【例文6選】理学療法士の志望動機の書き方|基本的なポイントと作成時の注意点を解説

理学療法士の志望動機の書き方

理学療法士として働くには国家資格の取得が必要であるため、応募者すべてが一定のスキルや知識を備えています。したがって、他の応募者との差別化を図るためには、志望動機が重要になります。

理学療法士としてどのように働きたいのか、思いや熱意をアピールしていくことが大切です。この記事では、理学療法士の志望動機の書き方や作成時の注意点を詳しく解説します。

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理学療法士の勤務先と業務内容

理学療法士の業務内容



理学療法士としての勤務先は、次のものが挙げられます。

・医療機関
・福祉施設
・入所・通所施設
・教育・研究機関
・行政機関
・スポーツ施設

それぞれの特徴や業務内容について見ていきましょう。

医療機関

医療機関で理学療法士と働く場合、整形外科での勤務が多いといえるでしょう。患者の痛みを軽減するための治療やマッサージ、身体機能の回復を目指す運動療法などが挙げられます。

また、温熱療法や電気治療などの物理療法などを行うのも、理学療法士の役割です。医師の指示に沿って治療プログラムを作成し、他のスタッフと連携をしながら業務を進めていきます。

急性期や終末期においても、理学療法士の役割は求められており、患者の方の入院生活を長期にわたってサポートしていく立場だといえるでしょう。医療機関に勤務するメリットしては、さまざまな症例に関する経験を積めることが挙げられます。

福祉施設

福祉施設においては、主に介護老人保険施設や身体障害者福祉施設などで働く機会が多いでしょう。障がいを持つ方にとって必要なリハビリテーションを提供していきます。

また、集団体操を指導したり、レクリエーションを企画したりするのも、理学療法士の役割です。児童福祉施設で働く場合は、医師や児童福祉員だけでなく、児童の家族などとも連携をしながらリハビリテーションの機会を提供していきます。

身体機能の回復だけでなく、児童のモチベーションなどにも気を配る必要があるため、状況に応じて臨機応変な対応が求められるといえるでしょう。

入所・通所施設

多くの高齢者が利用している老人ホームやデイケアサービスなどにおいて、理学療法士が活躍する機会は多くあります。入居や通所している利用者の方が自立的に行動できるように、立つ・歩く・座るといった基本的な運動機能を維持し、機能が低下するのを防ぐための取り組みを行っていきます。

利用者によって健康状態は異なるため、一人ひとりの状況に合わせたプログラムを作成していく必要があるでしょう。また、機能回復に役立つ運動機器を選んだり、高齢者の自宅を訪問して状況を把握したりする役割を担います。

教育・研究機関

理学療法士を養成する学校で働くのも、一つの選択肢となり得ます。ただし、学校で教えるためには、理学療法の分野において5年間の実務経験が求められるので注意しましょう。

5年間の実務経験があり、厚生労働省が指定する講習会を受講するなどして条件をクリアすると、「臨床実習指導者」の資格を取得することができます。教育機関での業務内容としては、講義や実習の指導、国家試験受験のサポートなどが挙げられます。

人に教えるのが好きな方であれば、教育機関や研究機関で働いてみることも検討してみるとよいでしょう。

出典:厚生労働省「理学療法士・作業療法士学校養成施設カリキュラム等改善検討会報告書」P9


行政機関

理学療法士が行政機関で働こうとするときは、保健所や社会福祉協議会、各自治体の役場、地域包括支援センターなどが主な勤務先となります。医療機関や福祉施設などと異なり、行政機関においては理学療法士が直接ケアに携わらないこともあるので、事前に志望先の業務について把握しておきましょう。

地域において健康増進のための企画やイベントを行ったり、生活習慣病の予防指導に取り組んだりします。また、リハビリ教室の運営に携わるケースや乳幼児健診での身体機能評価などを行います。

理学療法士は臨床以外の分野においても、幅広く活躍する機会がある職業だといえるでしょう。

スポーツ施設

理学療法士として活躍できる場は、フィットネスジムやプロスポーツチームなども挙げられます。トレーニングに関する指導やアドバイスを行うだけでなく、スポーツなどでケガをした方の運動機能回復を目指してリハビリテーションをすることもあるでしょう。

プロのスポーツチームで働くときは、理学療法士としての知識だけでなく、それぞれの競技についての専門的な知識も求められるといえます。また、フィットネスジムに通う方は健康への意識が高い傾向が見られるので、健康増進や生活習慣病の指導などが行えるとよいでしょう。

理学療法士の志望動機を書くときの5つのポイント

理学療法士の志望動機のポイント



理学療法士の志望動機をまとめるときは、次の5つのポイントを押さえておく必要があります。

・理学療法士を目指したきっかけを触れる
・応募先企業を選んだ理由を書く
・求められている人材像を把握する
・自分の強みをどう仕事に活かせるのかをアピールする
・今後のキャリア形成についても考える

