュアルな服装かスーツを着用し、明るい表情を心がけましょう。
なお、証明写真は3か月以内のものを使用するのが一般的です。
出典:厚生労働省「履歴書・ 職務経歴書セミナー」P8
学歴欄には、最終学歴を古い順に記入し、学校名・学部・学科名は正式名称で記入します。
新卒者は中学校以降を記入するのが一般的ですが、転職回数が多く職歴欄の情報が多くなる人は、高等学校から記入しても問題ありません。
なお、途中で転校した場合や学位の取得見込みがある場合も学歴欄にその旨を記入しましょう。
職歴欄も学歴と同様に時系列順に古いものから順に記入します。
在籍期間が短い職歴も記入するのが一般的ですが、1か月未満など極端に短い職歴は記入する必要はありません。ただし、合計で3カ月以上職歴に空白が出る場合は記入しましょう。
なお、介護関連のアルバイトの経験があれば、職歴に記入しておくと採用担当者から好印象を抱かれる可能性があるでしょう。
履歴書の作成時に職歴を忘れてしまった時の対処法は?
免許・資格欄には、保有資格を正式名称で記入しましょう。取得見込みの場合は、取得予定日を記入します。
また、実務に関連する資格がない場合、免許・資格欄に「特になし」と記入してください。免許・資格がなくても「志望動機」や「自己PR」で仕事に対する姿勢やスキルをアピールして補完することが重要です。
本人希望欄には、勤務時間や入職時期などの希望があれば簡潔に記入します。特に希望がなければ「貴施設の規定に従います」と記入しましょう。
なお、給与や待遇についての記入は避け、希望があれば面接のときに伝えるのがおすすめです。
ここからは、介護職向けの志望動機の書き方について深掘りします。志望動機に含めるべき要素や具体的な志望動機の例を参考に、自分にあった志望動機を作成しましょう。
ここからは志望動機に含めるべき要素について解説します。
なお、志望動機を書く際は、結論→経験→入職後のビジョンの順番で構成を考えるのが基本です。また、志望動機は200~300文字程度の文量を目安にしてください。
介護職の志望動機の例文6パターン|採用に近づく書き方のヒント
志望動機には施設の理念や特徴などに共感した理由を交えることが重要です。このときに応募先の理念や特徴が自分の価値観とあっている点を強調しましょう。
また、その施設で働きたい理由は「理念に共感したから」「自分に合うと感じたから」といった抽象的なものではなく、「なぜほかの施設ではダメなのか」といった具体的な内容にすることがポイントです。
介護を志すきっかけや体験談を織り交ぜて、介護職に惹かれた理由を示すことも志望動機を作成するうえで重要です。
例えば利用者への共感やサポート意欲があることを理由にするとよいでしょう。また、介護職への価値観や重視する点についても明確すると、採用担当者が応募者と施設のマッチ度を計りやすくなるでしょう。
志望動機では、過去の職歴や経験を通じて、どのように施設に貢献できるかを示しましょう。
特に転職者は、「認知症ケアを行っていた」「新人介護職員の指導・育成を担当していた」といった特定のスキルや経験、強みをアピールしたうえで、施設のニーズに合わせた自分の役割を具体的に記入しましょう。
新卒者用の例文では「志望する動機と新たな挑戦への意欲」を示すことが重要です。例文は以下の通りです。
貴施設の介護職を志望する理由は、利用者の生活を支えるという社会的使命に強く共感したためです。
学生時代にボランティア活動で高齢者と接する機会が多く、心身のサポートにやりがいを感じました。
貴施設では、利用者一人ひとりに寄り添った介護が実現できると確信しています。入職後は、新たな技術を学び、利用者に安心感を与える介護士として成長したいと考えています。
経験者用の例文では「スキル活用とさらなる成長意欲」を強調しましょう。例文は以下の通りです。
私はこれまで介護職で培ってきたスキルを活かし、さらに成長したいと思い、貴施設を志望しました。
前職では、認知症ケアに注力し、利用者との信頼関係を築くことに成功しました。
貴施設の先進的な介護技術や研修制度に魅力を感じており、入職後はその知識を深めるとともに、チームワークを大切にしながら貢献していきたいと考えています。
ブランクがある場合の例文では「復職の熱意と経験の活かし方」を記載しましょう。例文は以下の通りです。
過去の経験を活かし、再び利用者の生活を支える仕事に従事したいという強い思いから貴施設を志望しました。
私は一度育児のために介護職から離れていましたが、以前は3年間、介護職として高齢者の方々の生活支援を行っており、その経験は今でも私のなかで大切に残っています。
ブランクの間も福祉に関する勉強を続け、復職に向けた準備を進めてきました。入職後は、過去の経験と新たな知識を組み合わせ、利用者の方々に安心していただけるケアを提供したいと考えています。
ここからは、自己PRに含めるべき要素や具体的な介護職向けの自己PRの例を解説します。採用担当者に好感を持たれる自己PRの書き方をマスターしましょう。
印象に残る自己PRの書き方とは?強み別・職種別の例文も紹介
ここでは、自己PRに含めるべき要素を解説します。
なお、自己PRを作成するときの構成は「結論(強みの主張)→根拠(強みを証明するエピソード)→結論(入職後に貢献できること)」が一般的です
転職者は、介護現場での基本的なスキルや研修経験に加え、コミュニケーション能力や観察力など実務で役立つスキルを強調しましょう。ほかにも、特定分野での具体的な経験や介護技術の習得意欲を示すことがポイントです。
