保育士の履歴書の書き方とコツ|志望動機や自己PRの例文付き

保育士の履歴書の書き方とコツ

保育士として就職・転職を目指すとき、最初の関門となるのが履歴書です。応募者の印象を大きく左右するこの大切な書類は、正しい記載方法で作成することが何より重要です。

この記事では、保育士ならではの効果的な履歴書の書き方について、実例を交えながら解説します。

初めて履歴書を書く方はもちろん、自身の経験やスキルを上手にアピールしたい方にも役立つ情報をお届けします。ぜひ、これから履歴書を作成される際の参考にしてください。

履歴書の項目ごとの書き方はこちら

履歴書を書く前に知っておきたい基本ルールと事前準備

履歴書の基本ルールと事前準備

履歴書作成を始める前に、基本的なルールと必要な準備について把握しておくと安心です。

ここでは、履歴書を書く前に知っておきたい基礎知識を解説します。

基本ルール

履歴書の作成で押さえておくべきポイントは、履歴書の種類・書き方・入手方法の3つです。

まず、履歴書の種類は応募先の指定に合わせて選びましょう。特に指定がなければ、厚生労働省推奨のフォーマットを使うのがおすすめです。

記入方法は手書きでもパソコンでも問題ありませんが、応募先からの指示があればそれに従います。

履歴書用紙は、近くのコンビニや文具店で購入できますし、パソコンで作成する場合は、ネット上のテンプレートも便利です。

事前に準備するもの

履歴書作成には、履歴書用紙・黒のペン・証明写真の3つが必要不可欠です。

用紙は応募先に適したものを選び、転職回数が多い方は記入欄が広いタイプおすすめです。

ペンは黒の油性ペンか万年筆を使用し、書き間違えた時は修正ではなく、新しい用紙で書き直しましょう。

写真は3ヶ月以内のものを用意し、裏面に名前を書いてからテープのりでしっかりと貼付けてください。

履歴書の各項目の書き方とポイント

履歴書の書き方とポイント

履歴書の各項目には、それぞれ注意すべきポイントがあります。ここからは、各項目ごとの具体的な書き方と注意点について、詳しく解説していきます。

①提出年月日

提出年月日は、郵送の場合はポストに投函する日付を記入し、持参の場合は面接当日の日付を記入します。

年号は西暦でも和暦でもかまいませんが、どちらかに統一して記入しましょう。

②写真の選び方と貼り方

証明写真のサイズは、縦4cm・横3cmが一般的です。撮影から3ヶ月以内の写真を使用し、枠にぴったりと収まるように貼りましょう。

水のりはふやけやすいため、テープのりを使用するのがおすすめです。

出典:厚生労働省「履歴書・ 職務経歴書セミナー」P8

③学歴と職歴

学歴は、1行目の中央に「学歴」と記入し、一般的には高校の入学年月から卒業年月までを時系列で書きます。学校名や学部名は省略せず、正式名称で記入しましょう。

職歴は学歴の下に1行空けて、中央に「職歴」と記入します。職歴は入職年月・退職年月を時系列で書き、在職中の場合は「現在に至る」と記入し、最後に「以上」と記入して締めます。


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④資格と免許

資格・免許欄には、業務に関連する資格を取得日の古い順に記入します。

資格名は正式名称を記入し、取得済みの場合は末尾に「取得」と記入します。取得予定の場合は「取得見込み」と記入し、取得予定年月も忘れずに記入しましょう。

⑤志望動機

志望動機は、応募先の保育園の理念や方針を調べ、それに共感した理由を具体的に記入することが大切です。

記入した内容は、面接の際に詳しく質問されることが多いため、事前に回答を準備しておくと良いでしょう。

採用担当者が納得できる前向きな志望動機を書くことがポイントです。

⑥自己PR

自己PRでは、採用担当者が「会ってみたい」と感じる内容を意識して記入しましょう。自分の強みをしっかりと分析し、その強みをどのように発揮できるかを具体的にアピールします。