それぞれのポイントについて、大事な部分を解説します。

理学療法士を目指したきっかけを触れる

志望動機を書くにあたって、まず重要なことは「なぜ理学療法士を志したのか」という点が挙げられます。理学療法士は専門的な職種であり、医療や福祉の現場で働こうとするからには、それなりのきっかけがあるはずです。

他の職種ではなく、どうして理学療法士の道を選んだのかを志望動機に盛り込んでみましょう。これまでの経験や思いなどを振り返ってエピソードとしてまとめ、伝えていくことが大切です。

応募先企業を選んだ理由を書く

理学療法士が活躍できる場所は、医療機関や福祉施設、行政機関など多岐にわたります。数多くの候補のなかから、どうして応募先の企業を選んだのかを志望動機に書いてみましょう。

採用する側からすれば、熱意や経験が豊富な人には長く働いてもらいたいと考えるため、「なぜ弊社を選んだのか」といった点が知りたいといえます。これまでの実績や業務経験を振り返ったうえで、長く働けることをアピールしてみましょう。

また、結婚や出産、子育て、介護など今後のライフステージの変化も考慮して、どれくらいの期間働けるのかを自分なりに整理しておくことも大切です。

求められている人材像を把握する

しっかりとした志望動機を書くには、応募先の情報を事前によくリサーチしておくことが必要です。組織によって掲げている経営理念や事業方針、運営体制などは異なるため、どのような人材を求めているのかを把握しておきましょう。

募集要項などに、求める人材像などの項目が記載されていれば、志望動機をまとめるうえで大きな参考資料となるはずです。「この理念に共感したので働きたい」といったことがきちんと伝わる内容でまとめてみましょう。

自分の強みをどう仕事に活かせるのかをアピールする

採用現場においては、どの組織もできるだけ優れた人材を採用したいと考えています。したがって、単にこれまで得てきたスキルや経験などの自分の強みをアピールするだけでは、志望動機として不十分だといえます。

自分が備えている強みを入社した後に、どのような形で仕事に活かしていけるのかを丁寧に説明していくことが大切です。そのためには、今まで築いてきたキャリアを1つずつ見直し、実際の業務に当てはめて考えてみることが必要だといえます。

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今後のキャリア形成についても考える

志望動機を作成する際は、就職することだけを目的とするのではなく、今後のキャリアについても同時に考えてみるとよいでしょう。将来のキャリアに対して、自分なりの考えを述べることで「長く働いてくれる人材」だという説得力を持たせられます。

理学療法士として、どのようなキャリアを築けるのかを調べたうえで、応募先の企業で叶えたいキャリアプランを立ててみましょう。具体的なキャリアプランを提示することで、採用担当者からの評価も高まるはずです。

【例文】理学療法士の志望動機の書き方

理学療法士の志望動機の例文



理学療法士の志望動機を作成するには、例文を参考にしながらまとめてみるとスムーズです。それぞれのケースにおける例文を紹介します。

1.医療機関の場合

医療機関向けの志望動機として、以下の例文が挙げられます。

私が貴院を志望したのは、特にスポーツの分野におけるリハビリテーションに力を入れている点に関心を抱いたからです。

私が理学療法士を目指したのは、中学生のときの部活動でケガをしたときに、医療機関でリハビリテーションを受けた経験がもとになっています。専門的な知識ときめ細やかなサポートを行ってくださった理学療法士の方に深い敬意を抱き、職業そのものに興味を抱きました。

プロのスポーツ選手だけでなく、スポーツに親しむすべての人にとって、頼りになる存在になれるように精進いたします。


応募先の専門分野などをきちんとリサーチしたうえで、自らのエピソードと絡めながら志望動機をまとめてみましょう。

2.福祉施設の場合

福祉施設向けの志望動機として、以下の例文が挙げられます。

貴施設の「安らぎを与えるケア」という理念に共感し、志望しました。

私が理学療法士を目指したのは、祖父の介護がきっかけでした。以前は元気そのものであった祖父でしたが、大きな病気を患い、介護が必要になりました。

手足の硬直を防ぐためにマッサージをしてあげたり、天気の良い日は一緒に庭まで散歩をしたりしているうちに、初めは暗い表情をしていた祖父に笑顔が戻ってくるという体験をしました。

「少しでも元の暮らしに戻るサポートがしたい」と私は考えるようになり、大学では福祉に関する学部に在籍していました。貴施設に応募したのは、学生のときにボランティアで参加させていただいたのがきっかけです。

多くの利用者の方々と接するスタッフの方の仕事ぶりに感銘を受け、私も1つひとつの業務を通じて、利用者の方から頼りにされる存在になりたいと感じています。


福祉施設に応募するときは、親族の介護やボランティア活動といった福祉に関する体験などを盛り込んでみるとよいでしょう。

3.入所・通所施設の場合

入所・通所施設向けの志望動機として、以下の例文が挙げられます。

貴施設が掲げる「ひとりひとりに寄り添う医療」という考えに共感し、志望しました。

私が住んでいる地域にある児童福祉施設でボランティアをしたことが、理学療法士としてのキャリアを目指すきっかけとなりました。ボランティア活動を通じて、子どもたちやご家族の方と接しているうちに、実にさまざまな悩みや不安を抱えていることを知りました。

