履歴書の送付状はスマホで作成できる|書き方や無料テンプレートを紹介

就職・転職活動において、履歴書を企業に送る際に添えるのが「送付状」です。パソコンを持っていない方やパソコンが使えない状況でも、スマホだけで送付状を作成できることをご存知でしょうか。
本記事では、スマホでの送付状作成方法や書き方のポイント、無料テンプレートまで詳しく解説します。なぜ送付状を付けるのかも合わせて解説しています。ぜひ参考にしてください。
履歴書の送付状はスマホで作成しても問題ない

結論から言うと、履歴書の送付状はスマホで作成しても全く問題ありません。ExcelやWordなどのオフィスアプリのモバイル版を使えば、パソコンがなくても十分プロフェッショナルな送付状を作成できます。
またスマホ専用の履歴書作成アプリやWebサービスも充実しており、テンプレートを活用すれば簡単に送付状を作成できます。特に就活中の学生や忙しい社会人にとって、通勤中や外出先でも作業できるメリットは大きいでしょう。
ただし、パソコンと比べると画面が小さいため、全体のバランスや文字数、誤字脱字には特に注意が必要です。作成後は必ず全体を確認し、問題がないか細かくチェックしてください。
履歴書の送付状が必要な理由

送付状はただの形式的な書類ではなく、さまざまな重要な役割を担っています。なぜ送付状が必要なのか、その理由を詳しく見ていきましょう。
先方への挨拶状
送付状は、本題に入る前のあいさつの役割を担っています。ビジネスの場で商談の前にアイスブレイクをするように、応募書類を読む前のクッション効果も期待できます。
例えば、季節の挨拶から始めることで丁寧さを表現し、最初の印象を良くする効果があります。「拝啓 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」といった書き出しは、相手への敬意を示す重要な要素です。
中身を知らせるための表書き
送付状は、封筒の中に何が入っているのかを知らせる「表書き」としての役割も果たします。採用担当者は日々多くの書類を受け取っており、何の書類か一目でわかることで業務の効率化につながるでしょう。
履歴書や職務経歴書などの同封書類を明記することで、書類の抜け漏れがないかの確認もしやすくなります。これは採用担当者の負担を減らす配慮でもあり、好印象につながるポイントです。
補足事項を伝える手段
送付状は、履歴書や職務経歴書では伝えきれない補足事項を記載できる貴重な手段です。
例えば、「貴社の〇〇プロジェクトに特に関心があります」といった具体的な情報や、「〇日以降であれば、いつでも面接に伺えます」といったスケジュールの補足など、応募書類への興味を高める情報を添えられます。
ただし、補足事項は簡潔に記すことが重要です。長文になりすぎると、送付状本来の役割から逸脱してしまいます。
ビジネスマナー
送付状を添えることは、ビジネスマナーが身についているというサインでもあります。特に郵送の場合は直接挨拶ができないため、送付状で挨拶の代わりとすることが一般的なマナーとされています。
転職活動では、ビジネスマナーを心得ていることも評価の対象です。特に中途採用の場合は、社会人としての基本的なマナーを備えているかどうかが重視されるため、送付状を添えることで好印象を与えられるでしょう。
履歴書の送付状が必要なケースと不要なケース

送付状が必要な場合と不要な場合を理解しておくことで、状況に応じた適切な対応ができます。必要なケースと不要なケースについて解説します。
必要なケース
基本的には、履歴書を送付する際には送付状を添えるのが望ましいと考えておくとよいでしょう。特に以下のケースでは送付状が必要です。
送付状が必要なケース
・郵送で応募書類を送る場合
・メールに履歴書のPDFを添付して送る場合
・転職エージェントを通して応募書類を提出する場合
・複数の書類を送る場合
基本的には、応募者側から書類を送付する場合に必要だと思っておいてください。
不要なケース
一方、以下のようなケースでは送付状が不要な場合があります。
送付状が不要なケース
・面接時に直接履歴書を持参する場合
・企業の採用フォームから応募する場合
迷った場合は、送付状を添える方が無難です。丁寧すぎることでマイナス評価になることはほとんどありません。
履歴書の送付状のテンプレートと書き方

