【調剤事務】履歴書・志望動機の書き方のポイント&5つの例文を解説


「調剤事務の仕事に興味があるけど、履歴書や志望動機って、どんなふうに書けば採用担当者にちゃんと伝わるんだろう?」そう思っている方は多いのではないでしょうか。

調剤事務は、単なる事務作業に留まらず、患者様の不安に寄り添い、薬剤師の方々をサポートする、医療現場において不可欠な存在です。だからこそ、履歴書や志望動機では、あなたの持つコミュニケーション能力、正確性、そして何よりも医療への貢献意欲を明確に伝えることが重要になります。

今回は、調剤事務の履歴書を書く際のポイント、新卒や転職などパターン別に志望動機の例文を詳しく解説します。調剤事務の履歴書の書き方や志望動機の例文を参考にしたい方はぜひお役立てください。

調剤事務の仕事内容と必要なスキルをチェック

調剤事務の仕事内容と必要なスキルをチェック


採用したいと思われる志望動機を書くには、調剤事務の仕事内容や適性の把握が大切です。未経験や新卒から調剤事務を目指す方は、仕事内容や必要なスキル、適性を理解した上で志望動機を作成しましょう。

調剤事務の業務内容

 
調剤事務は、薬局内で薬剤師が業務に専念できるよう多岐にわたってサポートし、薬局と患者をつなぐ大切な仕事です。主な業務内容は、以下の通りです。

調剤事務の業務内容
・処方箋受付・患者対応
来局した患者から処方箋や保険証を受け取り、薬剤師が調剤に取り掛かる準備をします。対面や電話対応もあります。

・レセプト業務
処方箋内容の入力、処方箋のバーコードを読み取ってレセプト(診療報酬明細書)を作成します。

・医薬品の在庫管理
医薬品の在庫管理を行い、必要に応じて点検と発注をします。

・薬剤師サポート
薬剤師が調剤した薬を患者に渡す際、薬袋や薬情(説明書)の作成や印刷するサポート業務です。



調剤事務に求められるスキル

調剤事務は、患者や薬剤師と接する機会が多く、受付で患者を出迎えるため、調剤薬局の顔ともいえるでしょう。調剤事務は、明るい人柄かつ、年齢や症状に応じて、丁寧でわかりやすい説明ができる高いコミュニケーション能力が必要です。

また、レセプト作成にあたりパソコンスキルも必要です。毎日多くの件数をさばくには、情報処理能力や正確性・迅速さが求められるため、事務職経験者は重宝されます。

未経験や無資格者でも、勤務しながらスキルを身につけられますが、上記のような適性があると、より調剤事務に向いているでしょう。

調剤事務の履歴書|志望動機に書くべきポイント


調剤事務の履歴書を書く際、「なぜ調剤事務で、その応募先なのか」志望動機を詳しく書く必要があります。

ここでは、調剤薬局の志望動機に取り入れたいポイントを解説します。

調剤事務を志望する理由

まず、調剤事務の志望理由を明確にします。採用担当者は、医療事務や介護事務といった他の医療系事務ではなく、「なぜ調剤事務なのか」という点に注目します。

「別の医療系事務での経験を調剤事務で活かしたい」
といったような調剤事務である理由やきっかけを具体的に書きましょう。未経験の場合は、志望理由が抽象的になりやすいので注意が必要です。

応募先の薬局を選んだ理由

採用担当者は、「数多く薬局がある中で、なぜうちなのか」という理由が知りたいのです。応募先を選ぶ理由が明確に書けていなければ、他の薬局でも良いだろうと思われかねません。応募先を十分にリサーチし、特徴や強み、理念、業務内容、教育体制に合った具体的な理由を記入します。