当時は学生の立場でしたので話を聞くしかできませんでしたが、「何か自分にできることはないだろうか」という思いが強くなり、医療や福祉関係の仕事を調べているうちに、理学療法士という職種があることを知りました。

身体機能や運動についての専門知識を持ち、1人ひとりの状況に応じたプログラムを立て、寄り添える存在として私は理学療法士という職種に魅力を感じております。今後はさらに専門性を磨き、貴施設での業務を通じて、多くの子どもたちやご家族の幸せな暮らしを支える存在として励んでいきたいと思っています。


専門職である理学療法士として、どのように貢献していきたいかを志望動機に書いておきましょう。

4.教育・研究機関の場合

教育・研究機関向けの志望動機として、以下の例文が挙げられます。

私が理学療法士を志すことになったのは、大学時代にお世話になった先生の考えに感銘を受けたからです。

大学では理学療法に関する専門的な知識だけでなく、患者の目線に立ってプロとしてどのように接するべきかを教えていただきました。また、単に技術や知識を身につけるだけでなく、プロとしての専門性と人間性の両方を備え、患者1人ひとりの状況を的確に把握して向き合っていくことが、理学療法士として求められるものだと学びました。

大学を卒業してから10年にわたって、さまざまな医療機関や福祉施設で勤務し、多くの方と接するうちにプロとして成長できたと思います。これからは今まで培った実務経験を活かし、未来を担う理学療法士たちに知識と技術、そして心構えを伝えていきたいと考えています。


どのような姿勢で理学療法士の後進を育成していきたいかをまとめてみると、強いアピールポイントになるでしょう。

5.行政機関の場合

行政機関向けの志望動機として、以下の例文が挙げられます。

貴所が長年にわたって、地域住民の健康維持と疾病予防に努められている点に感銘を受け、志望しました。私は地域の方と身近なところで関われる理学療法士を目指したいと考えており、保健所での勤務に大きな関心を抱いています。

大学での学びを通じて、公衆衛生が果たす役割の大きさを実感し、理学療法士の道を目指すきっかけを得ました。貴所で働かせていただけるのなら、地域コミュニティの健康増進に貢献していきたいと考えています。


保健所という暮らしに身近な行政機関が果たしている役割を把握したうえで、志望動機を考えていくことが大切です。

6.スポーツ施設の場合

スポーツ施設向けの志望動機として、以下の例文が挙げられます。

貴施設が掲げる「アスリートための医療」という考えに共感し、志望しました。

私は表舞台で活躍しているアスリートを支える存在として、スポーツ施設で働くことに強い関心を抱いています。貴施設は以前から、アスリートのケアに強みを持っており、スポーツ医学とリハビリテーションの技術に高いレベルがあると感じています。

個々のアスリートの身体的な特性と競技の特性を踏まえ、ケガの予防だけでなく、パフォーマンスの向上につながるプログラムの実施を考えています。貴施設の業務を通じて、さらに専門性を高め、多くのアスリートの力になれる理学療法士を目指しています。


スポーツ施設での勤務を通じて、どのような貢献ができるのかを志望動機に盛り込んでみましょう。

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志望動機を作成するときの注意点

理学療法士の志望動機作成の注意点



理学療法士としての志望動機を書くときには、気をつけておきたいポイントがいくつかあります。どのような表現に注意すべきかを解説します。

ネガティブな表現は避ける

志望動機を書く際に避けるべき表現として、前職での不平や不満が挙げられます。待遇面や業務、人間関係などでネガティブな表現を用いてしまうと、採用担当者にマイナスの印象を与えてしまうでしょう。

仮にネガティブな経験であっても、どのように乗り越えて自分自身を成長させていったのかを書くことが大切です。例えば、前職で「同じ業務しかさせてもらえなかった」といった内容であれば、志望動機としては「さまざまな業務経験を積める現場で働きたい」というように言い換えることができます。

これまでの出来事をそのまま述べるのではなく、前向きな表現に変えてアピールしていくことが重要です。

読み手の目線で文章をまとめる

志望動機は自分の言葉で書くことが大切ですが、常に読み手の目線で文章をまとめてみましょう。文章構成がわかりやすくなっているかや、冗長な文章になっていないかなどをチェックすることが大切です。

エピソードなどを盛り込むときは、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を明らかにして、文章の前後関係がわかるように工夫することが大事です。書き上げた志望動機をすぐに提出するのではなく、時間を置いて読み返したり、身近な友人や知人に読んでもらって感想をもらったりするとよいでしょう。

自分らしいエピソードをもとに、志望動機をまとめよう

勤務先に合う理学療法士の志望動機を考えよう



身体機能の維持や低下防止のための治療やリハビリテーションを行うのが、理学療法士の役割です。医療機関をはじめ、福祉施設や行政機関などさまざまな場所で活躍できる職業だといえます。

応募先が掲げる理念や求める人材像をしっかりと把握したうえで、志望動機をまとめていくことが大切です。今までの経験や培ってきたスキルを振り返り、自分らしい言葉で文章をまとめてみましょう。

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