送付状の基本的な書き方とテンプレートを紹介します。以下の送付状が一般的です。
例文
2024年3月22日 株式会社〇〇 人事部 採用担当 △△ 様 〒123-4567 東京都〇〇区△△1-2-3 山田 太郎 電話:090-1234-5678 履歴書送付の件 拝啓 春暖の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 この度、貴社の〇〇職に応募するため、履歴書および職務経歴書を送付いたします。私は△△業界で5年の経験があり、特に□□の分野で実績を積んでまいりました。貴社の「××」という理念に共感し、培ってきたスキルを活かして貢献したいと考えております。 ご多忙中恐縮ですが、書類選考の上、ぜひ面接のお時間をいただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。 敬具 記 ・履歴書 1通 ・職務経歴書 1通 ・資格証明書(〇〇資格) 1通 以上 |
このテンプレートを参考に、各要素について詳しく解説します。
送付年月日
送付年月日は、実際に書類を投函する日付を記載します。記載日ではなく、投函日である点に注意してください。持参する場合はその日付を記載するのがマナーです。
日付は算用数字(1、2、3...)で記載するのが一般的です。和暦・西暦どちらでも問題ありませんが、履歴書や職務経歴書と表記をそろえるとよいでしょう。
宛先
宛先には、応募企業の名前と部署名、可能であれば担当者名を正式名称で記載します。
宛先の書き方
・部署宛の場合:「株式会社〇〇 人事部 御中」
・担当者個人宛の場合:「株式会社〇〇 人事部 採用担当 〇〇 様」
法人格の表記は、「(株)」などと省略せず、「株式会社」と正式名称で書くのがマナーです。また、部署宛なら「御中」、個人宛なら「様」を使い分けましょう。
署名
署名欄には、応募者の情報を記載します。必要な情報は以下のとおりです。
履歴書の基本情報
・郵便番号
・住所
・氏名
・電話番号
・メールアドレス
特に電話番号とメールアドレスは、企業からの連絡がスムーズに届くよう、日中に連絡がつきやすいものを記載しましょう。
時候の挨拶
送付状は「拝啓」で始め、本文の最後に「敬具」で締めくくるのが基本です。また、時候の挨拶(季語)を入れることで、より丁寧な印象を与えられます。
時候の挨拶は時期によって異なりますが、以下を参考にして送付状を出すタイミングに合わせて使い分けましょう。
時候の挨拶の例
月 | 時候の挨拶 |
1月 | 新春のみぎり、貴社におかれましてはいよいよご繁栄のことと拝察し、心よりお慶び申し上げます。 厳冬の折、貴社がさらなるご隆盛を遂げられますよう、慶びに堪えません。 寒烈の候、貴社には変わらぬご清祥と拝見し、誠に何よりと存じます。 |
2月 | 晩冬のみぎり、貴社におかれましてはなおいっそうのご隆昌と拝察し、何よりと存じます。 立春の折、貴社には弥増すご発展のご様子と拝し、慶びに堪えません。 雨水の頃、貴社が変わらぬご清祥を保たれますよう、まことに喜ばしく存じます。 |
3月 | 早春のみぎり、貴社がより一層のご繁盛を遂げられますよう、心よりお慶び申し上げます。 浅春の折、貴社におかれましてはますますご隆盛のことと拝し、慶賀の念に堪えません。 春陽の候、貴社が日増しにご清栄を重ねておられるご様子、何よりと存じます。 |
4月 | 春暖のみぎり、貴社におかれましては一段とご活躍と拝察し、誠に喜ばしく存じます。 麗春の折、貴社がいよいよご繁栄の道を進まれますよう、心よりお慶び申し上げます。 惜春の頃、貴社にはさらなるご隆盛と拝し、大慶の至りに存じます。 |
5月 | 穀雨のみぎり、貴社がいよいよご隆盛を深めておられると拝見し、慶びに堪えません。 青葉の折、貴社におかれましては変わらぬご清祥と存じ、何よりと存じます。 初夏の頃、貴社がさらなるご発展を遂げられますよう、心よりお慶び申し上げます。 |
6月 | 向暑のみぎり、貴社におかれましてはますますのご隆昌と拝し、まことに喜ばしく存じます。 入梅の折、貴社が一段とご繁盛を重ねておられるご様子を拝察し、慶賀に堪えません。 霖雨の頃、貴社におかれましては変わらぬご隆盛ぶりと拝見し、大いに安堵いたします。 |
7月 | 盛夏のみぎり、貴社におかれましては日増しにご清栄と拝察し、誠に何よりと存じます。 仲夏の折、貴社がいよいよご発展を遂げられますこと、心よりお慶び申し上げます。 大暑の頃、貴社におかれましてはますますのご隆昌ぶりと拝見し、慶びに堪えません。 |
8月 | 三伏のみぎり、貴社におかれましては変わらぬご健勝と拝し、まことに喜ばしく存じます。 晩夏の折、貴社がさらなるご繁栄を築いておられますよう、何よりと存じます。 納涼の頃、貴社におかれましてはますますのご隆昌と拝察し、大慶に存じます。 |
9月 | 秋暑のみぎり、貴社がいよいよご隆盛のご様子と拝し、心からお慶び申し上げます。 仲秋の折、貴社におかれましては一段とご清祥を保たれていると拝見し、何よりと存じます。 秋晴の頃、貴社がより一層のご繁盛となられますこと、誠に喜ばしく存じます。 |
10月 | 秋冷のみぎり、貴社にはいよいよご発展の道を歩まれていると拝し、慶賀の至りです。 寒露の折、貴社が変わらぬご隆昌を続けておられますこと、心からお慶び申し上げます。 霜降の頃、貴社におかれましては一段とご繁盛とお見受けし、まことに何よりと存じます。 |
11月 | 立冬のみぎり、貴社が揺るぎないご隆昌を保たれていると拝見し、誠に喜ばしく存じます。 向寒の折、貴社におかれましてはなおいっそうのご清栄のご様子と拝察し、安堵いたします。 霜秋の頃、貴社がご活躍の幅を広げられているご様子、慶賀の念に堪えません。 |
12月 | 師走のみぎり、貴社におかれましては変わらぬご健勝と拝し、心よりお慶び申し上げます。 霜寒の折、貴社が一層のご隆盛を深めておられますこと、まことに慶ばしく存じます。 歳晩の頃、貴社におかれましてはいよいよのご清祥と拝察し、大いに喜びに堪えません。 |
面接依頼・自己PR
面接依頼では、どのような経路で応募先を知り、何を希望するのかを書きます。同封書類のみでは味気ない印象を与えてしまいかねないため、必ず面接を依頼する旨を記載してください。
自己PRの基本的な構成としては、まず自分の強みを述べ、それを証明する具体的なエピソードを説明します。その後、応募先でどのようにその強みを活かせるかをアピールしましょう。
結びの言葉
本文の後は、面接への意欲が伝わる結びの言葉で締めくくります。
例文
ご多忙中恐縮ですが、書類選考の上、ぜひ面接のお時間をいただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
上記のひと言のあとに一行空けて「敬具」と書き、締めくくるのが一般的です。
同封書類の記載
最後に、同封している書類を箇条書きで記載します。
例文
記 ・履歴書 1通 ・職務経歴書 1通 ・資格証明書 1通 以上 |
「記」と書いて改行し、同封書類を箇条書きにし、最後に「以上」と記載して送付状は完成です。これにより、採用担当者は一目で同封書類を確認できます。
スマホでの送付状の作り方