また、応募理由が給与や待遇、通勤の利便性など条件面で選んだ場合は、条件面を挙げながら、意欲をプラスできる理由を伝えるといいでしょう。

資格の有無

調剤事務に関わる資格を所有している場合は、履歴書の資格欄に記入してアピールしましょう。調剤事務に関する資格は以下の通りです。

調剤事務に関する資格
・調剤報酬請求事務専門士
・調剤事務管理士®
・調剤事務実務士®
・医療保険調剤報酬事務士
・調剤薬局事務検定


資格があると、調剤事務として働く際に必要な基礎知識や能力を持っている証明になります。また、資格があれば未経験でも優遇される可能性もあります。

応募先で自身が活躍・貢献できること

担当者に自分を採用するメリットを伝える志望動機が必要です。応募先で自分の強みをもとに活躍・貢献できることを盛り込むと、アピール力の強い志望動機が完成します。

経験者は、職場や診療科の情報を含めて、得たスキルをまとめましょう。経歴と経験を簡潔にまとめることで、「即戦力として○○を任せられる」と担当者が応募者を採用するイメージができるのです。

また、未経験者は、接客や事務経験など過去の職歴からアピールできる部分を探しましょう。

調剤事務の履歴書|志望動機に書くとNGな内容

調剤事務の履歴書|志望動機に書くとNGな内容


志望動機に、あいまいな内容や自己都合を優先することばかり書くのは望ましくありません。一緒に働きたいと思ってもらえるような内容であるか確認しましょう。

ここでは、志望動機に書かないほうが良いとされるポイントを解説します。

待遇面を優先すること

志望動機を書くにあたり、給与や勤務時間といった待遇面ばかりを優先するのは避けましょう。中には、応募先を待遇面で決めた方もいるでしょう。ある程度の希望であれば記載しても構いませんが、待遇面だけに偏った志望動機は応募先への熱意が伝わりません。また、「待遇次第では別の企業でも良いのではないか」と印象が悪くなるおそれもあります。

自分の体調や家庭状況など、業務に支障が出るおそれのある事項は、入社後のトラブルを避けるためにも事前に伝える必要があります。

成長意欲だけをアピールすること

「未経験だが業務を通して勉強したい・経験を積みたい」といった成長意欲だけアピールした志望動機も望ましくありません。成長意欲は大切であるものの、企業や業界分析が十分にできていない、即戦力にならないと捉えられ、採用を見送られる可能性もあります。自分のスキルはどうすれば活かせるか、採用するメリットを考えてみましょう。

志望動機があいまいなこと

「企業理念に共感した」「人の役に立ちたい」といったあいまいな志望動機は、応募先への熱意が感じられません。どのような働き方をしたいのか具体性がないと、採用担当者の記憶にも残らず、応募にあたって企業研究もできていないと判断されます。

調剤事務としてどのように人の役に立ちたいのか、企業理念のどの部分に共感し目標を持って働きたいのか具体的に掘り下げてみましょう。

【調剤事務】志望動機の例文5例

【調剤事務】志望動機の例文5例


調剤事務の志望動機は、経験者や新卒ごとに合わせる必要があります。

ここでは、経験者や新卒、未経験者・無資格者別に5パターンの調剤事務の志望動機例文を紹介します。例文を参考に、志望動機を作成してみてください。

経験者:転職したい方向けの例文

調剤事務経験者で転職したい方向けの例文は以下の通りです。

志望動機の例文
私はこれまで、地方薬局で6年間調剤事務として働きました。レセプト業務や患者様の対応をはじめ、居心地の良い薬局作りや新人教育に力を入れてまいりました。

1日の処方箋が100枚を超える日がほとんどでしたが、患者様への心のこもった接客を心がけ、事務処理スピードを落とさず業務を遂行しました。新人教育も任され、後輩たちが一人前になることにやりがいを感じていましたが、これまでのスキルを大きな規模の貴局で活かしたいと考え、応募しました。

6年間の経験とスキルをもとに、即戦力として活躍し貢献したいと思います。


経験者の場合、前企業での勤務歴や得たスキル等を具体的に書き、応募先でどう活かしたいか掘り下げて示しましょう。後輩の指導やマネジメント経験は、即戦力としてのアピールつながります。

