【例文7選】薬剤師の志望動機の書き方|上手にまとめるコツを詳しく解説

薬剤師の志望動機の書き方

薬剤師として新たな環境を目指すには、自身の強みや意欲をアピールするためにも、志望動機を丁寧にまとめる必要があります。魅力的な志望動機を作成するには、「なぜ薬剤師やその企業での就職を希望するのか」について、説得力のある言葉で表現することが大切です。

この記事では薬剤師の志望動機について、書き方のコツや注意点、ケース別の例文をまとめてご紹介します。

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【勤務先別】薬剤師の業務内容

薬剤師の業務内容


志望動機をまとめるうえでは、勤務先での働き方を具体的にイメージしながら考えることが大切です。ここではまず、勤務先ごとに薬剤師の業務内容を確認しておきましょう。

調剤薬局

調剤薬局では、医師の処方箋に基づいて、患者さんに適切な薬剤を渡すのが薬剤師の役割です。また、製薬会社から仕入れた薬剤をチェックし、在庫不足がないかを確認するのも業務の一つです。

調剤薬局は地域に根差して運営されており、窓口では地域の人々と接する機会も多いため、薬剤師としての知識だけでなくコミュニケーション能力も求められます。

病院

病院に勤務する薬剤師は、外来の患者対応とともに、入院中の患者の服薬管理も行います。がん化学療法など、治療内容によっては専門的な調剤管理が必要になるため、高度な知識とスキルが求められるのが特徴です。

病院によって専門としている分野は異なるため、薬剤師として採用されるためには応募先に合わせたスキルや経験、アピールが必要となります。

ドラッグストア

店舗販売業として許可されているドラッグストアでは、必ずしも薬剤師を常駐する義務はありません。しかし、調剤機能を持ち、薬局として許可を得ているところでは、有資格者がいなければ運営することができません。

ドラッグストアで働く薬剤師は、店舗へ足を運んだお客さまが安全に薬を服用できるように、問診と薬剤の適切な提案を行うのが主な役割です。ドラッグストアは全国各地に存在するため、地域の制限を受けず、多様な条件の就業機会が用意されているのも特徴です。

出典:
e-Gov法令検索「薬剤師法」第19条
厚労省「薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令」第2条

医薬品の卸売企業

採用機会はそれほど多くありませんが、医薬品の卸企業も薬剤師が欠かせない職場の一つです。基本的には「DI室」と呼ばれる医薬品情報を取り扱う部署で働き、主に顧客からの問い合わせに対応するのが役割です。

医薬品の流通に携わることができる希少な仕事であるとともに、残業なども少なく、安定した勤務環境を整えてもらいやすいのが特徴といえます。

志望動機の基本的な書き方

薬剤師の志望動機の基本的な書き方


志望動機を書くうえでは、第一歩としてどの業界でも共通する基本的なポイントを押さえておく必要があります。ここでは、志望動機の基本的な書き方を3つに分けて解説します。

文章構成や文章量に気を配る

志望動機は読み手の視点を踏まえて、読みやすい文章構成と表現を心がける必要があります。「起承転結の基本を守る」「体言止めは使用しない」「適切な敬語表現を心がける」「一文が長くなりすぎないようにする」など、基本的な注意点を守るのがポイントです。

また、読みやすさを考慮し、全体の文章量に気を配ることも肝心です。短過ぎず長過ぎない300字程度を目安にして、過不足がないようにまとめましょう。

具体的なエピソードを盛り込む

志望動機を書くときは、自分らしい内容に仕上げるためにも、具体的なエピソードを盛り込むのがコツです。過去の経験を通じてなぜ薬剤師を目指すようになったのか、前職でどのような経験をしたのかなどをテーマに、内容に合ったエピソードを整理してみましょう。

また、自身の強みをアピールする際も、具体的なエピソードを盛り込むことで説得力が増します。

入社後にどのように貢献できるかを書く

志望動機では、応募先を志望する理由とともに、入社後にどのような貢献ができるのかを記載することも大切です。薬剤師としてどのように働き、どのような形で貢献していくのかを主体的に表現する必要があるのです。

