【製造業・生産業】職務経歴書の書き方とテンプレート例|分野別の内容やポイント

転職活動において職務経歴書は自分の強みや実績をアピールする重要な書類です。特に製造業や生産業では、具体的な技術スキルや実務経験、成果を明確に伝えることが採用につながります。しかし「どのように書けばよいか」「何をアピールすべきか」と悩む方も少なくありません。
この記事では、製造業・生産業における効果的な職務経歴書の書き方やポイント、業界特有の注意点などを解説します。また、部門別の記入例も紹介していますので、自分の経歴に合わせた職務経歴書作成の参考にしてください。
製造業の職務経歴書の構成と内容
製造業の職務経歴書を作る際には、基本的な構成を理解し、自分の経験や実績を効果的に伝えることが大切です。採用担当者があなたのスキルや経験を適切に評価できるよう、以下の項目を含めた構成にしましょう。
職務要約
職務要約は職務経歴書の冒頭に記載する項目で、これまでの職務経験の概要を簡潔にまとめる部分です。製造業での経験年数や携わった分野を明記し、自分のキャリアの強みや特徴を端的に示します。
採用担当者はまずこの部分を読んで、あなたの経歴の全体像をつかみます。自分の専門領域や得意分野を強調し、応募先企業の求める人材像に合致することをアピールしましょう。
職務経歴
職務経歴では、各職場での業務内容を時系列で具体的に記載します。製造業では特に、担当した製品や工程、使用設備などを詳細に記述することが重要です。
記載すべき内容としては、所属していた部署や役職、担当範囲、チームサイズなどの情報を含めると良いでしょう。また、製造ラインの立ち上げや改善活動への参加経験なども積極的に記載することで、実務能力をアピールすることができます。
実績・成績・成果
製造業の職務経歴には、生産性向上や品質改善などの具体的な数値実績を示すことが効果的です。コスト削減や効率化の成果を金額や比率で示したり、改善活動での貢献内容や成果を具体的に記載したりすることで、あなたの実力を客観的に伝えられます。
受賞歴や評価された実績があれば、それらも積極的に明記しましょう。数値化できる実績は必ず数字で表現し、インパクトを与えることが大切です。
スキル・資格
製造業に関連する国家資格や民間資格、操作可能な機械設備や測定器、使用できるソフトウェアなどをリストアップします。品質管理手法や改善活動手法の習熟度、語学力やコミュニケーションスキルなども記載しましょう。
特に製造業では、技術系資格や専門スキルが重視されるため、取得年月とともに漏れなく記載することが重要です。今後活かせるスキルをアピールすることで、即戦力として評価されやすくなります。
自己PR
自己PRでは、製造業で活かせる自分の強みや特性をアピールします。技術者としての姿勢や製品品質へのこだわり、チームワークや問題解決能力についての自己評価など、数値では表現できない強みを記載しましょう。
また、今後のキャリアビジョンや成長意欲についても触れると、積極的な姿勢をアピールできます。自己PRは単なる自画自賛ではなく、具体的なエピソードを交えて説得力を持たせることが大切です。
製造業の職務経歴書の書き方

職務経歴書を作成する際には、製造業特有のポイントを押さえることが重要です。以下では、効果的な書き方のポイントを解説します。
業務内容や成果などを具体的に書く
製造業の職務経歴書では、抽象的な表現を避け、具体的な業務内容を詳細に記述することが大切です。「何を」「どのように」「どのような成果を出したか」を明確にし、技術用語や専門用語を適切に使用して専門性をアピールしましょう。
数値やデータを用いて成果を客観的に示すことで、実績に説得力が生まれます。例えば、「生産効率を向上させた」などの抽象的な表現ではなく、「段取り時間の短縮により生産効率を20%向上させた」と具体的に記載するとよいでしょう。
資格やスキルは関連するものをすべて書く