経験者:地域医療に貢献したい方向けの例文

地域医療に貢献したい経験者向けの調剤事務の志望動機の例文は以下の通りです。

志望動機の例文
調剤事務として、地域医療に貢献したく、患者様とのつながりを大切にする貴局に魅力を感じ、ぜひこちらで働きたいと考え志望しました。

これまで調剤薬局で5年間働く中で、正確かつスピーディーなレセプト業務をはじめ、薬局の顔としてさまざまな症状や悩みを持った患者様に合わせて、丁寧な対応を心がけてまいりました。

複数の患者様から「あなたの対応が良くていつも安心する」といったお褒めの言葉をいただいたこともあります。

この経験を活かし、薬局の顔として不安を抱えた地域の患者様が安心できる薬局作りをすることが、地域貢献につながると考えております。


地域医療に貢献したい方は、企業理念や患者様とのエピソードを盛り込むと良いでしょう。

経験者:ブランクから復帰したい方向けの例文

ブランクから復帰したい方向けの調剤事務の例文は以下の通りです。

志望動機の例文
私はこれまで調剤事務として5年間勤務してまいりました。受付や会計、レセプト業務、新人指導に携わり、不安を感じている患者様へ温かみのある対応を心がけてまいりました。

結婚と出産を機に、現場から4年間ほど離れておりましたが、私自身利用したことのある貴局の丁寧かつスピーディーな調剤事務の方の対応に触れ、こちらで再度調剤事務として貢献したいと考えました。

ブランクはありますが、これまでの経験を活かして即戦力として活躍し、患者様にとってより良い薬局にしたいと考えております。


これまでの経験や得たスキルを具体的に書き、ブランクを感じさせないよう、仕事に対する真摯な姿勢を見せると良いでしょう。

新卒向けの例文

新卒向けの調剤事務の志望動機の例文は以下の通りです。

志望動機の例文
私は、患者様一人ひとりに寄り添ったおもてなしを理念とする貴局で、私の強みを活かしたいと考え、調剤事務を志望しました。

私は学生時代、飲食店でアルバイトをしておりました。さまざまな年代のお客様が来店される中で、忙しさを言い訳にせず一人ひとりに丁寧な接客を心がけました。

調剤事務も幅広い年代の患者様と関わるため、私のコミュニケーション能力が活かせると考えております。学校で基本的なパソコンスキルは学んでおり、資格も積極的に取得したいと思います。

学生時代の経験をもとに、地域のみなさまに信頼される調剤事務員を目指したいです。


新卒の場合は、学生時代の経験をもとにどのような働き方をしたいかまとめてください。成功したことだけでなく、失敗から学んだことを書くのも良いでしょう。

未経験者・無資格者向けの例文

調剤事務の志望動機で、未経験や無資格の方向けの例文は以下の通りです。

志望動機の例文
前職では事務職に7年間従事しておりました。事務職では、基本的なパソコンスキルはもちろん、取引先のお客様との窓口や電話対応業務をしておりました。

調剤事務はパソコンスキルをはじめ、高いコミュニケーション能力が求められる職種だと考えております。

現在、調剤事務に必要な資格も勉強中です。この7年間の経験を活かしながら、さまざまな患者様とコミュニケーションを取り、居心地の良い薬局作りができる自信があります。


未経験の方でも前職で得たスキルを調剤事務でどう活かすかまとめます。無資格の場合は、資格取得に向けて勉強中であることをアピールするのも良いでしょう。

履歴書では何が見られている?

履歴書では何が見られている?