スマホで送付状を作成する方法は主に2つあります。それぞれの特徴と使い方を見ていきましょう。
ExcelやWordで作成する
スマホにインストールできるMicrosoft WordやExcelのアプリを使って送付状を作成する方法があります。特にWordには「ビジネスレター」や「送付状」などのテンプレートが用意されているため、それを活用すると効率的です。
メリット
・カスタマイズ性が高く、オリジナルの送付状を作りやすい
・Wordには送付状のテンプレートも多く用意されている
・クラウド同期が可能なため、後でパソコンからも編集できる
作成手順
1 App StoreやGoogle Playからアプリをダウンロード
2 テンプレートから選ぶか、新規作成する
3 必要な情報を入力
4 クラウドに保存またはPDFに変換
ただし、パソコンと比較すると文字サイズが小さいため、誤字脱字や記入漏れに注意が必要です。
Web上の無料ツールで作成する
専用のWebサービスやアプリを利用して送付状を作成する方法もあります。これらのツールは入力フォームに従って情報を入力するだけで送付状が完成するため、初めて送付状を作る方にもおすすめです。
メリット
・専用フォームに入力するだけで簡単に作成できる
・右寄せや左寄せなどの書式設定が自動で行われる
・完成したデータをPDFでダウンロードできる
ただし、印刷前には必ずプレビューを確認し、レイアウトの崩れがないかチェックしましょう。
履歴書の送付状作成に関する注意点