また、志望動機では自分の経験や強みと組み合わせながら展開することで、内容に説得力が生まれます。たとえば、コミュニケーション能力の高さをアピールするのであれば、その能力をどのように活かしていくのかを明記すると、採用担当者に良い印象を与えられるでしょう。

薬剤師の志望動機を書くときの3つのポイント

薬剤師の志望動機を書くときのポイント


志望動機の基本を押さえたうえで、ここではさらに内容をブラッシュアップさせるためのポイントを見ていきましょう。

薬剤師として働く理由を明確にする

志望動機では、そもそもなぜ薬剤師として働きたいのかを分かりやすく表現する必要があります。「病気を患っている人を支えたい」「身近なところで患者さんと接するために、薬剤に携わる仕事がしたい」のように、薬剤師ならではの志望理由を記載しましょう。

また、過去の経験や具体的なエピソードと絡めて、薬剤師を志望するに至った経緯をまとめるのも一つの方法です。

応募先の薬局や医療機関を選んだ理由を記載する

薬局や医療機関は数多く存在しているため、志望動機に説得力を持たせるためには、「なぜ応募先の企業で働きたいのか」を説明することが大切です。それには、応募先の情報を事前に調べ、経営理念や方針、分野などを把握しておく必要があります。

たとえば、企業の経営理念と自身の価値観がマッチしているのであれば、その事実を客観的な表現でまとめるのがポイントです。丁寧に企業研究を行い、応募先の強みや魅力、求められる人材像などを把握したうえで内容を整理してみましょう。

薬剤師に求められる適性を把握して自分の強みをアピールする

志望動機では自身の強みをアピールすることも重要ですが、全体の文字数を押さえるためには、ある程度内容を絞り込む必要があります。薬剤師の仕事は、処方箋どおりに正確な調合を行う必要があることから、責任感や注意力、探究心、勤勉さなどが重要な資質となります。

また、患者だけでなく医師などの医療関係者との連携も不可欠なので、コミュニケーション能力や提案力も求められるといえるでしょう。自身の特長と薬剤師として必要な資質との相性を見極め、どの部分をアピールすべきかを選定することが肝心です。

【ケース別】薬剤師の志望動機の例文

ケース別の薬剤師の志望動機の例文


志望動機を考えるうえでは、状況に応じたモデルケースを参考にしながら、自分らしい表現を加えていくとスムーズです。ここでは、さまざまなシチュエーションを想定した志望動機の例文をご紹介します。

1.未経験で働くケース

まずは、未経験から薬剤師としての就職を目指すケースについて、志望動機の例文を見ていきましょう。

私が貴薬局を志望したのは、「薬のプロフェッショナル」として在宅医療や健康相談なども幅広く行っている点に魅力を感じたためです。

私は在学中に高齢者施設で行われたワークショップに参加し、高齢者の方々から薬物療法に関するお話をうかがったことがあります。そこで浮き彫りになったのが、薬に対する不安を感じる方が多い事実と、相談できる機会が限られているという課題です。

貴薬局のサービス形態であれば、移動手段が限られている方も安心して利用でき、副作用の有無なども薬剤師へ気軽に相談することが可能です。貴薬局で実務を学び、「一般の人々の身近なプロフェッショナル」として、地域に貢献していきたいと考えています。


薬剤師としての経験がない場合は、これまでの学生生活や社会人生活を通じて得られた経験を軸に、「どうして薬剤師を目指すのか」「どうして応募先に魅力を感じるのか」をまとめるのがポイントです。応募先の特徴を的確に把握し、自身の経験や価値観と絡めながら志望理由に説得力を持たせましょう。

2.第二新卒で転職するケース

続いて、第二新卒で転職を志すケースについて見ていきましょう。

私が貴薬局を志望する理由は、「地域の方が安心して相談できるかかりつけの薬局へ」という企業理念に強く共感したためです。

私は大学進学を機に上京し、卒業後も都内の製薬企業でMRとして3年間勤務しました。新薬の勉強会や営業活動を通じて、薬剤師としての知識を身につける日々のなかで、「もっと患者さまの目線を理解したい」との思いが強くなっていきました。

また、地元を離れて数年間生活をしたことで、改めて生まれ育った地域に恩返しがしたいという気持ちを抱くようになりました。地域に寄り添う貴薬局であれば、薬剤師としての経験を活かしながら、地元の方々に貢献できると考えております。