履歴書を目にする機会の多い担当者は、志望動機やスキル以外にもチェックしている部分があります。履歴書を作成する際は、細かい部分にまで気を配ることが大切です。

ここでは、履歴書を書く上で気を付けておきたいポイントを解説します。

古い履歴書を使い回さず、応募薬局への熱意を示す

調剤事務の履歴書作成は手間がかかるため、「以前使ったものをそのまま…」と考える方もいるかもしれませんが、使い回しは絶対に避けましょう。

志望動機や自己PRは、応募する薬局の理念や特徴、そして募集要項に合わせて具体的に記述する必要があります。採用担当者は、その薬局で働きたいという強い熱意を持つ人を採用したいと考えています。履歴書を使い回すことは、「熱意が感じられない」「準備不足である」という印象を与え、採用のチャンスを逃してしまう可能性があります。一件一件、丁寧に作成することが、採用への第一歩です。

患者様への配慮を示すような丁寧で見やすい履歴書を作成する

履歴書は、あなたの第一印象を左右する大切な書類です。内容はもちろんのこと、丁寧さ、正確さ、そして読みやすさが重要となります。調剤事務は患者様と接する機会も多いため、履歴書からも細やかな配慮を示すことが大切です。

手書きで作成する場合は、黒のボールペンを使用し、一文字ずつ丁寧に記入しましょう。書き間違えた場合は修正テープは使用せず、新しい用紙に書き直してください。

パソコンで作成する場合は、フォントやサイズを統一し、見やすいレイアウトを心がけましょう。一般的には、明朝体やゴシック体などのビジネスフォントを使用し、10.5~11ポイント程度の文字サイズが適切です。

また、誤字脱字、変換ミス、略語や略字は厳禁です。患者様の情報を扱う調剤事務として、正確性への意識の高さを履歴書からも示しましょう。作成後は必ず見直し、第三者の目を通してもらうことも有効です。

また、誤字脱字、誤変換、略語や略字がないか、細心の注意を払って作成しましょう。

調剤事務の履歴書の書き方のポイント


履歴書の各項目には、記入の際気を付けるべきポイントがあります。ここでは、履歴書の項目ごとに具体的な記入の仕方を解説します。

提出年月日

提出年月日は、郵送の場合はポストへの投函日、持参する場合は当日を記入します。履歴書作成日でないことを覚えておきましょう。

また、日付は元号または西暦どちらでも構いませんが、履歴書内で統一します。

写真欄

履歴書の一般的な写真サイズは40mm×30mmです。撮影日から3ヶ月以内の写真を使用しましょう。スーツかジャケットを着用し、落ち着いた髪色にしてまとめておくと好印象です。

写真がはがれてしまう事態に備えて、裏面に氏名と連絡先を記入しておくと良いでしょう。

氏名・連絡先

氏名は、姓と名の間にスペースをあけます。氏名に旧字体と新字体が入る方は、正しい漢字で記入しましょう。

また、住所は都道府県名、番地や建物の名称、部屋番号を省略せず記入し、連絡先は、確実に連絡のつく携帯番号とメールアドレスを記入してください。

学歴・職歴

学歴・職歴はそれぞれ1行目には中央に「学歴」「職歴」と書き、高校入学以降の学歴または職歴を続けます。

学校名や企業名は省略せず、学部や学科、専攻、コース名まで正式名称で記入しましょう。

学歴は「入学」「卒業」「修了」、職歴は「入社」「一身上の都合により退職」となります。すべて記入したら、最後に右寄せで「以上」と書きます。

資格・免許

取得済みの資格や免許を取得年月ごとに記入します。取得年月や資格名、主催者団体まで正しく記入してください。

取得済みは「取得」、取得予定のものは年月を空欄にし「取得に向けて勉強中」と書くと良いでしょう。

志望動機

志望動機欄は、面接の話題になりうる事項なので、調剤事務への熱意や仕事への意気込みを記入しましょう。応募先に適したスキルや貢献できることをよく考えて簡潔に記入してください。

本人希望欄

原則は「貴社(貴局)の規定に従います」と記入します。ただし、勤務時間等家庭の事情で外せない条件がある場合は書いておくといいでしょう。

先述の通り、給与などの待遇面については避けてください。

調剤事務の採用を勝ち取るために完璧な履歴書を作成しよう

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調剤事務は、資格以外にもパソコンスキルやコミュニケーション能力が求められます。履歴書を作成するときは、基本的なポイントをしっかり押さえ、求められるスキルを絡めた志望動機を作成し、採用を勝ち取りましょう。

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