システムエンジニア(以下、SE)の志望動機を考える際は、企業のリサーチや自己分析などを行い、目指したきっかけやスキル・活かせる資格などを盛り込むと働きたい熱意が伝わります。
しかし、採用担当者にマイナスな印象を与える表現には注意しなければなりません。
本記事では、SEとして活躍したい方に向けて、活かせるスキルや志望動機を作る際のポイント、注意点などを解説します。例文も紹介しているので、志望動機を考える際の参考にしてください。
この記事を読むことで、スムーズに志望動機が作れるようになります。
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SEの仕事内容は、以下の通りです。
仕事内容 | 詳細 |
要件定義 | クライアントへどのようなシステムを導入したいかヒアリングを行い、大枠を作成する |
基本設計 | 要件定義で作成した大枠をもとに、要件や仕様を掘り下げていく |
詳細設計(開発) | 設計書を作成し、プログラマーに開発を依頼する |
テスト | 開発したシステムにバグや不具合がないかをチェックし、単体・結合・総合の3つのテストを行う |
実装 | 開発したシステムを実際に稼働し、運用する |
リリース | クライアントへ納品する |
運用・保守 | リリース後、定期的にメンテナンスを行ったり、エラーが生じた際に対応したりする |
上記業務以外にも、予算や納期の設定、人員の選出・進捗管理などを行うケースもあります。
SEの志望動機でアピールすべきスキルを5つ紹介します。SEは適性があるかどうかを重視される傾向にあるため、自身の強みに当てはまるスキルがあれば、アピールすると良いでしょう。
SEはトレンドを常に把握しておくことが求められることから、ITに興味や関心がある方が向いています。近年はAIやIoTなどを活用した新たな技術や製品が誕生しているため、ニュースをこまめにチェックしたり勉強会に参加したりして、常に知識をアップデートし続ける必要があります。
SEが効率よくシステムを開発し、実装まで遂行するためには、筋道を立てて物事を考えられる論理的な考えが必要となります。仮説を立てて検証できることから、IT技術を駆使してクライアントの課題を解決する際に役立ちます。
また、チームのメンバーが気付かないミスや新たな解決策を見つけたりして、課題解決に役立てられるため、論理的な考えができることは積極的にアピールしましょう。
プロジェクトを最後まで遂行するためには、高いマネジメント能力が必要です。進捗管理はもちろんですが、チームのメンバーに負担がかかりすぎないよう作業分担をすることもSEの重要な役割の1つのため、マネジメント能力があると重宝します。
SEは要件定義の段階で、クライアントの課題や要望を会話の中から汲み取る必要があり、システム開発後も保守や運用に携わることから、コミュニケーション能力が重視されます。チームで仕事をしたりプログラマーとやり取りしたりする機会もあることから、コミュニケーション能力が高いと信頼関係を築きやすいでしょう。
SEは一般的に要件定義や設計・テスト・実装などがメインの仕事ですが、案件によってはプログラミング言語を扱うケースもあるため、知見があると役立ちます。プログラミングを行わない案件でも、プログラマーの進捗を把握したり、トラブルが生じた際にスムーズにクライアント対応が可能になったりするため信頼を得やすくなります。
SEの志望動機を考える前に、目指すきっかけとなった出来事を明確にしたり、企業についてリサーチしましょう。ここからは、SEの志望動機を作るためのステップを5つ紹介します。
志望動機を作るために、「システムエンジニアを目指したきっかけ」「なぜシステムエンジニアになりたいのか」「システムエンジニアを目指す理由」を明確にしておくことが重要です。
新卒でSEを目指す方はスキルを証明するのが難しいことから、意欲があるかどうかが重要視される傾向にあります。きっかけや理由を明確にしておくことで、他の働きたい熱意を示せます。
SEを選んだ理由を書き出したあとは、企業理念や強み・動向などを詳しくリサーチしましょう。企業ごとに理念や規模・業務内容などが異なるため、志望度の高い企業を見つけたら入念にリサーチすることが重要です。
志望動機に企業についての具体的な内容を盛り込むと、採用担当者に良い印象を与えられる可能性が高まります。
「なぜその企業を選んだのか」という内容は、採用担当者が重要視する項目の1つであるため、志望動機を考える前に明確にしておくことが重要です。企業を志望する理由を明確にできていない場合「他の企業でも良いのではないか」とマイナスな印象を与える可能性があります。
新卒の方はOB・OG訪問やインターンに参加し、エピソードや感じたことなどを盛り込むと、より明確な志望動機が作れます。