製造業に直接関連する資格は取得年月も含めて全て記載しましょう。操作可能な設備や機械、使用経験のあるソフトウェアを列挙し、品質管理や生産管理などの手法の習熟度も明記します。
また、自己啓発で学んだ関連知識やスキルも含めることで、向上心や専門性をアピールできます。特に製造業では専門スキルが重視されるため、小さな資格や経験でも記載することが大切です。
冒頭から締めくくりまでの流れや構成を守る
職務経歴書は、職務要約→職務経歴→実績・成果→資格・スキル→自己PRという流れで構成すると読みやすくなります。時系列で整理し、キャリアの流れが分かりやすいように記載しましょう。
見出しや箇条書きを活用して読みやすさを意識し、全体のバランスを考慮して重要な内容に適切なスペースを割くことが大切です。読み手である採用担当者の負担を減らすことを意識した構成にすることがポイントです。
自主的に行った改善活動や業務効率化の事例をアピールする
製造業では、現場改善や効率化の取り組みが高く評価されます。作業手順の見直しによる生産効率向上、不良品削減のためのチェック体制の改善、5S活動やカイゼン提案などの実績をアピールしましょう。
また、業務マニュアルの作成・更新や新人教育・指導の仕組みづくりなど、業務の標準化や人材育成に関わる取り組みも評価ポイントになります。具体的な取り組み内容と成果を含めて記載することが重要です。
製造プロセス改善の実績やコスト削減の成果を記載する
製造業では、新しい生産方式の導入による生産性向上や設備の改善・最適化による稼働率向上、廃棄ロス削減の取り組みなど、製造プロセス改善の実績が重要視されます。特に数値で示せる成果は積極的に記載しましょう。
部品・資材調達の見直しによるコスト削減や作業の自動化・デジタル化の導入などの実績があれば、具体的な内容と成果を記載します。これらの実績は、問題解決能力や改善意識の高さをアピールする重要な要素です。
製造業の職務経歴書を書くときの注意点

効果的な職務経歴書を作るためには、いくつかの注意点があります。製造業特有の観点も踏まえて、押さえておくべきポイントを解説します。
全体のバランスを意識する
職務経歴書を作成する際には、各セクションの分量を適切に配分することが重要です。重要な経験や実績は詳しく、それ以外は簡潔に記載し、メリハリをつけましょう。
また、文章と箇条書きをバランスよく使い分け、視覚的にも読みやすいレイアウトを心がけることで、採用担当者に好印象を与えられます。特に製造業の場合、技術的な内容が多くなりがちなので、要点を絞って読みやすく整理することが大切です。
例えば、職務要約は200文字程度、職務経歴は各社ごとに箇条書きで3〜5項目、実績は数値を含めて具体的に3〜4項目、といった具合に適切に配分しましょう。また、見出しを明確にし、適度な空白を設けることで視認性を高めることも重要です。
数値やデータなどを記載する
製造業の職務経歴書では、生産性向上率や不良率低減などの具体的数値を記載することが重要です。コスト削減額や削減率、担当ラインの生産量や担当プロジェクトの規模など、できるだけ定量的な表現を用いましょう。
具体的な数値がない場合でも、「約2倍に向上」「半減させた」など、可能な限り定量的な表現を心がけることで、実績の大きさが伝わります。数値化することで、あなたの貢献度や成果の大きさが可視化されるでしょう。
専門用語や業界用語を適切に使用する
製造業の職務経歴書では、専門用語や業界用語を適切に使用することで専門性をアピールできますが、人事担当者にも伝わるように簡単な説明を加えることが重要です。特に製造業では部署によって使用する専門用語が異なる場合があります。
技術職の採用担当者なら専門用語はそのままでも理解してもらえますが、人事部門の担当者が最初に目を通す可能性を考慮し、専門性と分かりやすさのバランスを取りましょう。具体例とセットで説明すると伝わりやすくなります。
作成後に必ず見直す