自己PRでは、忍耐力や共感力など、介護職に役立つ強みをアピールしましょう。また、チームワークや柔軟性といった対人関係の強みを具体的なエピソードで示すと、職場での協調性がより説得力を持って伝わります。
特に、新卒者はコミュニケーション能力や観察力など、実務に役立つ強みを押し出したうえで、長期的に介護職に貢献したい意欲を示すことが大切です。
自己PRでは、強みを示すだけでなく、強みが発揮された過去のエピソードや具体例を交えて作成する必要があります。
過去の経験のなかで実際に役立った状況や成果を紹介し、信頼感を高めましょう。また、課題に対応した経験と、その解決方法を明確に記載することが重要です。
新卒者用の例文では「未経験でも学習意欲があること」を強調することがポイントです。例文は以下の通りです。
私の強みは積極的に学ぶ姿勢があり、成長意欲があることです。
大学時代、福祉ボランティアに参加し、初めての環境でも積極的に利用者とコミュニケーションを取りました。
貴施設では、新しい知識を吸収しながら利用者に寄り添い、安心感を提供できる介護職員として貢献できると確信しています。
経験者用の例文では「前職で得たスキルや経験」を示しましょう。例文は以下の通りです。
私の強みは、柔軟な対応力と高いコミュニケーション力です。
前職では、利用者の状態や要望に合わせた個別ケアを行い、信頼関係を築くことができました。多様な利用者との対話を通じて、円滑なケアを提供してきました。
貴施設でもこの強みを活かし、利用者一人ひとりに合った最適なサポートを提供していきます。
ブランクがある場合の例文では「現状を具体的に伝え、前向きな姿勢」を示すとよいでしょう。例文は以下の通りです。
私の強みは、ブランク期間中にも福祉に対する熱意を持ち続け、知識の更新を怠らなかった点です。
家庭の事情で一時的に介護職を離れましたが、その間に資格取得やセミナー参加を通じてスキルを磨いてきました。
復職後は、この経験を活かし、貴施設で質の高いケアを提供できるよう尽力いたします。
介護職の履歴書を作成するうえで、履歴書の様式の指定の有無や履歴書用紙のサイズの決め方に疑問がある人もいるでしょう。ここでは、介護職の履歴書作成でよくある質問についてQ&A方式で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
応募先から指定がない限り、様式や書式は自由です。履歴書選びに迷う場合は、厚生労働省が推奨する履歴書を使用するのがおすすめです。
なお、新卒者・職歴の少ない人は「学歴・職歴」欄が狭く、「趣味・特技」「自己PR」などの欄が広いものがぴったりです。また学校指定の履歴書を使用する選択肢もあります。
中途採用者・転職回数の多い人は「学歴・職歴」欄が広く、場合によっては「退職理由」欄のあるタイプがおすすめです。
パート・アルバイトの人は、全体的に記入欄が少ないものでも問題ありませんが、「希望勤務日・時間帯」欄があるものだと出勤希望を伝えやすいでしょう。
履歴書用紙のサイズは、主にA4とB5の2種類がありますが、応募先から特に指定がなければ、どちらを使っても問題ありません。
A4サイズのものは、書類の記入欄が大きくて書きやすいうえ見やすいことがメリットです。情報量も多く記載できるうえ、一般的な業務書類のサイズと統一でき、企業側も管理しやすいので、基本的にはA4がおすすめです。
B5サイズのものは、記入できる情報が少ない場合や応募先から指定があった場合に使用するとよいでしょう。
履歴書は自宅にプリンターがなければ、コンビニやスーパーなどで印刷できます。
印刷方法は、メディアプリントの場合、USBやSDカード、CD-ROMにデータを保存し、コンビニのマルチコピー機で印刷します。
ネットワークプリントの場合、スマホからアプリにデータを登録し、予約番号を入れるだけで簡単に印刷可能です。
印刷する際は、半分に折った状態がA4/B5になるようにA3/B4で印刷するのが一般的です。印刷データが片面ずつの場合は、コンビニの機能で2枚を1枚にまとめて見開きに設定するのがポイントです。
基本的に郵送・メール・面接時の持参の3つがあり、応募先企業の指示に従って提出しましょう。
郵送の場合、送付状(添え状)を同封するのが一般的で、 A4履歴書には角形2号封筒(A4対応)、B5には角形3号封筒(B5対応)を使用します。履歴書は折らずに、クリアファイルに入れてから封筒に入れ、履歴書と一緒に送付状を同封しましょう。
メールで送る際は、ファイル名などを企業側が確認しやすいように工夫します。ファイル形式はPDF形式が一般的で、ファイル名は企業が分かりやすいよう「履歴書_氏名_日付」といった形式にしてください。
スマホで履歴書をメール送信する方法!注意点やPDF化の方法も解説
面接や説明会などで履歴書を手渡しする場合、添え状は必要ありません。手渡しする際は、受付担当者または面接官がその場で履歴書を確認することが多いので、添え状に加えて書類を入れる封筒の宛名の記載も不要です。
今回の記事では、履歴書の基本的な書き方や志望動機・自己PRの例文について詳しく解説しました。
履歴書は、手書き・パソコンいずれの方法でも、応募先ごとにカスタマイズし、空欄を作らないように正確に記入することが重要です。また、志望動機や自己PRは応募先の特徴に合わせて調整し、採用担当者に好印象を与えられる内容にしましょう。
履歴書を作成する際は、「ワンポチ」を活用すると、スマホやパソコンで履歴書が手軽かつ無料で作成できます。
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