特に、強みを証明する具体的なエピソードを交えると、ほかの応募者との差別化が図れます。採用担当者の印象に残る自己PRを作成することがポイントです。

⑦趣味・特技や本人希望欄

趣味・特技欄は、採用担当者が応募者の人柄や仕事への適性を判断するための項目です。

仕事に関連するエピソードがあれば積極的に記入しましょう。

本人希望欄は、希望が特にない場合「貴園の規定に従います」と書くのが一般的です。ただし、勤務時間や職種に関する具体的な要望があれば記載しても問題ありません。

なお、給料や待遇の希望は書かず、面接時に直接確認しましょう。

【パターン別】志望動機の例

パターン別の志望動機の例文

志望動機を作成するときは、「志望した理由」「理由につながる経験やエピソード」「入社後のビジョン」の順番で具体的に記載します。

ここでは、志望動機の例をパターン別に紹介します。それぞれの例を参考にして、自分に適した志望動機を作成しましょう。

保育士の志望動機はどう考えれば良い?作成時のポイントや注意点・NG例などを例文を交えて解説

保育園の理念や方針に共感する志望動機

保育園の理念や方針に共感する志望動機の例は、以下の通りです。

貴園の「子どもの自主性を尊重する保育方針」に強く共感し、私もそのような環境で子どもたちの成長を支えたいと考え、貴園を応募いたしました。

大学での保育学の学びを通じて、子ども一人ひとりの個性を大切にする保育が重要だと感じております。

入社後は、子どもの自主性をさらに引き出す保育を実践し、将来的には保育プログラムの改善にも貢献できるよう努めたいです。

このようなかたちで書く際は、応募先の理念や方針をしっかりと調べ、理念や方針に対して共感した具体的な理由を述べることが重要です。保育園が求める人物像に合うことをアピールしましょう。

保育に対する前向きな姿勢を示す志望動機

保育に対する前向きな姿勢を示す志望動機の例は、以下の通りです。

私は貴園の「子どもの自主性を大切にする保育方針」という理念のもとで、自身も保育者として成長したいと考え、貴園を第一志望として応募しました。

大学での保育実習では、子どもたちの「やってみたい」という気持ちを大切にした関わりを心がけ、一人ひとりの興味や関心に寄り添う経験を重ねてきました。

この経験を活かし、入社後は子どもたちの自主性を引き出す保育を実践しながら、子どもたちの健やかな成長を支える保育者になりたいと考えています。

このパターンでは、自身の大学での経験をどのように活かせるかを明確に示し、前向きな姿勢をアピールすることが大切です。

将来のキャリアビジョンを踏まえた志望動機

将来のキャリアビジョンを踏まえた志望動機の例は、以下の通りです。

貴園の「個々の発達段階に合わせた保育方針」に強く共感し、専門性の高い環境で自身のスキルを伸ばしたいと考え、志望いたしました。

大学では、発達に課題のある子どもと関わる機会があり、一人ひとりの成長ペースに合わせた支援の重要性を学びました。

入社後は、子どもの発達支援に特化した保育士として、専門性を高めていきたいと考えています。

このパターンでは、将来のキャリアビジョンと応募先の保育方針を関連づけて説明することが大切です。園の特徴を理解し、自分が目指すキャリアと合致している点を具体的に示しましょう。

過去の経験やスキルを活かした志望動機

過去の経験やスキルを活かした志望動機の例は、以下の通りです。

貴園の「個性を尊重する保育方針」に強く共感し、これまでの保育経験を活かすことができる環境だと考え、貴園を志望いたしました。

現在の園では、0~2歳児クラスの担任として3年間勤務し、一人ひとりの発達過程や性格を丁寧に観察しながら、個別の保育計画を立案・実践してきました。

入社後は、子ども一人ひとりの「やってみたい」という意欲を大切にした保育を行い、子どもが主体的に活動できる環境づくりに貢献したいです。

このパターンでは、自分の過去の経験・スキルが園にどのように役立つかを明確に伝え、説得力を高めることが重要です。

【強み別】自己PRの例文

強み別の自己PRの例文

自己PRの基本的な構成としては、まず自分の強みを述べ、それを証明する具体的なエピソードを説明します。その後、応募先でどのようにその強みを活かせるかをアピールしましょう。 以下では、強み別に具体的な自己PRの例文を紹介しているので、例を参考にして自分に合った自己PRを作成してください。

印象に残る自己PRの書き方とは?強み別・職種別の例文も紹介

子どもの成長を支える共感力

子どもの成長を支える共感力を強みにした自己PRの例は、以下の通りです。

私の強みは、子どもたちの興味や気持ちに深く寄り添い、共感できる力です。

例えば、実習中に子どもが興味を示さなかった活動に対して、まずその子の好きなことを観察し、そこから段階的に関心を広げるサポートを行いました。
その結果、「自分の気持ちを受け入れてくれる存在」として信頼を得ることができ、子どもたちが自然と心を開いてくれるようになりました。

この共感力を活かし、貴園でも子どもの個性に合わせた保育を実践し、安心して成長できる環境を作っていきたいと考えています。

この強みで自己PRを書く際は、子どもの興味に共感できることがどのように信頼関係を築くのに役立ったか具体的に述べることが重要です。

視野の広さと柔軟な対応力

視野の広さと柔軟な対応力を強みにした自己PRの例は、以下の通りです。

私の強みは、視野の広さと柔軟な対応力です。

実習中、園庭で子どもたちが遊んでいる際に子どもたちの動きを観察していたところ、一人の子どもの体調の変化に気づき、早急に対応することで、大事に至らずに済んだ経験があります