職務経歴書は作成後に必ず見直しを行いましょう。誤字脱字や文法ミスがないかチェックするのはもちろん、技術用語や会社名などの固有名詞が正確かどうかも確認することが大切です。
また、論理的な一貫性や時系列の整合性を確認し、可能であれば第三者に読んでもらって客観的な意見を取り入れることも有効です。特に製造業の場合、専門用語や略語が正確に記載されているかどうかの確認が重要です。
職務経歴書の最終チェックポイントとしては、以下の点に注意しましょう。
職務経歴書の最終チェックポイント
・誤字脱字や文法ミスがないか
・日付や数値に誤りがないか
・専門用語や会社名などの固有名詞は正確か
・時系列が整合しているか
・各セクションのバランスは適切か
・文章の長さや構成は読みやすいか
・応募先企業の求める人材像に合致しているか
これらをチェックすることで、プロフェッショナルな印象を与える職務経歴書に仕上がります。
【分野・部門別】製造業・生産業の職務経歴書のサンプル例文

製造業・生産業には様々な分野や部門があり、それぞれ特徴的なスキルや実績のアピールポイントがあります。ここでは主要な分野別に職務経歴書の記入例を紹介します。
電気電子系の職務経歴書のサンプル例文
電気電子系の職種では、回路設計や電子部品製造、検査などの経験が重要視されます。使用可能な測定機器や検査装置、設計ツールなどの具体的スキルをアピールしましょう。
電気電子系の職務経歴書のサンプル例文
【職務経歴】
□2015年4月〜現在 株式会社〇〇エレクトロニクス
【業務内容】
<所属>
電子デバイス事業部 製造部
<担当業務>
・車載用電子部品(ECU、センサー類)の製造ライン管理
・SMT実装機の操作・調整、生産条件の最適化
・検査工程(外観検査、電気特性検査)の管理
・歩留まり向上のための改善活動推進
<実績>
・実装ラインの段取り最適化により生産効率20%向上
・はんだ付け条件の見直しによる不良率低減(3.2%→0.8%)
・検査工程の自動化推進により人員を3名削減
■ 活かせる経験・知識・技術
・SMT実装機(〇〇社製)の操作・調整
・はんだ付け技術(手はんだ、リフロー、ウェーブ)
・各種検査装置(AOI、ICT、FCT)の操作
・電気回路の基礎知識
・CADツール(Altium Designer)の基本操作
電子部品製造の具体的な経験や装置操作スキルをアピールし、数値実績で効果を示すことが重要です。
機械系の職務経歴書のサンプル例文
機械系の職種では、機械加工や組立、機械設計などの経験が評価されます。使用できる工作機械や設計ツール、品質管理手法などを具体的に記載しましょう。
機械系の職務経歴書のサンプル例文
【職務経歴】
□2016年4月〜 現在株式会社〇〇マシナリー
【業務内容】
<所属>
生産部 機械加工課
<担当業務>
・NC旋盤、マシニングセンタによる精密部品の加工
・工作機械のプログラミングと段取り
・加工条件の最適化と治具設計
・品質管理(寸法測定、表面粗さ測定等)
・5S活動の推進
<実績>
・難削材の加工条件最適化により工具寿命を2倍に延長
・複数工程を集約した治具開発により加工時間30%短縮
・作業手順の標準化により品質不良を年間35件から8件に削減
■ 活かせる経験・知識・技術
・NC旋盤(〇〇社製、□□型)のプログラミング・操作
・マシニングセンタ(△△社製)のプログラミング・操作
・3次元CAD(SolidWorks)による設計
・測定機器(マイクロメーター、ノギス、三次元測定機等)の操作 ・図面読解
・幾何公差の理解
機械加工の技術スキルを具体的に記載し、生産性向上や品質改善の実績を数値で示すことが効果的です。
材料系の職務経歴書のサンプル例文
材料系の職種では、素材の特性理解や材料試験、品質管理などの経験が重要になります。扱ってきた材料や分析技術、品質管理手法などを具体的に記載しましょう。
材料系の職務経歴書のサンプル例文
【職務経歴】