採用していただけた暁には、前職で培ったコミュニケーション能力と専門知識を活かし、利用者さまにご安心いただけるプロフェッショナルとして全力を尽くす所存です。


第二新卒者の場合は、やはりファーストキャリアでどのような経験をしたのかを丁寧に表現する必要があります。そのうえで、なぜ転職を志したのかを自身の考えと絡めて説明し、説得力のある志望動機をまとめるのがポイントです。

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3.業界内で転職するケース

次に、業界内で転職をするケースについて、志望動機の例文をご紹介します。

このたび、薬剤師としてのキャリアを見据え、さらに幅広い業務を経験できる職場に身を置きたいとの考えから貴社を志望しました。

私は現在、耳鼻咽喉科を処方する調剤薬局に勤務しております。5年間の勤務経験を通じて、薬剤に関する基本的な知識と耳鼻咽喉科に関する専門知識を学ぶとともに、薬剤師としての職業倫理を身につけることができたと感じております。

貴社では薬剤の調合や処方から、病気の予防、プライマリケアまで多様な業務を担当でき、より広い視点から健康維持に貢献できる点に魅力を感じています。

働ける機会をいただけるなら、今後はエリアマネージャーなどの管理職にも挑戦していきたいと考えています。


業界内転職では、これまでの経験を通して、どのような経緯で転職を志したのかを明記することが大切です。転職理由においては、労務環境や収入といったポイントももちろん重要ですが、志望動機では理念や業務内容をテーマにするのが望ましいといえるでしょう。

4.キャリアアップのために転職するケース

続いて、キャリアアップを目指して転職する場合の志望動機について、例文を見ていきましょう。

自身のキャリアの幅を広げたいと考え、貴院で病院薬剤師としての採用を希望します。

私は現在、薬局薬剤師として調剤薬局に5年間勤務しております。チーム医療に力を入れている貴院では、医師や看護師、薬剤師、事務職員が一体となって最先端の医療に取り組んでおられます。

さまざまな立場のチームメンバーが関わることで、新薬を使用される患者さまに対しても、きめ細やかなモニタリングとサポートが可能であるという点に強い魅力を感じました。

病棟勤務などは未経験ではありますが、調剤薬局で培った患者さまとのコミュニケーション能力と、ヒアリングスキルは新たな現場での活かせると考えております。機会をいただけましたら、貴院のさらなる発展に貢献する所存です。


キャリアアップを志向する転職では、これまでの経験と今後希望するキャリアをしっかりと関連付け、自身の展望に説得力を持たせることが大切です。また、重要な未経験業務がある場合は、自身の強みや経験と照らし合わせて、どのようにカバーしていくのかを検討しておくとよいでしょう。

5.出産・子育てからの再就職のケース

次に、出産・子育てなどでブランクがあるケースについて、志望動機の例文をご紹介します。

私は、出産と育児で3年間のブランクがありますが、このたび子どもの保育園入園が決まったことで、再び薬剤師として医療に貢献したいとの思いから貴薬局を志望しました。

前職では眼科と耳鼻科の調剤薬局に、薬剤師として8年間勤務していました。
貴薬局では「かかりつけ薬局」としての理念を大切にされており、地域になくてはならない施設として地元の方々から愛されています。私も子育てを通じて、気軽に薬について相談できる機会の重要性を改めて実感し、貴薬局のビジョンとミッションに強く共感するようになりました。

8年間の勤務では、調剤に必要な知識とスキルと患者さまとのコミュニケーションスキルを磨くことができました。ブランクはありますが、前職の経験を活かして、地域の方々から頼られる薬剤師として貴薬局に貢献していきたいと考えています。


ブランクがある方は、面接時にも質問を受ける可能性があるため、志望動機にもその事実と背景をありのままに記載しておくとよいでしょう。また、ブランクの理由によっては、休業期間中の経験をアピールポイントとして活かせる可能性もあります。