貴園でも、この視野の広さと対応力を活かし、ほかの保育士と協力しながら、子どもたちの安全と健やかな成長をサポートしていきたいと思っています。

この強みでは、危険を未然に防いだエピソードを具体的に盛り込み、視野の広さと柔軟な対応力が保育園にどのように貢献できるかをアピールすることが重要です。

問題解決への積極性と行動力

問題解決への積極性と行動力を強みにした自己PRの例は、以下の通りです。

私の強みは、問題解決への積極性と行動力です。

実習中にクラスでトラブルが発生した際、すぐに子どもたちの意見を聞き、冷静に状況を把握したうえで、具体的な解決策を提案しました。

貴園でも、この積極性と行動力を活かして、子どもたちや職場で発生するさまざまな課題に対して迅速に解決策を実施し、より良い保育環境づくりに貢献したいと考えています。

この強みでは、過去に直面した問題を積極的に解決した具体的なエピソードを述べたうえで、応募園でその行動力をどのように活かせるか明確に伝えることがポイントです。

信頼関係の構築力

信頼関係の構築力を強みにした自己PRの例は、以下の通りです。

私の強みは、信頼関係を構築する力です。

前職で保護者から子どもの発達について相談を受けた際、丁寧に話を聞き、親身に対応することで、保護者から深い信頼を得ることができました。

貴園でも、この信頼関係の構築力を活かしながら保護者としっかりコミュニケーションを取り、子どもが安心して成長できる環境を整えていきたいと考えています。

この強みでは、保護者との信頼関係を築いた具体的なエピソードを盛り込み、保護者と良好な関係を築くことで、子どもの健やかな成長に繋げたいことも伝えましょう

履歴書の提出方法と注意点

履歴書の提出方法と注意点

履歴書の提出方法には、郵送・手渡し・メールの3つがあります。提出方法によって注意すべきポイントが異なるため、それぞれの適切な提出方法を確認しましょう。

郵送

履歴書を郵送する際は、必ず添え状をA4用紙で作成し、日付や宛先を正確に記入しましょう。

書類は、クリアファイルに添え状・履歴書・職務経歴書の順に重ねて入れます。封筒は白のA4封筒を使用し、宛名や「応募書類在中」といった文言を縦書きで記入してください。

封を閉じたら左上に切手を貼り、締めマークを書いて投函すれば提出完了です。

手渡し

履歴書を手渡しする際、宛名や切手は不要で、封筒の封も閉じずに準備します。

封筒は左下に赤字で「履歴書在中」と記入し、裏面には氏名や住所、電話番号を記入します。履歴書はクリアファイルに入れ、封筒に収納して持参しましょう。

受付で渡す場合は封筒ごと渡し、面接官に直接渡す場合は、封筒から履歴書を出して渡すのがマナーです。

メール

履歴書をメールで送付する際は、履歴書をPDF形式に変換しましょう。

件名には「【氏名】履歴書ご送付の件」など、用件が一目でわかる表現を使います。本文には、応募書類が添付されていることを伝えるほか、宛名や挨拶文、署名を含めて簡潔で丁寧な文章を心がけます。

送信前には、履歴書が正しく添付されているか、誤字脱字がないかを最終確認することが重要です。

スマホで履歴書をメール送信する方法!注意点やPDF化の方法も解説

履歴書と一緒に準備する書類

履歴書と一緒に準備する書類

履歴書と一緒に準備する書類は、転職者向けの「職務経歴書」と「在職証明書」の2つが一般的です。

これらの書類があることで、応募園に自分の経歴や職務経験を詳細に伝えられます。ここでは、それぞれの書類について詳しく解説します。

職務経歴書

職務経歴書は、履歴書の経歴をさらに具体的に伝える重要な書類です。これまでの保育士としての経験や得意なスキルを明確に記入し、志望する保育園への意欲をアピールしましょう。

記入する際は、職務内容や成果を簡潔にまとめ、特に応募先で役立つスキルに焦点を当てることがポイントです。また、面接で質問されることを想定し、わかりやすく論理的な記載にすることも大切です。

職務経歴書に書くことがない方必見!基本から書き方や例文まで紹介

在職証明書

在職証明書は、保育士が保育園に在籍している・していた事実や入職日、雇用形態、勤務状況を証明するための書類です。特に認可保育園では、保育士の経験年数に基づく補助金を受けるために提出を求められる場合があります。

在職証明書は、以前の勤務先に発行を依頼し、返信用封筒を準備して郵送をお願いします。控えとしてコピーを保管することも大切です。

また、面接時には保育士証、入社時には年金手帳や源泉徴収票などが必要な場合もあるため、転職先の事前案内を確認しましょう。

提出前の最終チェックポイント

履歴書の最終チェックポイント

提出前に、以下の履歴書の最終チェックポイントを必ず確認しましょう。提出書類の不備を防ぎ、印象を良くするために重要です。

こういった最終チェックを丁寧に行うことで、安心して書類を提出できるでしょう

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保育士としてのキャリアをスタート

今回の記事では、履歴書の提出方法や準備する書類について詳しく解説しました。

履歴書は正確に必要事項を記入し、応募先に好印象を与えることが大切です。提出前の細かな最終確認も忘れずに行いましょう。

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