知識やスキルをアピールするために、志望動機を考える前に自己分析をしましょう。自分のことを客観視することで、人間性や価値観を言語化でき、アピール材料を見つけるのに役立ちます。
経験者と未経験者では、求められるスキルが異なり、企業によっても求める人物像が違うため、自己分析をしたうえで企業とマッチする要素を見つけることが重要です。
将来像を志望動機に盛り込むことで、企業に貢献できる人材である旨や、長く勤めたいという意欲を伝えられます。採用担当者が入社後の姿をイメージできるよう、5年後や10年後の将来像を言語化しておきましょう。
SE経験者の方はどのように貢献していけるか、未経験の方はどのように貢献したいかを盛り込むのがおすすめです。
志望動機は、以下の4つを意識して作成しましょう。
・結論から書き始める
・スキルや能力をアピールする
・活かせる資格や取得したい資格をアピールする
・将来像や貢献できる内容を盛り込む
1つずつ詳しく解説します。
志望動機は結論から書くことで、採用担当者の目に留まり、最後まで読んでもらえる可能性が高まります。具体的なエピソードを交えると、さらに志望動機が伝わりやすくなります。企業を選んだ理由として、企業理念や社風に関して共感できる項目や、展開している事業への興味・企業の将来性など、自身の考えや経験とマッチしている内容を盛り込むことが重要です。
志望動機で仕事への意欲の高さをアピールしたいときには、スキルや能力をアピールするのが効果的です。経験者の方は具体的にどのようなスキルがあるのか、どのような成果を上げたのかをアピールしましょう。複数アピールできるスキルや能力がある場合には、企業で活かせるものを優先して盛り込むのがおすすめです。
未経験の方は、IT業界・SEを選んだ理由を盛り込んだり、SEで役立つスキルや興味などをアピールするのが効果的です。未経験者の育成に力を入れている企業に対しては、価値観や人柄・伸びしろなどをアピールしましょう。
経験者・未経験問わず、志望動機にはSEに役立つ資格があれば記載しましょう。「〇〇の資格を取得した」という内容だけで終わらせるのではなく「前職で取得した〇〇の資格を活かして、△△の業務に携わりたい」のように具体例を挙げることで意欲が伝わりやすくなります。
以下の資格を保有しておくと、適性があることをアピールできます。
・基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
・ITパスポート
・ネットワークスペシャリスト試験
・情報セキュリティマネジメント試験
・ITストラテジスト試験
・システムアーキテクト試験
・オラクルマスターなど
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験、システムアーキテクト試験およびネットワークスペシャリスト試験の4つは、国家資格となっています。
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採用担当者は志望動機を通して、入社後にどれ程度成長する人材なのか、企業に貢献してくれる人材なのかを見極めています。「採用されたら何がしたいか」「何を達成したいのか」「どのようなキャリアを積み、どう活躍していきたいか」を具体的に明記しましょう。
志望動機の締めくくりとして、将来像や貢献できる内容を盛り込むと、採用後の働いている姿をイメージしてもらいやすくなります。
SEの志望動機を考える際は、ネガティブな表現や説得力に欠ける表現などを避ける必要があります。注意点を4つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
志望動機では「評価される機会が少なかった」「残業が多かった」「上司との相性が悪かった」などのネガティブな表現は避ける必要があります。ネガティブな表現は「前職での経験を活かしつつ、新しい環境でさらに成長していきたい」というようにポジティブな表現に言い換えをすることで、貢献する姿勢をアピールできます。
「手に職をつけるため」「成長したい」「学びたい」「勉強してスキルを身につけたい」などの表現は、受け身の印象を与える可能性があるため、言い換えるようにしましょう。成長意欲をアピールしたい場合には、どのような業務に携わり、どう貢献したいのかを明記すると熱意を伝えられます。
志望動機は「共感した」「惹かれた」「魅力を感じた」などの表現は、企業研究がしっかりとできていない印象を与える可能性があります。企業理念と価値観が一致していることはとても重要ですが、企業理念に合致する自分のスキルや強み・将来像などを交えて志望動機を考えましょう。