□2014年7月〜現在 〇〇化学工業株式会社
【業務内容】
<所属>
材料研究部 複合材料課
<担当業務>
・炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の製造工程管理
・材料特性評価(引張試験、曲げ試験、衝撃試験等)
・成形条件の最適化研究 ・品質データの分析と改善提案
・新材料開発プロジェクトへの参画
<実績>
・成形条件の最適化により不良率を18%から5%に低減
・新素材の試作開発により製品重量20%削減を実現
・材料コスト分析によるサプライヤー変更で年間約500万円のコスト削減
■ 活かせる経験・知識・技術
・複合材料の成形技術(オートクレーブ成形、RTM成形)
・材料試験装置(引張試験機、硬度計等)の操作
・材料解析装置(SEM、FT-IR等)の基本操作
・統計的手法による実験計画・データ分析
・品質管理システムの運用
材料系では特に専門的な知識や分析技術が求められるため、取扱材料や分析手法の具体的記載が重要です。
製造・加工部門の職務経歴書のサンプル例文
製造・加工部門では、具体的な生産設備の操作経験や生産工程の改善実績などをアピールします。製造管理や品質保証の取り組みも重要な評価ポイントです。
製造・加工部門の職務経歴書のサンプル例文
【職務経歴】
□2017年4月〜現在 〇〇製造株式会社
【業務内容】
<所属>
製造部 第一製造課(主任)
<担当業務>
・自動車部品(アルミダイカスト製品)の製造ライン管理
・鋳造工程からバリ取り、機械加工までの一連の製造工程管理
・生産計画策定と進捗管理 ・工程内品質保証活動の推進
・部下10名の作業指導・育成
<実績>
・段取り時間短縮による生産効率25%向上(月間生産数15,000個→18,750個)
・工程内検査の見直しによる不良流出ゼロ達成(12ヶ月連続)
・5S活動推進による作業環境改善(社内コンテストで優秀賞受賞)
・新人教育プログラム構築による習熟期間の短縮(3ヶ月→2ヶ月)
■ 活かせる経験・知識・技術
・アルミダイカストマシン(350t〜650t)の操作・調整
・マシニングセンタ(〇〇社製)のプログラミング・操作
・各種検査機器(三次元測定機、画像測定機等)の操作
・生産管理システムの運用
・ISO9001品質マネジメントシステムの実践
製造・加工部門では具体的な生産設備の操作経験と生産性向上、品質改善の実績が重要です。
品質管理部門の職務経歴書のサンプル例文
品質管理部門では、品質保証システムの運用経験や検査技術、統計的品質管理手法の活用などをアピールします。クレーム対応やトラブル解決の実績も評価されます。
品質管理部門の職務経歴書のサンプル例文
【職務経歴】
□2015年10月〜現在 〇〇工業株式会社
【業務内容】
<所属>
品質保証部 検査課(課長代理)
<担当業務>
・電子部品の品質管理システム運用
・検査基準の策定と検査工程の管理
・不良品解析と是正処置の実施
・顧客クレーム対応と再発防止策の立案
・社内品質監査の実施
・検査員8名の教育・指導
<実績>
・工程内検査方法の改善により最終検査不良率を2.5%から0.5%に低減
・品質管理体制の強化により顧客クレームを前年比60%削減
・検査工程の効率化により検査時間を30%短縮
・品質管理教育の実施による検査員のスキル向上(合格率95%以上を達成)
■ 活かせる経験・知識・技術
・統計的品質管理手法(QC7つ道具、SPC等)の活用
・品質マネジメントシステム(ISO9001、IATF16949)の運用
・各種検査装置(電気特性検査機、X線検査機等)の操作
・不良解析技術(断面観察、特性評価等)
・品質データ分析(Minitab等の統計ソフト活用)
品質管理部門では品質保証システムの知識と品質改善の具体的成果をアピールすることが効果的です。
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