在職中の履歴書の書き方|本人希望欄や退職予定日の記載方法を例文付きで解説

在職中に転職活動を進める際、意外と悩むのが履歴書の書き方です。「現在に至る」や「退職予定日」など、正しく記載しないと誤解を招くおそれもあるので注意が必要です。
本記事では、在職中に履歴書を作成する際の注意点や、採用担当者に好印象を与えるポイントをわかりやすく解説します。ほかにも、在職中に履歴書を作成する際に押さえておきたいポイントを記載例や注意点とあわせて紹介しています。転職活動を円滑に進めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
在職中の履歴書に書く「現在に至る」と「以上」の意味

履歴書によく使われる「現在に至る」「以上」には、正しい意味と使い方があります。混同しないよう確認しましょう。
「現在に至る」は、在職中であることを示す
履歴書の職歴欄における「現在に至る」とは、その職場に在籍中であることを意味し、「在職中」と同じ意味で使われます。在職中に転職活動をする場合、職歴の一番下に「現在に至る」または「在職中」と記載しておくのが基本です。この一文がないと、採用担当者に「すでに退職している」と誤解される可能性があります。
特に、在職中の転職では応募先との誤解を避けるためにも、「現在に至る」という表現を正しく使うことが重要です。
「以上」は、学歴・職歴の終わりを示す
履歴書における「以上」は、「これで学歴・職歴の記載は終わりです」という区切りを示す言葉です。正式なビジネス文書でも文末に「以上」と記すのが通例であり、履歴書も同様に、学歴や職歴の最後に右寄せで「以上」と記載します。
たとえば、現在の勤務先を書いたあとの次の行に「以上」と書くことで、それ以降に続く経歴がないことを明確に伝えることができます。特に在職中の場合でも、職歴の締めくくりとして「以上」を記載することで、履歴書全体が丁寧で誠実な印象になります。
在職中に注意する履歴書の書き方

在職中に履歴書を書く際は、記載ルールや表現に注意が必要です。転職先に失礼のない書き方を意識しましょう。
「現在に至る」「以上」の書き方
履歴書の学歴・職歴欄では、現職についての記載が終わったあとに、1行下げて「現在に至る」または「在職中」と記載し、さらに1行空けて右端に「以上」と書きます。これは現在もその企業に在籍していることと、学歴・職歴の記載が終了したことを示す定型表現です。また、会社名や部署名は略さず、正式名称を使うのがマナーです。たとえば以下のように記載しましょう。
【例文】
年 | 月 | 学歴・職歴 |
学歴 | ||
20XX | 3 | 〇〇高等学校 卒業 |
20XX | 4 | 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学 |
20XX | 3 | 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業 |
職歴 | ||
20XX | 4 | 株式会社〇〇 入社 |
管理部財務課に配属 経理業務・決算処理を担当 | ||
現在に至る | ||
以上 |
「退職予定日」の書き方
在職中に転職活動をしている場合、履歴書には「現在に至る」と記載したうえで、現実的に退職が可能な時期を明記しておくと、採用担当者にとって非常に親切です。特に急募の求人では「いつから働けるか」が選考に直結することもあります。そのため、職歴欄に「現在に至る」と書いたあとに、「◯年◯月退職予定」や「◯年◯月末退職予定」と補足するとよいでしょう。
現職の引き継ぎや有給休暇の消化を考慮した、実現可能なスケジュールで記載することが大切です。記載例は、以下のとおりです。
【例文】
年 | 月 | 学歴・職歴 |
学歴 | ||
20XX | 3 | 〇〇高等学校 卒業 |
20XX | 4 | 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学 |
20XX | 3 | 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業 |
職歴 | ||
20XX | 4 | 株式会社〇〇 入社 |
管理部財務課に配属 経理業務・決算処理を担当 | ||
現在に至る(20XX年X月末退職予定) | ||
以上 |
本人希望記入欄の活用方法