6.雇用形態が変わるケース

次に、異なる雇用形態での採用を希望する場合について、志望動機の例文を見ていきましょう。

育児との両立を踏まえ、ワークライフバランスを整えて仕事の質を高めたいとの考えから貴社の調剤薬局を志望しました。

私は大学卒業後、病院薬剤師として総合病院に8年間勤務しました。病棟業務や治験業務、救急救命業務といった病院薬剤師特有の業務を経験し、どんな状況でも冷静に判断できる対応力と、患者さまお1人おひとりと信頼関係を築くコミュニケーション能力を磨くことができました。

貴社は地域医療の充実と薬局のDX推進に力を入れており、在宅薬剤師として働ける先進的な環境に魅力を感じています。

前職で培ったスキルと経験を活かし、地域の利用者さまとのつながりを大切にしながら、薬剤師として貴社に貢献していきたいと考えています。


雇用形態の変更を伴うケースでは、志望動機でもその背景や理由について触れておくとよいでしょう。ただし、単に「ワークライフバランスを重視したい」「在宅勤務が希望」といった旨をアピールするだけでは、本人の印象を損なってしまう恐れがあります。

働くうえで何を大切にしているのかを明確に定義したうえで、応募先とマッチしているかを見極めましょう。

7.前職の経験を活かすケース

最後に、異なる業界から薬剤師としての就職を目指すケースについて、志望動機の例文を見ていきましょう。

私が貴社を志望した理由は、薬学の知識を人々の健康の維持促進に活かしたいとの思いが生まれたためです。

薬学部を卒業後、化粧品メーカーの開発・研究部門に5年間勤務しました。前職では主に研究開発に従事しながら、商品のマーケティングにも携わり、市場分析や広告・宣伝のスキルを磨きました。

前職で中高年齢層を対象としたマーケティングを担当した折、美容の観点からも健康維持の重要性を意識する方が増えていることを強く実感しました。

貴社は経営理念において「健康寿命の延伸」を明確に掲げており、元気で美しくイキイキとした人生のサポートをミッションとしています。前職で得たデータ分析力とマーケティング知識を活かし、私も貴社が目指すビジョンの実現へ貢献させていただきたいと考えております。


前職の経験を活かすには、自身の経験やスキルと、応募先の業務とのマッチ度を丁寧に見極める必要があります。どのようなスキルでどのように貢献できるのかを明確に示すことができれば、他業種での経験を自身の武器に変えられるでしょう。

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薬剤師の志望動機を書くときの注意点

薬剤師の志望動機を書くときの注意点


ここまでの内容を踏まえて、志望動機を書くときに意識すべき注意点をおさらいしましょう。

どの企業でも通じるような内容は避ける

志望動機では、「なぜその応募先を目指すのか」という理由を明確にすることが重要です。どの企業にも当てはまる内容では具体性に欠けてしまうため、どうしても熱意が伝わりません。

応募先に焦点を当てて書くためには、事前のリサーチに力を入れ、業界での立ち位置や独自の取り組みなどを把握しておくのがコツです。応募先の特色に合わせた内容をまとめることができれば、自身の熱意や思いを表現しやすくなるでしょう。

意欲だけで志望動機をまとめない

応募先に熱意を伝えるには、志望動機に自身の意欲を表現することも大切です。しかし、具体的な実績や業務経験などが書かれていなければ、どうしても客観的な説得力に欠けてしまうでしょう。

自身がやりたいことをまとめるのであれば、裏づけする経験やスキルも併せて記載する必要があります。そのため、志望動機ではいきなり具体的な内容を書き始めるのではなく、経験やスキルの棚卸しからスタートするのがコツです。

すぐに辞めると思われる表現は使わない

採用担当者の立場からすれば、できるだけ長く働いてもらえる人材を求めるのが自然です。志望動機においても、文章量にゆとりがあるのであれば、長く働ける点をアピールしてみるのも有効な方法です。

反対に、将来的に独立を目指しているなど、辞めてしまうことが前提になる内容は、志望動機に適していません。企業へどのように貢献できるのかを考え、長期的な視野で働くつもりである点を伝えることが大切です。

過去の経験やエピソードの棚卸しから始めよう

薬剤師の志望動機はエピソードの整理からスタート


薬剤師の志望動機をまとめるうえでは、「どのような経緯で目指すようになったのか」「なぜ応募先に志望するのか」を論理的に説明する必要があります。そのためには、これまでの経験やエピソードを整理することがスタートするのがおすすめです。

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