送付状を作成する際の注意点について詳しく解説します。特に転職面接の場合は、ビジネスマナーとしての機能も果たします。以下で説明する注意点を元に、送付状で失敗しないようにしましょう。
A4サイズで作成する
送付状は、一般的に職務経歴書と同じA4サイズで作成するのが標準です。履歴書や職務経歴書がB5サイズの場合は、送付状もB5サイズにそろえるとよいでしょう。
書類のサイズをそろえることで、見た目の統一感が生まれ、整理された印象を与えることができます。A4やB5以外のサイズは避けるべきです。大きすぎても小さすぎてもいけません。A4サイズを基準に、最小でもB5までと認識してください。
1枚に収まる量にする
送付状は基本的に1枚に収めるのがマナーです。送付状の役割は同封書類を明確にすることであり、長文になると本来の目的から逸脱してしまいます。
1枚に収めるために、次章以降で説明するポイントに注意してください。送付状はあくまでも先方への挨拶や表書きであることを、忘れてはいけません。
自己PRや志望動機を長く書きすぎない
送付状はあくまでも同封書類を説明する書類であるため、自己PRや志望動機を長々と書くのは避けましょう。詳細な自己PRや志望動機は履歴書や職務経歴書に記載すべき内容です。
送付状に自己PRを入れる場合も、1〜2文程度にとどめ、端的にまとめることが重要です。長すぎると送付状としての役割を果たしていないと判断される恐れがあります。
希望条件を書かない
給与や勤務時間などの希望条件は、送付状に書くべきではありません。これらは履歴書の「本人希望記入欄」に書くべき内容です。
同様に、前職への不満や転職理由の詳細なども送付状には不適切です。送付状は挨拶と書類の説明が主な役割であることを忘れないようにしましょう。
補足事項を書きすぎない
補足事項が多すぎると、送付状の役割を理解していないと判断されてしまう恐れがあります。一方で、定型文だけで作ると個性がなく、アピールの機会を逃してしまいます。
補足事項は最小限にとどめ、要点を絞って記載するようにしましょう。
コピー用紙で作成してOK
送付状は履歴書のような特別な用紙を使う必要はなく、一般的なコピー用紙(上質紙)で問題ありません。可能であれば、履歴書や職務経歴書と同じ紙質にすると統一感が出ます。
裏紙など使用済みの紙の再利用は絶対にNGです。白色で無地の新しい用紙を使用しましょう。特別な理由がない限り、履歴書や職務経歴書と用紙を合わせるのがベストです。
送付状を一番上にしてクリアファイルに挟む
送付状は他の書類の一番上に置き、クリアファイルに入れるのが一般的なマナーです。これにより、封筒が濡れたり折れたりしても、応募書類が無傷で済みます。書類の順番は以下のようにすると良いでしょう。
クリアファイルに挟む順番
1 送付状
2 履歴書
3 職務経歴書
4 その他の資料(資格証明書など)
クリアファイルは透明な無地のものを選び、派手な色や柄のものは避けましょう。
印刷はコンビニでも問題ない
スマホで作成した送付状は、コンビニのマルチコピー機で印刷しても全く問題ありません。多くのコンビニではUSBメモリやスマホからの印刷サービスを提供しています。
ただし、印刷する際はいくつか注意点があります。
コンビニで印刷する前の注意点
・多くのコンビニ印刷サービスでは、PDF形式でないと印刷できないことが多いため、作成したファイルをPDF形式に変換しておく
・印刷のたびに料金がかかるため、内容に間違いがないか事前によく確認する
・プレビュー機能を使って、印刷イメージを確認してから印刷する
特に色やレイアウトが崩れていないか、文字がはみ出していないかなど、事前に確認することが重要です。
送付状を作って誠実な応募者であることを伝えよう

履歴書の送付状は、単なる形式的な書類ではなく、あなたの誠実さやビジネスマナーへの理解を示す重要なツールです。スマホでも十分なクオリティの送付状を作成できます。ぜひ活用してください。
送付状を丁寧に作成することで、「細部まで気を配れる人材」という印象を与えることができます。就職・転職活動を成功させるためには、こうした小さな積み重ねが大切です。
この記事を参考に、スマホで効率的に送付状を作成し、応募書類の質を高めて採用担当者の目に留まる一歩としてください。
履歴書を作成する際は「ワンポチ」を活用すると、スマホやパソコンを使って、無料かつ簡単に履歴書を作成できます。送付状だけではなく履歴書もスマホで作成できます。ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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