本人希望欄は、応募者の希望を伝える重要な項目です。在職中ならではの記載ポイントを押さえておきましょう。
「連絡可能時間」「連絡手段」の記載方法
在職中に転職活動を行う場合、日中の連絡が難しいことが多いため、履歴書の「本人希望記入欄」を活用して連絡可能な時間帯や連絡手段を記載しておくと、採用担当者に配慮した印象を与えられます。
ただし、あくまで丁寧な言葉遣いで記載し、一方的な希望の押しつけにならないよう注意が必要です。連絡がとれないことで選考に支障が出たり、ほかの応募者に先を越されたりするリスクを避けるためにも、スムーズな連絡方法を自ら提示する姿勢は評価につながります。
具体的には、以下のように記載すると好印象です。
【例文】
本人希望記入欄 |
現在就業中のため、平日9〜18時は電話に出られない場合がございます。ご連絡の際は留守番電話へのメッセージ、もしくはメールをいただけますと幸いです。なお、12〜13時は昼休憩のため対応可能な場合がございます。 |
「退職予定日」「入社可能日」の記載方法
退職予定日や入社可能日を伝える際は、履歴書の「本人希望記入欄」を活用するのも効果的です。採用担当者は選考の段階で「いつから勤務できるか」を重視するため、入社可能なタイミングを明記することで選考がスムーズに進むこともあります。
ただし、未確定の情報を記載するのは避けましょう。「〇月末で退職予定」などと書いたものの、実際には引き継ぎや調整でズレが生じると、企業に迷惑がかかるためです。記載する日付は確実に退職・入社できると断言できる場合のみに限定してください。
また、本人希望欄は長文を避け、簡潔に書くのが基本です。特に希望がなければ「貴社規定に従います」とだけ記載するのもよい方法です。
【例文】
本人希望記入欄 |
退職予定日:2025年6月30日(月) 入社可能日:2025年7月1日(火)より勤務可能 |
在職中の履歴書作成で書かない方がよい内容
在職中に履歴書を作成する際、本人希望記入欄にあまりに細かい希望条件を記載するのは避けたほうが無難です。たとえば「月給は〇万円以上希望」「勤務地は◯区限定」「残業は月10時間以内希望」といったように、自分の条件を並べすぎると、採用担当者に「協調性に欠ける」「柔軟性がない」といった悪印象を与えてしまう可能性があります。
本人希望記入欄は、あくまでも必要最低限の情報にとどめ、簡潔にまとめることが大切です。とくに希望がなければ「貴社の規定に従います」と記入するだけで問題ありません。
有給休暇を消化する場合、「◯年◯月退職予定」と記載する
退職前に有給休暇をすべて消化する予定であっても、履歴書の記載上は「退職日」を基準にします。たとえ最終出勤日が早まっても、正式な退職日までは「在職中」となるため、履歴書には「◯年◯月退職予定」と記載しましょう。最終出勤日と退職日は異なる概念であることを理解しておくことが大切です。
また、面接時には「有給消化を予定しており、円満に退職予定です」と一言添えることで、採用担当者に誤解を与えず、ネガティブな印象を避けることができます。
【例文】
年 | 月 | 学歴・職歴 |
学歴 | ||
20XX | 3 | 〇〇高等学校 卒業 |
20XX | 4 | 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学 |
20XX | 3 | 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業 |
職歴 | ||
20XX | 4 | 株式会社〇〇 入社 |
管理部財務課に配属 経理業務・決算処理を担当 | ||
現在に至る(20XX年X月末退職予定/有給休暇消化中) | ||
以上 |
在職中の履歴書に関してよくある質問

在職中の履歴書作成には悩みがつきものです。よくある疑問とその答えを確認し、不安を解消しておきましょう。
在職中と現在に至るの違いは?
「在職中」と「現在に至る」は、どちらも現在もその職場に勤務していることを示す表現であり、意味に違いはありません。履歴書の職歴欄では、一般的に「現在に至る」が多く使われますが、「在職中」と記載しても問題ありません。大切なのは、どちらかに表記を統一し、履歴書全体のフォーマットに一貫性を持たせることです。
正社員を一日で辞めたら職歴は残りますか?
履歴書には基本的にすべての職歴を正直に記載するのが原則です。正社員として1日だけ勤務した場合でも、社会保険や雇用保険に加入していれば履歴として記録に残ります。無理に隠しても、採用後に経歴詐称と見なされ、信頼を損なうおそれがあります。短期間での退職であっても、正直に「家庭の事情によりやむを得ず退職」などと簡潔に書き、前向きな姿勢で伝える工夫をしましょう。
有給期間は「在職中」に該当しますか?
有給休暇の消化期間中であっても、正式な退職日を迎えるまでは会社との雇用関係が続いているため、「在職中」に該当します。そのため履歴書や面接での説明においては、「退職予定」や「在職中」とするのが適切です。一般的には、有給をすべて消化し終えた翌日が退職日として設定されます。
なお、有給消化中に次の会社へ入社することは、両社の就業規則や雇用契約に反していなければ可能ですが、雇用保険の資格喪失日と新しい資格取得日が重複しないよう注意が必要です。原則として、手続きやリスクを考慮すると、有給消化中の入社は避けたほうが無難です。採用面接では、有給終了日を踏まえた現実的な入社日を伝えるようにしましょう。
退職予定と退社予定どちらが適切ですか?
「退職予定」と「退社予定」は、どちらを使っても意味としては問題ありません。ただし、履歴書のほかの欄で「入社」「退社」と記載している場合は、「退社予定」と表記を揃えるほうが見た目にも統一感があり、丁寧な印象を与えます。
書類全体で「退職」と「退社」のどちらかに表現を統一することを意識しましょう。
まだ退職することが決まっていない場合は伝えるべきですか?
在職中の職場にまだ退職の意思を伝えておらず、退職予定日が正式に決まっていない場合は、履歴書に無理に記載する必要はありません。ただし、入社希望日が明確であれば「◯月◯日から勤務可能」と本人希望欄などで伝えておくと、採用担当者にとって参考になります。
とくに入社可能日が柔軟である場合は、「◯月中であれば調整可能です」などと伝えるのも一案です。また、履歴書に退職予定日を記入していない場合でも、面接時には「おおよそいつ頃から入社可能か」を尋ねられることが多いため、目安となるスケジュールは事前に考えておくようにしましょう。
入社希望時期は記入したほうがいいですか?
まだ退職予定日が決まっていない場合でも、「未定」と記入しておくことは可能ですが、できるだけ目安の時期を伝えるように準備しておくとよいでしょう。入社希望時期は、選考スケジュールや採用可否に関わる重要な情報のひとつです。面接時には「現在、退職時期について会社と調整中です」と現状を説明することが大切です。
企業が早期入社を希望しているケースもあるため、具体的な入社可能日を伝える準備ができていると、採用側に安心感を与えることができます。
在職中の履歴書のポイントを押さえ、転職のチャンスを広げよう

在職中の履歴書作成では、「現在に至る」や「退職予定日」などの表記を正しく使い、本人希望欄も簡潔かつ丁寧にまとめることが重要です。
この記事でご紹介したポイントを意識することで、採用担当者に好印象を与え、転職活動をスムーズに進められるでしょう。
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