「与えられた業務はしっかりとこなします」「貴社のアプリを普段から利用しています」「プライベートを充実させられるため」などの表現は、抽象的で自分本位な印象を与えます。
SEは他のメンバーとの連携が必要となるケースが多く、協調性が重視されることから、自分本位な表現は望ましくありません。自分だけ業務をこなせば良いという考えではなく、チームや他部署と連携できるスキルがあることをアピールすることが大切です。
新卒の方に向けて、SEの志望動機例を理系と文系にわけて紹介します。例文は参考程度にとどめて、他の志願者と被らないオリジナリティのある志望動機を考えましょう。
理系の方は、以下のように施工管理に活かせる経験をアピールするのがおすすめです。
私が貴社を志望したのは、AI技術を活かしたシステム開発に力を入れているからです。
大学ではシステム理工学部に在籍し、AI技術を取り入れたシステム開発の工程や手法を学び、価値のあるシステムを生み出すやりがいや面白さ、難しさなどを学びました。
貴社に入社できた場合には、大学で学んだことを最大限活かしつつ、最先端のAI技術を活かしたシステムを開発するSEとして活躍していきたいと考えています。
大学や専門学校などでシステム開発に携わった方や、事業への共感を盛り込みたい方は、具体的なエピソードを盛り込むことが重要です。志望動機の最後に、どのような開発に携わりたいかを明記すると、入社後の姿を思い浮かべてもらえます。
文系の学科を専攻している方は、以下のように自身の経験を盛り込むと説得力がアップします。
私がシステムエンジニアを志望している理由は、IT技術を用いて業務の効率化を実現したいと考えているからです。
学生時代にアルバイトをしていた飲食店で貴社のオーダーシステムを導入したところ、ミスが減っただけではなく回転率が上がり、教務の効率化に成功しました。その経験がきっかけでIT技術を活用してさまざまな業界の業務効率化を実現したいと思うようになりました。
貴社に入社した際は、積極的にスキルを身につけ、1日も早く貴社のSEとして活躍できるよう尽力いたします。
文系の学校を卒業する方は、なぜシステムエンジニアを目指したのか、どのように活躍していきたいかを交えて志望動機を作るようにしましょう。具体的なエピソードを交える場合は、企業が展開している事業や企業理念と一貫性を持たせるようにすることが大切です。
最後に、業界未経験からSEへ転職する方と、SEの経験がある方の志望動機例を紹介します。
私は現在、事務職として働いていますが、独学でシステム開発について勉強し、アプリを開発していました。
しかし「さらにスキルを身につけて、多くの方に利便性の高いアプリを開発したい」「チームでの制作に携わりたい」と思うようになり、そのとき貴社の募集を目にしました。
社員の教育に力を入れていることやチームワークを重要視する社風であることに魅力を感じ、志望した次第です。
例文はシステム開発について独学で学び、アプリ開発に携わっている志望動機を紹介しましたが、経験や知見がない方は、SEになりたいと思った理由をアピールしましょう。入社後に役立つスキルや経験・資格などを、積極的にアピールすると即戦力のある人材という印象を与えられます。
SE経験者の方は、スキルをアピールすることで、採用担当者が求める人物像とマッチするかを把握しやすくなります。
前職ではWEBシステムを開発する会社でECサイトや企業のWEBサイトの構築に携わっており、用件定義からテスト・保守・運用までの工程を担当していました。
貴社は大規模なシステム開発に取り組んでいると知り、より高度な技術を身につけて大きなプロジェクト開発に携わりたいと思い応募いたしました。
知識だけではなく、前職で身につけたコミュニケーション能力やマネジメント能力を活かして、貴社のさらなる発展に貢献したいと思っております。
SEからSEへ転職をする方は、なぜその企業を志望したのか・これまで携わってきた仕事内容・今後のキャリア像を盛り込むのがおすすめです。前職でリーダーやリーダー補佐の経験がある方は、アピールすることで即戦力があることを伝えられます。
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SEの採用試験では、熱意のある志望動機を作成することが重要です。志望動機には、企業研究やなぜSEになろうと思ったのか、目指したきっかけなどを盛り込みましょう。履歴書に記入する際は、結論から書き始め、スキルや能力・活かせる資格や経験・将来像などをアピールすることで、熱意が伝わりやすくなります。
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参考:未経験からIT企業にエンジニア転職する志望動機の書き方とコツ【例文あり】|SAMURAI ENGINEER BLOG